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平成18年11月11日
正確な表示は13%/DVD付雑誌の価格

公取委は10月12日、出版共同流通蓮田センターでCD及びDVD付録付き複合雑誌の価格表示について実態調査を行った。調査した140社、470誌のうち、公取委の指導通り複合誌の価格表示を非再販商品として正しく価格表示していたのは誌数、出版社とも13%程度にとどまっていた。定価表記を変えていない雑誌はアダルト誌、パソコン誌、趣味娯楽誌に目立ったという。

大阪子どもの本フェスティバル開催

大阪市中央区の大阪ビジネスパーク・ツイン21で10月28日、29日の両日、「第4回子どもの本フェスティバルinおおさか」が開催された。
開会式では読売新聞大阪本社老川祥一社長が「昨年より一月早く『文字活字文化の日』に開催した。中川ひろたかさんサイン会などたくさんの催しがあります。本をたくさん読んでください」とあいさつ。
出版文化産業振興財団肥田美代子理事長は「『文字・活字文化振興法』が成立して1年が経過した。26日には押切もえさんと首相官邸を訪問して安倍首相に本を贈呈。読書運動の現況をPR、協力をお願いした」。児童図書出協竹下晴信会長は「子どもたちが読書の楽しさを味わい、本好きになることを願って、良書と出会う機会をつくりました」とあいさつした。
及川社長、肥田理事長、竹下会長に、大阪屋三好勇治社長、大阪組合面屋龍延理事長でテープカット。この後すぐ、「ケロポンズコンサート」が賑やかに開幕、子どもたちの歓声が場内に響き渡った。1階ギャラリーでは1万5千冊の児童書を揃えた「わくわく子どもの本マーケット」の展示即売会もあり子どもたちが熱心に本を選んでいた。
29日は午後2時から中川ひろたかさんの「歌と絵本のスペシャルステージ」が開催され、絵本マーケットにも来場者が多数訪れた。(中島俊彦広報委員)

年内には40社が参加/出版社共同ネットの利用

今年5月からWEB受注を開始した出版社共同ネットは11月までに倉庫会社5社と出版社26社、年内に河出興産と出版社10社程度も加わり、当初の計画を上回るペースで推移していることが明らかになった。
出版倉庫流通協議会の運営する出版社共同ネットは、出版社が独自に開設すれば多大な費用のかかる受注ウエブサイトを共同利用することで参加社の費用を軽減させる狙い。出版社、受託倉庫から書誌情報、在庫情報、出荷情報を発信してもらい、情報を一括処理。国内最大のサイト、S―BOOKにリンクを貼り、トップページから「出版社共同ネット」に入る仕組みのため、書店はS―BOOKと共通のID、パスワードで発注できる。
出版社共同ネットセンター川尻一壽副代表幹事(主婦の友図書)は「倉庫協議会のメンバーで手分けして参加を要請している。年内に出版社40社、来年には100社加入を目指す。共同ネットに参加した出版社の受注は短冊、電話、FAXから4割程度がウエブに移行した報告がある。書店にとっては検索、注文が24時間利用できる。今後、利用書店の要望を聞いて改善していきたい」という。11月1日現在の参加社は以下の各社。
倉庫会社=出版ネット&ワークス、ポプラ社、主婦の友図書、大村紙業、イワキ流通
出版社=金の星社、草炎社、ランダムハウス講談社、ニューズ出版、JIVE、ジャパンブック、信山社、海象社、出版文化社、ウェイツ、パーソナルメディア、アスペクト、ポット出版、ジャパンタイムズ、アスコム、三栄出版、ジェイ・リサーチ出版、ブティック社、イルプルーシェルラセーヌ企画、カンゼン、ジャパンマシニスト社、駒草出版、フロンティアワークス、光生館、ムービック、チュンソフト

神保町BF売上げ4200万円

10月28日、29日に行われた第16回神保町ブックフェスティバルは「本の得々市」として出版社など165社がワゴン210台で汚損本、自由価格本などを販売した。
28日の売上げは2500万円、29日は1700万円で、両日の合計は4200万円弱。出版社別売上げ上位は早川書房105万円、大日本絵画96万円、吉川弘文館112万円。

応募作1万2千点に/本の帯創作コンクール表彰式/大阪

課題図書を読んで、その内容にふさわしい「帯」を作る第2回「本の帯創作コンクール」表彰式が11月5日午後1時から大阪市中央区のドーンセンター(府立女性総合センター)で行われ、550名収容のホールは満席になった。
表彰式では、大阪読書推進会中川正文会長が「本には子どもの時しか身につけられないことがたくさん詰まっている。本を読むことにより、しっかり考え、人に優しく接することができるようになります」と読書から多くの力を得ることができるとあいさつ。
朝日新聞大阪本社横井正彦編集局長補佐は「読書にはインターネットや携帯電話から得ることが出来ない感動や優しさを得ることができます。皆さんの作品はその感動や友達に伝えたい思いが上手に表現されています」と作品の出来栄えをほめる言葉があった。
大阪府知事賞を受けた豊中市立東豊台小6年の岸本真里奈さんは、『紅玉』の帯を創るにあたって、赤いりんごを目立たせるために地色を緑色にしたことなど、本の内容を他の人に上手に伝えるための工夫を披露し、お礼の言葉とした。
大阪府書店商業組合面屋龍延理事長は、『くうきのかお』の作品を例に「『本を開くとそこは美術館』という惹句が見事に本の特徴を掴まえている」と賞賛して、「今年は昨年を上回る1万2千点の応募があった。今後も多数の応募を期待します」と述べた。
受賞作品155点は11月4日、5日の両日、ドーンセンター1階のパフォーマンス・スペースに展示され、大阪府知事賞など優秀作9点の「印刷した帯を装丁した課題図書」が即売された。(中島俊彦広報委員)

共済会給付

(18・9・15~18・10・15)
▼病気傷害岐阜市向加野1―10―15大野書房大野貞世殿2口
▼死亡弔慰愛知郡愛知川町愛知川1669山田耕雲堂山田彦一郎殿2口
▼配偶者死亡(飯田芳江)土浦市荒川沖町西区2―5―1博英堂飯田恭平殿

図書館納入業務のスキルアップ図る/滋賀研修会に43名参加

滋賀県書店商業組合(平柿宗敏理事長)は10月24日午後2時から4時間にわたり、草津市で研修会「学校&公共図書館の現状と装備納入の実践」を開催し、43名が参加した。
学校図書館への県外業者参入や、全国各地で公共図書館への指定管理者制度導入など、図書館を取り巻く環境が大きく変化する中、今までの経験と商習慣だけでは今後の営業活動に困難を極めることが予想される。そこで、今年1月に図書館対策プロジェクトチームを結成。指定管理者への参入も視野に入れて対策を検討しているが、その一環として地域の学校図書館協議会(SLBC)等の活字文化の普及活動に積極的に協力して連携を深めるとともに、組合員個々の図書納入に対するスキルアップによる足場固めと情報共有を目的に研修会を企画した。
担当委員による「図書館への図書納入の現状と今後」、滋賀県SLBC事務局長・西村忠司先生による「学校における読書推進の取組みと展望」、大阪府書店商業組合の深田健治氏による「本屋Tool活用講座」、フィルムルックス㈱による「実践講座フィルム装備」の4部構成。
西村先生の講演では、読者の立場から「どの書店も画一的な陳列がされており、購買意欲が湧かない。もっと陳列を工夫し、良書普及に努めてほしい」と厳しい意見も頂戴したが、日書連MARCについては「今後普及するだろう。大きな期待を寄せている」と励ましも頂戴した。
藤本英雄副理事長が「これを機会に個々または支部単位で技術を身につけ、利益率を上げてほしい」とあいさつし、終了した。
(上田聡幸・学校図書館問題委員)

生活実用書/注目的新刊

遠藤周作氏没後10年という
ので新たなアンソロジー、新
装版、エッセイ、対談などが
次々に出版され、書店の店頭
に並んでいる。それでも文芸
書のコーナーで探すのには、やや時間がかかってしまう。
というのも、最早文芸書の棚
には遠藤周作のプレートがな
くなっているのである。
遠藤周作著『十頁だけ読ん
でごらんなさい。十頁たって
飽いたらこの本を捨ててくだ
さって宜しい。』(海竜社1500円)は、中でも唯一の未発表原稿である。昭和35年から5ヶ月の間、7回に分けて当時の編集者に、結核を再発し入院した病院から届けられた初期のエッセイ。37才時の書き下ろし作品である。
第一講から12番目の最終講に渡って手紙の書き方が語られるのだが、著者の文章論、恋愛など人間関係論と、様々に読むこともできる。
たとえば第六講のラブ・レターについて。すべてをあからさまに表現するよりも「自分の感情や気持ちを文章の始めから終りまで訴えないことです。」と、「抑制」の大切さをわかりやすく説いている。
原稿が発見されたミステリアスな経緯などは、巻末に。海竜社からはもう1冊、編集者が編んだ『落第坊主を愛した母』が出版されている。
遠藤周作芸術新潮編集部編『遠藤周作と歩く「長崎巡礼」』(新潮社1400円)は『沈黙』、『女の一生一部・キクの場合』、『女の一生二部・サチ子の場合』を中心に、小説の舞台となった長崎を散策するためのガイド。ほかに文章が抜粋される作品は
『王の挽歌』、『埋もれた古城』、『切支丹の里』。
『沈黙』の舞台トモギ村のモデルとされる旧外海街と大村から旅は始まる。長崎市出津町にある遠藤周作文学館など、いずれも交通アクセスとカラー写真が豊富である。
死ぬ者貧乏、という言葉があるが、作家も亡くなると、あっという間に忘れ去られたように書店から本が消える。しかし、たとえ文庫でも読み継がれていってほしいものと常々思っている。そうしたら明正堂アトレ上野店で、遠藤周作著『私が・棄てた・女』を仕掛けていた。なんと、4ヶ月で3500冊も実売して
いるのである。NTT店や浅草橋店でも100冊を越す。
売り方、書店の意識が作家を蘇させているのである。
(遊友出版・斎藤一郎)

東京組合は計7186冊/逆風吹く中「成功」/新販売システム

東京都書店商業組合は11月2日、書店会館で定例理事会を開いた。主な審議・報告事項は以下の通り。
〔日書連・新販売システム〕
東京組合の注文数は『窓ぎわのトットちゃん』3231冊、『だいじょうぶだいじょうぶ』3955冊、合計7186冊。大橋副理事長は「書店業界に吹く逆風を考えると、全国で2万冊を超えたのは成功と評価できる。講談社以外にもやりたいと言っている出版社がある。次も頑張りたい」と話した。
〔中小書店経営研修会〕
11月27日、書店会館で実施する。テーマは「新販売システムと責任販売制」。講師は講談社・森取締役、大竹書籍部長。
〔出店問題〕
三省堂書店成城店が9月29日に247坪、青山ブックセンターHMV渋谷店が11月1日に218坪で出店した。
〔神保町ブックフェスティバル〕
10月28日~29日の2日間にわたり開かれ、売上げは2日間で4200万円。東京組合は千代田支部2台、青年部3台、計5台のワゴンを出した。

日書連のうごき

10月2日第4回日書連共済会小委員会。
10月3日出版平和堂第38回合祀者顕彰会に、丸岡会長、大橋副会長、大川専務理事が出席。
10月4日林屋永吉さんの米寿を祝う会に、丸岡会長、舩坂常任委員ほか役員が出席。
10月5日雑誌発売日励行本部・実行合同委員会に藤原副会長ら役員が出席。出版物公取協として各団体事務局代表への説明会に、井門会長と影山専務理事が出席。
10月6日雑誌月間まとめ会議に舩坂常任委員が出席。日書連共済会全国地区委員長会議。
10月11日全国広報委員会議。
10月12日情報化推進拡大専門委員会。組合情報ネットワーク検討委員会。
10月13日日書連共済会第5回小委員会。
10月17日取協との雑誌付録問題意見交換会。
10月18日第15回出版関連業界電子タグ標準化委員会に大川専務理事が出席。
10月19日日書連移動理事会(福岡)。
10月23日出版サロン会に丸岡会長が出席。第6回日本出版インフラセンター運営委員会に志賀副会長と大川専務理事が出席。
10月26日出版倉庫流通協議会10月定例会で高須副会長が書店経営実態調査の講演。
10月27日「文字・活字文化の日」記念フォーラムに石井総務部長が出席。第11回全国中小小売商サミット開催検討会議に、下向理事と大川専務理事が出席。
10月30日読進協「若い人に贈る読書のすすめ」書目選定委員会に石井総務部長が出席。日本出版クラブ第2回運営委員会に丸岡会長が出席。

懸賞論文入選/「教育環境の創造による小書店の成長」/茅ヶ崎市・長谷川書店ネスパ店・長谷川静子


1.はじめに

本年7月18日、とても驚き、とてもうれしいことがあった。
「まあー!お懐かしい!」と、お互いに同時に叫んでいた。
「あの時、幼稚園生だった、たまえちゃんですか」と、私は驚きの声。お客様は大きくうなずき、「そうです、娘です」と笑顔いっぱいに答えてくださった。
「絵本とおはなし会」会場での出来事である。このお客様は毎月のように当店の「絵本とおはなし会」にお越しいただいておりました。下のお子様がお誕生になり、この赤ちゃんを抱っこされて、年中のお嬢様の手を引いての参加でした。ある時、「遠方に転勤になります。この会も、今日が最後です」と涙ぐんでのお別れでした。ですから、実に4年振りの再会です。
「また、茅ヶ崎に戻ってきました。長谷川書店さんのおかげで、娘は本大好き人間になりました。下の子も大きくなりましたでしょう。今日からまた寄せてもらいます」
このような形でお客様と再会できましたことは、今日までの「絵本とおはなし会」の経緯が頭をめぐり、あらゆることに感謝の気持ちでいっぱいとなった。

2.読書推進の位置づけ

当店の読書推進のひとつに「絵本とおはなし会」がある。この会は毎月1回のペースで行われており、丸8年続いている。今年の12月には百回目を迎える。赤ちゃん、幼稚園児を対象に、絵本を読んだり、手あそびをしたりと30分程度を楽しんでいただいている会である。
10年ほど前、学校崩壊、学級崩壊が新聞、テレビ等で連日報道され、それが契機になった。21世紀をつくる子どもたちへ、何ができるだろうか。書店として親と子の心のふれあいを育み、心豊かになれる機会を与えていけないだろうかという思いがあふれ、「絵本とおはなし会」が始まった。
当店は、書店の仕事は①本を売ること、②読書推進の2つを柱に営業を行っているが、読書推進の仕事が確立していない。模索中である。読書推進と称しているが、定義が定まっていない。営利を目的としない社会活動、NPOではいけない。慈善事業ではいけない。読書推進は収入の依存度が低いが販売促進とは異なる。しかしながら「本を売ることができる」という本質を抜きにしてはならない。販売と読書推進を融合させる。その融合を進化させていきたい。重なりを少しずつ大きくしていく。しかし、ぴったりと重なってはいけない(図1)。今後、現場で検証していく。

3.日々の業務から導いた問題提起

現在の書店の状態、位置を考えていく。IT化、ブロードバンド化の社会環境の変化により、「書店」は細分類しないと論点がずれてしまう気がする。
リアル書店…自分の足で歩いて行ける店
ネット書店…PCの中にある店
小書店…商圏、対象が小さく、狭い店
大書店…商圏、対象が大きく、広い店
図2のように位置づけてみる。
当店は、小リアル書店である。歩いて行ける、手で触れる書店である。小リアル書店は街の中での存在を常に意識しながらの営業である。日々の現場で問われていると思われる問題は、以下のようなものである。
①何を考えて存在する店(組織)か?
②どんな人が動かしているのか?(どんな人がいつも働いているのか)
③誰のために存在するのか?
④どの程度(この店は)わたしたちお客のことを考えているのか?
⑤何をやってきて、これから何をしようとしているのか?
⑥この店のIQ、EQは?頭の良さはどれくらいか?
では、①から⑥に対応するには、どのような能力が必要なのだろうか。
①お客様と対話して、お客様から学ぶ能力
②ビジョンをつくり、発信していく能力
③どんなお客様にもオーダーメイドのようにぴったりとあった対応ができる能力
これらの能力は、実物を見る、お客様を見る以上に観察したり、触ったり、目に見えない雰囲気や匂いを感じながら発揮される力である。それぞれの能力は、重なってこそまた新たな能力を生むのである。

4.教育環境の創造による成長

小リアル書店も成長していかなくてはならない。縮小均衡では終わらせたくない。お客様に、必要としている方に手渡しでもって売っていくことの追求である。①②③の3つの能力を発揮し、お客様とのコミュニケーションのさらなる強化である。
小リアル書店が、広義には教育環境をつくれないだろうか。狭義では生涯学習の要となることで成長していく道を探っていきたい。
人は生まれてから死ぬまで、いつでも誰でもいつからでも学べる権利を保障されている。そして学んだ成果を生かすことも必要である。
自治体では公民館をはじめとして、様々なサークルがある。講師を招いての会もあれば、仲間同士で手弁当でもって学習するサークルもあろう。本はそのようなサークルに参加する方に必要とされている。先生が本を紹介してくだされば参加者、生徒さんが注文してくれる。講座、講演の情報収集をスタッフとともに全員で行う。主催者に交渉すれば、出張販売の可能性もでてくる。店内書棚をみれば、NHKの『趣味悠々』『知るを楽しむ』の売行き良好をみれば人生をより豊かに楽しくという方がいかに多くいるかが、伺いしれる。(棚には宝の山が隠れているのかもしれない)
場の提供というと難しい書店も多くあると思うが、生涯学習によって街の知性の創造を駆り立てる努力をすれば、街の知性も育っていくのではないだろうか。
行動を続けていくことでこの街に書店があるということ、この書店は私の学習の楽しみの力になってくれるということを地域の方に認知していただくことである。

5.おわりに

はじめに記した「絵本とおはなし会」を補足する。2001年に「ハロー・ディア・エネミー!」平和と寛容の国際絵本展を(社)日本国際児童図書評議会(JBBY)の協力により開催した。絵本でもって平和と寛容の心を知ることができる意義ある展覧会であると高い評価を受けた。(偶然にも会期中に米国テロが起こり、印象に残る展覧会となった。)
絵本の読み手同士による「大人も絵本やわらべ歌を楽しみましょう」というグループ活動が生まれた。このグループの活躍はめざましい。活発である。まさに生涯学習であり、新たな価値の創出である。
経営理念を曲げることでなく、時代を超える理念を持ちながら、戦略と変化していく慣行を考えていかなければならない。「歩いて行ける」「手に触れる」を最大の武器として、一歩外に出て、小リアル書店の成長を模索していく。
(完)

電撃大賞小説部門は『ミミズクと夜の王』/メディアワークス

メディアワークスが主催する「第13回電撃大賞」の贈呈式が11月6日午後4時から、信濃町の明治記念館で開催された。
今回は小説大賞に2931作品、イラスト大賞に536作品の応募があり、小説部門は大賞に紅玉伊月氏『ミミズクと夜の王』ほか金賞2点、銀賞1点の受賞。イラスト部門は金賞1点、銀賞1点、選考委員奨励賞2点の受賞となった。
贈呈式で久木敏行社長は「雑誌不況やコミックが頭打ちの中で、ライトノベルは元気のいいジャンル。さまざまな出版社がレーベルを立ち上げているが、電撃文庫はオンリーワンの小説群だと自負している。中学・高校生だけでなく20~30代の人にも読んでもらえる、いろいろなテイストを持った文庫だ。その秘密は電撃大賞のシステムにある。電撃文庫の読者が応募し、登竜門をくぐって作家になるという流れが毎年繰り返され、アップデートされていく。それが常にユニークな存在となった理由だと思う。文庫と大賞は車の両輪。ともにがんばっていくので、今後ともよろしくお願いする」とあいさつした。
続いて賞の贈呈と選考結果の総評が行われ、イラスト大賞選考委員の衣谷遊氏は「例年通り安定したレベルの作品が揃った。絵柄も個性を出そうという気持ちが出ていた。スケール感がもう少しあれば大賞になったと思う」と選評。小説大賞選考委員の安田均氏は大賞受賞作について「ピュアなファンタジーで、選考委員全員が好きになった」、深沢美潮氏は「最初から話の世界に引き込まれた」と称えた。

本屋のうちそと

経済とは所詮、「大」の得は「中・小」の損であり「強者」の得は「弱者」の損である。ただ余りそれが行き過ぎると戦争や革命が起きたりするから、程々にしておきましょうねと言うのが政治や政府の役割だと私は思っている。
取次の返品入帳処理は雑誌に関しては早くなったと思う。早い時は当店発の2日後には入帳処理されている。但し土・日を挟んだ平均を見れば4・5日というところか。しかし遅いと当店発後、県内の運送会社の倉庫に2日間いて、そこから取次に入って更に5日掛かって処理されている物もある。おまけにその後日に出した返品の方が早く入帳処理されている。オイ!追い越すなよ。
書籍の入帳処理はまだ遅い。当店発後、県内の運送会社の倉庫に2日間いて、それから取次に行って処理は早くて2日後、遅いと5日後。今年9月期の入帳は、雑誌は当店発12日まで、書籍は9日発、取次での入帳処理は共に14日だった。連休の関係もあるのだろうがせめて20日過ぎまで入帳してもらえないものかと切実に思う。
しかし取次は取次で大変なのだろう。大手チェーン店は今や2百坪以下は本屋ではないとばかりに増床・リニューアル・新装開店を繰り返している。一度閉店してからの新規店扱いなので初期在庫の支払いは一年先。その他にも5百坪・1千坪の新規大型店が次々に開店する。それらの初期在庫の支払いも最低一年先払いだろう。私は、取次は出版業界の政府だと、思っていた。(海人)

書店の万引対応を講演/下向氏、加藤氏が事例報告/万引犯罪防止機構臨時総会

全国万引犯罪防止機構(理事長・河上和雄駿河台大学教授)は11月2日午後2時に東京厚生年金会館で役員増補を議題とした臨時総会を開催し、4名の理事を承認した。終了後、同機構の加藤和裕理事(愛知県書店商業組合理事・万引対策特別委員長、名古屋市・三洋堂書店代表取締役)と、日書連・下向磐理事(東京都書店商業組合副理事長、府中市・分梅書店社長)が記念講演を行った。

〔小売業全体で損害賠償請求の取り組みを/加藤氏〕
加藤氏は、三洋堂書店で導入している「店内万引に対する損害補償制度」について経過を報告した。導入の理由について加藤氏は「万引は非常に成功確率の高い犯罪。もし捕まっても商品を返せば済んでしまい、ローリスク・ハイリターンだ。これをミドルリスクにして、謝れば済むのではないようにしたいと考えた」と説明。実施に当っては、万引を発見したら警察に通報すること、被害商品の弁償だけでなく損売賠償請求する場合もあることを店内で告知。また損害請求の根拠は、事件による従業員や警備員の拘束時間分の人件費とした。
万引犯を捕まえた場合は、1週間以内に支払いを求める請求書を即日発送。支払いがなければ第2、第3の請求書を送り、4回目には、支払いがない場合は法的措置も検討する旨記載した請求書を内容証明郵便で送付する。1回目の請求で支払った人は68%、2回目が12%と、2回以内で支払う人が8割に達している。05年度は8カ月間で31件15万5740円を回収、平均単価は5024円。06年度上半期は24件13万9638円を回収し、平均単価は5818円となっている。
同社全体のロス率は、04年8月期で1・11%だったが、05年3月期で0・91%、06年3月期は0・76%に減少した。加藤氏は、損害賠償請求も辞さない姿勢を打ち出したことで、警備効果が上がったと分析。「万引すれば実費請求されるのが当たり前という社会にできないか。小売業全体で取り組んでいただきたい」と述べた。

〔万引した子どもにどう向き合うかが重要/下向氏〕
下向理事は、平成16年2月に自店で起こった万引事件と、その裁判の顛末について語った。
下向氏は始めに、事件がなぜ裁判になったのか、発生時点までの書店における万引問題の背景を説明。平成12年に日書連は万引問題実態調査を実施し、新古書店の進出と周辺書店での被害増加が浮き彫りになった。また東京組合は平成15年12月から翌年3月にかけて、東京都と警視庁の後援で万引防止キャンペーンを展開。万引には損害賠償を請求する場合があると記載したポスターを店頭に掲示し、大きな効果をあげた。「新古書店で換金するシステムと、損害賠償請求が万引に適用していけるかの2つが大きなポイントになっていた。万引事件はそのキャンペーンの真っ只中で起きた」と下向氏。
分梅書店で27歳の無職女性が3冊の本を万引したのを従業員がつかまえ、警察に通報。女性が盗んだ本を新古書店で換金していたことが分かり、万引に対する司法判断を仰ごうと告訴することにした。裁判では、女性が取調べから解放されたその足でまた万引に行って盗品を売ったことが明らかになった。下向氏は「ショックを受け、社会の厳しい姿勢が必要だと痛感した。7月9日に懲役1年執行猶予3年の実刑判決が下ったが、相手方の弁護士や裁判長が女性に『働いて自分の生活を立てなさい。それがあなたにとって大事なことだ』と諭したのを聞いて、裁判をやって良かったと思った」と話した。
その後損害賠償請求について組合で議論となり、万引の損害に関する社会的判断を得たいとのことから、女性に対し民事訴訟を起こすことを決定。盗まれた本の金額の他、警察の事情聴取で従業員が時間的拘束を受けたことによる利益の損失や弁護士費用など、総額約23万円を請求することにした。これに対し相手方弁護士から和解の申し出があり、弁護士費用を除く金額を女性が支払うことで和解に応じた。下向氏は事件への反響について「平成12年の頃に比べ、万引は犯罪であり厳しい態度をとるのは当然だという方向に世の中の見方が大きく変わってきた」と指摘した。
最後に下向氏は最近のエピソードを披露。「当店を含め4軒の店で万引した少年が捕まったが、万引と向きあい乗り越えてほしいと思ってその子に宿題を出した。『本はあなたを変える力を持つ。そういう本にあなたが出会えていないのは残念だ。この本を読んで話を聞かせてほしい』と言って『あなたが世界を変える日』という本を渡した。12歳の少女が国連の地球環境サミットで行なったスピーチを収めていて、薄い本だけれども受ける内容は衝撃的だ。少年は素晴らしい感想文を書いてきた。私はこの子を見守っていきたいと思う。万引した子どもにどう向き合っていくかは書店にとって大変重要なことではないか」と結んだ。
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