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平成16年11月1日号
ポイント制拡大を懸念/出版社と認識共有へ努力/日書連

日書連は10月21日午後、和歌山県・高野山の福智院で移動理事会を開催した。今年の移動理事会は近畿ブロック会・和歌山組合の設営。焦点になっているポイント・カードの対応では、①ポイント・カードは値引きで再販契約違反という認識を出版社と共有する努力を重ねる、②読者に対して著作物再販制度との関連を理解してもらう運動を進める――とする基本方針を再確認した。
ポイント・カード問題の対応について、日書連は10月4日の筑摩書房を皮切りに、6日、13日、19日と4日間、計7班に分けて有力出版社21社を訪問。出版社の理解を求めたほか、15日には前参議院議員の大脇雅子弁護士を招いて勉強会を行った。大脇氏は社民党の議員だった平成13年当時、公取委の公表文「著作物再販制度の取り扱いについて」に関する質問趣意書を提出し、政府から「ポイントカードの提供が再販契約に反するかどうかは、当該事業者間で判断されるべき問題」とする公式見解を引き出した経緯がある。
21日の理事会で経過報告を行った岡嶋委員長は「訪問した出版社の一部にはポイント・カードの認識が十分でない社もあった」と報告。各委員からも、訪問した出版社の印象について「自社の商品は家電量販店で売っていない、対象にはなっていないという受け止め方に見受けられた」「一生懸命売ろうとしてポイント・カードを付けることにケチをつけたくない雰囲気を感じた」「出版社に再販契約の当事者意識が足りないのではないか」などの報告があった。さらに「取次からは52社がポイント・カードの提供をやめたと聞いているが、小田急、東武、阪急と電鉄、百貨店で広がりを見せている」とこれ以上の拡大を懸念する声も上がった。
経過報告を受けた理事会では、事態を打開するため「各地でシンポジウムを開くなど、消費者、世論を巻き込んだ運動が必要ではないか」「新聞に意見広告を出しては」「ポイント・カードに反対では世論の反発を買うだけ」などの意見が相次いだ。
この結果、萬田会長は「出版社訪問は十分な手応えがあったとは言いがたいが、出版業界三者で認識を共有する必要がある。読者へのアピールも検討したい」とまとめ、理事会として意見統一を図った。

書店新聞懸賞論文入選者

〔入選者〕
平野照子(秋田・ひらのや書店)「オバサンでもできること」
坂口昇(大阪・梁川書店)「近所の大型店はわが店の巨大倉庫」
山本信一(山口・冨永書店)
志村明美(山梨・ブックスアマノ)
斉藤雪子(千葉・次郎書店)
〔選考経過〕
書店新聞1500号記念懸賞論文「書店業務、私の提案」は7月1日付本紙に募集案内を掲載し、8月31日まで2ヶ月間、応募を受け付けました。応募論文は全部で14通と少なかったため、予備選考は行なわず、日書連正副会長、広報委員会委員、編集部、日書連事務局合わせて20名の選考委員全員にコピーを送り、文章力、具体性の2項目に分けてA、B、Cの3段階で評価してもらいました。集計結果を点数化して、得点の多い順に上位5点を入選作と決定しました。「書店業務で、こうすれば成果が上がる」という内容の論文を期待していましたが、具体的提案か否かで審査員の評価が分かれました。特筆すべきは、山梨県石和町のブックスアマノから経営者、従業員、パートタイムと4名が応募されたことです。店主自らが応募を呼びかけ、それに応えてみんなで応募した姿勢と、やる気が高く評価されたことを付け加えます。

新潟中越地震で書店に被害

10月23日の新潟県中越地震で多数の書店に被害が出た模様。25日現在、トーハン、日販、栗田、中央社の調べによると十日町・野上書店は2階の自宅が崩壊。1階店舗は本が散乱しメチャメチャの状態。仮設テントに避難している。小千谷市・セキ書店は自動ドアのガラス破損、商品が散乱して当分営業中止。島屋書店も今月一杯営業中止。長岡市・文進堂はスプリンクラーが作動して商品水濡れ。その他、ガス、電気が復旧せず営業できない書店が相当数ある模様。
トーハン調べでは長岡市で5店、見附市で2店、栃尾市で1店が被害。26日現在、小千谷市、長岡市、十日町市などで、なお18店と連絡がとれていない。
輸送は関越道が不通のため25日は中・下越地区で1日遅れ。26日から長野より116号線で長岡、東北道と磐越道で新潟に迂回輸送する計画。
日書連では当面、書店被災状況の把握に努めるとともに、見舞金を贈ることを検討している。

1年間無料体験を提供/組合書店限定でネット検索/10月理事会

〔スタートアップ〕
小学館の関連会社、ネットアドバンスがインターネット上に提供する有料の会員制知識支援サービス「ジャパンナレッジ」を都道府県組合加盟書店に無料で体験してもらうキャンペーンの実施要領が井門委員長から説明された。
体験できるのはネットワーク上に構築された書籍2万冊に匹敵する百科空間の検索機能。家族、従業員も利用できる。希望書店は11月20日までに都道府県組合に申し込み、県組合でまとめ、日書連に連絡すればネットアドバンス社がIDとパスワードを発行。12月15日から1年間利用可能。
既に百以上の大学、公共図書館で利用されており、今後、書店が外商商品として斡旋した場合20%の手数料と、年間使用料の10%が支払われる。
各県に調査をお願いしていた書店データベースの件では、宮城、愛媛組合では県内一手配送の輸送会社にチェックさせ、廃業店は2割ほどあった。これらを除いて生きている書店名簿ができたという。
〔組織強化〕
9月の組合員増減は加入2店に対し脱退が19店で差し引き17店の減少となった。4月からの累計では半年間で199店の減少。
鈴木委員長は「ナショナル・チェーンが増加し、町の本屋が消えている。千葉県は青少年条例改正が県議会を通過したが、行政から組合の活動が高く評価されている」と、行政との結びつきの重要性を強調した。
〔流通改善〕
雑誌発売日の問題で、来春から島根、鳥取、山口3県の発売日が3日目から2日目発売に繰り上げられると報告になった。これにより、北海道、九州の3日目地区を除きすべて2日目以内の発売に統一された。
土曜休配日については、今年度は6月12日、7月10日、来年3月12日の3日で、ここ数年、年間3日が続いている。しかし、来年度は6月11日、7月9日の2回にとどめたいと取協から提案があった。理事会で賛否をとったところ、販売機会を減らしたくないという声が圧倒的で、「いっそのこと、ゼロにしてもいいのではないか」という声もあがった。
雑誌返品期限を示す「L表示」の件では、東京組合柴崎委員が「月号の表示がまちまちで、次号発売日に前号を返品すると未入帳になるケースがある。入帳期間を延ばすよう申し入れたい」と説明した。
〔情報化〕
10月20日に日書連マークを導入して図書館を運営している京都・花園小学校と、夜間は市民に開放している伏見区・深沢小図書館の装備を近畿各県組合の図書館担当者で見学したと志賀委員長、中村京都組合理事長が報告した。
花園小学校は専任職員1名とパートタイム15人で運営、京都組合が図書装備を行なっている。京都で日書連マークを導入しているのは20校。公共図書館は昨年7月に開館した右京図書館の装備を京都組合が行なっているが、ようやく軌道に乗り始めたことなどが紹介された。
〔指導教育〕
万引き防止問題で京都、滋賀両組合も万引き防止を呼びかけるポスターを製作したことが報告された。
京都組合では府議会、府警と書店組合が協議した結果、10月中旬に組合書店にポスター2点4枚を配布し、今後も三者の協議を継続していくことで一致したという。また、11月府議会で青少年条例の改正がかかり、未成年者からの古書買い上げ規定の強化を求める方針。
出店関係では丸善丸の内本店、文教堂渋谷店の営業概要、仲間卸しなどが報告されたほか、京都錦通り近くのJT配送工場跡地に出るスーパー出店で京都府が商調法に基づく調査の申し出を受理した件で情報収集の必要性を確認した。
〔広報〕
台風のため1ヵ月順延した全国広報委員会の模様を今西委員長が報告した。書店新聞1500号記念懸賞論文は審査の結果、5店の入選作を発表した。
〔共済会〕
今年は台風上陸による被災が多いため、10月14日の臨時委員会で災害給付を集中審議したと伊澤副委員長から報告され、今後の被災についても書類が整い次第、早めの申告を求めた。
〔増売〕
「第4土曜子どもの本の日運動」は今秋、徳島、福井、宮崎の3県、来春に秋田、山梨、山口3県、来秋に新潟、三重、高知で実施し、47都道府県組合が一巡する。読書週間書店くじの申し込みは437万枚で、前年の1割減。

〈新年懇親会実行委員〉
来年1月21日に箱根湯本・湯本富士屋ホテルで開催を予定している出版販売新年懇親会実行委員が次の5氏に決まった。
委員長=丸岡義博(東京)委員=野澤恒雄(埼玉)、三上一充(兵庫)、水川雅生(広島)、長崎晴作(熊本)

〈和歌山組合出席者〉
宮井治夫(宮井平安堂)多屋睦男(多屋孫書店)武田良祠(武田書店)荒尾寔(荒尾誠文堂)宇治三郎(宇治書店)津田成生(津田書店)上野山順士(上野山書店)小堀裕弘(小堀商店)城壮(宮井近鉄店)久保田修平(県組合事務局)

催し

◇丸善村田社長が講演
12月3日午後2時から日本出版クラブで開かれるトーハン総研カルチャーフォーラムに、丸善の村田誠四郎社長が「日本橋そして丸の内」として講演する。受講料5千円。申し込みはセミナー事務局。電話03・3268・0731、FAX3268・0756

神奈川読書推進会が第2回会合

子供たちに活字の面白さを知ってもらう目的で一昨年発足した神奈川県読書推進会(会長・稲村隆二神奈川新聞社社長)の本年度第
2回会合が18日、神奈川新聞社会議室で開催された=写真。参加したのは出版社、取次など13社と神奈川県書店商業組合(長谷川義剛理事長)、県教委。
会議では、①「夏の推薦図書感想文コンクール」への協力実績②「ステージアップ読書ノート」運動の推進状況③県児童福祉審議会への「推薦図書」候補選出などが報告された。
また、23日に横浜で行われる県子ども読書活動推進会議と県教委主催の「こども読書推進フォーラム」への取り組みが話し合われ、同会の長谷川副会長が「官民が一体となってフォーラムを成功させたい」と出席各社に協力をお願いした。

9月は8・5%の大幅増/『ハリポタ』で客単価も上昇/日販調べ

日販経営相談センター調べの9月期書店売上げは、『ハリー・ポッター』第5巻の発売により、前年比8・5%の増加を示した。今年4月の2・1%増以来、5ヵ月ぶりのプラスで、今年最大の上げ幅。書店規模別でも全規模でプラスになったが、41~80坪クラスは3・0%増にとどまった。
ジャンル別では『ハリー・ポッター』効果で文芸書が197・2%と前年から倍増。児童書で集計している書店もあるため、同ジャンルも157・8%となった。雑誌は『MAQUIA』(集英社)、『BOAO』(マガジンハウス)などの創刊誌が好調だったのを受けて1・6%増と5ヵ月ぶりの前年クリア。新書は前年の『バカの壁』の反動で92・3%に。
客単価は7・8%増えて1138・1円。これも『ハリポタ』効果か。

読書の喜び子ども達に/読書活動推進フォーラム/神奈川

読書の喜びを子どもたちに与え、活字離れを防ごうと「子ども読書活動推進フォーラム」が10月23日、神奈川・横浜市の市教育文化ホールで開かれ、読み聞かせボランティア、学校・図書館関係者、一般読者など約500名が来場した。県子ども読書活動推進会議、県教育委員会の主催。神奈川新聞社、神奈川県書店商業組合協力。書店組合からは長谷川理事長、井上副理事長らが来場した。
詩人で作家の三木卓氏が「親子で楽しむ読書の世界」をテーマに講演。「読書は人間の心に欠くことのできない栄養。幼い頃から本を読む習慣をもつことは大切」と話し、新聞記者だった父親が本を読んでくれた思い出を語って読み聞かせの重要性を訴えた。
読み聞かせボランティア「すずの会」代表の塩練雪子氏、本の学校「ファンタージエン」主宰の吉川和代氏が事例発表を行ったあと、両氏にNPОブックスタート理事の佐藤いづみ氏、JPIC読書アドバイザーの児玉ひろ美氏を加えた4名でパネル・ディスカッション「読書の喜びを子どもたちに」を行った。コーディネーターは「藤沢おはなしの勉強会」副会長の菊地彰子氏。読書推進活動はそれぞれの立場から目的意識をもって地道に無理なく続けることが大切と話し合った。

日書連MARC説明で書店巡回/青森組合

青森県書店商業組合の情報化推進チームは9月13日から15日までの3日間、青森図書と協力して日書連MARCおよび図書館運営・管理ソフトの説明のため、書店を巡回した。
青森組合は今春、青森図書内に図書情報装備センターを立ち上げ、学校図書の装備付納品を進めている。
今回、同センターを利用する書店数を増やすため、情報化推進チーム員と青森図書営業担当者が同行して書店外販部を巡回し、説明やデモを行ったもの。同センターの利用状況を説明し、組合としての意気込みを示す狙いもある。
書店によって理解の度合いにいろいろな差があり、基本的なMARCの説明や組合の取り組み方の説明が必要な場合がある一方、具体的な操作方法の問題や地教委への予算の獲得法までと様々である。また、実際に巡回してみると個々の書店特有の問題もあり、書店の細かい情報を整理し、同センター運営のこれからの問題に対応しなければならないことが分かった。
10月、11月にも同じ方法で巡回することを予定している。
(黒滝恭一広報委員)

定款変更を承認/長崎組合臨時総会

長崎県書店商業組合は10月14日午後3時半から臨時総会を開き、組合員69名(委任状含む)が出席した。臨時総会で、中山理事長は定款変更理由を説明、中央会より変更部分の説明があり、定款変更を全会一致で承認した。
臨時総会に先立ち正午から行われた臨時理事会では①定款変更②書店データベースによる組合加入促進③共済会1口2千円負担――の3つの議題を審議した。最後に地場出版社正味の件で、掛率を下げることができないかとの意見が出た。
午後1時半から2つの研修会を開催。日書連マーク研修会では、日書連の井門副会長、中尾情報化推進専門委員が「TRCに勝つための図書館戦略」をテーマに現状説明、パソコンを使った実演を行った。また、図書カード説明会では、日本図書普及の平井カード事業部長が来秋カード化について話した。
(古瀬寛二広報委員)

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・乙川篤子

◇2歳から『なにたべてるの?』たかはしかずえ=作/いちかわけいこ=文/アリス館1000円/2004・1

トラネコが「何たべているの?」とみんなにたずねています。ゾウさんやゴリラさん、パンダくんにリスさん、男の子が「君もたべる?」と聞いてくれますが、答えは「いいえ、けっこう」。トラネコが食べるのは、さ・か・なです。ユーモラスなトラネコの表情が楽しい絵本です。

◇4歳から『ぜったいがっこうにはいかないからね』ローレン・チャイルド=作/フレーベル館1300円/2004・3

兄さんのチャーリーとわがままな妹ローラのお話です。学校へ行きたくないローラは色々な理由を作ります。チャーリーは学校へ行って新しい言葉や字や数を習わないと困る事が沢山あるし、楽しいことも沢山あると教えます。めくるたびにカラフルな遊び心いっぱいのページが広がります。

◇小学校低学年向き『メアリー・スミス』アンドレア・ユーレン=作/光村教育図書1400円/2004・7

メアリーおばさんは豆をとばして何をしているのでしょう。目覚し時計が一般的になる前、朝早く起きるには工夫が必要でした。そこで英国には「めざまし屋」という仕事がありました。メアリー・スミスは実在のめざまし屋です。豆を窓にあててその部屋の人を起こします。

11月14日まで福岡で国民文化祭/県書店組合も協力

「第19回国民文化祭・ふくおか2004」が10月30日からスタートし、11月14日まで福岡県内各地で様々な催しが行われる。文化庁、福岡県など主催。福岡県書店商業組合など協力。音楽、演劇、伝統芸能、舞踊、美術など様々な分野別フェスティバルが行われる。出版関係では「絵本ワールドinふくおか」が11月6日、7日の両日、福岡市のアクロス福岡で、「福岡まんが・出版祭」が11月6日、7日の両日、北九州市の西日本総合展示場本館で開かれる。
「絵本ワールド」では児童文学作家・たつみや章さんの講演会や、絵本・児童書1万冊の展示販売「子どもの本マーケット」などが行われる。また、「福岡まんが・出版祭」では、漫画家・松本零士氏と畑中純氏の対談、とびうめまんが大賞表彰式、貴重グッズや最新まんがの販売、作品展などが行われる。

懸賞論文入選作/「近所の大型店はわが店の巨大倉庫」大阪市・梁川書店・坂口昇

大型店進出のたび小商店は数店廃業に追い込まれます。
大店法がたびたび改悪され、その法自体もなくなりました。一つまた一つと小商店のシャッターは閉ざされたままです。
わが店は大阪通天閣のある浪速区の下町に位置する20坪の文具・書籍雑誌併売店です。当初、業績順調で最盛期は従業員5人、支店アルバイト1人、お手伝いさんもいて将来に何の不安も持たずに暮らしておりました。
店の形態は文具80書籍雑誌20の本屋とはとてもいえないもので、収益の悪い書籍雑誌の販売を早くやめようとつねづね思っておりました。
異変を感じたのは90年代に入ってからでした。右肩上がりに業績がのびていたのに91年から毎年前年実績を割り込む事態に至りました。従業員も1人去り2人去りで最後に開業当時から働いている60歳前の番頭だけになりました。それとて給料を出すのに四苦八苦で毎月40~50万円の赤字を抱えることになりました。
支店はアルバイトのおばちゃんに在庫つきで営業権を無償で譲りました。
番頭は60過ぎても働きたいと言っていましたが、とてもその余裕がないことを説明し、退職してもらいました。退職金などとても払えませんでしたが幸い厚生年金にも入っていましたし、親戚に借りた百万円の慰労金と、店以外に10坪の鉛筆ビルも業績悪化前に取得していましたので、その2~3階に10年間無償で住んでもらうことで納得してもらいました。
夫婦2人で再出発を試み数年を経過した頃、今度は店のすぐ近所にコーナンの大型店が進出してきました。アスクルなど文具の通販が私どもの商圏を荒らした上の事態で、頼みの文具の売り上げも激減しました。これで万事休す、です。
借金が膨らまないうちに廃業も考えていた頃、大阪府書店商業組合で大変お世話になっている大先輩から、その配達先を一部頂くことになりました。
渡りに舟とはこのことで、今までの考えを改め本屋で生きていこうと心に決めました。文具と違って大型書店でも私たち場末の本屋でも価格が一緒だということは、大型書店に打ち勝つとはいえないけれども共栄ぐらいはできるような気がしたからです。私たちは大型書店がやらない配達という付加価値を読者に提供することによって差別化を図っていけば何とか太刀打ちできると思ったからです。
雑誌の定期改正がうまくいかないことは多々ありますが、大型書店進出のとき組合の先輩が勝ち取られた仲間卸が威力を発揮します。仲間卸は取次の責任を不問にするという声もありますが、読者にその日に届けなければならないときはそうも言っておられません。私は大型書店の商品はなんせ取次の支店在庫よりも多いのですから、わが店の倉庫ぐらいの気持ちで利用させて頂いております。
小さな店は大型店の影響をもろに受けます。店を選ぶのは消費者ですから消費者に見放された店はどうあがいても淘汰されてしまいます。財力のない小さな店は知恵と工夫と情報収集がないと、この時代生き残ることが出来ません。
アリが群れて生きるように弱小書店は組合という集団にこそ活路があるように思えてなりません。私は現在組合活動にも微力ながら参加させて頂いております。ですから、今は胸を張って本屋ですと言っています。辞めてもらった番頭にもパートとして最近働いてもらうようにしました。再起を期し先輩から譲り受けたバイクで今日も元気に配達しています。
懸賞論文入選作/「オバサンでもできること」秋田市・ひらのや書店・平野照子
私は1950年生まれの54歳。50歳を間近に控えた1999年11月、素晴らしい仲間に出会うことができました。「全国書店新聞」の小さな記事がきっかけでした。関西の書店グループ「本屋の村」が開発・頒布する外商管理システムの勉強会を見学するために飛び入りで参加させていただいたのです。パソコンの「パ」の字も知らない私は娘同伴で東京へと向かいました。
説明を聞き、子供たちに手伝ってもらえば導入してもなんとかできそうな気がして「無料お試し」に挑戦することにしました。パソコン1台とプリンターを買い求め、顧客リストと定期リストを入力する作業を終えるともう実践です。質問はメールで…が基本なのでメールを覚えなくてはならず、四苦八苦してマスターしました。
そして正式ユーザーとなってもうすぐ5年になろうとしています。その間、開発スタッフは次々にバージョンアップし、一昨年にはついにPOSレジまで作ってしまいました。パソコンにレシートプリンターやバーコードスキャナーなどを取り付けるという手作りのレジですが、家族4人プラス1人で営む書店には費用負担も少なく、それを導入することで外商分と店売分を一括で管理し、入荷・売上・返品の数字をひとめで確認することができるため、そのデータを活かして雑誌の定期改正や書籍の補充発注の作業をしています。取次のシステムと合体して最大限活用することで「いくら売れたか」だけでなく「何が売れたか」をいつでもパソコン上で確認できるので、毎日の仕事の時間を効率よく使うことができます。
いまやスーパー・コンビニではもちろん、道の産直野菜までが生産者・商品名・価格をバーコードで管理される時代ですから、書店業界が膨大な商品の流通をコードで管理する流れは当然だと感じています。コードで管理することでパソコン上にひとめで店頭在庫の有無がわかるので、お客様への対応にも役立っています。このシステムのおかげで「タダのオバサン」より「ちょっとは仕事のできるオバサン」になれたように思っています。
そしてなにより、仲間がみんなで参加しているメールの輪はラクラクシリーズの質問・応答にとどまらず、日本中の書店仲間との交流の場でもあるのです。メンバー数百人全員に送信されるメールですから、誰かの質問を読んで自分もわからなかったということが、その後スタッフの返事が全員に送信されて納得といったことがよくあります。スタッフ以外でもメールでサポートしてくれますし、一度も会ったことのないメンバーでも昔からの知り合いのような気分でメールをしています。地域、帳合、規模そして年齢も違う書店同士が知恵を出しながら助け合ってパソコンを使いこなそうとしています。まだまだ知恵を拝借する機会の多い私ですが、最近では自分が出来る範囲で仲間の書店へアドバイスできるようになりました。
雑誌でいえばラクラクシリーズの付録のようなこの「助け合いネットワーク」によってこれからもお互いが元気にがんばれる書店を目指していきたいと思っています。

ふるさとネットワーク/四国ブロック編

〔香川〕
ブームはいろいろと面白い副産物を生み出したりするものだが、讃岐うどんブームで何かないかと調べてみると、「讃岐うどん神社」なるものを発見した。本当の神社なのか、それとも、かつて横浜ベイスターズが優勝したとき、横浜駅東口の地下街「ポルタ」に佐々木主浩投手の愛称「ハマの大魔神」にちなんだ「大魔神社」というのがあったが(その後撤収)、ああいったようなものなのか。
讃岐うどん神社は平成11年3月、うどん製造を手がける㈱マルキンが讃岐うどん伝来・発祥の地とされる豊田郷(豊浜・大野原周辺)の地にちなみ、大野原工場内に建立。隣には同社が運営するうどん屋「萬城屋」がある。由来書によれば「海の恵みをあらわす投網と山の幸をあらわす石臼を奉り、日本古来のうどん文化の発展と、人々の健康、金運を祈願するものである」という。讃岐うどん好きはとりあえずお参りを。

〔徳島〕
9月の日本経済の「日経プラス1」に国の名勝に指定された180ヵ所から専門家14人が、お薦めの日本庭園を10位まで回答した記事が載った。「何時間でもたたずみたい日本庭園」を尋ねるとベストテンに当地の「旧徳島城表御殿庭園」が入っていたので驚いた。ベストテンといっても10位であるが、上位にあるのは金閣寺、龍安寺、天龍寺、醍醐寺(以上京都)、兼六園(金沢)、毛越寺(岩手平泉)、後楽園(岡山)、栗林公園(高松)など名立たる名園とともに選ばれたのだからすごいことだ。昔から「知る人ぞ知る名園」だといわれているのは知っていたが、これほどとは思っていなかった。
この庭園はもと阿波大守蜂須賀公の居間や表書院の庭として作られた。枯山水庭と築山泉水庭の2庭からなる阿波特産の緑泥片岩を使用した桃山様式の庭園である。
(林健二広報委員)

〔愛媛〕
松山市では、市をあげて「坂の上の雲のまちづくり」構想がすすめられています。ネーミングは、司馬遼太郎の『坂の上の雲』にちなんでのものです。昨年、NHKが平成19年大河スペシャルにおいて、同作の製作・放送が発表されて以来、にわかに熱が入った次第です。
司馬さんは四国をテーマに、多くの小説を発表されていますが、『坂の上の雲』は、その中でも代表的な長編小説です。松山を舞台に、正岡子規、秋山好古、秋山真之兄弟の交流を中心に、明治という時代の日本人の国造りが描かれています。松山には現在も、小説の舞台となった史跡が数多く保存されております。
記念館の建設とともに、それら史跡を巡るボンネットバスの運行も計画されております。我々も道後温泉に続く観光の名所になることを心より期待しております。
(光永和史広報委員)

〔高知〕
高知の特産品を首都圏で買うことができる、高知県公認のアンテナショップが4店ある。吉祥寺高知屋(東京・武蔵野市)、自由が丘高知屋(同・目黒区)、コウチ・マーケット(同・中央区)、土佐の朝市龍馬屋(神奈川・横浜)で、4店はそれぞれ異なるコンセプトで運営している。共通しているのは消費者のニーズを高知の生産者へフィードバックし、販路を拡大するほか、県産品の情報発信機能を持っていることだ。
コウチ・マーケットは築地場外市場にあり、生産者の顔が見える商品を提供している。いろいろ使えて美味しい「馬路村ゆずぽん酢」、四万十川の水で育った鮎を炭火で焼いた「焼きアユ」などが人気だ。築地市場では珍しく年中無休、しかも午後4時まで営業しているので、平日・土曜日なら買い物客でごった返す午前よりも空いている午後、または日曜・祝日・水曜の休市日に行くのがいい。

「声」欄への投稿について

「声」欄では皆さんからの投稿を募集しています。テーマは出版業界への提案、書店経営で思うことなど。従業員の皆さんからの発言も歓迎します。原稿は800字以内にまとめ、住所、氏名、店名を明記の上、編集部「声」係へ。FAX、電子メール投稿可。※紙上匿名はできますが、氏名の明らかでない原稿は掲載しかねます。主旨を変えずに文章を短くすることがあります。

「声」/情報格差解消へパソコン導入を/武蔵野市・拓方堂書店・冨永滋

役所などが電子入札というシステムを導入し始めている。都道府県の中で最も早く電子入札に取り組んだのは岐阜県という。16年の4月から紙の入札を廃止して、すべて電子入札にしたという。電子入札に参加するには事前に電子証明書を購入する。電子事業者登録と証明書が必要です。これは地元だけではなく、自分が入りたいところへ参加することが出来る証明書です。パソコンからこれを証明してくれる公的企業が何社かある。
これまでは参加資格者が登録名簿に書き込めば、事業者ごとに定められた範囲の入札に参加できた。入札が電子化されると、電子登録が必要となり、パソコンを使いこなせないと参加資格も失う。岐阜県では公共工事入札に3600社が参加していたが、電子入札になってからは全資格者の55%がなり、その他の事業者は公共事業の受注機会がなくなった。
電子入札に参加するためには、インターネットに接続されたパソコンで指定された証明書を購入すれば参加できる。ところがパソコンが必要となる。パソコンを使いこなしている人ばかりではない。ここに格差が出てくるだろう。パソコンを買って電子認証の知識、電子入札の動作習得がないと参加できない。この内容を役所に聞くと、まだ役所が全体像を把握していないから、参入するわれわれに説明が出来ない。このような問題は誰に聞くとわかりやすいのだろう。
うちの役所は大丈夫という時代は終わった。いずれ近いうちに電子入札システムに変わっていくのだろう。今からでも遅くない、パソコンの勉強をしておこう。役所に限らず入札がどんどん電子化されていくのだから。
商工会議所では、このデジタルデバイド(情報格差)を解消するために積極的に取り組もうとしている。電子認証に関する正しい知識と理解のセミナーを行っているという。時代のニーズに応じてサービス内容を積極的に変える努力が必要になってきた。

出版業界活性化への提言/講談社取締役・森武文

講談社の森武文取締役は10月3日に開かれた協和会総会で「どうなる出版業界・活性化への提言」を講演し、「出版業界ぐるみで読者を育てていく運動を展開しよう」と訴えた。

■読書環境の変化
出版業界は7年連続のマイナス成長で、7月までの状況も大変厳しい。書籍は芥川賞や『世界の中心で愛をさけぶ』などに支えられたが、雑誌はマイナス1・6%。とりわけ深刻なのは週刊誌のマイナス4・2%だ。「週刊現代」「週刊ポスト」「マガジン」「サンデー」の不振が響いている。講談社も2003年度は前年比97・6%だった。書籍は『半落ち』『アフターダーク』が出てきて、明るさが見えてきたが、雑誌は92~93%で推移した。
環境も大きく変わってきた。消費低迷、ゲーム、携帯電話、インターネットと、時間とお金の争いだ。面白ければ、ほかに時間とお金をとられてしまう。少子化は出生率1・29と先進国で最低の数字で、今後も出版界の大きな足かせになる。とくに雑誌の世界に重くのしかかってくる。それに2500店から3000店といわれる新古書店。5千店までいくだろうマンガ喫茶。最近増えているレンタルブック。図書館もベストセラーを置き、マンガまで貸し出している。
電子辞書は2003年の市場規模が440億円。6、7年前の約6倍に急成長し、今年度は540億円と言われる。紙の辞書は半分の250億円だ。神田・三省堂も店売で初めて紙と電子辞書が逆転した。コンテンツを少し安く売りすぎたという反省もある。電子書籍は今のところ10億から20億円規模だが、2005年度には100億円以上になる見方もある。
松下のシグマ・ブック、ソニーのリブリエ、あるいは携帯の読書スタイルも出てきた。携帯で『人間の証明』が読める。携帯画面では読みにくいと思うかもしれないが、中高生は平気でメールをやっている。電子化になれば紙、印刷、返品もなくなる経済的メリットがある。凸版印刷は曲げられる電子ペーパーを開発中だ。ソニー、松下、NTTと大手が本気を出してきたので大きく化ける可能性は秘めている。
■大型店の出店競争
書店は2003年の閉店数が1673店。現在数は1万8473店と言われる。出店は私どもの調査で355店。日書連の数も7500店を割ってしまった。一方、丸善丸の内本店は1750坪で出店し、売上げが1週間平均で1日3100万円を超えている。ジュンク堂は新宿・紀伊国屋書店の斜め前に出る。札幌には紀伊国屋書店が出る。同じく札幌にはコーチャンフォーが書籍売場1200坪で開店した。書店の店舗減少の一方で大型店同士の競争がある。
出版業界のパイはふくらんでいない。雑誌の売上げは落ちている。講談社だけでなく、小学館、集英社も雑誌、コミックで利益を稼がなければやっていけない利益構造だ。巨人軍のように4番バッターだけ集めても野球はできない。お堀の石垣は大きな石と小さな石の組み合わせがあってこそ崩れない。
競争相手は書店だけではない。ネット書店、マンガ喫茶、家電量販店、CVSと、たくさんの業態がある。ネット書店の市場規模は415億円。2005年は520億円の予測だ。講談社でネット書店の売上げシェアは0・8%。なんだ小さいじゃないかと思うかもしれないが、このうち9億円がアマゾン。昨年9億円のアマゾンが、今年は15億円から16億円と予想している。アマゾンから学ぶべき点はある。東野圭吾の本を購入すると、同じ著者の別の本を薦めるなど、いろんなサービスをしている。いいところはぜひ取り入れて欲しい。
情報はいままで有料だったが、無料雑誌、フリーペーパーが増えている。リクルートの『ホット・ペッパー』は500万部配られている。今度は『R25』という週刊誌を発行し、店頭や駅頭でまいている。今まで週刊誌、女性誌、情報誌、夕刊紙を買っていた人は、通勤時間を十分これで楽しめる。アイデアはすごいが、果たして出版界には味方なのか敵なのか。
出版界はどうすれば活性化できるか。まず、出版社の商品力、企画力、コンテンツ強化が必要だ。それに、あまりにもデータ、POS万能主義に陥っているのではないか。書店店頭で読者が何を考えているか、どんな人が買っていくのか皮膚で捉えないと駄目だと思う。パソコンには昨日売れた情報が全部入っているが、それで納得してはいけない。他メディアと、時間とお金のシェアリングの戦いだから、もっとコンテンツを面白くしなければいけない。
■本と読者の出会いの場
書店は、そもそも本と読者の出会いの場だから、それを楽しくする演出が必要だ。愛知の「孫の日」読書推進運動の提唱者、高須さんは「読者を育てていくのは書店の永遠のテーマ」と言っている。
本の面白さ、価値を伝えるのは書店だと思う。この本は面白いという声かけ、POP作りをどんどんお願いしたい。書店業界には楽しみな動きが出ている。それは書店発のベストセラーだ。『世界の中心で愛をさけぶ』『白い犬のワルツ』、講談社文庫で東野圭吾の『宿命』という、11年前の文庫が、常に文庫ベストテンでトップの方にいる。書店さんが「東野圭吾を読むならこの本、原点という小説です」というPOPを書いてくれた。それから一気に火が付いた。小学館の『いま、会いにゆきます』のオビ広告には「とにかくこの小説を早く読んでください。早ければ早いほど、より多く人生が豊かになります」というコピーが書かれた。すごいなと思ったのは、「私はこの本が売りたくて書店員になりました」というPOPだ。このように一つの言葉で読者を引き込むことができる。西国分寺の隆文堂、高橋さんは「POPは人件費のかからないセールスマン」と言っている。自分でPOPを作るのが面倒だったら、成功している店のPOPをどんどんもってきちゃう。それが一番早い。本屋さん大賞の『博士の愛した数式』も売れているし、こういった動きが広がってくれば、もっとお店は活性化する。新刊を追うのも結構だが、既刊の中に宝の山がある。既刊の中からお店にあった本を発掘して、その面白さをPRしてくれればと思う。
読み聞かせ、おはなしマラソン、朝の10分間読書などの運動もある。講談社の「お話し隊」はバス2台で5年間で5555箇所を回り、48万人にお話した。朝の読書も1万2200校を超え、全国の小中学校の約半分近くが実施している。地道な運動の結果が、児童書の売上にはっきり出て、講談社の青い鳥文庫は10%以上伸びている。地道な運動が成果を生みつつある。
■出版業界の諸課題
万引きがどうして増えたかというと、明らかに換金目的だ。では盗品買いをやめさせられないかということだが、古物営業法が1万円以下の台帳記載義務を規制緩和してしまった。法律が出来る時ならともかく、今となってはちょっと難しい。群馬県では昨年、県条例を変えて18才未満から買取を原則禁止にした。万引き犯の60%は13歳から17歳の青少年。青少年を非行に走らせないようにと、社会問題として地域のPTA、学校、行政を巻き込み展開していくことが一番よい。その動きが横浜、東京、埼玉と全国に広がってきた。
ICタグも万引き防止から出発した。今、ICタグは200円するが、経済産業省の音頭取りで「ひびきプロジェクト」が進んでいる。空港では航空会社が荷物のタグに、洋服メーカーも洋服に使っている。回転寿司の皿にICタグを埋め込み、どの客が何枚食べたかわかる。書き込みが出来るので、出版業界では出版社名、書名、どこの取次経由で書店に入ったか、棚のどこに置かれているかもわかる。レジを通っていなければ、新古書店に持っていっても盗品だから買えない。出版界には去年、8千万円の補助金がおり、昭和図書、三省堂で実験を行った。今年は講談社でも実験する。先日、経済産業省がICタグを5円でできるメーカーを公募したところ、手を上げたメーカーがある。現状の紙のスリップは、講談社では紙代、印刷費、挟み込み経費、返ってきたスリップ集計と1枚3円かかる。ICタグを本に埋め込んでしまえばスリップは不要になり、どこにどれだけ在庫があるかわかる。重版もタイミングよくできる。まさにサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)だ。販売会社は入出荷、返品、在庫管理。書店は棚卸しが不要になり万引き防止に役立つ。
貸与権は、サンホームビデオでは1冊10円で人気コミックが借りられる。ツタヤもブックオフも始めた。ブックオフでは『ブッシュの戦争』など単行本も貸している。ビデオなどは出版界よりもっと落ち込みが大きく、新しい商材がほしい。そういった中で今までのノウハウを生かせるのが本のレンタルだった。書籍雑誌には貸与権がなかったが、貸与権連絡協議会の運動が実り、今年9月に法案が可決して貸与権が適用されることになった。来年1月からレンタル店は貸与権管理センターを通じて著作者に許諾料を分配するシステムになっている。許諾料と新刊買出しの禁止期間を話し合っているところだ。
ポイントカードは今の法律では明らかに法律違反だ。ただ、ポイントカードから学ぶべき点は顧客管理、読者サービスなど多々あると思う。ただ、反対するだけではなくて、いいものはいいとして、それに変るものを提案する必要はあろうかと思う。

販売データ公開で版元との連携強化/NET21

中堅書店有志が共同出資で運営するNET21は「秋の大収穫祭」と銘打ち、出版社を招いて10月19日にアルカディア市ヶ谷で企画説明会を開催した。NET21はPOSデータを共有し共同仕入などの協業に取り組んでおり、販売データ公開サービス「やまびこ通信」の開始など、現在の活動と今後の展開について説明を行った。
冒頭で渡辺順一社長(進駸堂)は「私たちがやってきたことと、これからやることを報告説明し、良い方向に出版界が向かうよう皆さんと共に頑張っていく所存だ。不行き届きもあるかと思うが、ご意見を賜り、双方向のコミュニケーションを深めたい」とあいさつ。続いて企画説明に移った。
「やまびこ通信」は、NET21が利用しているシステム「BookAnswer」の売上情報を提供するもので、出版社にユーザーIDを発行、ネット上で必要な販売データを閲覧できる。笈入建志氏(往来堂)は「入荷・返品データに一部不備があるが、データを上手く活用することが目的なので公開に踏み切った。データを示して注文を出す透明性のあるやりとりをし、より親密な信頼関係を作っていきたい」と背景を説明。また田中淳一郎副社長(恭文堂)はサービスの利用手順を説明して、「現在ハンディターミナルを使っている発注・返品といった作業を、ネットを使ったシステムのみで完結するようにしたい」と今後の展望を述べた。
このほか、福音館書店の協力を得てテストを進めている自動発注システムの状況や、NET21グループ全体に対する業務をサポートするアシスタント制の導入について説明があった。
終了後に懇親会が行われ、渡辺社長と、NET21の顧問を務める地方小出版流通センター・川上賢一代表があいさつ。小学館PS・福井雄治首都圏支社長の発声で乾杯した。

山崎・白岩両氏に第41回文藝賞/河出書房新社

第41回文藝賞の授賞式が10月18日夕、東京・駿河台の山の上ホテルで開かれた。今回の受賞は山崎ナオコーラ氏『人のセックスを笑うな』、白岩玄氏『野ブタ。をプロデュース』の2作。応募総数は2028編で2千通を超えたのは初。10代が12%、20代が41%と、若い人の応募が増えた。
授賞式では選考委員の斉藤美奈子、高橋源一郎両氏が「タイトル、ペンネームに議論が集中した」、田中康夫氏が「すごい2人が出てきた」と選評。受賞者がお礼の言葉を述べたあと、河出書房新社若森社長は「応募数は新記録。水準の高い作品が集まった。2、3年前、小説は専門書と見られ、銀行から赤字を抱える雑誌を出し続けては経営者失格と言われた。文芸書の売上げは増えている。これからもおごらず文芸書に力をいれていきたい」と述べた。

ノンフィクション賞に岩瀬、魚住両氏/講談社

第26回講談社ノンフィクション賞が岩瀬達哉氏『年金大崩壊』『年金の悲劇―老後の安心はなぜ消えたか』(講談社)と魚住昭氏『野中広務差別と権力』(講談社)に、第20回講談社エッセイ賞が荒川洋治氏『忘れられる過去』(みすず書房)と酒井順子氏『負け犬の遠吠え』(講談社)に決まり、10月26日午後6時から丸の内の東京会館で贈呈式が行われた。
式典では野間佐和子社長が受賞者に賞状と記念品、副賞を手渡した。ノンフィクション賞選考委員の加賀乙彦氏は「岩瀬さんの作品をノンフィクションに含めるかという議論が委員の間であったが、官僚が年金を食い荒らす事実を綿密な調査で暴き出しており、こういう仕事はノンフィクション分野において大切だと考えた。魚住さんの作品は、差別を受けながらも少しずつ政界を登っていった政治家の才覚と手腕を見事に表現した」と選評。
エッセイ賞選考委員の坪内祐三氏は「エッセイの基本は自慢話だが、それをどう聞かせるかが問題。その点が荒川さん、酒井さんともに優れていた」と述べた。続いて受賞者あいさつが行われ、岩瀬、魚住、荒川、酒井各氏が受賞の喜びを語った。

人事

★徳間書店(10月1日付)
代表取締役専務
牧田謙吾
常務取締役管理局局長
岩渕徹
取締役営業局局長
長綱和幸
営業局販売管理部部長
中尾玲一
営業局局長付田中茂光
★エス・エス・コミュニケーションズ(10月1日付、◎昇任、○新任)
代表取締役会長
桃原用昇
代表取締役社長兼角川書店取締役〔非常勤〕
◎松原眞樹
監査役〔非常勤〕兼角川書店取締役○大河原宏
★ダイヤモンド社(10月7日付、◎昇任)
代表取締役社長
◎鹿谷史明
代表取締役専務
◎中山直樹
※高塚猛代表取締役社長は退任

日書連のうごき

10月1日第36回出版平和堂合祀祭へ萬田会長他出席。
10月4日再販問題で岡嶋委員長他、筑摩書房を訪問。電子書籍ビジネスコンソーシアムの打合会へ井門委員長他出席。
10月6日再販問題で日書連幹部、小学館、講談社他を訪問。出版再販研拡大小委員会開催。
10月8日「ジャパンナレッジ」見学会へ井門委員長他出席。全国書店新聞・全国広報委員会議開催。
10月12日第4土曜日は子どもの本の日実行委員会へ高須委員長出席。
10月13日再販問題で日書連幹部が三修社他10社を訪問。S―DB運営委員会へ井門委員他出席。
10月14日図書コード規格改定WG部会へ柴崎委員他。長崎県組合総会・研修会へ井門副会長出席。日書連・東京組合合同で弁護士大脇雅子先生を招き再販問題勉強会を開催。
10月15日JPO運営委員会へ志賀委員、読進協常務理事会へ萬田会長出席。
10月19日再販問題で日書連幹部が文藝春秋他2社を訪問。出版再販研究委員会へ萬田会長他出席。
10月20日九州雑誌センター役員会へ萬田会長。京都府組合情報化研修会へ志賀委員長他出席。
10月21日日書連移動理事会開催(於・和歌山県高野山・福智院)
10月22日移動理事会観光。
10月25日読進協事業委員会へ舩坂委員長出席。
10月26日活字文化議員懇談会総会へ下向理事他。電子書籍ビジネスコンソーシアム打合会へ井門委員長他出席。再販問題で日書連幹部が金の星社を訪問。
10月27日中小小売商連絡会へ丸岡委員。出版サロンの会へ萬田会長他出席。富山県情報化研修会へ志賀委員長他出席。
10月28日子どもの読書推進会議へ高須委員長他出席。
10月29日図書コード規格改定WG部会へ柴崎委員他。読売新聞社「読売国際協力賞」贈呈式典へ萬田会長出席。

本屋のうちそと

「あなたに必要なのは若さじゃなくて…」主婦と生活社様、ゴメンナサイ、お金なんだろうなヤッパシと「NIKITA」を見ておもわず思ってしまった年収二百万円程度の低収入弱小書店主の私。
店にいて最近思うのは、私のような田舎のビンボーオジサンが読んで分かる雑誌が少なくなっている事である。「サライ」や「日経おとなのOFF」でさえ、今では記事に財布がついてゆかない。「BRIO」に至っては記事の内容すら理解できない。「LEON」を見ていると不良オヤジになるにもお金がかかりそうだ。
で、思う。年収一千万円以上なんだろうな、この世界は、と。「アデオス(艶男)」になれない私は「アディオス(サヨウナラ)」と呟くしかない。今の日本で年収一千万円以上の高額所得者が大勢住んでいるのは首都圏・関東圏だろう。その購買力のある高額所得者に、高価な商品の記事や広告が載っている雑誌を買ってもらう。
では過疎化・高齢化で購買力が衰退していくだけの田舎の本屋はどうすれば良い?大都市と地方との所得格差は拡がり「誰もが中流」は終了した。高収入で購買力のある「団塊の世代」も、もうすぐ退職期を迎える。代わりに今後増え続けるであろう「高学歴・低収入」の世代はどんな雑誌を買ってくれるのだろうか。いっそ男性版「オレンジページ」でも、どこぞの出版社で出してくれないものか?これだけ独り者の多い時代に。「ダメです、そんな雑誌、広告が取れません。」そうね。
(海人)
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