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平成16年2月11日号
7年連続マイナス成長/2003年販売額は3.6%減少/市場の回復は足踏み状態/雑誌返品率31.0%で過去最高

昨年1年間の出版販売金額は前年より3・6%減って2兆2278億円。1997年から7年連続で前年を下回ったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。内訳は書籍が4・6%減の9056億円、雑誌は2・9%減の1兆3222億円。書籍は前年の「ハリー・ポッター」の反動で大幅減、雑誌は週刊誌が5・3%減。以下、「出版月報」1月号から昨年の販売概況を紹介する。〔概況〕
書籍の売れ行きは前年が「ハリー・ポッター」を筆頭にミリオンセラーが5点出たのに対し、昨年は「バカの壁」「世界の中心で、愛をさけぶ」の2点にとどまった。前年のミリオンセラーは5点で1500万部、250億円の売上げとなったが、昨年の2点では360万部、33億円と大きな開きがあった。
雑誌は分冊百科の人気が低下し、コンビニの売上げも鈍化した。発行銘柄数は1・9%増の3554点だが、ムックは6・0%増の7990点と不定期刊行物の刊行が活発だった。
金額返品率は書籍が1・1ポイント増の38・8%。雑誌は1・6ポイント増の31・0%。書籍は発行金額で97%と送りが抑制されたにもかかわらず、売れ行き不振で返品率が急上昇した。雑誌発行金額は99・4%とほぼ前年並みだったが返品率は過去最高の31・0%となった。
〔書籍〕
書籍の販売金額は4・6%減で、前年の6年ぶりのプラスから再びマイナスに転じた。「ハリー・ポッター」などベストセラーの要因を除くと、「ここ数年は毎年2%台の緩やかな右肩下がり」と出版科研は指摘する。これを裏付けるように推定販売部数は3・1%減で7年連続前年割れとなった。書籍の販売金額のピークは1996年の1兆931億円。
4年連続で改善が進んでいた金額返品率は上昇に転じ、前年比1・1ポイント増の38・8%。ベストセラーに廉価軽装版が多く、市場の回復も見られなかったことが原因。
新刊点数は0・8%増の7万2608点。内訳は取次窓口経由の新刊が0・5%減の5万5462点で、4年ぶりに前年を下回った。一方、注文扱いの新刊は5・1%増の1万7146点。新刊1点当たりの発行部数は5・2%減の5500冊。
〔雑誌〕
雑誌販売金額の内訳は月刊誌9983億円(2・1%減)、週刊誌3239億円(5・3%減)となり、週刊誌、月2回刊誌、隔週誌など大量部数の雑誌の買い控えが目立った。「長期不況による購買意欲の低下、中小書店の転廃業、インターネット普及による可処分時間の減少など、原因は複合的」と出版科研。
推定発行部数は月刊誌が0・4%減で前年並み、週刊誌は5・2%減と落ち込んだ。月刊誌をさらに詳しく見ると、本誌の発行部数は2・6%減。増刊・別冊、ムック、コミックスの不定期誌は3・4%増。
増刊・別冊の発行点数は6220点で前年より2%増加。ムックの新刊点数は453点増加して7990点となった。
創刊点数は前年より10点(5・1%)増加して207点。うち119点が増刊・別冊、ムックなど不定期誌からの独立創刊だった。発行部数は8・8%減少と抑制基調。創刊の多かった部門は趣味46点、大衆40点、女性23点。
分冊百科はほぼ前年並みの18点が創刊されたが、アイテム数の過多と類似企画の増加により1部当たりの部数は小型化している。
コミック誌は読者の単行本志向を反映して低迷。廉価軽装版が牽引していたコミックスはヒット作不足が問題化した。

「ブックスタート」が名称変更

「特定非営利活動法人ブックスタート支援センター」(松居直理事長)は2月1日から組織名称を「特定非営利活動法人ブックスタート」に名称変更した。

ポイントカード早期解決めざす/再販研究委員会

出版再販研究委員会(朝倉邦造委員長)は1月28日午後6時から中央区銀座の「山田屋」で新年懇親会を開催。出版社、取次、書店の委員46名が出席した。
懇親会の冒頭、朝倉委員長は昨年暮れ、知らぬ間に銀行カードを複製され量販店で不正使用される寸前だったエピソードを紹介、「量販店というのはヤマダ電機。個人的にもかかわりがあった。今年は何とか縁を切りたい」とあいさつ。
雑協浅野理事長は「電器量販店と喧嘩をするのは手ごわい。理論武装も必要。いずれにしろ、顧客満足が再販の原点だ。CDの逆輸入問題で消費者団体は安ければよいという判断だが、長期的に見ればどうなのか」と述べた。
乾杯の音頭の前に日書連萬田会長は「ポイントカードは3年越しの課題。再販を守る意味から、契約に基づいた正しい運用を行なうよう早期に是正してほしい」と、出版社、取次に注文をつけた。

県内福祉施設に図書636冊寄贈/埼玉組合

埼玉県書店商業組合は昨年12月12日、高野専務理事、山口事務局長両名で埼玉県健康福祉部こども家庭課を訪問し、同課の齊藤春夫副課長、武井保則主幹に図書636冊(低学年用192冊、中学年用175冊、高学年用179冊、中・高・一般90冊)を寄贈。齊藤副課長は「毎年多くの本を寄贈していただき、県内福祉施設も大変感謝している」とお礼の言葉を述べた。寄贈本は、こども家庭課より県内の児童養護施設、母子生活施設等、多数の施設にクリスマスに合わせて配本された。
(長谷川正夫広報委員)

採用品・辞典注文で県高校教育課へ陳情/山形組合

山形県書店商業組合(五十嵐太右衛門理事長)は1月19日、高橋副理事長、五十嵐専務理事両名で山形県教育庁高校教育課を訪問。「新学期高校採用品・辞典の注文のお願い」を行った。このお願いは毎年行っており、昨年は「販売手数料がいらなくなった」「直接購入が減って受注が増えた」など、組合員からうれしい報告が数件あった。(五十嵐靖彦)

生活実用書・注目的新刊

古今亭志ん朝著、京須偕充編『志ん朝の落語』(全6巻)が完結した。第1巻男と女、2巻情けはひとの…と来て6巻が騒動勃発。テーマ別に分類された話が七十一席。それぞれ巻頭には高座や楽屋でのスナップ、遺されたノートの一部も紹介されている。ノートには話し言葉そのままの記載と、余白に「首の向きを直す」など話に添って細かな演出の工夫が書き加えられていて、ひたむきに芸の道を追求する様子がうかがえる。
『志ん朝の落語4粗忽奇天烈』(筑摩文庫950円)は、そそっかしくて憎めない江戸っ子群像を描いた13席。富くじが大当たりし舞い上がる八五郎のあわてぶりがおかしい「御慶」。6代目圓生もよくやった、日本橋の会席料
理屋に来た奉公人百兵衛の田舎言葉が誤解を呼ぶ「百川」など、面白い話ばかりだ。
『圓生の録音室』(中公文庫)の著書もある京須偕充氏の解説は1話ごとに配され、名人志ん朝の特出した語り口に寄り添って秀逸である。
『東京人』(2003年12月・第197号都市出版857円)は東京がテーマの雑誌だがこの号では志ん生、馬生、志ん朝を「落語に生きた親子三名人」として特集している。ここでも京須偕充氏は編集部インタヴューに答え「志ん朝さんは感覚的なことばの投げ方をする人なんですね」と言い「なんだィ、ゥゥゥン!」というような表現を本にする苦心を語っている。
5代目古今亭志ん生の長女で、10代目金原亭馬生と3代目古今亭志ん生を弟に持つ美濃部美津子氏と立川談志氏の対談も面白い。「落語家を分類したら、俺はやっぱり志ん生師匠の部に入りますね」と立川流家元は話す。
俳優の寺田農氏が語る思い出は、志ん朝とテレビや舞台で活躍した頃の話。三木のり平奮闘公演『落語長屋殺人事件』の劇場写真も掲載されていて、若かった頃2人で「共闘」した感覚を静かに話す。
ほかにも水谷八重子、中尾彬、矢野誠一、春風亭小朝、林家こぶ平の各氏などが語る噺家像を読んでいると、3人それぞれの性格や気風、芸への情熱が迫ってくる。
人を「しと」と発音し、品物の名前は「しなもん」「なまい」という江戸弁は消えてしまうのだろうか。亡くなった筆者の父も深川生まれの江戸っ子で、ヒとシの発音にはいつも苦労をしていたっけ。
(遊友出版・斎藤一郎)

新聞社系週刊誌早売りに厳しい意見/長崎臨時理事会

長崎県書店商業組合は1月28日午後6時より長崎市・ワシントンホテルで臨時理事会を開催。草野専務理事の開会宣言、中山理事長あいさつのあと、以下の審議を行った。
〔日書連マーク講習会〕各支部から公共図書館納入状況、TRCの関連報告。各市町村立図書館ではTRCの独占が見られ、講習会の必要性を認識した。
〔図書カード〕
九州ブロックを中心に、図書カード普及について九州各地(県内は2ヵ所)で説明会を開催。その上図書カードへ積極的移行をすることを決議した。
〔早売り〕
各新聞社週刊誌の早売りについて、日書連として期間を限定しての不売運動をすべきとの意見が出た。また、常備を含め出版物の返品をすること、「書店朝日会」から脱退すべきとの意見も出た。
このほか理事長から①長崎県書店商業組合ホームページ作成の準備②サンジョルディの日文化記念講演会決定次第、場所・時間を決める③県組合定款変更は、県中央会の指導を受けたい――との報告があり、理事全員が了承した。
(古瀬寛二広報委員)

新年会に百名出席/東京組合青年部

東京都書店商業組合青年部(澁谷眞会長)は1月29日午後6時半から赤坂の創作和食屋「橙家」で第13回新年会を開催。会員書店、出版社など百名が出席した。
新年会は吉田圭一氏の司会で始まり、澁谷会長が「今年は出版社の方々にも多数ご出席いただいた。この機会にゆっくり歓談を」とあいさつ。続いて東京都書店商業組合・萬田貴久理事長が「書店ルートのシェアは平成5年72%から平成14年65%に落ちた。一方、CVSルートは13%から22%となった。CVSに雑誌・コミックを奪われている状況があるが、書店が文化伝播に果たしてきた役割はCVSより大きい。現在は寒流と暖流が出会う新時代の潮目。出版業界の命運を決めるのは次代を担う青年部の皆さん。新しいものは異文化との融合から生まれる。若々しい考えで業界のリーダーシップをとってほしい」とあいさつし、青年部への期待の大きさをにじませた。
東京都中小企業団体青年部協議会・宮坂一朗会長の祝辞に続いて、日書連・白幡義博専務理事の発声で乾杯した。

万引き防止ポスターの効果等アンケート調査/東京組合

東京都書店商業組合は2月3日に定例理事会を開き、万引き防止ポスター店頭貼り出しの実態についてアンケート調査を実施することを決めた。同組合は昨年12月10日から3ヵ月間の日程で万引き防止キャンペーンを実施。組合員書店では万引き防止ポスターを掲出し「万引きは犯罪」と訴えているが、今回実施するアンケートでは「実際に店頭に貼られているか」「効果は出ているか」の2点を中心に調査する。
都青少年条例改正問題では、1月19日に提出された「東京都青少年問題協議会答申」について丸岡副理事長が報告。「青少年から書籍等を含む古物を買受け等することに規制を導入すべき」「当面は包括指定導入は見送るべき」との提言がなされたことについて、「組合の意向に沿った答申が出され、1つの方向性ができた」と高く評価した。
さらに「包括指定見送りをお願いした以上、自主規制を徹底しなければならない」との考えを示した。
ポイントカード問題では萬田理事長が「公取から『ポイントカードは値引き』との見解が平成14年に出たことが明らかになり、取次各社も早急に動くことになるだろう。出版社、取次への要請行動を強め、3月中の決着を目指したい」との方針を説明した。
このほか、消費税総額表示問題では下向副理事長が「表示は出版社の責任でやるものというのが組合の基本的スタンス。税率引き上げについては出版3者の判断だけでなく、消費者団体の考えにも配慮したい」、読書推進については大橋委員長が「サン・ジョルディの日」記念文化講演会を6月18日に文京シビックホールで、新潮社の協力で岸恵子氏を講師に招いて行うと報告した。

東海、九州地区でおはなしマラソン/日販

日販は昨年12月に東海、九州地区の13書店で「おはなしマラソン」を開催、合計214人(子ども120人、大人94人)が参加した。同地区では1月も「おはなしマラソン」を開催、2月からは関東、中部地区の31書店で開催予定。
愛知県名古屋市の丸善栄店では、店内で開催していた絵本展の会場内にビラを置いて告知。小さい子どもが多かったため予定の本と差し替えるなど臨機応変に対応、エプロンシアターやパネルシアターは初めて見た子どもが多く楽しんでいる様子だった。
福岡県春日市の明屋書店春日店では、開催当日雪で集客が心配だったが、常連客が声かけをして下さったお陰で多くの参加者が集まった。年齢によって集中力の差はあったが、紙芝居『なんだ、なんだ?』(童心社)には皆が興味深く見入っていた。
福岡県福岡市の紀伊國屋書店福岡天神店では、ポスターを店内に掲示したほか、当日に店内放送で案内。今回は読み手として書店スタッフと出版社(小峰書店)が参加した。1回目の会も参加していた3人の子どもが最後まで集中して聞き満足した様子だった。
このほか、宮脇書店海部店(愛知県海部郡)コスモブックス本店(岐阜県恵那市)フタバ図書GIGA福大前店(福岡県福岡市)明屋書店豊前店(福岡県豊前市)明屋書店豊後高田店(大分県豊後高田市)明屋書店宇佐店(大分県宇佐市)明屋書店賀来店、明屋書店明野店(大分県大分市)明屋書店中央町店(大分県中津市)ブックシャトーえほんばこ国分店(鹿児島県国分市)で開催され好評を博した。

参考図書

◇『世界の書店をたずねて23カ国115書店紹介レポート』
ノセ事務所代表の能勢仁氏による海外書店ガイドブック。本の学校郁文塾発行・今井書店発売、四六判191頁・本体1600円。能勢氏が「本の学校・出版業界人教育講座」で行った講義を書店新風会の会誌『新風』で連載したものに、『しゅっぱんフォーラム』と『全国書店新聞』に連載した内容を加えてまとめた。欧米亜23カ国の有名書店を詳細な記述と多くの写真で紹介し、海外書店事情を知るうえで非常に役立つ資料となっている。

大型店の出店目立つ/03年出店数は365店、前年比25%減

出版業界紙「文化通信」はアルメディア調べの数字として、2003年1月から12月までの出店・閉店状況を発表した。これによると年間新規店数は365店で前年より24・9%減少、増床面積は6・1%減って6万4537坪だった。閉店は30・2%増加して1673店、減床面積は3・5%減の6万8120坪となった。
新規店数は前年の4分の3に減少したが、増床は小幅な縮小に止まっており、1店舗当たりの売場面積は177坪と前年より25・5%も拡大。新規店の売場面積上位をみても、1000坪以上店が2002年はゼロだったのに対し、2003年は3店出店している。一方、閉店数は388店の増加と前年を30%上回る大幅増となったが、減床面積は3・5%減少し、平均面積は55坪と15・4%縮小した。
文化通信では、「2002年に不採算店の撤退などを進めたチェーンのなかで、力のある企業が昨年は積極的な出店を展開。しかし、景況が回復したわけではないので、小規模店の淘汰がさらに進んだ」と分析している。
取次別の新規出店の数字は、トーハン152店・2万4519坪、日販114店・2万5631坪、大阪屋39店・4671坪、栗田12店・1657坪、中央社12店・923坪、太洋社22店・5788坪。新規出店数の72・9%、坪数の77・7%をトーハン、日販両社で占めた。

豊島・練馬支部思い出の記②/元豊島区・大岡書店・大岡辰弥

〔西武沿線書店協同組合の設立〕
他業界からの進出とあっては組合として黙っている訳にいかない。当時支部長だった私は「全国書店新聞」昭和50年5月5日号に西武百貨店の書籍売場拡大反対の意見書を支部総会の名で掲載し、反対運動を始めた。花山都会議員と区商連会長の今泉区会議員に介添えを頼み、組合の意図を西武側に伝えた。何回か交渉の場が持たれたが方針に変更なく、売場面積、商品構成の条件交渉に入った。最後は営業の自由があると開き直られる始末で、売場を270坪に減じ、専門書に重点を置き既存の中小書店との競合を極力避け、支部に特別会員として加入することで合意せざるを得なかった。
しかしこれは西武沿線書店を刺激し、それぞれ防衛策を講ずる端緒となった。その現れが池袋沿線書店協同組合の設立だった。西口の芳林堂の斎藤さんが、私の意見書に触発され提唱した。個人では守り切れないから組合を作り団結して防衛しようと沿線書店を2人で歴訪した結果、東久留米の黒目書房、清瀬の飯田書店、保谷の野口屋書店、石神井公園のいずみ書店、中村橋の桜地堂、練馬の精美堂、江古田の青山堂、立教通りの大地屋書店、区役所前の大島書店(後に東長崎に四季書房として出店)、赤羽に昭和堂書店、少し後に正文堂、大塚の大松堂書店、目白の野上書店が加盟した。
事業計画として①書籍・雑誌・教育図書の共同購買②団体協約の締結③事業に関する経営及び技術の改善と向上・組合事業に関する知識の普及を計るための教育及び情報の提供④福利厚生に関する事業を掲げ資本金450万円で発足した。理事長には芳林堂が子会社南秀社の名前で加盟して斎藤氏がなり、専務理事には大岡(当時東京組合常任理事)、理事に渋谷氏(東長崎の四季書房)、飯田氏(清瀬の飯田書店)、伊藤氏(江古田の青山堂)、監事に鳥田氏(練馬の精美堂)が就任した。
例会を第2・第4水曜日に開き、情報交換とその月の事業を決定した。事務室と女子事務員は南秀社が提供したが、共同仕入は倉庫と配送がネックとなり、神宮館の「暦」と「現代用語の基礎知識」を取り上げたに留まり、成果を上げるには至らなかった。理事長の斎藤氏が西武の向こうを張って石神井公園駅の奥に専門書を揃えた店を出したため理事長不信の声が上がり、大地屋書店、野上書店、桜地堂、昭和堂、大松堂の5店は脱退するハプニングが起こり、僅か2年で解散した。しかしこの間、週2回の情報交換や評論家の小林・加藤両氏を招き話を聞くなど(小林氏の時はテレビで放映された)中小書店の経営のあり方を学び、各店が店舗拡張するなど防衛に役立ったとも言い得る。発足当初は毎月30万円積立て、10年たてば4500万円になり、大きな仕事が出来るとの目標も幻に終わった次第である。

〔東京組合の諸活動に取り組む〕
一方、東京組合では大川さん、酒井さん、土橋さんと3代の理事長に仕え、15年に亘った。この間、前述の適正利潤獲得運動、週刊誌・雑誌の発売日励行、大型店舗の出店対策、取次との公正取引問題、月一回払いの実施、再販売価格の維持運動など山積みだった。最初広報委員会に所属し、教文館の中村さんが委員長で過去の組合月報が散逸しないうちに揃えておこうと1号から苦心して集めたのを思い出す。「50年史」に「目次で綴る組合報の歴史」を掲載できたし、私も13回投稿している。当時予算が少ないので出版社に広告を取りに回り、配送も取次の荷物に入れてもらっていた頃である。広報委員長は石田、大岡、八田と引き継かれ、後日思い出の放談記事が組合報に掲載された。
雑誌早売り問題はしばしば理事会の議題に上り、月曜日発売の「少年ジャンプ」が槍玉に上がっていた。日曜を挟み土曜日に酒屋とか雑貨店で売られては処置なし。講談社など版元も協力的だったが、小取次の車が製本屋から受け配送するものと思われ、取締まりは不可能の状態だった。組合員でも少数ながらこのルートを利用するものがあると聞いた。地下街の書店、コンビニは前夜配達されるので翌朝まで雑誌も含め陳列を遠慮してもらうより手はない。ところが中堅取次とか鈴木書店が大書店に早出し(地下街の店は朝の営業始めが遅いので前日配達しないと陳列が遅れるとの理由・岩波を得意とする鈴木書店は企業努力から前日配達していた)をするので、組合に来てもらい始末書を書かせたこともあった。
取次との公正取引問題は取引は個々の原則は認めるとしても大型店と中小書店との扱いが公平を欠く。ベストセラー作りの光文社がカッパブックスを刊行した時は初版を大型店に山積みし、売れ行き調査を行った。売れ行きが見込まれると増刷し新聞広告を出し、その時点で中小書店に配本される。この方法が公正かどうか問題となった。光文社の藤岡販売部長に支部として交渉に行ったが、増刷分を出来るだけ住宅地の書店にも回しますということで終った。
月1回払いの実施はそれまで30日締めの15日払い・15日締めの30日払いで書店の売上げは半月銀行に溜るのみ。取次は手形払いでは不合理だと言うもので案外早く実現を見た。もっとも100%支払には報奨金制度もあったし、2回払いの方が支払いやすいと言う店もあった。
出店問題は大型店の進出・系列多店化・他業界からの進出等で、古くからの住宅地の書店は圧迫を受けることとなった。支部内では西武池袋線椎名町駅に「書原」。駒込と上石神井駅に「雄峰堂」(小取次の親和会系)。有楽町線の千川に「アイブックス」(学校図書館専門の学校図書サービス)。「メトロ」が地下街に出店、それぞれ支部として交渉し調整した。さらに練馬の奥に車のお客目当ての大型店が出現した。このように正味引き下げは杞憂通り出店問題に拍車を掛ける結果となった。超大型店として東京駅の八重州ブックセンターと池袋のジュンク堂があるが、ジュンク堂は組合員であり、支部会には岡君が必ず出席し、支部員の客注品を融通し、これを制度化したり支部に特別協力をする方法が取られた。(つづく)

私はオンエアスタディ/テキスト全体の底上げ図る/NHK出版

NHK出版は2月5日午後4時半から新宿の京王プラザホテルで春の販売促進会を開催。平成16年度のNHKテキスト、図書企画を中心に説明会を実施した。
説明会で佐々野営業局長は昨年の同社の業績について「書籍はプラスで、生活人新書、文芸書、『冬のソナタ』が底上げした。雑誌部門はマイナスで、語学テキストはプラスだが、家庭テキストのうち『きょうの料理』『趣味の園芸』がよくなかった」と報告。さらに新年度の施策として①マーケットリサーチで視聴者の意向を調査して番組に反映したい、②テキストの内容刷新を図る、③例年に増して宣伝を強化し、発売日当日と月初めに新聞広告で書店への誘導を図る――と説明。「テキストコーナーの拡充をお願いしたい」と呼びかけた。
引き続き編集局山田統括部長から重点企画について説明があり、①家庭テキストでは『きょうの料理』『趣味の園芸』をてこ入れする、②単行本の目玉はNHKスペシャル「地球大進化」(全6巻)、③文芸書では津本陽書き下ろしの「小説渋沢栄一」(上下)、④6月で1000号を迎えるNHKブックスの記念フェアが紹介されたほか、4月から再放送が決まった「冬のソナタ」は2月に10万部増刷すると発表した。
販売計画は梅川販売部長が説明。「テキストは昨年122点、5673万部発行し、実売70・3%とかつてなく低かった。16年度はテキスト全体の底上げをはかり定期購読を促進する。東京を中心に約30万戸にポスティングする。『きょうの料理』は4月号にハガキを綴じ込み、書店の番線印を押して申し込むと、もれなく特製トートバッグを進呈する。家庭誌は放送の中でも宣伝していく。2004年テキスト祭りのキャッチフレーズは『私は、オンエア・スタディ』。売上目標は3・6%アップに置いている。3月中旬に全国4000店に飾付けの拡材を送付する」などと述べた。

角川が持株会社設立/アスキー、エンターブレインを併合

角川ホールディングスは1月29日の取締役会で㈱メディアリーヴス(資本金10億3500万円)の発行する株式及び新株予約権の公開買付け(TOB)を行い、経営権を取得することを決議した。
メディアリーヴスは㈱エンターブレインと㈱アスキー両社の持株会社で2002年11月に発足している。
エンターブレインは「週刊ファミ通」などエンタテインメント分野を得意とし、メディアワークスの「電撃プレイステーション」と競合してきたが、今後、ライバル意識を持ちつつ、各ブランド強化を図ることでTVゲーム業界を活性化するという。
また、アスキーの発行するPC・IT関連ジャンルは、本格的ブロードバンド時代に向けて角川グループコンテンツ事業の領域をさらに広げるものと期待されている。
昨年3月期の両社の売上高と社員数はエンターブレイン190億7400万円、241名。アスキー101億6500万円、236名。

社名変更

エイエヌエキスプレスは1月15日付で社名を㈱JL(ジャパンロジスティクス)に変更した。

十社の会巡回販売

あかね書房、岩崎書店、偕成社、学研、金の星社、国土社、小峰書店、ポプラ社、リブリオ出版、理論社でつくる「児童図書10社の会」の巡回販売は今年で30年。昨年立ち上げたホームページに受発注機能を新設し、5月から迅速な注文出荷体制を準備している。
巡回自主販売は4月1日から8月31日までが期間で、書店は2月中に事前登録が必要。10社の会では平成16年版カラーカタログ「本を選ぶほん」(頒価本体2200円、書店渡し550円)を製作準備。今年度版は昨年より44ページ増えて524ページに954シリーズを掲載している。
総合学習特集のほか、朝読特集ページを新設。ヤングアダルトのページもつくり、中学校でも使いやすくなった。書店の申込み締め切りは2月29日、配本予定は3月18日。
販売促進費は売上げ30~50万円が2・0%、50~200万円3・0%、200~400万円3・5%、400万円以上は4・0%。3カ月延勘。
今年の販売目標は同行巡回販売28億7千万円、自主巡回販売19億8千万円、合計金額で前年比100・4%の48億5千万円。問い合わせは国土社まで。

書店実務マニュアルの改訂版を発行

トーハンはこのほど「出版販売の基礎知識書店実務マニュアル」の改訂版を発行した。頒価本体1000円。
出版物の流通、販売システム、商慣習や書店実務、商品知識など書店の仕事に不可欠な基本的知識をわかりやすく解説する。巻末に業界用語集、月別販売ガイド、雑誌増売期カレンダーなどを掲載。
注文・問い合せはトーハン・コンサルティング。03―3267―8686。

人事

◇主婦と生活社
販売本部販売営業部次長兼販売促進課長(販売営業部次長)今井陽敬
商品管理部課長(販売促進課長)小暮友春
販売営業課課長代理(生産部課長代理)山田智久

◇出版梓会
(○は新任)
▽理事長=江草忠敬(有斐閣)
▽副理事長・広報委員長=安部英行(学事出版)、同・財務委員長=大坪嘉春(税務経理協会)
▽常務理事・総務委員長=佐藤英明(白水社)
▽理事・出版経営委員長=○石井昭男(明石書店)、
巡回セミナー委員長=石井一郎(中央経済社)、出版に関する権利委員長=井村寿人(勁草書房)、研修副委員長=○宇野公容(東京書籍)、IT開発委員長=大矢栄一郎(白桃書房)、出版ダイジェスト委員長=坂本尚(農文協)、出版経営・出版製作副委員長=○下中直人(平凡社)、会報委員長=土井二郎(築地書館)、出版製作委員長=長野聰(みずず書房)、研修委員長=成瀬雅人(原書房)、広報・出版経営副委員長=矢部敬一(創元社)、出版流通副委員長=○横山三雄(東京堂出版)、出版文化賞委員長=渡邊勲(東大出版会)、総務副委員長=渡邊隆男(二玄社)、出版流通委員長=渡邊直之(草思社)、出版文化賞副委員長=和田肇(作品社)
▽監事=川北博(公認会計士)、北原暁彦(法学書院)、○和田佐知子(春陽堂書店)

9月に北京図書展出展募集で説明会

本年9月2日から6日まで北京・北京展覧館で第11回北京国際図書展示会が開かれるが、日本事務局として出展窓口となるトーハン、東方書店は2月12日午後3時からトーハン本社8階大ホールで出展募集説明会を開催する。
説明会参加申込みはトーハン海外事業部内、北京国際図書展示会日本事務局まで。電話03―3266―9593番。

本屋のうちそと

お店のウインドウを覗き込む人々。「お母さんあれが欲しい」「だめだめ、育てるのが大変だから」。テレビ宣伝がきっかけで、癒されたい、可愛いからと小型犬を飼う人が増えた。シャツを着せたり、靴を履かせたり、帽子をかぶらせたり、可愛がりすぎ。
配達途中、よく犬の散歩に出くわす。奥さんがやっきになって大型犬を押さえこみながら散歩している。ひとたび他の犬に出くわすと、道路標識にしがみついて相手の犬が行き過ぎるのを待っている。
小型犬は首輪でなく、両足を通し肩に紐をつけ散歩させている。飼い主の歩幅で歩くから犬は走っている。犬が遅れると飼い主はまるで物を動かすように、ひもを持ち上げ犬ごと空中散歩させる。まるで虐待。
糞の処理はきちんとやる人もあれば、その辺に埋める人も。そうでなくても犬はあちこちの電信柱におしっこする。マーキングだというが、隣の水銀灯は根もとが腐って撤去された。
犬の専門家に聞くと、散歩の前に排便させるよう教育すると、散歩中にはしないと言う。犬の躾をちゃんとやっている人は少ないでしょう。
子どもが小さい時に家の中で飼える小型犬を20年近く飼い、亡くなる時も家族がみんなで見守ってお別れをしたと言う人もいた。そうなると家族同然で、飼い主が自分の箸で食事を与える。昔、近所の菓子屋は飼っていた犬の毛が売り物に入ってしまい、保健所が来たりして大変だった。動物に癒されるのも大変だ。(とんぼ)
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