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平成17年10月11日号
啓文堂久我山駅出店中止を/街の本屋の生業権侵害/近隣書店が仮処分申請

東京の京王電鉄・井の頭線久我山駅舎内に啓文堂書店が出店する問題で、同駅近くで営業する久我山書店と板橋書店は9月29日、「駅の改札真正面に大規模書店が出店すれば地元小規模書店が廃業に追い込まれる」として、京王電鉄と京王書籍販売(啓文堂書店)を相手に出店差し止めの仮処分申請を東京地裁に提出した。
申立書によると、京王電鉄は同駅改札口の正面に位置し乗降客が必ず通過する駅舎3階に、100%子会社である京王書籍販売が経営する啓文堂書店の出店を計画。面積は87・16坪と久我山書店の約5倍、営業時間も久我山書店と板橋書店の売上げが集中する午前10時から午後10時で、地元小規模書店にとって廃業を余儀なくされるほど甚大な影響が及ぶと主張。京王電鉄と京王書籍販売との間で賃貸借契約が締結されないこと、仮に契約締結がなされた後でも書店経営を行なわないことを求めている。
また、京王電鉄が入店を希望する店舗の公募を実施した際、久我山書店が申し込んだところ、京王電鉄が示した賃貸条件は賃料月額217万9000円(坪2万5000円、別途歩合賃料あり)、共益費月額43万5800円(坪5000円)、敷金6275万5200円(賃料及び共益費の24ヶ月分)。これは周辺テナント物件より約2・5倍高く不動産賃貸の常識を逸脱したもので、京王電鉄は当初からグループ内企業である啓文堂書店以外の出店を排除する意図を持っていたと指摘。憲法13条、25条で保障される生存権的営業権(生業権)の侵害などを法的根拠として出店差し止めを求めたとしている。
同日午前、東京地裁の司法記者クラブで開かれた記者会見で、久我山書店・山田洋一社長は①相手が社会的公共性を有する鉄道事業者である②その100%子会社が駅舎内に出店する③都心のターミナル駅でなく住宅地を背景にした久我山駅に出店する④グループ会社の連結決算を傘に損益を度外視して出店できる――の4点をあげて、啓文堂書店の久我山駅舎内出店が一般書店の出店とは性格を異にすることを強調。「鉄道会社によるこうした強引なやり方を変えていくため立ち上がった」と仮処分申請に至った理由を説明した。
さらに「都内の組合加入書店は800店弱で、ほとんどが明日なき状況。鉄道会社による駅舎内出店で街の本屋は消えていくギリギリのところに追い込まれている」と中小書店の窮状を訴え、約400通集まった署名ハガキを掲げて「明日はわが身と考えるこれら書店の声を背に受けて提訴に踏み切った」と述べた。

読者謝恩図書カード/図書カード一本化記念し発行/東京組合

東京都書店商業組合(丸岡義博理事長)は出版社16社の協賛で「読者謝恩図書カード」を2万9千枚制作し、10月27日に発行する。日本図書普及㈱発行の図書券が10月1日から図書カードに一本化されたことを記念して発行するもの。同組合は10月5日の定例理事会で、書店にできる読者サービスの形を具体化したものとして積極的に販売に取り組むことを確認した。
理事会の席上、柴崎副理事長は「完売に向けて事前予約活動を積極的に行なってほしい」と要望。また、大橋副理事長は発行目的が「読者謝恩」であることを強調し、同カードの概要を説明した。
これによると、同カードの発売日は本年制定された「文字・活字文化の日」の10月27日。額面5250円で2万9千枚発行・販売する。組合員への卸値は1枚4850円。図書カードは再販商品ではなく、協賛出版社広告カードで100%入帳なので、額面金額に拘らず「読者謝恩」を考慮して販売してほしいと同組合では呼びかけている。1組合員への販売枚数は30枚まで。
受付期日は第1次が10月17日より。第2次は11月10日頃を予定している。いずれも完売次第打ち切り。申し込みにより順次販売するため、協賛出版社の指定はできない。第1次分の書店配達は10月25日前後を予定。申し込みは所定の申込書をファックスの後、郵便振替で送金、郵送で販売する。また組合事務局で現金引換えでの販売も行なう。
万引・出店問題委員会の小林委員長は、いけだ書店が10月19日、小金井市・長崎屋小金井店3階に72坪、フタバ図書が11月1日、豊島区椎名町に550坪で出店すると報告した。
流通改善委員会の岩瀬委員長はTS流通共同組合の9月1日から30日までの売上げについて報告。これによると77書店(対前年同月比2・6%増)が利用、7288件(同6・5%増)の注文があり、売上げは876万4592円(同28・8%増)だった。
事業・増売委員会の奥村委員長は出版社広告入り雑誌袋の受注状況、平成18年版神宮館「暦」の売上状況、マガジンファイル、東京マガジンネットワークの報告のあと、東京組合青年部発行「区分地図」の売上げが厳しい状況にあるとして、親会としてできるだけ支援していきたいと各支部に増売への協力を求めた。
読書推進委員会の舩坂委員長は10月29日、30日の両日、神田神保町のすずらん通り、さくら通りを中心に開かれる「第15回神保町ブックフェスティバル」の概要を報告。今年は千代田、目黒・世田谷の2支部と青年部がワゴン7台を出す。舩坂委員長は「読書推進と地域振興のため有意義なイベント。成功させたい」と述べた。
また、出版物小売業公正取引協議会東京支部の理事会では、出版物小売業公正取引協議会9月理事会で「低率の景品にかかるトレーディングサービスを認めること以外は現行」とする改訂案が承認されたこと、および同・東京支部は「現行規約維持」「低率のトレーディングスタンプは認めない」等を主張したことが報告された。

年末年始の発売日/発売日本部・実行

雑誌発売日励行本部・実行合同委員会が9月16日、東京・お茶の水の日本雑誌協会会議室で開かれ、平成17年度年末年始発売日設定について報告があった。今年度の年内最終発売日は週刊誌、一般誌とも12月28日(水)。年始発売日は週刊誌1月4日(水)、一般誌は1月5日(木)。なお、12月23日(金)の天皇誕生日はカレンダー通り祝日扱い。

店舗で精算業務まで/ICタグ装着し実証実験

日本出版インフラセンターは9月28日に神楽坂の出版会館で記者会見を行い、平成17年度経済産業省委託事業として実施する「メディアコンテンツ業界電子タグ実証実験」の概要と、商品基本情報センターについて報告した。
「電子タグ実証実験」は昨年までの実証実験・研究成果をもとに、今年度は出版物、音楽・映像ソフト複合店舗における電子タグ活用の標準モデル構築を目指す。
第1弾として「次世代メディアコンテンツ小売店舗研究会」を10月にも発足させ、電子タグを活用したビジネスモデル、顧客サービス実現などを検討していく。また、電子タグの装着については、出版業界は背表紙への装着を目指し、書籍、CD、DVD、レンタル商品を扱う複合店で実際の商品に電子タグを貼付して実証実験することにしている。
インフラセンター永井祥一運営委員(講談社)は「今年はレコード業界と共同で申請した。小売店の活性化につなげたい。書店のレジと音楽CDのレジ不統一を解消することや、バーコードとICタグの併用も課題。今期は電子タグを装着して複合店で実際に販売してみたい」と説明した。
書店業界では既に紀伊国屋書店、三省堂書店の両店舗で、レコード業界では新星堂、ツタヤでICタグの装着実験を行ってきたが、今回は精算業務までの実験になる見通し。ブックハウス神保町も候補店舗の1つ。来年2月までに実証実験を行い、3月中に報告書をまとめる。
また、商品基本情報センターに関しては、商品基本情報を一元的に管理するため来年1月からセンターが発足。今後、出版社が新刊情報、定価改定、品切れ情報などを発信していく。この運営のため出版社は商品1点につき5百円の集配信料が必要で、取次を通じて年1回課金される。
田中達治部会座長(筑摩書房)は「商品データベースは出版社が責任を持って作るもの。10月に各出版社に承諾書を送った。センターが発足することでデータのばらつきがなくなり、情報の均質化に着手できる」と述べた。
ISBNコードで出版社記号を付与されているのは1万3千者で、実際に活動しているのは1万1千者程度。インフラセンターでは、当面の承諾書回収の目標を1千社においている。
また、人事では、10月1日付で日本図書コード管理センター田宮修事務局次長がインフラセンター事務局長代理を兼務。東大出版会を退任した大江治一郎氏もインフラセンター事務局次長に就任、事務局体制を強化する。

第15回神保町ブックフェスティバル、10月29日・30日の両日に開催

読書週間の恒例イベントとなった「神保町ブックフェスティバル」が今年は10月29日(土)、30日(日)の両日、神田すずらん通り、神保町さくら通りを中心に開催されることになった。1991年に第1回を行って、今年で15回目。
神保町ブックフェスティバルの最大の呼び物は「本の得々市」というバーゲン本販売。在庫僅少本や出版社の販促品販売、地方出版社の本など各社思い思いのブースが並び、チャリティ・オークション、著者サイン会などの企画も。白山通りに面した小学館、集英社前広場は「子供ランド」として児童書ブースや、読み聞かせなどの催事が行われる。
なお、昨年は雨天により1日だけの開催となったが、136出版社が出品し、1788万円を売り上げた。

生活実用書・注目的新刊

自己中心な若者をジコチュウと言って批判する大人も、店も企業も、21世紀日本全体が手前勝手になった。効率や利益のためには、どのような齟齬をきたしても隠す。隠蔽して責任を明らかにしない。それが日本全体の食に関してもまかり通っているのだから、一人ひとりが自覚して気をつけないことには我が身や子供を守ることができない。
小若順一/食品と暮らしの安全基金著『新・食べるな、危険!』(講談社1400円)は、3年前の国産牛肉偽装事件の頃刊行された『食べるな、危険!』の改訂新版。養殖魚には、ダイオキシンやPCB、水銀などの汚染物質。野菜や果物は農薬。パンからも殺虫剤が検出される。
アメリカ産牛肉に問題はないと農務長官が発表しても、現実にアメリカでは、死亡牛は肉骨粉として牛の餌になっている。BSEの心配だけでなく、牛を効率よく太らせるために女性ホルモンも使っている。これも残留性が高い。それなのに、日本の農林水産省は輸入再開の準備である。二国が安全だと押し通し、牛肉の輸出入で儲けたい企業が応援しているのだから、詳しい情報の乏しい庶民だけが、お人好しにも割安のやや危険なリスクのある牛肉を、疑わずに消費していくのである。
肉類のほか、魚介、野菜、穀類、加工食品、調味料、飲料、菓子、健康食品の多岐にわたり細かな検証が成されていく。食品表示の読み方や、スーパーの選び方、安全な食品の生産者も紹介している。
フランク・オスキー著/弓場隆訳『牛乳には危険がいっぱい』(東洋経済新報社1200円)は、アメリカの医師が語る牛乳による健康被害の実態である。牛乳はこの世で最も過大評価された食品と著者は定義する。鉄欠乏性貧血やアレルギー体質の原因、牛乳の脂肪は心筋梗塞やガンのリスクを高めるというのだから穏やかではない。牛乳に含まれる糖質(炭水化物)の乳糖は、ブドウ糖とガラクトースという二つの単糖類から構成されている。これを分解するためのラクターゼという酵素をほとんどの人は持っていないのだ。本書でも政府の隠蔽体質が指摘されている。
モーガン・スバーロック著『食べるな危険!』(角川書店1700円)も紹介する。現代は自分で自分を守るよりほかのない社会なのだ。
(遊友出版・斎藤一郎)

2月に絵本ワールド

長野県書店商業組合は10月2日、小諸市内のホテルで正副理事長会議を開催し、来年2月に長野市で開催される「絵本ワールドinながの」を支援するため、実行委員会を設けて予算措置をとることを決めた。催しは2月25日、26日の両日開催予定。長野組合百周年記念事業として、継続事業になるよう努める。
このほか、11月12日、上山田のホテルで外商システム「楽樂本屋さん」の勉強会と理事会を開催することにした。今後、長野県下統一の返品運賃制度、日書連共済会の勉強会を企画していく。(宮原洋一広報委員)

兵庫県の助成得て人材確保推進事業/兵庫理事会

兵庫県書店商業組合は9月13日、エスカル神戸で9月度定例理事会を開催した。会議の冒頭、7月からの懸案であった「中小企業人材確保推進事業」について説明と報告が行われた。
この事業は、中小企業が労働力を確保するために雇用管理全般の改善を行い、職場の魅力を高めることが目的。組合事業を活発化し各種事業計画を策定して、組合員書店のメリットを確保するものである。すでに、兵庫県知事から「改善計画認定通知書」が、兵庫労働局からは「中小企業人材確保援助事業対象認定組合指定通知書」が組合事務局に届いている。
具体的な事業運営については、3年間毎年800万円を上限とする助成金が支給される制度を利用して、①雇用管理実態調査のためのアンケート、②経営者・従業員のセミナー、③各種視察、④各種研究会などの事業を策定。組織強化を図っていく。
また、増売委員会からは、好調だった『兵庫全史(上)』(神戸新聞総合出版センター)に続いて、『姫路の神社』『姫路の町名』『世界遺産』(いずれも神戸新聞総合出版センター)の取り上げを報告した。
10月18日(火)には、平成17年度定時総代会が神戸神仙閣にて開催されるため、各支部とも総会が行われている。第2支部では伊丹地区の藤田護氏(いずみ文庫)に替わって滝内恭博氏(ブックランドサンクス)が新理事に、第5支部では、井上喜之支部長(井上書林)に替わり、森井宏和氏(森井書房)が支部長に選任されている。事務局からは、総代会議案書の資料を早めに提出するよう申し入れがあった。
(中島良太広報委員)

「本屋さんへ行こう!」音楽CDを製作/日書連、書店活性化へ全組合員に配布

秋の読書週間を目前に控え、書店を広く読者にアピールしようと、日書連ではこのほど店頭で流すための音楽CDを作製した。「文字・活字文化振興法」の制定を記念して作られたもので、歌をきっかけに書店をより身近に感じてもらい、店頭活性化に役立てようという狙い。
CDのタイトルは「サァー本屋さんへ行こう!」。作曲と歌は、NHK「おかあさんといっしょ」の歌のおにいさんとして活躍した坂田おさむ氏が担当。軽快なテンポの曲で、書店のBGMや各種イベントでの活用を見込んでいる。日書連では7千枚を作製、各都道府県組合を通じて全組合員に配布する。
10月5日に書店会館で行われた記者発表で、日書連丸岡義博会長は「7月に文字・活字文化振興法が制定され、10月27日が『文字・活字文化の日』になった。これを記念して書店組合で音楽CDを製作し、街の本屋の活気を取り戻したいと考えた。CDのタイトルは日書連のホームページから名前を取っている。書店組合では書店くじや全国縦断記念文化講演会などさまざまな読書運動に取り組んでいるが、このCDをその一つとして読書推進をより活発にし、お客様を本屋に呼び込めるように頑張りたい」とあいさつ。
増売委員会の舩坂良雄委員長は「本がなかなか読まれないという状況を抱える中で、子どもから大人まで多くの人に本を読んでもらいたい、書店に足を向けてもらいたいとの願いから音楽CDを製作することになった。書店で音楽を流してもらい、店頭を活性化して読書推進運動を盛り上げようという気持ちがCDに込められている。曲がヒットして一層本を買っていただけるようになることを願っている」と述べた。
坂田おさむ氏は「子どもたちがお父さんお母さんとみんなで本屋さんに行ってみよう、こんないいところがあるんだ、という気持ちになってくれればいいなあと思ってこの曲を作った。子どもが大人になってからも、この曲で『本屋に行こう』ということが子どもに順繰りに伝わっていけばいいなと思う」と語った。

「サァー本屋さんへ行こう!」
◇作詞=よしもとももたろう/坂田おさむ
◇作曲=坂田おさむ

サァー本屋さんへ行きましょう
本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってるきっと答えが待ってる
流れる雲に乗ってきたよ
青い空の想い出を抱いて
子供達の笑い声は
どこから来たのどこへ行くの
だから僕らは理由(わけ)を探してる
風の行方をみんな探してる
サァー本屋さんへ行きましょう
本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってるきっと答えが待ってる

ま白い雲に乗ってきたよ
新しい空に旅立つために
なつかしい唄はどこで生まれたの
何故に僕らは生きているの
だから僕らは理由(わけ)を探してる
風を明日の友達にして

*サァー本屋さんへ行きましょう
本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってるきっと答えが待ってる*
*繰り返し

出版科研セミナー/日経BP社代表取締役会長・河村有弘氏

出版科学研究所は10月4日、平成17年度第1回「出版セミナー」を新宿区の家の光会館コンベンションホールで開催。日経BP社代表取締役会長兼CEOの河村有弘氏が「変化の時代にどう対応するか日経BP社の戦略と悩み」をテーマに講演した。この講演を抄録する。

当社には1つの共通コンセプトがある。それは「ターゲット・ソリューションズ・メディア」(以下TSM)、つまりターゲットを明確にして、ソリューション(問題を解決する方法)を提供するメディアということだ。
まず日経BP社について簡単に説明すると、1969年に日本経済新聞社とアメリカの出版社、マグロウヒル社との折半出資の合弁で「日経マグロウヒル社」として設立された。1988年資本提携を解消して社名を変更し、日本経済新聞社の100%子会社になった。現在直販28誌、市販10誌、ニューズレター4紙をはじめとする紙媒体を発行している。
10月20日に『リアルシンプルジャパン』という婦人生活情報誌を創刊する。なぜ日経BPが婦人情報誌かと思われるかもしれないが、必ずしも私どもと違う分野ではないと思っている。それは先程述べたように当社がTSMだからだ。アメリカではマガジン・オブ・ザ・イヤーを取るなど話題を集めている雑誌で、キャリアウーマンの悩みや不満を解決し、シンプルな生活を提案する。TSMとして大事な分野だと思っている。
出版元のタイム社から、『リアルシンプル』を世界で広めるのにまず日本で成功したい、そのために日経BPを選んだと言われた。当社の取材力、TSMとしての力から判断したのだと思う。日本の女性に向けたオリジナルな編集をする。出版説明会でうれしかったのは書店のフロアマネージャーたちがこの企画に関心を持っていたこと。その関心を共感にもっていくことが私どもの最大の課題だ。
当社のもう1つの特色は、専門記者が500人いること。世界の出版社でも珍しく、自前で記事を書くことを売りにしている。質の高さを誇ってきたと言っていいと思うが、それが今後も強みとなるかどうかというのが最大の悩みだ。
これまで日経BPは順調に来て専門分野で高いシェアを獲得してきた。『日経ビジネス』の編集長時代に「会社の寿命」というテーマで企業を分析したが、成長して繁栄し衰退するという会社の寿命サイクルは約30年だった。会社の周りの環境が変化すると、今まで強みだったものが弱さに変化するということだ。
会社は、変化に対応して進化するものだけが生き残る。最大の環境変化がインターネットだ。ライブドアの堀江社長は「ネットはメディアを殺す」という問題提起をしたが、私は、ネットが進んでも雑誌のジャーナリズムは生き残ると思う。問題は、雑誌というビジネスモデルがどこまで続くかだ。私どもが強かった専門情報こそ一番ネットの洗礼にさらされるのではないか。専門記者が取材して月1回雑誌で提供するだけでは飽き足らなくなる。もっと専門的で細かい情報はネットから取れる。広告媒体としても雑誌が一番ネットの影響を受けると思う。
そこで「マガジン・ウィズ・ネット」、つまり成功した雑誌のブランドをどうやってネットに組み合わせるか、どうビジネスモデルを作っていくかが最大の戦略になる。雑誌、ネット、イベント、セミナーを組み合わせて磁場(Mag―Net)を築き、明確なターゲットへ向け情報を発信すること。これが大きな課題だ。雑誌を捨ててネットへ出て行くのではなく雑誌とのシナジー効果を発揮することが重要だ。雑誌の専門記者がネットで強さを発揮できるか、切替えていくことは非常に難しいが、何とか対応していかなければと思っている。
当社は、日本の出版社として始めて中国に支局を開設したり、北京国際モーターショーの開催に合わせて「北京国際自動車会議」を主催するなど、以前から中国で積極的に事業展開している。なぜ中国かというと、専門情報に関して日本でナンバーワンの雑誌であるだけでは駄目になってきたということだ。広告の面でも中国にブランドを持つことが大事になってきた。
昨年IDGチャイナと提携して、IDGの雑誌『電子設計応用』に『日経エレクトロニクス』のコンテンツ供給を始めた。雑誌の表紙には『電子設計応用』と『日経エレクトロニクス』の両方のロゴを使い、ダブルブランドで中国で発行している。IDGはアメリカの企業だが国際技術情報メディアとして初めて中国市場に進出し、多くの雑誌を出している。今後もこのような良い提携関係を結んで雑誌ブランドを作っていきたい。そのためには中国、米国と連携したネット戦略が重要になると思う。

10月27日からスタート/第59回読書週間

10月27日から始まる「読書週間」(読書推進運動協議会主催)のポスターが出来上がった。「本を読んでる君が好き」の標語が入った、大牟田市・自営業の岩本しんじさんの作品。

読書週間書店くじ実施要領

▽実施期間平成17年10月27日(木)より11月9日(水)まで書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数600万枚。書店には1束(500枚)3750円(税込)で頒布
▽申込方法束単位で返信用申込書に必要事項を記入し、所属都道府県組合宛に申し込む。お申し込みはお早めに
▽配布と請求方法くじは取次経由で10月25日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当選発表12月5日。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品賞品総額8680万円、9・8本に1本の当選確率
特等賞=オーストリア8日間の旅60本
1等賞=図書カード1万円600本
2等賞=同上または図書購入時に充当千円1800本
3等賞=同上5百円1万2000本
4等賞=図書購入時に充当百円60万本
ダブルチャンス賞=全国共通図書カード1万円
100本
▽賞品引き換え特等賞は当選券を読者より直接日書連まで送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立て替え。図書カード不扱い店または図書カードが品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。ダブルチャンス賞は平成18年1月16日(当日消印有効)までに読者が直接日書連にハズレ券10枚を送付
▽引き換え期間読者は12月5日より平成18年1月10日。書店で立て替えたくじは平成18年1月31日までに一括とりまとめて「引換当選券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局まで送付
▽PR活動「読書週間書店くじ」宣伝用ポスター1店2枚。全国書店新聞、取次広報紙に記事掲載。日書連ホームページで宣伝

ラッピング講習会/日販でセミナー

クリスマス、年末・年始はプレゼント用にラッピングを求める客が多いもの。そこで、日販では基礎ラッピングの習得を目的に、11月4日午後1時から本社5階会議室でラッピングセミナーを開催する。
講師はラッピング協会所属の国分悦子、雨宮有美子の両氏。書店売場スタッフを対象に①本屋で役立つラッピングの基本、②困ったときのプロの技を伝授する。受講料(教材費込み)は日本出版共済会加盟店3千円、未加盟店6千円。定員40名。申し込みは日販各支店または経営相談室まで。締め切り10月28日。

ナルニア国映画化フェア/「ライオンと魔女」封切りで/岩波書店

C・S・ルイスの傑作ファンタジー『ナルニア国物語』が映画化され、「第1章ライオンと魔女」として来年3月に封切られる。岩波書店ではカラー版、少年文庫版、ハードカバー版(各7冊)にタペストリー、POP、ポスター、パンフレットなどの拡材をセットにした映画化フェアセットを受注している。
映画「ライオンと魔女」はアメリカとイギリスで年末に公開。日本は来春3月4日ロードショー公開予定。映画を製作したディズニーでは「ハリー・ポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」を上回る動員150万人、興行収入200億円を見込む。
岩波書店は映画化プレ・キャンペーンとして今春以来、『ナルニア国物語』シリーズ全体で70万部を販売した。「ロード・オブ・ザ・リング」映画化により評論社『指輪物語』は3点260万部出たことから『ナルニア国』はシリーズ全体で500万部販売できると見込む。
9月22日の日書連理事会に訪れ、全国書店に販売協力を呼びかけた岩波書店後藤常務は「返品条件付きを頭に受注をお願いしている。書店に最後に苦労はかけない」と説明し、ディズニー映画化は既に2作目の撮影を終わり、3作までは製作する予定であることを紹介した。
映画化フェアセットは、Lセット(100冊)13万8百円、Mセット(59冊)7万3340円、Sセット(37冊)4万4860円で11月10日出荷、3カ月延勘。いずれも店頭拡材セットが付く。

催し

◇近代の歴史画と『講談社の絵本』展
講談社野間記念館の冬季展として10月29日から12月18日まで開催。木村武山『神武天皇』、小林古径『平重盛』など歴史に登場する人物、事件、神話に取材した歴史画の名品と、講談社が昭和34年までに刊行した7千万部の絵本から、日本の浪漫主義を展示。「高畠華宵の絵本原画展」を同時開催。
12月19日~1月13日は休館のほか、毎週月・火曜休館。開館午前10時から午後5時。

創業80周年記念でファーブル昆虫記/集英社

集英社は創業80周年企画として奥本大三郎完訳『ファーブル昆虫記』(全20冊)を刊行する。第1巻上11月24日、第1巻下12月20日発売。発刊記念特別定価として第1巻上・下のみ各2500円。第3回配本来年3月上旬。以後隔月刊。
訳者の奥本氏は仏文学者で日本昆虫協会会長。1991年に『ジュニア版ファーブル昆虫記』(全8巻)を書き下ろしており、文庫版と合わせて累計120万部販売した。
『完訳昆虫記』は奥本氏が18年かけてまとめ、詳細な脚注、訳注に細密な昆虫イラスト画、生態写真を加えて決定版とした。小学校5、6年生から読める。
集英社では販売促進費として来年2月末まで第1巻上下各1冊につき150円の報奨金を支払うほか、集英社販売賞参加書店はボーナスポイントとして第1巻上下各1冊につき100ポイントを加算。法人企画ポイントは全巻1冊100ポイント加算。

人事

◇太洋社
(9月28日付、○新任)
代表取締役社長
国弘晴睦
常務取締役営業本部長兼物流本部長沢野豊
取締役管理本部長
大和政之
同仕入本部長兼仕入部長牧野伸一同管理副本部長兼取引管理部長永澤克彦
同営業副本部長土屋正三
監査役泉信吾
同安富諭
同○西尾慎之助

*松本弘取締役は退任して顧問に就任。

◇東大出版会
(10月1日付、○新任)
専務理事(総務局長兼任)山口雅己
常務理事(編集局長兼任)○竹中英俊
営業局長高橋朋彦
出版局長長坂正幸

*大江治一郎事務局長は9月末日で定年退職。

小中学校8校に朝の読書応援ブック

朝の読書推進協議会の発表によると、講談社、フォア文庫の会(岩崎書店、金の星社、童心社、理論社)、ヤングアダルト出版会(中村勝哉会長)は、秋の読書週間に「朝の読書」実践校へ図書寄贈を行う。
朝の読書実践校は今年10月3日現在で全国で2万294校に達しているが、運動が盛んになればなるほど蔵書不足が深刻化している。このため昨年度から講談社とフォア文庫の会は小学校に、ヤングアダルト出版会は中学校に図書を寄贈しており、生徒や関係者に喜ばれている。
今年の寄贈校は講談社が墨田区立緑小学校、魚沼市立東湯之谷小学校、福井県丸岡町立鳴鹿小学校、島根県斐川町立荏原小学校の4校、フォア文庫の会が福島県大熊町立熊町小学校、群馬県六合村立第一小学校、長野県南木曽町立読書小学校の3校、ヤングアダルト出版会からは鶴岡市立櫛引中学校に1校あたり100~120冊の「朝の読書応援ブック」が寄贈される。
講談社は平成元年から「へき地の学校図書館への図書寄贈」を続けており、今年度までに2700校を超える小学校に図書寄贈を続けている。

第17回読書感想画中央コンクール指定図書

〔小学校低学年の部〕
『ワーニー、パリへ行く』F・マルチェリーノ、評論社、『みんなみんななかよし』つちだよしはる、あかね書房、『星のふるよる』長崎夏海・長野ともこ、ポプラ社、『盲導犬不合格物語』沢田俊子、学研
〔小学校高学年の部〕
『ウルメル氷のなかから現われる』M・クルーゼ、E・ヘレ、ひくまの出版、『しらぎくさんのどんぐりパン』なかがわちひろ、理論社、『山のかぼちゃ運動会』最上一平・渡辺有一、新日本出版社、『クジラ大海をめぐる巨人を追って』水口博也、金の星社
〔中学校・高等学校の部〕
『旅のくつ屋がやってきた』小倉明・小林ゆき子、アリス館、『一九四一黄色い蝶』岩崎京子・山中冬児、くもん出版、『幸福な食卓』瀬尾まいこ、講談社、『きらきら』シンシア・カドハタ、白水社、『雑草たちの陣取り合戦』根本正之、小峰書店

本屋のうちそと

早婚。早いというよりも出来ちゃった婚が多くなっている。知り合いの子も20歳で成人した途端、付き合っていた子と出来てしまった。ある日突然両親の前で「この人と結婚します」。親はびっくり。子どもができたのでは親御さんは了解するしかなかった。
子どもができてから歯車が噛み合わなくなってきた。奥さんは子どもにかかりっきり。それに旦那になった人はついていかれない。構ってもらえないから怒る。騒ぐ。DV(ドメスティクバイオレンス)になる。奥さんだって負けていない。旦那の手が出れば奥さんも手に持っていたもので反撃する。こんなごたごたからついには別れましょうということになった。何でそんなことが問題になるのかと思うが、男も親離れしていない。
彼は親の家に帰っている。職場も変わったようだ。まだ離婚していないのに、旦那が何をしているのか知らされていない。生活費は最低限の金額しか入れない。5万円もあれば生活が出来るはず、10万円も払えば豪勢な生活が出来るだろうと言う。どういう物差しで生活費を計算しているのだろう。
子どもはもう保育園の年中組。生活のため奥さんも働いている。子どもは保育園から帰ってくれば、ばばちゃんの家に。はばちゃんちの旦那さんはまもなく定年だ。定年後は二人でのんびり過ごそうと思っていたら、えらいこっちゃ。
子どもはいま、本を読んでもらうことが一番好きで、じいちゃんに読んでもらっている。子どももすぐに大きくなるだろうが、この問題にけりがつくのはいつ頃だろう。
(とんぼ)
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