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平成18年11月1日号
『私の書店論』特選に札幌・久住邦晴氏

出版業界の長期低迷、沈滞を打ち破り、街の本屋を再生しようと、日書連が今夏募集した懸賞論文『私の書店論』には書店経営者、従業員、業界関係者、学生、研究者などから27編の応募がありました。厳正なる審査の結果、特選に久住邦晴氏(札幌市・久住書房)の「街の本屋の再生をめざして」(4・5面)が選ばれました。
また、入選は大江真理氏(新宮市・くまの書房)「小さな本屋の大風呂敷」、長谷川静子氏(茅ヶ崎市・長谷川書店)「教育環境の創造による小書店の成長」、岩田徹氏(砂川市・いわた書店)「やはり小さな店ほど素晴らしい」の3作に決定しました。特選には賞金20万円、入選には賞金5万円が贈られます。
11月21日に日本出版クラブで行われる読書週間書店くじ抽選会の席で授賞式を行い、特選の久住氏に賞状と賞金を贈呈します。

2点で2万3千部受注/年内に18%報奨支払い/新販売システム

講談社とタイアップして実施した買切り、注文販売、実質マージン40%の新販売システムは、10月16日の申込み締切までに『窓際のトットちゃん』が1万1017部、『だいじょうぶだいじょうぶ』は1万1833部の申込みとなり、当初の販売目標各2万部には届かなかったことが明らかになった。
日書連10月理事会で各県組合の申込み状況(別表)について報告した藤原委員長は「講談社は『トットちゃん』を1万8千部、『だいじょうぶ』は2万部製作し、発売日に満数出荷する。発売後の注文は買切りで出荷するが、報奨は付けないことになった。採算の問題もあり止むを得ない」と述べた。また、18%の販売報奨については年内に各県組合に一括して支払い、各県組合から個々の書店への振り込み手数料百円程度を日書連が負担したいとする考えを説明した。
丸岡会長は「10月28日、29日の神保町ブックフェスティバルで『だいじょうぶだいじょうぶ』の著者サイン会を行うなど、PR展開も考えている。新しい販売システムの第1歩に」としたほか、井門副会長は「通常なら4、5千部の児童書が1万部は少なくない数字。中小書店が買切りになれていない面もあり、販売条件を課題として考えていきたい」と、今後の取り組み方針を述べた。鶴谷理事からは「(新システムの)製作コストもオープンにしてほしい」と注文があった。

11月22日に会員総会/自主解散、残余財産処分案問う/日書連共済会

日書連共済会は11月22日午前10時から文京区の東京ガーデンパレスで会員総会を開き、本年12月31日をもって組織を解散する決議と、残余財産を日書連に帰属させる決議を提出する。解散には会員の4分の3以上の賛成、残余財産処分には出席者の2分の1以上の賛成が必要になる。
福岡県筑紫野市「大丸別荘」で開かれた日書連理事会では11月22日に日書連共済会総会を開くとして、共済会運営委員会伊澤副委員長より総会提出議案について以下の説明があった。
総会で議決を求めるのは①本年12月31日をもって組織を解散する、②会員は12月31日まで災害・事故等を保障し、最終受付は来年3月31日までとする、③清算業務は来年1月1日より開始するが、残余財産が確定するのは4月1日以降となる、④残余財産処分は日書連に帰属させる――などの各項目。
解散には会員の4分の3以上の同意が必要で、財産処分案は出席者の過半数の同意で可決する。
総会が成立しないまま自然解散になれば日書連共済会の財産は国庫に没収される可能性もあるという。このため、日書連共済会では都道府県地区委員会ごとに会員一覧を作り、委任状を取り付ける予定で、10月末に第一次集計、11月15日に第二次集計を行い、総会成立を期す方針。
総会議案の説明に対して、各県からは「地区委で必要な数字を示してもらい、予備の委任状を用意してほしい」「できるだけ会員の意向を汲んだ財産運用を考えて」などの意見があがった。

取次8社に申し入れ/返品入帳処理改善求める/10月理事会

日書連は10月19日午後1時から九州ブロック会担当、福岡組合設営により筑紫野市「大丸別荘」で移動理事会を開催。以下の審議を行った。

〔環境改善ワーキング〕
取次の請求金額に対し締め日ぎりぎりまで返品入帳を求める問題は、9月にトーハン、日販とそれぞれ意見交換を行ったのに続き、取次8社に改善の申し入れ(別掲)を行い、11月末までに文書回答を求める方針が承認された。

返品入帳処理改善方のお願い
書店の現状を見ますと、経営環境は大変厳しく、規模の大小を問わず資金繰りに苦慮しております。それを如実に物語るかのように、昨今、返品入帳処理の改善を求める声が多く出てまいりました。請求締日ギリギリまでの返品分を入帳願いたいという要望であります。御社におかれましても、返品処理のスピードアップ化を図り、合理化適正化に努めておられると洩れ伺っておるところです。スキャナーで読み取り、データの電子配信が可能となった現代において、返品入帳処理を改善することは時代の要請ではないかと考える次第です。私どもは9月定例理事会において販売会社各社様に本件の申し入れをすることを決定し、10月の移動理事会においてこの「お願い文書」の承認を得ました。
書店の現状は、もはや一刻を争う憂慮すべき事態に立ち到っております。書店の経営環境を早急に改善していただくことが、明日への展望につながるものと確信して止みません。どうかこの点をご賢察願い、一日も早く「返品入帳処理の改善」に向けてご尽力下さるよう切にお願い申し上げます。つきましては、本件に関する御社の考え方を、本年11月末日までに文書にてご回答下さるようお願い申し上げます。


〔環境改善〕
出版物のレンタルに対する貸与使用料がまとまった。定価550円未満が265円、550円以上千円未満が480円、定価千円以上は5百円毎に320円加算。12月から運用開始を目指し、既に著作権者1765人が契約したという。
書店データベースの確認作業は29組合で完了し、現在、北海道、大分の2組合がチェック作業中。
〔指導教育〕
日書連が募集していた懸賞論文「私の書店論」には27編の応募があり、特選に久住邦晴氏(札幌市・久住書房)、入選に大江真理氏(新宮市・くまの書房)、長谷川静子氏(茅ヶ崎市・長谷川書店)、岩田徹氏(砂川市・いわた書店)が選ばれた。特選の表彰は11月21日の読書週間書店くじ抽選会の席上で行う。
インターネットを通じて書店新入社員、パート、アルバイトが書店業務の基本を学ぶeラーニングは小学館の協力で10月16日からスタートしている。全国書店新聞の帯封に記載されたIDからアクセスでき、積極的利用が呼びかけられた。
〔再販研究〕
ネット書店アマゾンで3千円のプリペイドカードを購入すると、抽選で百名に1本4千円のカードが当るサービスを行っていると岡嶋委員長が報告した。同委員長は「再販研究委員会に情報提供したが、判断が示されない。書店新聞に事例紹介と判断を示すことを検討したい」と述べた。
〔情報化〕
公共図書館の管理・運営を民間に業務委託する指定管理者制度の導入が増えてきたため、10月12日に情報化委員会で研究会を開いたことが志賀委員長から報告された。大阪、京都、兵庫、愛知、神奈川などから参加があり、図書館流通センターのアプローチを研究して対策を練っていく。
〔組織強化〕
9月の組合加入は4店、脱退は20店で、9月末現在の加盟店は6473店と鈴木委員長が発表。神奈川組合から「くまざわ書店(17店、2300坪)、勝木書店(3店、930坪)の未加入大手に中央会を通じて経産省の加入指導が得られないか」と提起があり、丸岡会長は「中央会に意見をあげたい」と述べた。
青森からは「弘前のダイエー跡地に宮脇書店が5百坪で出る。20億円規模の商圏に年商10億円の売場が出来れば破綻を招く」と無謀な大型出店を批判した。
〔取引改善〕
アシェット婦人画報社の雑誌『古の時計』が直送だと5号分先払いでプレゼント時計がつくのに、書店経由だと10号購入しないとプレゼントがつかず、読者から注文をキャンセルされた
と訴えがあり、柴崎委員長は同社に改善を申し入れるとした。10月17日には取協と付録問題で二者会談を行い、情報交換を行っていくことを確認したが、今後は雑協も含めた三者の話し合いを探っていく。
〔経営実態調査〕
書店経営実態調査に寄せられた書店の声をまとめた「書店経営生の声」は年内にまとめ、冊子にする。
〔読書推進〕
北海道で口火を切った読書推進キャンペーン「中学生はこれを読め」は、今秋から愛知、三重、岐阜の東海3県でも展開されることが報告された。中学生向けに5百冊の選書リストを作り、愛知64店、三重27店、岐阜27店ではリスト掲載図書を販売する。
〔増売〕
読書週間書店くじの申込み数は377万枚。年々、くじの参加書店数が減っていることから、増売委員会で1店50枚程度の無料配布などを検討していく。
また、サン・ジョルディ記念文化講演会については各ブロックから実施組合を推薦するよう求めた。
〔共同購買〕
薄型の手帳「ポケッター」07年版は11万部作成し、10万6700部販売した。春の書店くじ特賞「オーストラリア旅行」は11月9日に25名で出発する。〔小売公取協〕
日販が女性4誌合同「クールスタイルフェア4」として『Sカワイイ』『グラマラス』などを購入した先着1万人にジャネット・ジャクソンの新譜1曲を無料提供するとした企画で、出版小売公取協は日販に「ダウンロード料金は1曲150円程度で、規約の7%はおろか国の景品規制の10%も超える」と指摘した。
これを受けて日販はプレゼントの対象を「4誌を含めて2500円以上購入者」と改めたことが報告された。
10月5日には書協、雑協、取協3団体の事務局に規約改正の説明を行っており、機会を見て説明会を開き理解を深めてもらう。

福岡県書店組合オブザーバー出席者
長谷川澄男(福岡市・ブックイン金進堂)、石松稜威夫(太宰府市・五条書店)、石橋誠一(春日市・石橋書店)、安重裕(組合事務局)

3カ月連続で前年割れ/9月期売上げ平均98.1%/日販調べ

日販経営相談センター調べの9月期分類別書店売上げは平均98・1%となり、3カ月連続で前年を下回った。
前年を上回ったのは文庫、新書、児童書の3ジャンルで、映画公開に合わせて文庫版が出た『夜のピクニック』(新潮社)が好調。新書は京極正彦の新作『邪魅の雫』(講談社)が貢献して4カ月ぶりに前年を上回った。コミックは大型銘柄の発売が集中した前年に及ばず、99・2%と前年を下回った。雑誌は50坪以下、51~100坪、101~150坪で3%台のマイナス。
規模別では201坪以上のクラスだけ3・8%増と前年を上回ったが、それ以下の規模ではいずれもマイナス。特に50坪以下のクラスでは、各ジャンルとも前年を下回った。
9月の客単価は前年比2・2%増の1099・7円。201坪以上店は8・8%増の1413・7円。

押切もえさんが首相に本を贈呈/JPIC

出版文化産業振興財団(JPIC)は、読者参加型キャンペーン「読ませ大賞」を10月27日の「文字・活字文化の日」からスタートしたが、10月26日昼にイメージキャラクターの押切もえさんが首相官邸を表敬訪問し、安倍首相に本を贈呈した。
当日は押切さんと、活字文化議員連盟の鈴木恒夫幹事長(自民党)、藤原修事務局長(民主党)、JPIC肥田美代子理事長が訪問。安倍首相に代わって面会した塩崎恭久官房長官に『木を植えた男』(あすなろ書房刊)を手渡した=写真。
同書は、荒れはてた地を緑の森に蘇らせた男の半生を描いた物語。JPICは贈呈理由について「何の名誉も報酬も求めずに尊い行為を成し遂げた男の話は、日本のリーダーにお読みいただくのにふさわしい本と考えた」としている。
官邸訪問終了後に永田町のキャピトル東急ホテルで「読ませ大賞」の記者会見が行なわれ、JPIC鴻巣道明専務理事は「好きな人に読ませたい本を投票してもらうことで、素敵な読書体験が口コミで広がっていくことを期待する。読ませ大賞が広く国民が本に触れる一助となって、文字・活字文化の重要性を考えるきっかけとなることを願っている」と述べた。

児童書祭り、帯コン表彰式の準備進める/大阪理事会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は、定例理事会を10月14日午後2時から組合会議室で開催した。主な報告は次の通り。
〔こどもの本フェスティバル担当委員会〕
組合推薦書コーナーを新設することになり、コーナーのポップを作ることにした。また、書名検索により棚の場所を検索できるようにした。10月27日の棚入れ、28・29日の販売手伝い、場内警備の配置を決定、関係者に協力を求めるとともに、学校納入書店に対し、学校等へのチラシ・ポスター配布による周知徹底を要請することにした。
〔読書推進委員会〕
①「帯コン」受賞作の注文書を先日送付した。11月4日は午前10時より作品展示作業を始める。5日の表彰式は10時半からスタッフミーティングを行い、11時半受付開始とする。運営の遺漏のないようにしたい。
②大阪読書推進会の運営資金を捻出するため、出版社各社に1口1万円の協賛金を募ることにした。書店にも1口5千円で協力いただきたい。
〔事業・増売委員会〕
日書連と講談社とのタイアップ企画「新販売システム」対象商品の『窓ぎわのトットちゃん』『だいじょうぶだいじょうぶ』受注数はそれぞれ542冊、845冊で、日書連の目標数を達成するために更なる上積みが望まれると報告があった。
〔共同受注委員会〕
①大阪市立図書館・分館の雑誌納入書店から、「来年度から雑誌納入は入札制に移行したい旨の話があったが、雑誌納入と入札制度はなじまない。組合からもフォローをお願いしたい」と発言があった。
②大阪市立中央図書館も来年度から入札制に移行するが、組合が応札するか否かを討議。執行部の判断にまかせることになった。
〔雑誌発売日委員会〕
先月申告のあった新進・黒木の違反は警告措置、新進・佐竹の違反は集英社、講談社共に1年間の前渡停止措置、小学館の措置は未定。地区委員長が関係者に違反撲滅のため具体的な策を示せと迫った結果、「8月の盆明けから取次と新進支店長が毎週金曜日にディーラーを指導に回ることになった」と報告があった。
〔学校図書館・IT関連委員会〕
府立高校への日書連マークは今のところ順調に稼動している。日書連マークのモニター校募集は2書店からの申し入れに対応しているところである。
(中島俊彦広報委員)

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・江口陽子

◇2歳から/『バナナン ナン』/市川宣子=作/和歌山静子=絵/ひさかたチャイルド/1260円2006・6

木の上のバナナが食べたいゴリラちゃん、ぞうくん、きりんくん。バナナを持っていったさるくんの後を追いかけます。穴あきや切り込みページのしかけが楽しく、くり返し出てくる「バナナンナン」という言葉をリズミカルに読むと、子どもは覚えて一緒に声に出してくれます。

◇4歳から/『まってる』/森山京=文/渡辺洋二=絵/偕成社/1260円2006・9

うさぎくんに「ここでまってて」と言われたぶたくんは、ありを見つめ、木の葉の音を聞き、ゆうやけを見ながらずっと待っていました。忘れていた約束に気づいたうさぎくんがあわててぶたくんの所へ行くと…。友だちの失敗を許せるやさしさを子どもたちも感じてほしいです。

◇小学校低学年向き/『いぬがかいた~い!』/ボブ・グラハム=作/木坂涼=訳/評論社/1365円2006・6

「いぬがかいた~い」ケイトの一言でパパ、ママみんなで犬救済センターへ。そこで出会ったかわいい子犬。でももう一匹の犬とも目が合ってしまいます。見た目は今風の若いパパとママですが、おおらかで優しい両親に心がなごみます。ボストングローブ・ホーンブック賞受賞作品。

第18回兵庫県組合総代会/中小書店の活性化を促進

兵庫県書店商業組合は10月24日午後2時半から、神戸市の神仙閣で第18回定時総代会を開催、代議員43名(委任状含む)が出席した。
総代会は広報委員長の中島良太氏(三和書房)の司会、山根金造副理事長(巖松堂書店)の開会の辞で開会した。三上一充理事長(三上尚文堂)は「景気は国内民間需要に支えられ回復傾向にあるものの、2004年に8年ぶりに前年を上回ったのも束の間で、2005年の書籍・雑誌の推定販売金額は前年割れとなっている。雑誌の中でも特に週刊誌が7・1%減と大不振で淋しいことだ。兵庫組合は17年度、中小企業人材確保推進事業に関しセミナー・アンケート等を実施してきたが、本年度はそれを踏み台として、組合ひいては書店の活性化を促し、方向性を見いだす事業計画などを審議する大事な会議だ。慎重な審議をお願いしたい」とあいさつした。
森井宏和氏(森井書房)を議長に各議案を審議し、平成17年度事業報告ならびに収支決算報告、平成18年度事業計画案ならびに収支予算案などすべての議案を全会一致で承認した。
大橋洋子氏(流泉書房)によって定時総代会スローガンが読み上げられた後、中小企業人材確保推進事業をお手伝い頂いている㈲アリエシステム松寿社長より現状の報告と依頼のあいさつがあった。
大杉誠三副理事長(大杉広文堂)の閉会宣言をもって総代会は終了。引き続き午後5時半から出版社、取次、業界関係者を交え53名が集い盛大に懇親会が行なわれた。
(中島良太広報委員)

懸賞論文特選「町の本屋の再生をめざして」/札幌市・㈱久住書房・久住邦晴

【「最後の挑戦だ」と宣言】
平成15年9月、社員を集め伝えた。
「皆さんも承知の通り売上げがどんどん落ちている。もうこれ以上店を続けていくことは難しい。そこで最後の挑戦をしたい。その結果来年の7月の売上げが対前年比50%アップしなければ店を閉める」と。
昭和22年創業以来60年間、今の地で続けてきた店を閉めるという選択は二代目としてはとてもつらいことだが万策尽きた状態だった。そんな状態で50%アップはとんでもない数字で、社員の誰しもがとうてい無理という顔だった。でも存続には50%アップが必要だったし次の決算月の7月までの約10カ月以上はとても持ちそうになかった。
そこまで追い込まれた理由はナショナルチェーン店の進出等いくつかあるが、決定的だったのが平成11年の地下鉄駅の延長だった。直近の駅が終着駅だったのが、延長で通過駅になり乗降客は激減した。特に夕方以降は人通りが途絶え陸の孤島とさえ言われた。それ以来、売上げは対前年比10~20%ダウンが続き、冒頭の無謀ともいえる最後の挑戦をせざるを得ない状況となっていく。
途方にくれる中1冊の本に出会った。『あなたの会社が90日で儲かる』(神田昌典著、フォレスト出版)。この本には今までの常識は通用しないこと、非常識といわれることにこそヒントがあること、そして人を集める様々な方法が載っていた。
「そうか、人を集めるか。今まで売上げが伸びると言われていることはほとんど全部やってきたが伸びなかった。でも人を集めることはあまり考えたことはなかった。今度は売上げのことは考えないで人を集めることだけをやってみよう。来客数が増えれば売上げも増えるだろう」
では、人を集めるにはどうすればいいか……。プロに聞けばいい。広告代理店の友人を訪ね相談すると、即座に二つのことを教えてくれた。
①マスコミを動かす
②経営者を売り込む
マスコミを動かす。即ち当店を新聞、テレビで取り上げてもらうためにはどうすればいいか。誰もやらないおもしろいことをやればいい。それは?

【誰もやらないことにヒント】
売上げが期待できないので実施しなかった企画の中に「無印本フェア」があった。これは文庫の注文書のS、A~C等のランクの付いていない売上げランク下位の文庫だけを集めたフェア。他の書店ではほとんど置いていないからおもしろそうだが、もちろん売れないだろうからとやってこなかった。
でも売上げのことを考えなくていいのであればできる。誰もやらないし、売れない本のフェアはきっとおもしろい……はず。
フェア名は「なぜだ!?売れない文庫フェア」と付けた。みんな反対だったが押し切った。新潮文庫のランク外の約700点と、素晴らしい内容なのに小さな本屋ではなぜか売れない筑摩文庫800点を控えめに各1冊ずつ発注(ありがたいことに三延べに)。10月27日の読書週間からスタートすることにした。そして、マスコミにこのフェアをアピールするために2つの大義名分を考え、文書にしてチラシと一緒に新聞各社に郵便で送った。
『当店では10月27日から始まる読書週間にあわせ「なぜだ!?売れない文庫フェア」を実施致します。本離れと言われる昨今、書店を取り巻く環境は厳しさを増しております。特にナショナルチェーン店の出店攻勢に地元書店は息も絶え絶えの状態です。今回の企画はチェーン出店の一番の弱点の画一的な品揃えに対しての地元零細書店のささやかな抵抗です。又、良書が消えゆく出版界への疑問も含んでおります。(中略)「このままでは町の本屋は消えていく」更に「良書がどんどん消えていく」という嘆きの声に対し、この読書週間で少しでも希望の光を見ることができますよう何卒ご報道の程よろしくお願い致します』
さてどうなったかというと、郵送した翌日2つの新聞社から取材の要請が!そして当日地元の北海道新聞社に写真付きで大きく掲載された。
10月27日、シャッターを開けると同時に何人ものお客様が店内に入ってきた。こんなことは初めてのこと。昼ごろにはフェアのあたりはお客様でびっしりに。電話も朝から何本も連続し、「行きたいが、どう行けば?」との問合せが多く、中には隣の市からも。改めてマスコミの力に驚く。さらに午後からテレビ局の取材が入り、夕方にすぐ放映され、その後も電話が相次ぐ。翌日から朝日、毎日、読売の各新聞、すべての民放テレビ局、ラジオの取材が続き、大変な騒ぎになっていく。
そして、売れないはずの文庫が売れた!
翌11月の文庫の売上げは対前年比280%、書籍全体では115%アップ、目標の客数は109%アップとなった。売上げはフェア以前が20%ダウンだったので、30%以上アップしたことになる。
新潮文庫は用意した700冊が23日目になくなった。全体でも43日目に1回転(1670冊)した。当初12月31日までの予定だったが、もちろん延長し逆に拡大していく。翌年2月には「中公文庫ほぼ全点」を追加し、5月には「ちくま文庫」「ちくま学芸文庫」を全点にし、「岩波文庫全点」も追加する。
当店は札幌市西区の住宅街と商店街の中間に位置する、本70坪、文具30坪の複合店だ。わずか70坪の書店で岩波文庫全点を置くのはさすがに荷が重く、何か販売促進を考える必要があった。そこで考えた取り組みが『天国の本屋』からヒントを得た「朗読」だった。岩波文庫の名作、名文を店内で朗読し、BGMとして流すということを始めた。これも狙い通り北海道新聞で大きく取り上げてくれた。
初日から1週間は自分で『坊ちゃん』を朗読したが、「朗読させてほしい」という方が次々に現われ、翌月からはほとんど毎日ボランティアの方が朗読してくれるようになった。現在も毎日夕方5時から20分間、朗読が店内を流れる。(日曜日は除く)朗読も直接的な売上げはほとんど計算できないが、今でも取材が多く広告塔としての働きはとても大きい。
「なぜだ!?売れない文庫フェア」は運良く成功し、ダウンを続けていた売上げもフェア開始の頃ほどではないが、5~10%のアップを続けていた。しかし、7月での50%アップには程遠く、さらなる集客が必要だった。

【中学生の読む本がない】
店にいた時にふと思った。以前は夕方はお客様で賑わっていた。最近は寂しい。そうか、中学生たちが店にいない。中学生は本を読まないし買わないけど、買わなくてもいいから店に来て欲しいと考えた。来てくれというからには居場所が必要だ。そうだ、「中学生の棚」を作ろうと考えた。そのためのリスト作りを4月から始めた。基準はただひとつ。「おもしろい」だけ。夏休みにはスタートしたいと準備していた。
ここで大きな転機が訪れる。書店組合の支部総会でみんなが一緒にやりたいと言ってくれた。大変にありがたいことだ。秋の読書週間から組合の支部企画ということで実施することになり、企画を練り直した。
何人かの書店員で選書委員会を作り、当店のリスト350点を改めて見直し、500点のリストとした。共通帯、チラシ、ポスターの作成。その費用のスポンサー探し。読者サービス、ホームページの作成、マスコミ、PTA、学校、教育委員会への告知と連携依頼等々。フェア名がとても大事だった。プロと相談して決めたのが
『本屋のオヤジのおせっかい“中学生はこれを読め!”』
賛同いただいた27書店で10月27日からスタートした。翌年7月には第2回を全道62軒の書店で実施した。年末には静岡県組合にも賛同いただき実施され、今年7月には北海道で第3回、秋には愛知県、三重県、岐阜県で開催とうかがっている。
当店ではリストの本500点を全点展開し、フェア終了後も1年中常備している。月に約100冊の実売で効率はいまいちだが、親子で、また友人たちで棚の前で本を選んだり会話する姿は増えている。遠い所から来てくれる方も多い。今年は朝日新聞の全国版で何度か報道されたおかげで、全国から問合せが相次いだ。一番多かったのが個人の方から「リストが欲しい」。また「リストを利用したい」という図書館、書店の希望も多かった。

【ソクラテスのカフェ】
さて、7月になった。残念ながら50%アップには届きそうになかったが、20%以上は伸びていた。手ごたえも感じていたし、社員も伸び伸びと頑張っていた。そこで将来の可能性を信じ、力仕事で目標に近い数字をあげた。
継続を決定した。
ただ、このままでは苦しいのははっきりしているので、今までの取り組みとは別に利益の柱になるものを求めていかなければならないと考え始めた。
月刊誌『論座』の17年8月号に「やっぱり本屋が好き」という特集があり、115名の文化人に理想の本屋を聞くアンケートが載っていた。様々だったが目立っていたのが「カフェの併設」と「古本との融合」だった。新刊と古本を一緒に並べて棚の濃度を高めて欲しいとの声はもっともながら、それは無理だろうと苦笑いしながら読んだ。
「まてよ」……できるかもしれない。
ちょうど、当店が入居しているビルの地下の喫茶店が2年近く閉まったままだ。まだまだきれいだし、備品も揃っている。広さも十分だ。そこに本棚を置いて古本を置けば…
よし、できる。
ビルのオーナーに交渉し、空けておくぐらいならと格安で借り、若干の手直し、本棚の発注、そして、それまでコミック担当の社員を説得し研修に出した。仕入先も決まり2カ月後の17年9月に開店した。店名は「古本と珈琲のBOOKcafe『ソクラテスのカフェ』」
準備段階から喫茶店は絶対に儲からないから止めた方がいいとの声が多かったが、やはりカフェの売上げだけでは人件費を払うのがやっとという程度だった。古本は買い取りはしないで、古書店から仕入れた。古書店ではほとんど置かないという昭和40年~50年代の文芸書を中心としたので、格安に仕入れることができたが、売上げは月に5~10万円程度だった。
この程度ではとても利益の柱にならないので、他の書店のアドバイスもあり、カフェの奥にあった貸会議室を利用して英会話教室を11月から開始する。翌2月から韓国語教室、4月から朗読教室、6月から国語教室を開始。現在合計で70名ほどの生徒数。月に約10万円ほどの利益。9月からは年配者のための英語の新講座、10月から太極拳教室をスタートする予定。今後は年末までに200名、月50万円の利益を目標に教室を増やしていきたい。

【読者の励ましに感激する】
カフェの開設を機に、かねてよりやりたかった本に関するイベントを始めた。池袋のジュンク堂さんのカフェで行われている「トークセッション」をいつもうらやましく思っていたし、確実に客数を計算できるので、ともかくできることからと、10月に児童書作家の手島圭三郎氏、11月に同じく伊藤遊さんのトークショーを実施した。低予算なので恐る恐るの依頼だったが快く了解していただき、20名限定で満員。本も売れた。
これに気をよくして次はもう少し大きな規模でと考え、30名規模の「本談義」を翌4月に実施(会費500円、9月から千円)。これは一方的な講演会ではなく、私と作家の対談を聞いてもらいながら話に加わっていく座談会形式。1回目は本格ミステリ作家の柄刀一氏。心配していたにもかかわらず、何と45人も参加。急いで席を増やしたが超満員。その後も毎月実施し、9月には児童書作家の加藤多一氏を予定している。それに合わせて新作の『ホシコ』の原画展を9月1日から開催する。
7月からは常連さんの希望で読書会をスタート。2回目には15名の参加(会費500円)。予想以上だし、課題本が売れるのもありがたい。まだ手探り状態だが、月1回の実施を続けていきたい。
〔9月の予定〕
9月1日~15日加藤多一著『ホシコ原画展』
9月8日本談義(ゲスト加藤多一氏)
9月16日・17日第2回朗読ショーケース(店内で2日間24人が連続朗読)
9月23日読書会(課題本『しゃばけ』)
同第1回くすみ寄席(北大落研)
9月30日~10月2日孫の日に向けての読み聞かせ研修会
10月1日児童書作家丘修三氏講演会
10月1日~小寺卓矢氏「森のいのち」写真展
〔9月に実施されている自社フェア〕
○本屋のオヤジのおせっかい「中学生はこれを読め!」(常設)
○なぜだ!?売れない文庫フェア(常設)
新潮文庫の売れない700点ちくま文庫・ちくま学芸文庫全点1300点
中公文庫ほぼ全点800点
岩波文庫全点1400点
河出文庫売りたい500点
教養文庫あるだけフェア
○大人の絵本フェア(常設)
○岩波ブックレット「少し考えてみる」フェア
○加藤多一フェア
○丘修三フェア
××
以上、当社の取り組みをご紹介いたしました。どうしようもない所まで落ち込み、最後の挑戦が運良くうまくいき、その後の取り組みもなんとか成功してきました。それでも伸び率はわずかですし、少し気を抜くとあっという間に落ちてしまいます。今年の6月まで2桁伸びていたのが、7月、8月と前年比を割りました。そして8月に社員を1人リストラしました。多少の伸びでは追いつかないのが現状です。でも、もし何もしていなければどうなっていたかを考えると怖くなります。
厳しい時にこそ積極的に挑戦していくべきだと思います。挑戦者が少ないだけに、とても目立ちますし注目されて様々な情報が集まってきます。本の持つ社会性でしょうか。本への取り組みは好意的に見られることが多いと思います。売れない文庫フェアを始めた当初、「頑張ってください」「応援します」との声が多く大感激でしたが正直少しとまどうほどでした。そのような本に寄せられるお客様の好意を我々はもっと生かしていくべきだと思います。
東京の往来堂書店さんに教えられた「ちゃんとした本の買える町の本屋」から、当店では「町の本屋の再生」をテーマに店のレベルアップに取組んでいます。買切りだからというだけで見向きもしなかった専門書の出版社さんも相談すれば何とかなりました。小さな店だから売れるはずがないと思っていた専門書が売れました。
ちくま文庫はフェア以前はまったく置いていませんでしたが、3カ月後には一時的に北海道内で2番目の売上げ冊数になりました。岩波文庫は全国で60番目くらいになりました。
どうせ無理だろうと思っていた作家の皆さんも交通費程度で講演に来てくれます。そして満員になるほどの参加者です。お客様も出版社も作家も、みんな本屋からの積極的な働きかけを待っていると感じます。
ただ、残念ながら本の薄利では短時間で利益を出すのは難しいと実感しています。少しずつ改善していくしかありません。取次の温かい支援が我々町の本屋にもより一層必要であると感じております。
当店ではもう1つの利益の柱を求めて「文化教室」を進めています。永年地域で本屋を続けてきた信用と信頼で生徒は集まります。その生徒は本屋のコアなお客様になってくれます。かなりの相乗効果を期待できます。永年地域で商売を続けてきた本屋の副業として可能性は大きいと感じています。
今後も当店は再生のために「人を集める」様々な取り組みを続けていく考えです。完


【特選を受賞して久住邦晴】
札幌の中心部の地元有名書店さんが11月で店を1軒閉めることになりました。とても衝撃を受けています。素晴らしい店づくりをしていた書店さんで、私共地元の本屋の目標でもあったからです。近くに大型書店の進出が相次いでいたのですが、あれだけの店を作っても大型店にはかなわないのかと思うと、あきらめの気持ちが頭をかすめます。
3年前からの取組みが運良く当たり、当店はどん底から脱出しました。でも資金繰りは簡単には良くなりません。月末は毎月命を縮める思いですし、激しい孤独感に襲われます。しかし負ける訳にはいきません。受賞の知らせを戴いた時、「これは簡単につぶす訳にはいかないぞ」なんて思ってしまったのですが、ますます頑張ろうと決意を新たにしました。
まっ先に取次(中央社)の役員が電話をくれました。以前に比べ考えられない程多くの出版社さんも様々に協力してくれています。売れない時代にこそ前向きな行動が求められていますし必要だと思います。ありがとうございました。感謝申し上げます。

兵庫絵本ワールド、親子連れで賑わい

「絵本ワールドinひょうご」が10月8日、9日の両日開催された。4回目となる今回は、2年連続で開催された原田の森ギャラリーと日程が合わず、六甲アイランドの最南端に新しく開学された神戸国際大学が会場。入場者数は約5500人と、昨年に比べ約半分となったが展示即売会は大勢の親子連れで賑わった。
8日はミカエルホールで地元神戸出身のイラストレーター・絵本作家、涌嶋克己氏が「絵からもらったこと」と題して講演。サブアリーナでは、昨年に引きつづきミツル&りょうた氏の「うたっておどってコンサート」が開かれた。9日は童話作家の柏葉幸子氏が「不思議な町から」と題した講演と、人形劇団クラルテ”おひさま劇場”の人形劇が行われた。
また、両日にわたってバリアフリー絵本や手作り絵本(布の絵本・さわる絵本など)の展示や、ボランティアによる「紙芝居」「読み聞かせ」等のワークショップが開かれ、親子連れや絵本の好きな方々には楽しい休日のひとときとなった。
(中島良太広報委員)

ふるさとネットワーク/四国ブロック編

〔香川〕
櫃石島、岩黒島、羽佐島、与島、三つ子島の5つの島の間に架かる6つの橋梁とそれらを結ぶ高架橋で構成され、橋梁部9368メートル、高架部を含めると13・1キロの延長を持つ――瀬戸大橋は鉄道・道路併用橋としては世界最長の橋である。
瀬戸内海をまたいで本州(岡山県倉敷市)と四国(香川県坂出市)を結ぶ瀬戸大橋は、総事業費1兆1338億円をかけて、1988年4月1日から供用をスタート。上部が4車線の道路(瀬戸中央自動車道)、下部が鉄道(JR四国本四備讃線)の2層構造になっている。
そもそもの発端は1889年、瀬戸大橋の架橋を香川県議会議員の大久保諶之丞が提唱したこと。当時はほら吹き扱いされたが、1955年に国鉄連絡船紫雲丸の事故が起き、その提言の先見性は評価されることとなる。事故後、県と国が動き、30年の年月をかけて大橋は完成した。

〔徳島〕
鳴門といえば、渦潮と鳴門鯛、わかめが有名だが、今年は鳴門を舞台にした映画、松平健主演の「バルトの楽園(がくえん)」が映画化されたことで注目された。
第1次世界大戦で日本とドイツの両軍は中国の青島で激突、ドイツ軍が降伏して日本に多数のドイツ兵俘虜が送られた。
厳しい待遇が当然な収容所の中で、奇跡のような収容所が徳島にあった。板東俘虜収容所の所長を務める会津人の松江豊寿は、陸軍の上層部の意志に背いてまでも、捕虜たちの人権を遵守し、寛容な待遇をさせた。捕虜たちはパンを焼くことも、新聞を印刷することも、楽器を演奏することも許された。また異なる地域住民の温かさに触れ、収容所生活の中で、生きる喜びを見出していく。
そしてベートーベン作曲の「交響曲第9番歓喜の歌」は今から87年前、徳島県の板東俘虜収容書に収容されていたドイツ兵たちによって日本で初めて演奏された。(林健二広報委員)

〔愛媛〕
コント55号のバラエティ番組で罰ゲームとして紹介されて以来、じゃんけんで負けた相手の服を脱がせるお色気ゲームとして広く知られるようになった野球拳ですが、元々は愛媛県松山市に伝わる郷土芸能でした。三味線と太鼓を伴奏に歌い踊り、じゃんけんで勝敗を決する遊戯というのが本来の姿なのです。家元制度が取り入れられており、松山城で本家野球拳全国大会も行なわれています。
24年、伊予鉄道電気野球部が高商野球部と試合を行なったが敗れた。試合後、旅館で行なわれた対戦相手との夜の懇親会の宴会芸で、昼の仇をとるべく披露した演技が野球拳の始まりで、元禄花見踊りの曲をアレンジし即興で作詞・振り付けをしたものでした。この踊りを伊予鉄野球部一行が松山に持ち帰り、料亭で披露。以来、宴会芸の定番として普及しました。
なお、誤解の張本人であるコント55号の萩本欽一さんは後に松山を訪問。本家野球拳家元に謝罪し、本家の教えを受けたといいます。(光永和史広報委員)

〔高知〕
西原理恵子、山田章博、横山隆一、横山泰三、はらたいら、やなせたかし、黒鉄ヒロシ、徳弘正也、弓月光……など、高知県は著名な漫画家を多数輩出している。このことから県にとって漫画は貴重な文化資源と考え、市民に漫画に親しんでもらうことと地域振興を目的に1992年から開催されているのが、全国高等学校漫画選手権大会「まんが甲子園」だ。
参加校は5名1チームで構成。本選大会は全国から選ばれた30校で競技する。1日目は統一のテーマに基づき約5時間で作品を描く。この審査結果をもとに決勝出場校15校が選ばれ、残り15校は敗者復活戦で5校が復活。計20校が決勝出場校として2日目の競技を行なう。
第15回の今年は8月5日、6日の両日、高知市文化プラザ「かるぽーと」で開催。沖縄県・那覇工が最優秀賞に輝き、優勝旗・記念カップ・副賞30万円が贈られた。

新・アジア書店紀行/ノセ事務所代表取締役・能勢仁

第6回・ニュージーランド南島

〔クライストチャーチについて〕
オークランドが北島を代表する都市(人口135万人)とすれば、クライストチャーチは南島を代表する都市(人口37万人)といえる。NZの中で最もイギリスらしい町といわれるのがクライストチャーチ、南島の文化、行政、経済の中心といってよい。特に文化面ではそれを感ずる。それは書店の数ではオークランドに負けないくらいに多い。古書店の多いのがクライストチャーチの特色である。この古書店文化は、ロンドンのチャリングクロス通りを思いださせる。

NZの教育制度も日本と異なる。90年までは教育はすべて無料であったが、現在は義務教育以外は有料になっている。NZには教科書はない。先生の作ったプリントで授業を行っている。小学校は5歳で入学するが、入学式があるわけではない。誕生日の翌日から学校に通う。だから卒業式もない。学校は4学期制をとっている。つまり8週間学校に行き、2週間の休みを4回繰り返すのである。
1、ウイットコール書店・シティモール店
この店は460坪ある大型書店。文芸、小説、雑誌、実用、こどもの本に力がおかれている。理工書、医学書は全くない。人文、社会科学書も少ない。店の3分の1は文具だ。カードも壁面に膨大に陳列されている。DVDも壁面に7間分ある。ステイショナリーの店としても百坪以上あり、市内最大の文具店である。店内にはレジ3か所、皆大きい。そこにはインフォメーションサービスカウンターが置かれている。入口レジに女性3人、中央レジに男性1人(店長)、女性2人、こどもコーナーレジ女性3人の体制。天井がガラスの明かり取りとなっていて、クリーンな店内となっている。
2、SCОPYОスコピオ書店間口6間×奥行12間=72坪
この店は百坪に満たない店であるが、人文、芸術、建築、アートに力が入っているために、専門書店として個性を発揮している。文化都市クライストチャーチに相応しい店だ。レジの二重構造も特色である。前面カウンターで接客し、後方カウンターで客注処理、在庫管理、資料作りの作業を常時行っている。男性2名(店長と若い人)、女性2名、ベテラン社員はインフォメーション中心、若い人は接客中心。入口に革製の椅子を置いた相談カウンターがあり、お客様がひっきりなしである。外商部門を店内で行っているので、この周辺は雑然としている。若い男性が店奥で梱包発送業務をしている。アート、建築、デザイン書周辺に関連雑誌が置かれている。
3、雑誌専門店 間口2・5間×奥行15間=40坪弱
ビクトリア通りにある雑誌専門店は町の中心部にある店である。真っ赤な絨毯が敷き詰められた書店で、壁面は真っ白と対照的である。そこにはService…creatingthedifferenceと書かれている。店の突き当たりに2間のカウンターがあり、そこには年配の男性と仕事の出来そうな女性がいる。そして背面の白い壁にはMAGAZINEORDERSTAKENと書かれている。クライストチャーチに相応しい個性的な雑誌専門店である。
4、ウイットコールヒヤホールド店12間×8間=96坪
文具と雑誌、書籍の店として市民に利用されている。こどものギフトブックが目に留まった。本のバーゲンセールを積極的に実施。シティモール店との棲み分けだ。本店の方では実施していない。ウイットコールチェーンTОP100のリストが印刷され店頭で配られていた。本の販売に関しての姿勢が伺える。
5、アンティック通りの古書店3店
a、SmithBookこの店は凄い。アンティック通り一番の古書店である。1~3階まであり、その量たるや凄い。自然科学から社会科学まで、なんでもござれの店である。2階は郷土書、3階は文芸、古典、演劇と充実している。社員は1階レジに2名。店主と女性がいるだけである。2階、3階には社員、レジは配置していない。貴重書はレジ前にショーケースがあり、その中にある。
b、PACIFICBOOKSHОPスミスブックの隣である。この店は旅行書、写真集、ガイドブック、山岳などに力点が置かれている。
c、LibertySecondhandBookこの店は骨董と一緒に本を並べている。ショウウインドウには骨董が飾られている。文芸書に力が入っている。
これだけの古書市場があることは、本の流通の多い証である。市内2大学と文化人がこれらの古書市場を支えているのであろう。南極が近いので、南極ガイドブックの需要のあるのもNZの特色である。その需要に書店、古書店も応えている。南極に行く方法には2通りある。アルゼンチンからクルーで行く方法とオーストラリアからカンザス航空で行く方法である。
〈クイーンズタウンの書店〉6、ペイパープラス書店この書店は33坪の中型の本、文具の店である。しかしクイーンズタウンが、マウントクック、ミルフォード・サウンドの中間点にある観光の町、リゾート、別荘地であることを意識して品揃えしている点は素晴らしい。即ちヨーロッパアルプス並みのマウントクックの雄姿の写真集、氷河でけずられた千メートルの山から落ちる滝のミルフォードの写真集等、旅行者に感銘を与える本が豊富に陳列されている。雑誌のアイテムの多いことも滞在者に喜ばれることであり、競合店との差別化である。
7、ウイットコール・クイーンズタウン店
地域一番店で128坪ある。本7・文具3の店である。総合書店であるが、マリオ族の文学、歴史、文化の本がよく揃っている。児童書コーナーは六角形の売場で変わっている。キッズベスト50点、絵本、キッズビデオ、ファーストブック、ギフトブックなどこの店の特色になっている。ウイットコール店もペイパープラス店もショットオーバーストリートにある。

第36回神奈川日販会総会/店頭増売コンクールを企画

神奈川日販会は10月20日午後2時半から横浜のホテルキャメロットジャパンで第36回総会を開催。会員書店、出版社など総勢222名が出席した。
総会は関昭典氏(ブックスサガ)の司会、深瀬昭次副会長(青馬堂)の開会の辞で進行。松信裕会長(有隣堂)は「出版業界はますます厳しく、書店の数も年々大きく減っている。昨年私はこの会のあいさつで、本屋が本だけで成り立つようにと日販にお願いしたが、その後で鶴田前社長は、経営の幅を持たせ複合化を進めてほしいとあいさつされた。これはどちらも正しいと思う。IT化、デジタル時代の中で、従来の書店というビジネスモデルが崩れつつあるという認識を持たないといけない。日販には、我々の問題提起に対して全力で応えてほしい。そして我々自身も変わっていかなくてはならない。未来に対して自分なりの着地点を想定して対策を練っておくことが必要だ。会員の皆様には、経営にさまざまな工夫を凝らしていただくとともに、神奈川日販会としても一層の販売力をつけていきたい」とあいさつした。
松信会長を議長に選出して行なった議案審議では、活動経過報告、会計・監査報告、2007年度事業計画・予算案を原案通り承認。事業計画では、実用書、児童書、ムック20点を対象とする店頭増売コンクールの実施を決めた。進捗率達成賞、売上達成賞、飾りつけコンクールの上位各3店を表彰するもので、対象銘柄は後日決定する。また役員改選では3名の新理事を選任した。
来賓あいさつで日販・古屋文明社長は、日販の新中期経営計画「NEXT」の基本戦略を述べ、その柱となる「SAネットワーク」「CRMの構築と拡大」「王子流通センターリニューアル」などのポイントについて説明した。
総会第2部では、日経ホーム出版社・中町英樹取締役が記念講演「書店これからの10年」を行い、日販王子流通センター所長・安西浩和取締役が「王子流通センターリニューアル計画NEXT」をテーマに講演した。
「本屋の村」の10年/本屋の村組合員代表・庫本善夫

これまで任意団体であった「本屋の村」は本年平成18年6月1日をもって、活動の責任の所在をより明確にするために「本屋の村有限責任事業組合」という法人に組織変えをしました。現在の組合員は7名で全員現役の書店のみです。初心を忘れることなく今後も書店仲間とともに活動を続けて行きたいと思いを新たにしております。
ここまで活動を続けてくることが出来たことは支援してくださったユーザー書店さんたちのおかげであり、また説明会の場を提供してくださった多くの書店組合さんのおかげだと思います。この場を借りて皆様に感謝いたします。
「本屋の村」は当初から法人化された今に至るまでも活動内容は変わらず、私たちのような中小書店が読者の方々に快適な環境を提供することを第一としています。活動の中心となっている総合書店業務ソフト「楽樂ほんやさんシリーズ」は本屋による本屋のための本屋のパソコンソフトをめざしています。営利を目的とせず製作やサポートのすべての面で業者と組むことをせず自分たちだけでやってきました。
当初はあまりの安さに、業者さんには内容に疑いの目をむけられたりもしましたが、自分たちが使いやすいように必要なところを重点的に作りこみ、手作業でするほうが好ましいような無用な部分はあえて省き、ユーザーからの使いやすさへの要望も出来るだけ取り入れています。中小書店が書店業務でパソコンを利用すると便利になるほとんどの場面をカバーしており、また当初より本使用とまったく変わらない90日間のお試し使用が出来るようにすることによって、十分に内容を確かめてから納得して使っていただけるようになっています。
私たちが出会ったのは10年前でした。パソコン通信で知り合った関西の本屋数人が大阪難波の地下で初めてオフ会をしたのが1996年2月のこと、初めて顔を合わせたにもかかわらず本屋のことやパソコンのことに話が尽きない楽しい飲み会でした。オフ会を重ねるうちたびたび業務ソフトの話になり、それぞれ違ったソフトを使うなかでの不満話のなかから、ますや書店岩根さんの自作ソフトを見せてもらったのは1997年1月の滋賀県大津オフ会でのことでした。
これをみんなで使えるようにしようということで話し合い、ソフト内容を検討しなおした後に岩根さんがプログラミングし、メンバーがテスト使用をしました。10月に京都で「SA開発集団本屋の村」が結成されました。さらに検討改良を進め、知り合いの本屋さんにテスト的に使ってもらうなどの過程をへて、翌1998年秋に書店業務のうちもっともわずらわしい納品書発行、請求書発行という顧客管理からスタートした初代「楽樂ほんやさん」を世に送り出しました。
その後返品処理機能を追加するなどのバージョンアップを重ね現在の「RakuProⅡ」になり、店頭での販売管理のために2002年に発表した「ラクPOS」、トーハンのWebトーネッツや日販のノックスなどの取次のネットサービスとのデータ連携をする「ラクWEBDATA」等の関連ソフトもあわせた「楽樂ほんやさんシリーズ」となり、現在では300を超える全国の書店さんに使っていただくまでになりました。
発表の年に書店新聞に取り上げていただいたときは特に多くのお問い合わせがありました。業界紙や一般の新聞にも「街の本屋さんの活動」として何度も取り上げていただきました。また北海道から鹿児島までの各地の書店組合さんからもお声をかけていただき説明会をさせていただきました。
発表の翌年1999年からはじめた東京説明会は毎年の恒例の活動行事となり、今年も「中小書店こそ、楽樂ほんやさん!(外商管理と商品管理)~本屋の村10周年~」をテーマとして11月18日(土)に中野サンプラザで行ないます。
東京説明会には全国から本屋さんがおいでになります。説明会ででもそうなのですがあとの懇親会での熱気もたいへんなもので、飲み物や食事をそっちのけで尽きない本屋の話が繰り広げられます。中小書店の悩みは深刻ですが話してみることで他の書店での対応も知ることが出来るのです。サポートのメーリングリスト「raku2」でも、ソフトに関する疑問点に限らず、パソコンなどのハードについてや取扱商品のことなど本屋を取り巻くあらゆる話題が毎月100から200通以上のメールで飛び交い、孤独になりがちな中小書店の情報交換の場となっています。
私たち自身が既存業務ソフトでもっとも不満だったサポート面についてはこのメーリングリストとホームページを中心に行なっています。ホームページには最新情報をのせるほか、楽樂ほんやさんシリーズのバージョンアップファイルの提供もしています。またできるだけ各地からのご要望に応えて書店組合さんでの説明会などを通して直接お話が出来る機会を多く持つようにしています。
パソコンは書店での店内業務にとどまらず、学校図書館の電算化や取次との取引の電子化などとも合わせて欠かせない道具となっています。メールやインターネットの利用も経費節減の面からも欠かせません。しかしパソコンを使うということでのトラブルは多様です。
パソコンそのものの問題であったり、ソフト間の競合があったり、ちょっとした設定の違いからうまく動作しないなど、使おうとしているソフトだけで考えるだけでは足りないのですが、業者サポートはなかなか踏み込んでくれないことに私たちは不満を持っていました。時代の変化のスピードはますます速くなっていくことでしょう。
中小書店が身近な街の読者に利便性を提供していくためには、こうしたIT化を含む諸問題についてともに手を取り合い情報交換していくことがますます重要になってくると思います。わたしたち「本屋の村」は、そうした輪の中にパソコンやソフトを利用する方法を提供することによって参加して行きたいと考えています。
今年の東京説明会の詳しい内容についてはインターネットで「本屋の村」で検索してご覧ください。ホームページからも参加申し込みが出来ます。お問い合わせはメール又はFAXでも受けています。
有限責任事業組合本屋の村組合員代表庫本善夫奈良県大和郡山市庫書房℡0743―53―0877
本屋の村ホームページ=http://www.hon-shop.com/raku/
メール=rakupro@hon-shop.com
東京説明会申し込み先=たつみ書店FAX0742―71―7644

移転

◇東邦書籍
東邦書籍は11月1日付で代表取締役社長の吉見壽文氏が代表取締役会長に就任。取締役社長に社内から杉山利淳氏、取締役専務に同じく前田鋭氏が就任した。吉見誠夫専務は病気療養のため退任した。
また、駿河台下にあった社屋を売却し、専大前に近い昭和第2ビルに移転。11月6日より新社屋で営業開始する。
新社屋=〒101―0051千代田区神田神保町3‐3‐7昭和第2ビル1階℡03‐5210‐1500~1fax03‐5210‐1502

ノンフィクション賞に沢木耕太郎氏ら/講談社

第28回講談社ノンフィクション賞に沢木耕太郎氏『凍』(新潮社)、田草川弘氏『黒澤明vsハリウッド』(文藝春秋)、第22回講談社エッセイ賞に野崎歓氏『赤ちゃん教育』(青土社)、福田和也氏『悪女の美食術』(講談社)が決まり、10月23日午後6時から丸の内の東京會舘で贈呈式が開かれた。
講談社・野間佐和子社長から各賞贈呈のあと、ノンフィクション賞の選考経過について加藤典洋氏が「ともに今のノンフィクションというカテゴリーが抱える困難と可能性を体言した作品。沢木氏は文章と人間の魅力が卓越している。田草川氏も優れた作品でほぼ満場一致で決まった」、エッセイ賞については井上ひさし氏が「両作品には、作者が愛するものについて徹底的に考え抜いて書かれたという共通点がある。読者の心に染み込んでくる、質の高い文章」と絶賛した。
受賞者あいさつで、沢木氏は「登場人物であるクライマー山野井夫妻との出会いにより、いい仕事ができた」、田草川氏は「足でかせいで、事実を積み上げた」、野崎氏は「かつてフランス文学青年だった男が、必死に育児をしているときに書いた本」、福田氏は「女性の気持ちを逆撫でするようなことを書いたが、連載したFRAUではいい読者に恵まれた」と、感謝の言葉を述べた。

『だいじょうぶだいじょうぶ』に感動/はなわさんが曲作る/神保町ブックフェスで披露

10月28日、29日の両日、開催された第16回神保町ブックフェスティバルで、講談社の絵本『だいじょうぶだいじょうぶ』を読んで感動し、同名の曲を作曲したタレント「はなわ」さんと、歌手・内藤安紀さんのミニ・コンサートが開かれた。
ミニ・コンサートが行われたのは、28日正午から白山通りに面して、ワクワクこどもランド会場となった小学館前広場。講談社の「本とあそぼうおはなし隊」のキャラバンカーを特設舞台にはなわさんが現われると、周辺はカメラや携帯を構える人で身動きできないほど。デビュー曲「佐賀県」の演奏で会場を盛り上げてから、はなわさんは「ブックフェスティバルの会場に来たのは、絵本『だいじょうぶだいじょうぶ』を読んで温かい気持ちになり、大好きになって曲を作ったから。歌手の内藤君は介護士をしていてこの歌にぴったり」と紹介。さっそく、はなわさんのベースギター伴奏で、内藤さんが「だいじょうぶだいじょうぶ」を力強く、のびやかに披露した。
このあと、12時半から会場を三省堂神田本店特設会場に移して『だいじょうぶだいじょうぶ』の著者・いとうひろしさんのサイン会が行われ、はなわさん、内藤さんの二人によるミニ・コンサートも行われた。

クリスマス前に基礎習得/日販がラッピングセミナー

ギフトとしてラッピング需要の多いクリスマスを前に、基礎ラッピングの習得を目的に、日販は11月22日午後1時から本社5階会議室でラッピングセミナーを開催する。
講師はラッピング協会資格認定講師の国分悦子氏。ラッピングをマスターしたい書店スタッフを対象に①実践ノウハウ(使いやすいペーパー選び、シーズンやギフトシーンに相応しいペーパー、お客様に喜んでもらえるリボンコーディネートなど)②本屋で役立つラッピングの基本(ラッピングの道具、ペーパーを早くきれいに無駄なくカットする方法、合わせ包み、斜め包み、リボンバリエーションなど)③困ったときのプロの技(カレンダー、CD、大きさの違う複数本の包み方など)――を伝授する。
受講料(教材費込み)は日本出版共済会加盟店3千円、未加盟店6千円。申し込み・問い合わせは日販各支店または経営相談室(℡03‐3233‐4791)まで。締め切り11月13日。

創立35周年記念して祝賀会/日本出版学会

日本出版学会は10月27日午後6時からアルカディア市ヶ谷で創立35周年記念祝賀会を開催。第12回国際シンポジウム「コミュニケーションとしての出版変貌する東アジアの出版と文化」(28日~29日、東京経済大学)前夜祭として行なわれ、中韓両国の出版関係者も参加した。
祝賀会の冒頭、植田康夫会長があいさつ。「新聞、放送以外に出版を研究する学会が必要と発足した。近年は研究発表も盛況になり、学問的にも充実。歴代会長はじめ関係者の方々の努力により、科学的研究への意欲が徐々に形になってきている」と話した。
来賓の書協・小峰紀雄理事長は「出版業界、特に学術書は苦しい状況にあり、出版文化の質的衰弱が懸念される。地域・学校・出版界への読書支援、再販維持、学術出版の振興、著作者・出版者の権利保護、読書人を増やすことに真剣に取り組みたい」、日本マスコミ学会の有山輝夫会長は「新聞・放送の研究は時事・ジャーナリズム問題に偏りがちだが、出版研究は広い意味で文化と結びついており、研究領域が広い。そうした独自性を発展させていただきたい」とあいさつした。

本屋のうちそと

5年ぶりの税務調査が入った。
書店業の仕入れは取次を通しているので、圧縮なんて芸当は出来ないことは十分に理解されている。タバコの販売もタバコ税の関係で仕入簿の備えつけや週2回の発注の前に、棚卸しを実施して在庫数量の単品管理を行なっている。経費も領収書を徴集して脱税を出来るようなことはない。雑収入としての各種報奨金や図書券の販売手数料も計上している。
それでも、正しい納税指導のために5年周期で来店して「有意義な個別講習」を通常でも1日、長い時には2・3日に亘って実施して下さる。
説明会であれば、居眠りをしていて時が過ぎれば解散となるのだが、寝とぼけて頓珍漢な受け答えをすると納付書の金額の桁が違う事になりかねない。
問われる事について、ありのままに答えると、課税非課税の説明と過去に遡っての事情を訊かれる。
立ち会っていた税理士に、受け入れ可能な税額を耳打ちして、税金のプロ同士の話し合いで「調和」を図ってくれるよう依頼。
4年に1度のオリンピックのようなイベントと例えると顰蹙を買いそうだが、5年に1度過去3年に遡って何某かの納付を求められ、「予定調和」のシナリオをこなすのが町の小商人の「生残りの心得」と得心している。
秋風に身を縮めするくしゃみかな
(井蛙堂)
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