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平成29年12月15日号
書店の経営環境改善を訴える/舩坂会長らが業界首脳と意見交換/日書連

日書連舩坂良雄会長、鈴木喜重副会長(指導教育委員会委員長)、面屋龍延副会長(広報委員会委員長)、井上俊夫理事(指導教育委員会委員)は、11月20日に日本雑誌協会(雑協)の鹿谷史明理事長、同30日に日本書籍出版協会(書協)の相賀昌宏理事長、トーハンの藤井武彦社長、日本出版販売の平林彰社長をそれぞれ訪問して意見交換。「全国小売書店経営実態調査報告書」の分析を元に書店の経営環境改善を訴えるとともに、出版業界の課題を解決するため、出版社、取次、書店で構成する実務者会議の設置を要請した。
各首脳との懇談で舩坂会長は、「街の本屋の経営状況は年を追うごとに厳しくなっている。書店の廃業を食い止め、後継者に引き継いでいけるような環境づくりにぜひご協力をお願いしたい。書店だけが良くなればいいというのではなく、業界三者が意見を出し合う場を設け、お互いに発展する解決策を見つけ出そうというのが私どもの考えだ」と訪問の趣旨を説明。
鈴木副会長は「『全国小売書店経営実態調査報告書』では、経営状態が悪化したという回答が85・2%に上った。指導教育委員会で報告書の内容を分析し、書店経営の改善に向けた課題について議論を重ねた。出版社、取次、書店からそれぞれ現場の仕事に詳しい担当者を出して、問題解決のための実務者会議を設置し、1年ほどの期間で方策を協議したい」と述べた。
面屋副会長は地元大阪の現況について触れ、「雑誌の配達だけ続けたり文具や雑貨、塾などをすることで何とか一息ついている店もある。出版業界を挙げて街の本屋が専業として立ち行くように協議していることを組合員に伝えられたら、明日の経営の力になる」と協力を要請。
井上理事は「最近、一般の新聞でも書店の減少問題が大きく報道され、本当に書店がなくなっていいのかということが問われている。三位一体で知恵を出し合い、より良い出版業界へと進むよう実務者会議の開催をお願いする」と訴えた。
書協との懇談では、相賀理事長と中町英樹専務理事が出席した。相賀理事長は「出版社も、やるべき仕事でやっていないことがまだまだ多いと思っている。書店も仲間のネットワークを使ってどんなビジネスができるかを考えることが必要ではないか。普段本を買わない人をどうやって本屋に呼び込むか、アイデアを皆でたくさん出していくことが重要。業界三者の会議は、お互いの仕事を良く知る人をメンバーにすることが大事だろう」と実務者会議の設置に賛意を表明。
雑協は鹿谷理事長と坂本隆専務理事が出席。鹿谷理事長は「雑誌を一番売っていただいているのは街の本屋。なくなっていくのは出版社にとっても厳しい話で、雑協では店頭に顧客を誘導する様々な施策を講じている。『月刊誌〝とって置き〟キャンペーン』は、5号連続で購入していただくことで来店客数を増やし、スタンプカードの導入により全国の書店で扱えるように実施している。全体のパイが縮んでいるわけだから、業界が三位一体で議論して何が一番いいのかを考えていかなければいけないと思う」と応じた。
トーハンでは、藤井社長、川上浩明専務と懇談した。藤井社長は「出版文化の維持発展は非常に大事で、リアル書店がそれを支えている。書店の経営上の問題点については承知しており、我々も書店に提供するシステムの負担軽減や、店頭の集客をアップする施策など、書店経営をバックアップする取り組みを行っている。業界三者が色々な負担を応分に分かち合いながら共存共栄を図れたらと思う。実務者レベルの協議を持つのであれば対応させていただく」と語った。
日販では、平林社長と安西浩和専務が応対した。平林社長は「8年ほど前に出版流通改革による書店マージン4%増の目標を打ち出し、それに向けた様々な取り組みを現在も行っているところだ」と説明。安西専務が「今後の参考に、日販が進めている施策を紹介したい」と述べ、書店の利益を増やす取り組みとして「PARTNERS契約」を始めとする諸施策や、新刊の事前申し込みができる「アドバンスMD」など商品供給の仕組みを説明した。

経済対策や事業継続の支援策要望/全国中小小売商サミット

日書連など小売10団体で構成する全国中小小売商団体連絡会は、11月16日に東京・千代田区の経済産業省本館で第17回全国中小小売商サミットを開催。日書連から舩坂良雄会長、柴﨑繁副会長が出席した。
サミットの代表者会議では、主催者を代表して全国商店街振興組合連合会・坪井明治理事長があいさつした後、各団体代表者が現状報告。日書連の舩坂会長は書店業界の厳しい状況を述べるとともに、大きな問題として万引対策を取上げ、「出版業界を挙げて万引対策本部を立ち上げたほか、当店のある渋谷で、地域書店が連携して対策を行う『書店万引き防止連絡会』を発足した」と取り組みを説明した。続いて全国青果物商業協同組合連合会の近藤栄一郎会長が、①消費税増税は、個人消費の喚起策を実施するとともに将来不安を払拭する確実な施策を講じた上で行うこと。また軽減税率の導入に当たっては、事務負担等の軽減策を講ずること②地方経済を支える中小小売商業者・商店街等の事業承継・継続のための各種施策及び優遇策を講ずること③中小企業に対する外形標準課税導入は絶対に行わないこと――を求める宣言文を朗読し拍手で採択した。
中小企業庁との懇談会では代表2団体が近況報告を行い、中小企業の厳しい状況を訴えるとともに、支援拡充や消費喚起施策を要望。吉野恭司次長に宣言文を手渡した。
16日はサミット開催に先立ち、坪井理事長ら各団体代表者が世耕弘成経済産業大臣を訪問。翌17日は首相官邸に安倍晋三首相を表敬訪問してサミット宣言文を手渡した。

年末年始の日書連事務局体制

年末年始の特別体制により、日本書店商業組合連合会事務局の業務は、年内は12月27日(水)午後5時をもって終了させていただきます。年明けは1月4日(木)より通常通り業務に復します。ご了承ください。
日本書店商業組合連合会事務局

粗利益は最低30%必要/書店経営存続のため訴える/宮城総会

宮城県書店商業組合は11月19日、仙台市秋保温泉の「佐勘」で第36回通常総会を開き、組合員63名が出席。任期満了に伴う役員改選で藤原直理事長(金港堂)を再選した。
小関眞助副理事長(かほく書店)の開会の辞のあと、藤原理事長があいさつ。「1996年から20年間、出版業界は売上の減少が続いており、特に雑誌の売上が厳しい。組合員数の減少も著しい」と述べ、業界で取り組む問題について「粗利益が少ない。経営を続けるためには30%はほしい。消費税の軽減税率適用を実現したい。将来の10%を超える税率引き上げによる売上減少に歯止めをかけるためにも是非必要だ」と訴えた。また、第70回目を迎える来年度の「書店東北ブロック大会」は仙台で開催することを報告し、組合員に協力を求めた。
引き続き藤原理事長を議長に議案審議を行い、平成29年度事業報告、決算報告、平成30年度事業計画案、収支予算案などすべての議案を原案通り承認した。
役員改選では、選考委員6名による指名推薦を総会に諮り、全員を了承。新理事に石原聖(ジュンク堂書店)、中崎悠人(丸善)、千葉順也(宝文堂ブックサービス)の3氏を選任した。退任理事は小関眞助(かほく書店)、五十嵐裕二(丸善)、塩川祐一(塩川書店)、大久保慎貴(ジュンク堂書店)の4氏。また、副理事長の小関氏は相談役に就任。その他の役員は藤原理事長以下留任となり、新副理事長に佐藤由美氏(朝野堂)が就任した。
梅津専務理事の閉会の辞で総会を終了。このあと永年勤続表彰を行った。今年度の表彰者は16名。勤続10年の平田香緒里(ヤマテル)、片柳善雄(宝文堂ブックサービス)の2氏が代表として表彰状と記念品を受け取った。
第2部では恒例の版元、取次各社の研修会・企画説明会が行われた。
(照井貴広広報委員)

「春夏秋冬本屋です」/「正真正銘の『いいね!!』」/神奈川・長谷川書店ネスパ茅ヶ崎店店長・長谷川静子

「新聞に〝量子コンピューター〟と出ていたので、そのことが分かる本をください」とお尋ねがあり、あったかしら…と思いながら、理科のよみものコーナーをお客様と一緒に探すが、見当たらない。近くにいらした別のお客様が「量子コンピューターならここに載っている」と雑誌のコーナーに誘導し、「別冊ニュートン」を紹介してくださった。初対面のお客様同士でおしゃべりがあり、お目当ての本をお求めいただいた。また、ある時は「干しぶどう酢(マキノ出版)の本はこちらです」とお渡しすると、近くにいらした別のお客様が「私もやってるの。簡単にできて…」と初対面のお客様同士でのおしゃべりが続く。本は娘の家の分もと2冊お求めいただいた。
読書お楽しみ企画(=読書推進活動)ではテキストとして本を購入いただくこともあれば、講演に感銘し、お求めいただくこともある。参加者が同じ時間と場を共有して、お互いに心を通わせ、気に入ってお求めいただくこともある。
先の事例では、正直、店員が本を分からなくて、お客様から教えていただき恐縮した。恥ずかしくても、ありがたいことではある。店頭でもお楽しみ企画でも、これぞ正真正銘の「いいね!!」なのではないだろうか。ちっちゃな「いいね!!」がたくさん出来て、縦に横にと紡いでいきたい。よいお年を。

「築地本マルシェ」に協力/東京組合

東京都書店商業組合(舩坂良雄理事長)は12月5日に東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。各委員会の主な報告・審議事項は次の通り。
〔総務・財務委員会〕
2018年2月17日~18日開催の読書推進イベント「築地本マルシェ」(同実行委員会主催=朝日新聞社などで構成)について後援名義使用を承認した。
〔事業・読書推進委員会〕
増売企画として、KADOKAWAの『西郷どん!』、日経BPの『誰がアパレルを殺すのか』他、集英社の『学習まんが日本の歴史』(全20巻)他について各社の担当者が企画説明を行った。
また「築地本マルシェ」のイベント概要を説明。東京組合として会場での出版物の販売に協力することとなり、担当者の人選を進めていくと報告した。
〔指導・調査委員会〕
11月17日の平成29年度書店経営研修会には36名が参加したと報告があった。
11月29日に開かれた「東京万引き防止官民合同会議」の報告が行われ、平成29年10月末現在の万引認知・検挙件数について、増加を続けていた高齢者の万引は今回減少したものの、占有率は依然高止まりしていることなどを説明した。
全国万引犯罪防止機構(万防機構)の万引防止出版対策本部より、万防機構が毎年実施している「全国小売業万引被害実態調査」への協力依頼があり、18年1月下旬に理事や支部長に調査票が送付されると報告した。

12月29日、1月4日特別発売日/雑誌・コミック約300点を投入

日本雑誌協会(雑協)、日本出版取次協会(取協)、コミック出版社の会の3団体は11月21日に記者会見を開き、2017年12月29日と18年1月4日の2日の「年末年始特別発売日」を軸に「本屋さんへ行こう!キャンペーン」を実施することを発表した。
昨年は出版業界で初めて12月31日を特別発売日に設定し、雑誌130点・800万部、書籍70万部を発売。今回は年末と年始に1日ずつ特別発売日を設け、12月29日に53社・162点(定期誌52点、増刊・別冊22点、ムック72点、コミックス16点)、1月4日に36社・134点(定期誌61点、増刊・別冊11点、ムック12点、コミックス50点)、計296点を発売する。
また、書店店頭の年末年始を盛り上げるため、2つのプレゼント企画を実施。コミックキャラクターを印刷した「しおり」を2500店に先着順に1500枚ずつ配布。「しおり」に記載されている応募サイトにアクセスしてシリアルコードで応募すると人気コミックスの「スタンプ画像」を全員にプレゼント。さらに抽選で1134(いい雑誌)名に図書カード(大吉5000円分34名、中吉1000円分100名、小吉500円分1000名)を贈るもの。もうひとつは、全国主要書店200店で「レトルトカレー」を先着順にプレゼントする企画。1店舗あたり420個を配布する。
キャンペーンの内容は雑協会員社発行の12月発売の雑誌150誌に広告を掲載してPRする。
また、SNSで「あなたのおススメの本屋さん」「好きな本屋さん」をつぶやいた人の中から抽選で図書カード(10万円分1名、1万円分32名)、レトルトカレー1年分(毎日コース360個、毎週コース60個)を34(雑誌)名にプレゼントする。
雑協・雑誌価値再生委員会の大山恒生委員長(集英社)は「年末年始にヤマを作り、売上を伸ばしたい」と意気込みを語り、雑協・次世代雑誌販売戦略会議の井上直議長(ダイヤモンド社)は「まだまだ紙を諦める必要はないとの思いから企画したキャンペーン」と趣旨を説明した。
コミック出版社の会の隅野叙雄営業部会長(集英社)は「コミックは苦しい時を迎えているが、このキャンペーンで1人でも多くの客に手に取ってもらいたい」と期待を語った。
取協の川上浩明運営委員長(トーハン)は「ノベルティの発送、対象書店の選定、書店への告知など、全面的に協力する。客に喜んで書店に来てもらえるように盛り上げることが私たちの使命」と述べた。

佐賀組合が優良組合表彰/中小企業団体九州大会で

佐賀県書店商業組合(堤洋理事長)は9月7日に福岡市で開催された第59回中小企業団体九州大会で優良組合として表彰された。
表彰理由は、①組合員、組合店の増加、組合組織率の増加に積極的に取り組んでいる、②組合運営に係る費用の削減を図り、組合財政の黒字化を実現、③火災保険の代理店業務や図書カード等の販売事業促進で組合運営の安定化を実現、④組合で直接、佐賀県より書籍・児童書・絵本等の受注及び配送に取り組み、組合員の経営安定に寄与している――の4点。
(佐賀組合事務局)

「図書館は地元書店から納入を」/神奈川組合が決議

神奈川県書店商業組合(井上俊夫理事長)は11月7日、横浜市中区のかながわ労働プラザで定例理事会を開催した。
最初に、公共図書館や県立高校の図書館の納入で地元書店があまり利用されていない実態が報告され、現状を理解してもらうため県議会議員と話し合いの場を持つことにしたいと説明。書店経営が厳しさを増す中、公立図書館や県立高校の図書館は地元書店から納入するべきと訴えていくことを決議した。
また、ICタグについて、「ICタグを本に付けることで万引防止や棚卸を含めた商品管理の簡素化と合理化など、より生産性の向上に役立つ。人件費が高騰し、売上増が見込めない現状の書店経営で、ICタグを付けることは重要。ICタグ導入の推進を日書連に働きかけ、出版社が協力するよう進めてほしい」と報告があった。
(山本雅之広報委員)

豊中市・笹部書店が大阪府青少年健全育成優良店表彰受ける

平成29年度「大阪府青少年健全育成優良店表彰式」が11月8日に大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で開催された。
表彰式では、大阪府青少年健全育成条例の実効性を高め、青少年にとって良好な社会環境づくりを進めるため他の模範となる優良店として、大阪府書店商業組合の笹部書店(豊中市)が大阪府から顕彰。笹部勝彦氏に芦田善仁大阪府青少年・地域安全室長から賞状が手渡された。
約10年間の絵本の読み聞かせ活動や夏休みの自由研究のワークショップ、音楽演奏会の開催、地域の消防クラブと一緒に実施した消火体験会などのボランティア活動だけではなく、地域の作業所で作られた製品や近隣農家の野菜等を販売するなどコミュニケーションの場を提供する地域密着活動が表彰理由となった。(石尾義彦事務局長)

書店マージン5%アップを求める/大阪理事会

大阪府書店商業組合は11月4日、大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催。面屋龍延理事長は、出版業界の資料をもとに「書店業界は疲弊しきっている」と指摘。組合員書店のマージン5%アップを求めていくことを諮り、日書連の政策委員会に提起することとした。
また、読書推進委員会から、本の帯創作コンクールの受賞作品の展示を次の会場で行うことが報告された。①「大阪府立中央図書館17帯コン展示会」=18年3月27日~4月15日、同図書館1階展示コーナー、②「堺市版展示会」=17年12月15日~17日、堺市立中央図書館1Fロビー、③「茨木市版展示会」=17年12月1日~18年1月8日、阪急茨木市駅2Fロサヴィア。(石尾義彦事務局長)

2017年年間ベストセラー1位は『九十歳。何がめでたい』/トーハン、日販、大阪屋栗田が発表

トーハン、日販、大阪屋栗田は2017年の年間ベストセラーを発表。3社とも1位は佐藤愛子氏の『九十歳。何がめでたい』(小学館)だった。94歳になる直木賞作家が歯に衣着せぬ物言いで世の中を斬った痛快エッセイ。50代~70代の女性を中心に共感を呼び、発行部数は12月1日現在、23刷105万部に達した。
ジャンル別では児童書と学習参考書が好調だった。児童書の『ざんねんないきもの事典』(髙橋書店)がトーハン5位、日販2位(続編8位)、大阪屋栗田6位にランクイン。学習参考書の『日本一楽しい漢字ドリルうんこ漢字ドリル』(文響社)がトーハン6位、日販4位、大阪屋栗田7位に入った。
村上春樹氏の長編小説『騎士団長殺し』(新潮社)はトーハン7位、日販5位、大阪屋栗田5位。直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸氏の青春小説『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)はトーハン3位、日販3位、大阪屋栗田2位だった。
集計期間はトーハン、日販が16年11月26日~17年11月25日、大阪屋栗田が16年12月1日~17年11月30日。

大阪こども「本の帯創作コンクール」/府書店組合賞など104点表彰

大阪府書店商業組合、大阪出版協会、大阪取次懇話会などで構成する大阪読書推進会と朝日新聞大阪本社が主催する第13回大阪こども「本の帯創作コンクール」の表彰式が11月11日、大阪市北区の中之島会館(中之島フェスティバルタワー・ウェスト)で開かれ、全国12都府県と海外の298校から寄せられた計1万2841点の応募作品から大阪府知事賞、朝日新聞社賞、大阪府書店商業組合賞など104点の入賞作を表彰。児童92人が出席し、賞状を受け取った。
児童書の表紙に巻く「帯」を小学生にデザインしてもらうこのコンクールは、子どもたちに読書の喜びや表現の楽しさ、大切さを知ってもらおうと2005年にスタート。府と市の学校図書館協議会が選定する課題図書部門と自由図書部門を設けている。課題図書部門の大阪府知事賞、朝日新聞社賞、大阪国際児童文学振興財団賞を受賞した9点の帯は、製品化されて本に巻かれ、大阪府書店商業組合加盟の書店店頭に並ぶ。
表彰式の冒頭、大阪読書推進会の宮川健郎会長(大阪国際児童文学振興財団理事長・武蔵野大学教授)は「本の帯創作コンクールは小学生の低・中・高の学年向きの課題図書からそれぞれ最優秀作を書く3冊を選んで帯として印刷して実際に本に巻いて本屋さんで売るという、他にはない独自のコンクール。1万2841の応募作品の内、予選を通過した約600の作品を1つずつ本に当てて選んだ」と話した。
朝日新聞大阪本社の鎌内勇樹社会部次長があいさつしたあと、選考経過を報告した戸和繁晴実行委員長(大阪組合副理事長)は「皆さんは選ばれたことを誇りに思っていただきたい」と話した。
受賞者を代表して、『レシピにたくした料理人のゆめ』(汐文社)で大阪府知事賞を受賞した茨木市立神田小学校6年井原舞陽(まひる)さんは「本を選ぶのは友達や恋人を作ることに似ている。誰かと本の一期一会の出会いを手助け出来たらいいなと思って、本の帯を考えた」と受賞の喜びを語った。
最後に大阪組合の面屋龍延理事長は「大変難しいテーマを扱っている『あひる』という本をオモテ表紙、ウラ表紙に内容をよく理解して書いた作品があり、感動している。13回と回を重ね、作品の質が上がってきた」と閉会の辞を述べた。
第2部のアトラクションでは、大阪出身の絵本作家の長谷川義史さんのえほんライブが行われ、「みんなの作品を見た。みんなが本から受け取ったメッセージがギュッと凝縮されていてほんまによかった」と話しかけていた。
(石尾義彦事務局長)

出版業界の新春行事

【書店関係】
[北海道]
◇平成30年度北海道取協・出版社・書店組合新年合同懇親会=1月16日(火)午後6時から、札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開催。
[宮城]
◇平成30年宮城県書店商業組合出版・取次・運輸合同新年懇親会=1月9日(火)午後5時から、仙台市青葉区のホテルメトロポリタン仙台で開催。
[東京]
◇平成30年東京都書店商業組合新年懇親会=1月16日(火)午後5時半から、文京区の東京ドームホテルで開催。
[神奈川]
◇神奈川県書店商業組合新年懇親会=1月23日(火)午後6時から、横浜市中区の華正楼で開催。
[静岡]
◇静岡県書店商業組合新年総会=1月17日(水)午後4時半から、伊東市の伊東ホテル聚楽で開催。
[愛知]
◇平成30年新春賀詞交歓会=1月11日(木)午後5時半から、名古屋市千種区のルブラ王山で開催。
[大阪]
◇平成30年大阪出版販売業界新年互礼会=1月10日(水)午後4時から、大阪市北区のウェスティンホテル大阪で開催。
[京都]
◇平成30年京都出版業界新年互礼会=1月11日(木)午後4時半から、京都市東山区のウェスティン都ホテル京都で開催。
[福岡]
◇福岡県出版業界新年の会=1月9日(火)午後4時から、福岡市博多区の八仙閣で開催。

【取次関係】
[トーハン]
◇新春の会=1月9日(火)午前10時15分から、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開催。社長挨拶は午前10時半。
近畿会場は1月12日(金)午前9時半から、大阪市北区のトーハン大阪支店で開催。
2018年物流部門新年賀詞交歓会は1月9日(火)午後12時15分から、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開催。
[大阪屋栗田]
◇OaK新春おでんの会=1月10日(水)正午から、大阪市中央区のマイドームおおさか1階特設会場で開催。
[中央社]
◇平成30年新年ご挨拶の会=1月11日(木)午前10時から、東京都板橋区の同社3階ホールで開催。
[日教販]
◇第67回春季展示大市会=1月11日(木)午前10時から、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催。セレモニーは午後12時20分から。

【関連団体】
[日本出版クラブ]
◇出版関係新年名刺交換会=1月9日(火)正午から、東京都新宿区の日本出版クラブ会館で開催。
[書店新風会]
◇新年懇親会=1月10日(水)午後6時から、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で開催。
[全国医書同業会]
◇新年互礼会=1月5日(金)正午から、東京都千代田区の帝国ホテルで開催。
[出版梓会]
◇第33回梓会出版文化賞贈呈式=1月18日(木)午後5時半から、東京都新宿区の日本出版クラブ会館2階会場で開催。午後6時半から3階会場で懇親会を開催。

「化石店舗対策」テーマに講演/丸善ジュンク堂書店・工藤恭孝会長/東京組合書店経営研修会

東京都書店商業組合は11月17日、東京都千代田区の書店会館で平成29年度書店経営研修会を開き、丸善ジュンク堂書店の工藤恭孝会長が「丸善ジュンク堂書店の化石店舗対策」と題して講演。低迷する書店業界の中で「化石化する」リアル店舗の再生策を話し、阪神淡路大震災の経験から本屋の存在価値を再認識したとして「地方に本屋を残す運動」を提唱した。講演の概要を紹介する。

〔大型店は化石みたいなもの/リアルならではの店頭イベントに期待〕
半年前から会長になる準備を進め、この11月に就任した。実は20数年前から、早く会長になって社長を退こうと思っていた。しかし、1995年の阪神淡路大震災で被災して債務超過に陥り、辞めるどころではなくなってしまった。兵庫で立て直せる状況ではなかったので、全国展開を始めざるを得なかった。そのまま全国展開を続けていけば資金繰りが破綻することは目に見えていた。その中で大日本印刷の傘下に入り、全国展開を継続してきた。地方の本屋とバッティングしない大型店の形に限定して全国展開した。
1976年にキクヤ図書販売から独立してジュンク堂書店を創業した当時は、ほぼ兵庫県内で展開するリージョナルなチェーン店だった。利益も出るようになり、もう十分だと思った。こんなガツガツした仕事は誰かに任せて、会長になってのんびり暮らそうと思っていたところに、あの震災が起こった。その後23年間、ほとんど休みなく働いて現在に至っている。私ももう67歳。現場のみんなでやることができる体制を作ったので、今回なんとか会長に退かせてもらった。「売上状況がこんなややこしいときに辞めて大丈夫なのか」という疑問の声もあるが、出店が止まった今しか辞めることはできない。
土日ごとに台風が来るようなこの日本で、既存のやり方だけでリアルの本屋をやっていけるのか。大型店は生きた化石のようなもの。アマゾンのほうが便利。天気の悪い日はネットで注文して、重たい本を送ってもらうほうがいいじゃないかという人が、20代ではほとんどだ。
先日、丸善日本橋店で、出版社が営業中の店舗でブースを展開し、著者のサイン会やワークショップなどを行うイベント「BOOKCON」を開催した。何もやらずにこのまま5%ずつ下がっていくのではなく、読者と出版社をつなぐリアルならではの何かをやっていかなければならないというのが、現場の声になってきている。日本橋のイベントは予想以上に大盛況だった。いつも静かなあの店がとても賑やかになり、まだリアルの本屋に希望が残っていることを感じた。
私たちがやってきたのは地方の一本屋としての仕事。東京の書店には理解できないかもしれないが、地方の本屋には本も来ない、情報も来ない、版元もやって来ない。何も来ない。一番大きいのは本が来ないこと。皆さんの中には、大型店に全部本が行ってしまい、うちに来ないという意見もあるかもしれないが、東京はまだ恵まれているほう。どちらに転んでも地方の本屋には本がほとんど来ない。たくさん売っていれば取次が何とか工面して送ってくれるが、うちの三宮の1号店などほとんど入って来なかった。ある程度売上を確保するため、兵庫県内だけでも多店舗化してロットを持っておかないと、取次が相手にしてくれない。震災の後、全国展開を始めることになったが、やるからには全国に大型店舗網を作るのだということで現在に至っている。

〔POSレジ活用して全国展開/販売データを業界の共有資産に〕
全国展開と並行して進めてきたのが、93年に始めたPOSレジの開発。POSレジがあることでベテラン社員の持つデータを全国の店舗で共有できる。ベテランの担当者を養成しなくても、大型店舗を維持できる仕組みを作ろうと、POSレジの開発を進めてきた。
スキーに行った時に立ち寄ったファミリーレストラン「ロイヤルホスト」でオーダーすると、従業員の持つ機械から精算スリップが出てきたのを見て、この機械は書店でも使えると思いついたのが、一緒にいた日本NCRの社員。1ヵ月後にはPOSレジの仕組みが完成した。その後、全国展開を進めながら各店舗にPOSレジを導入し、データを入れて分析した。POSデータを活かすことで、ベテランの作った棚が全国どの店舗でも実現できるようになった。
そうしているうちにアマゾンという世界一大きい書店のことが報道されるようになった。これはいけないと、ジュンク堂書店は比較的早い段階からネット書店を始めた。われわれリアルの本屋がやるネットは、アマゾンに対抗するための道具というよりは、リアルの店舗のためになるシステムであるべきだと思う。
現在のDNPグループのネット書店「honto」は、ハイブリッド型総合書店を活かすためのシステムにしている。アマゾンと開発力や資金力で勝負しても仕方がない。われわれの店舗が活きてくる仕組みを作ろうと、DNPグループとしてhontoにシステムを統合した。hontoでDNPグループ書店の最寄りの店舗の在庫が分かり、注文までできる。
今、アマゾンよりhontoのほうが絶対にヒット率が高い。専門書の在庫を多数持っているという意味でアマゾンよりうちのほうが点数が多い。「ネットならアマゾン」という思い込みはなかなか打ち消せないもので、売上でアマゾンに勝ったことはない。しかし、DNPグループの流通センター「SRC」からネットを経由して、翌日に全国の各店舗に商品が届き、読者に手渡すことができる仕組みが構築できている。
商品を手渡すまでに3週間かかるのはこの業界ぐらいではないか。でも、それが地方の普通の本屋が置かれている現実だ。だから、みんなアマゾンに持っていかれる。そして街の本屋がどんどん閉店していくと、悪循環でますますアマゾンに追い風が吹くことになる。われわれの業界が黙って見ているから余計そうなる。これを何とかするために流通センターを作らせてもらった。流通センターとネットと店舗をうまくつなげば、ベストセラーが翌日に入荷できるようになる。

〔震災で実感「本は生活必需品」/「地方に本屋残す運動」が必要〕
ネットの良さは宣伝力と情報発信力にある。hontoの会員は420万人を突破したが、その8割は店頭で獲得した本が好きなコアな顧客。だから、hontoを使って宣伝すると店舗の数字が一気に150%上がることもあり、宣伝効果は非常に高い。今までは新聞広告か顧客の口コミしかなかったが、われわれはhontoという、店舗から情報発信できるツールを持つことができた。ツイッターのフォロワーは本が好きとは限らないが、hontoは本が好きな人たちしか会員になっていないから、われわれから本の案内をすると好意を持って受け取ってくれる。
そうした本が好きな人たちはわれわれのグループ書店だけに来ているわけではない。必ず色々な本屋に寄る。普段は通りすがり、または家や会社の近くの書店で買い、週末は時間があるからジュンク堂書店池袋本店や丸善丸の内本店に来てくれる。だから本好きな顧客の情報発信力を他の書店とも共有できればと思う。
現在、われわれグループの店舗は、場合によってはアマゾンよりも便利な店になっている。インクの匂いや棚に囲まれた空気は、アマゾンには真似のしようがない。店舗の良さと利便性を兼ね備えた空間に変えていくにはまだまだやるべきことはある。
「あの店に行けば間違いない」という安心感や信頼感を客に持ってもらい、目的の本の横に意外な本が置いてあり、そうした商品がかえって売れるような店作りをしたい。そのためにベテラン担当者の知恵や知識をどのようにデータに活かしていくかを主眼に分析する体制をとっている。それをやり過ぎると人材が育たないジレンマもある。
出版物は日本の大事な財産。でも、全国に書店がなければ、宝の持ち腐れになる。何とか店を残していく義務がわれわれにはある。書店の従業員は強い自覚を持って仕事をしている。低賃金・重労働でも頑張ってくれているのは、読者に喜んでもらえる仕事だからだと思う。「本は生活の必需品」ということを分かってもらうための運動を日書連にはやっていただきたい。
阪神淡路大震災の時、「よく店を開けてくれた」と感謝された記憶が従業員や私には残っている。東日本大震災の時も、店を再開するとリュックを背負った被災者がレジに1時間の行列を作った。空気や水や電気と一緒で、本もなくなった時に値打ちが分かる。「本屋がなくなったら困る」ことをテーマに日書連は運動していただきたい。一生懸命配達している本屋のために何かできないか。地方の本屋があって、大型店が維持できるというサイクルがある。地方の本屋を残す運動が必要だ。
丸善ジュンク堂書店のデータやシステムや流通センターは業界の資産と考えている。この資産を共有していけるアイデアがあれば、ぜひ声をかけていただきたい。取次と小売は利益相反していると言わずに、版元に定価を上げて正味を下げてもらい、できるだけ返品を減らし、みんなで利益を配分する業界に変えていければと思っている。

前年同期比で94・52%/2017年上期ABCレポート

日本ABC協会は2017年上半期(1月~6月)雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載したのは39社151誌。各雑誌部数の前年同期比の平均(既存誌ベース)は、週刊誌91・98%、月刊誌95・27%、合計94・52%となった。
総合週刊誌は、販売部数トップの『週刊文春』が前期から5万4千部減の37万2千部と40万部の大台を割り込んだ。2位の『週刊現代』も4万9千部減の26万4千部と大きく後退。3位の『週刊新潮』も9千部減の24万7千部と前期を下回った。新聞社系では、『週刊朝日』が1千部増の8万2千部、『サンデー毎日』が6千部増の5万部とやや盛り返した。
ビジネス誌は、『週刊ダイヤモンド』が2千部減の8万2千部、『週刊東洋経済』が前期から微減の5万7千部。『プレジデント』は1万部減の15万4千部と後退した。
女性週刊誌は、『女性セブン』は20万部で1万2千部減らしたものの大台はキープ。『女性自身』が8千部減の19万1千部、『週刊女性』は4千部減の10万5千部といずれも下落が続く。女性月刊誌は、『GLOW』が1万5千部増の18万4千部と盛り返した。前期に10万部近く伸ばした『sweet』は3万4千部減の25万7千部と減退した。

「きょうの料理」などテキスト販売で/定期獲得上位書店と意見交換/NHK出版

NHK出版は11月15日、東京・渋谷区の本社にNHKテキスト定期購読獲得上位の6書店の担当者を招き、「きょうの料理」創刊60周年と、NHKテキスト定期購読についての意見交換会を開催した。参加書店は旭屋書店、三省堂書店、今野書店、久美堂、ブックエース、有隣堂。
「きょうの料理」についての意見交換では、「公共放送であるNHKというバックボーンと、はやりすたりの強弱がないブレない内容という安心感が一番の魅力」「年配の方からの信頼が感じられる」と長い歴史を持つ同誌ならではの強みに高い評価が寄せられた。
一方、メインの読者層が60歳以上である点について、「『きょうの料理』で放送されたレシピをネットで見ることができるのは他の料理雑誌にない強みだ。これを見て今月号は面白いなと思われたら、買ってみようという流れができるが、まだ認知されていない。少し世代が下の40~50代を引き込むことが重要で、SNSの活用が一番のツールになるのではないか」との指摘があった。
「きょうの料理」講師に料理ブロガーを登用することの是非については、「土井善晴さんや平野レミさんのような大御所がいなければ『きょうの料理』ではない。コウケンテツさんのような、より若い料理研究家の起用を増やしてはどうか。また、アシスタントに若手芸能人を使えば若い人も買うようになるのでは」との意見が出された。
この他、「購読している顧客から、プレゼント企画の商品を販売してほしいという声が非常に多いので、書店でそれらを販売したい」「文字が大きい版がないか聞かれる。判型はこのままでもっと文字が大きいものを出してみては」などの提案があった。
続くテキスト全般の定期購読についての意見交換では、「常連客をつなぎとめることが一番大事。定期購読のお客様の方が購入単価が高いという数字が出ている」「定期購読のお客様は月1回は必ず来店するので他の本も購入していただける」と定期獲得の重要性を指摘する意見が上がった。

電撃大賞小説部門、イラスト部門で大賞/KADOKAWA

KADOKAWAアスキー・メディアワークスが主催する「第24回電撃大賞」の贈呈式が、11月21日に都内で行われた。
応募総数は5989作品で、電撃小説大賞には5088作品、電撃イラスト大賞には599作品、電撃コミック大賞には302作品の応募があった。今回は小説部門で、凩輪音さん『ガラクタの王』、うーぱーさん『タタの魔法使い』が大賞を受賞。イラスト部門で、はてなときのこさんが大賞を受賞した。
贈呈式で、主催者を代表してあいさつした郡司聡KADOKAWA執行役員アスキー・メディアワークス事業局長は「作家になることよりも、作家であり続けることの方が難しい。プレッシャーをはねのけて作品を書き続け、我々と一緒にこの電撃を盛り上げていってほしい」と激励。小説大賞を受賞した凩輪音さんは「次は様々な職業の人が出てくる話を書きたい」、うーぱーさんは「私の書いた作品が、誰かにとって何かのきっかけになるという作品を書いていけたら」とコメント。イラスト大賞のはてなときのこさんは「子どもの頃からの夢だった賞なので、うれしい気持ちでいっぱい」と語った。

トーハン、書店実務手帳を発売

トーハンは、書店での販売・営業に役立つ資料を満載した「書店実務手帳」の2018年版を発売した。サイズは150×85ミリ、頒価820円(税込)。
出版市場の概況等の各種データ、売場別年間スケジュール、主な雑誌の発売日(約380誌掲載)、出版社名簿(約1千社掲載)、展示冊数算出表、資格試験一覧など、日々の業務に役立つ資料をコンパクトにまとめている。問い合わせはトーハン複合第二事業部(℡03―3266―9541)まで。

トーハン中間決算/連結、単体とも減収減益/雑誌、コミックの不振響く

トーハンは11月28日、第71期中間決算(平成29年4月1日~9月30日)を発表、単体の上半期売上高は2016億6100万円で前年比6・4%減少した。
売上高の内訳は、書籍761億5500万円(前年比4・9%減)、雑誌699億9000万円(同11・3%減)、コミック222億1000万円(同17・6%減)、MM(マルチメディア)商品333億500万円(同12・9%増)。MM商品は2桁増と健闘したものの雑誌とコミックの落ち込みを補うには至らなかった。
売上総利益は同7・2%減の229億9300万円。販売費のうち運賃は、出版輸送維持のための運賃改定の影響で、同0・9%減と売上総利益の伸張率を6・3ポイント上回り、販売費全体では同4・9%減と売上総利益の伸びを2・3ポイント上回った。一般管理費は、全社的なコスト削減に取り組んだものの、同3・4%減と売上総利益の伸びを3・8ポイント上回った。この結果、営業利益は同26・6%減の24億1600万円。経常利益は同20・7%減の15億8800万円、中間純利益は同30・0%減の9億600万円と減収減益の決算になった。
返品率は、書籍が同0・1ポイント増の46・0%、雑誌が同3・3ポイント増の51・5%、コミックが同4・2ポイント増の34・6%、MM商品が同0・6ポイント増の14・0%で、合計では同1・4ポイント増の43・7%。
書籍は、「うんこ漢字ドリル」シリーズがヒットした教科書学参ジャンルが同8・7%増と好調。上半期ベストセラー1位の『九十歳。何がめでたい』や直木賞・本屋大賞のダブル受賞となった『蜜蜂と遠雷』など話題作はあったものの、送品が前年を下回り、返品率も0・1ポイント悪化したため、売上は前年を下回った。雑誌は、店頭状況の伸び悩みとともに、相次ぐ休刊や点数減少を伴う刊行変更が大きく響いた。コミックは、大物作品の相次ぐ完結に加え、電子コミックの市場拡大、webマンガアプリの台頭が紙のマーケットの縮小傾向に拍車をかけた。MM商品は、CD・DVDが売上を牽引し、特に7月発売された大ヒット映画『君の名は。』の映像ソフトが売上に貢献した。
輸送コストについては、運送会社からの値上げ要請を受け、今年度だけで運賃は6億9000万円増加。次年度も7社から値上げ要請があり4億1000万円の負担増を見込む。運賃の上昇額は14年度から18年度までの累計で約15億円に達しており、記者会見の席上、川上浩明専務は「固定費を一生懸命削減しているが追いつかない状況」と危機感を示した。
連結対象子会社16社を含む連結決算は、売上高は前年比6・2%減の2090億6200万円、営業利益は同34・9%減の19億4200万円、経常利益は同51・2%減の10億700万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同79・3%減の2億6800万円で、単体と同様に減収減益の決算となった。単体と比べ大幅減益となっているのは、相殺処理や昨年度計上した特別利益がないなど一過性の要因によるもので、16社の損益計算書を単純合算すると経常利益は増益だとしている。

日販中間決算/売上高2825億9000万円、4・9%減/連結は減収増益

日本出版販売(日販)は11月22日、第70期中間決算(2017年4月1日~9月30日)を発表。日販グループ(連結子会社27社)の連結売上高は、雑誌の減収が影響し前年比4・9%減の2825億9000万円と減収になったが、書店事業の不採算店舗の整理や、グループ全体で経費を抑制したことで、営業利益は同80・1%増の13億7100万円、経常利益は同53・3%増の14億7800万円。親会社株主に帰属する中間純利益は同7億4800万円増の8億2300万円と減収増益の決算になった。
事業別の売上高の内訳は卸売事業が同5・35%減の2653億9900万円、書店事業が同1・45%減の321億7400万円、不動産事業が同3・82%増の12億2300万円、その他事業が同9・76%減の26億5300万円。このうち卸売事業の内訳は、書籍が1124億4500万円(同1・16%減)、雑誌が1036億9900万円(同8・91%減)、AV(セル・レンタル)が204億1000万円(同16・46%減)、開発品・その他が288億4400万円(同1・64%増)。
卸売事業は、雑誌の不振が響いて減収減益になった。雑誌の大幅減は、コミックスが同12・7%減と大きく落ち込んだことが影響した。書籍は、一般書店ルートの売上はプラスになったが、アマゾンジャパンのバックオーダー発注停止の影響などによりネット書店の売上が減少して減収に。開発品・その他は、文具・雑貨やPBブランド商品等が伸張した。
書店事業は、新規出店4店舗、閉店11店舗。不採算店舗の撤退、文具・雑貨の売場拡大による粗利益の改善、本部機能統一によるコスト削減などで利益構造の改善に努めた結果、営業黒字に転換した。10月1日付で㈱BSMをグループ書店を統括する中間持株会社と位置づけ、NICリテールズ㈱に社名変更し、店舗の収益力強化と本部機能の効率化を推進していく。
不動産事業は、既存物件の空室率の減少と、仙台市で取得した新規物件の賃貸開始により増収増益に。その他事業は、コンテンツ事業が順調に推移し売上・利益ともに伸張した。また、4月に保養所あしかりの運営を事業分割し、㈱ASHIKARIとして設立。18年度に同社の運営するブックホテルを中心とした複合施設「箱根本箱」の開業を予定している。
日販単体の商品別返品率は、書籍が同0・5ポイント増の34・2%、雑誌が同2・3ポイント増の42・9%、開発品は同4・4ポイント増の43・3%で、合計では同1・6ポイント増の39・0%。
荷造運送費の動向については、今中間期の送品高に対する運賃構成比は1・37%と同0・06ポイント上昇。直近5事業年度で見ても、送品高が減少を続ける中、運賃構成比は右肩上がりになっており、卸売事業の収益を大きく圧迫する状況になっている。また、最低賃金が上昇したことで、送品荷造費は33億6600万円と同1億3300万円増加した。記者会見で安西浩和専務は「この5年間で取引輸送会社の出版輸送からの撤退は7社にのぼる。輸送会社が廃業して、当社の子会社が暫定的に配送している地区もある」と深い懸念を示した。

「能勢仁が語る書店史道を拓いてくれた人」/新興書房・夜久義重氏

〔商売の基本は正味にあり〕
夜久義重さんは書店新風会の三代目会長である。しかし知っている人は少ないのではないだろうか。書店は姫路の新興書房である。昭和46~52年まで日書連・兵庫県理事として活躍されていた。口数の少ない地味なタイプの書店人であった。
私が夜久さんに教えられて忘れられないことは正味0・1%の世界のことである。条件交渉の時の単位は0・1%から考えなさいと教えられた。夜久さんは首都圏の書店は恵まれているよ、意識したことがありますかと言われギャフンとした。それは取次店売に仕入にゆき持ち帰れば正味は1%安かった。荷造運賃が掛からないからである。兵庫の書店ではこの恩恵はない。
夜久さんは商売の基本は正味にあると常に口にしていた。具体的に低正味出版社も教えて下さった。よく勉強されていることに、自分が恥ずかしかった。
姫路のお店にお邪魔したことがある。五階建の堂々たるビルで1~4階店舗、5階事務所、倉庫であった。倉庫に案内された時、雑誌送品に使用された茶紙にアイロンが掛けられ保存されていた。物を大事にする精神が店内に横溢していた。夕方になると書店ビル脇の駐輪場の半分は赤提灯の飲み屋に変身していた。目を白黒させたが、これが関西商法だと思った。
(ノセ事務所代表)
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