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平成18年11月21日
実行委員会が発足/07年サン・ジョルディ

サン・ジョルディの日実行委員会が11月1日午後3時から書店会館で開かれ、来年4月を中心としたサン・ジョルディ・キャンペーンの企画などについて協議した。
委員会の冒頭、あいさつした丸岡実行委員長は「4月23日のサン・ジョルディの日は長い歴史を持つ出版業界の行事。様々な社会問題の原因は活字離れ。読書は人間形成に欠かせないもので、読書推進運動はきちんとやらねばならない」と話した。
また、舩坂良雄事務局長は雑誌出版社50社特別共同企画「心が揺れた1冊の本」について、「年々、応募が増えている。読者の声を出版社にフィードバックする貴重な資料として活用してほしい。読者、書店、出版社の3者の関係が構築できれば、有意義な運動になる。『本のある風景』は年々応募作のクォリティが上がってプロ級の作品もある」と期待を寄せた。
日本縦断記念文化講演会については、今年は全国5都府県で開催しており、東京会場の『国家の品格』藤原正彦氏講演会は大成功を収めたと報告。来年度の開催に向けて出版社の協力を求めた。

日書連の活動に注目/韓国書店人と意見交換

韓国の独立系有力書店で組織する韓国書店経営人連合会の一行14名が11月9日、日本の書店視察の一環として書店会館に日書連を訪れ、出迎えた大川専務理事、石井総務部長と日韓両国の書店の現状、新販売システムなどをテーマに懇談した。
主に委託制ながら直取引が大半を占める韓国書店界の現状について李海満団長(廣場書籍)は「韓国では近年、大型チェーン店の攻勢が強く、個人経営の書店数が激減している。ネット書店の競合も新たな問題で、状況の似た日本の書店の活動は大変参考になる」と今回の訪問の意図を述べた。
懇談では、特に日書連の新販売システムに全員が強い関心を持っていると言い、実施の動機、参加書店
数、今回の結果をどう評価するかなど1時間にわたり質問が相次いだ。
また、話が日書連マークに及ぶと、韓国側からは教育システムやメトロコンピュータなど固有名詞をあげての質問が飛び出し、「日本の出版業界紙を講読している」と話すだけの業界通ぶりを感じさせた。

書店くじ抽選会/21日、出版クラブで

日書連は11月21日午後5時から東京・神楽坂の日本出版クラブ会館に業界関係者多数を招いて「読書週間書店くじ」の抽選会を開催する。
また、抽選会開会に先立って、先に発表した日書連懸賞論文「私の書店論」表彰式を行い、特選の久住邦晴氏(久住書房)に日書連丸岡会長から賞状と副賞の賞金を授与する。

来年の土曜休配日

2007年度(来年4月~再来年3月)の土曜休配日は6月9日と7月7日となることが確定した。今年度と同様に年2回の実施となる。

沖縄こぼし文庫など表彰/本土復帰の47年から読書活動/野間読進賞

地域や職場で読書普及に貢献する団体、個人を顕彰する今年度の野間読書推進賞に沖縄県・こぼし文庫、青森県・前田敏子、岩手県・高橋美知子、静岡県・山本悟の1団体3氏の受賞が決まり、7日、出版クラブ会館で贈呈式が行われた。
読書週間は戦後、昭和22年に第1回が行われて以来、今年が60回の節目に当る。7日に行われた読進賞贈呈式では読書推進運動協議会野間佐和子会長が「読書推進賞は本年で36回を迎え、これまでの受賞者は158団体、個人を数えます。2000年のこども読書年以降、読書推進の活発な取組みが全国で浸透しています。こどもの読書活動推進法、文字・活字文化振興法を追い風に読書推進の大きな流れをさらに発展させましょう」とあいさつ。日本図書館協会栗原均顧問が選考経過を報告したあと、こぼし文庫、前田、高橋、山本の各受賞者にそれぞれ賞状と賞牌、副賞が手渡された。
文部科学省生涯学習政策局馬場祐次朗社会教育官は祝辞で「地域における読書運動の尽力に心から御礼申し上げる。こどもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を豊かにする上で読書活動は欠くことができない。こどもたちがあらゆる機会、場所で自主的に読書活動できる環境整備を進めており、本年中にすべての都道府県でこども読書推進計画が整備される。今後も読書環境整備に向けて皆さんと手を携えていきたい」と文
科省の施策を説明した。
受賞者あいさつでは、沖縄が本土に復帰した昭和47年、随筆家・岡部伊都子氏の蔵書をもとに離島の八重山でスタートした「こぼし文庫」の取組みを友利勝部長が報告。「竹富小中学校PTAと連携して本の貸出や読み聞かせ、清掃活動、バーベキューなどの行事も行っている。こぼし文庫には鍵がない。こどもたちがいつでも本が読める。大切
に続けていきたい」と受賞のスピーチを述べた。
個人の部の青森県・前田さんは八戸市読書団体連合会を中心とした読書活動、岩手県・高橋さんは「うれし野こども図書室」の活動、静岡県・山本さんは伊東市社会教育指導員の活動が評価されての受賞。
また、えにわゆりかご会、高知こどもの図書館の2団体には読書推進賞奨励賞が贈られた。

うみふみ書店日記/海文堂書店・平野義昌

海文堂はイベントが大好きです。企画・運営・広報から終了後の「打ち上げ飲み会」までを取り仕切るのが当店の高濃度粗悪アルコール含有頭脳・福岡店長です。私は茶々入れて足引っ張っています。今年のものを紹介。
サイン会。2月、神戸出身切り絵作家「成田一徹さん」、古本研究家「岡崎武志さん」。6月、美術・文学・歴史評論「海野弘さん」、神戸の絵本作家「WAKKUN」はライブペインティングもしてくださいました。8月、神戸のライターでミュージシャン、ラジオDJもする「中村よおさん」の歌うサイン会。
展覧会。4月、『パリ時代の中村直人(なおんど)展』、彫刻で院展最高賞、藤田嗣治の勧めで渡仏し画家に転進、81年没。7月、『あでやっこ水中写真展』、女性だけの写真クラブ。8月、『写真展海狼の世界』、海上保安庁潜水士レポート。会期は1~2週間です。
トーク会。7月、『神戸の古本力』、画家で書物研究家の林哲夫さんと編集者・高橋輝次さん、古本研究家・北村知之さんのトーク。
地元人脈と書物雑誌『Smooth』同人つながりです。大書店のように人気作家に来ていただくのはまずムリ。でも、フェアと同じく、海文堂でしかできないと自負しています。もちろん各出版社の皆さんのご協力があってこそです。休日にわざわざ神戸まで来てくださるのです。会場は1階のご案内カウンターと、2階の『Sea Space』です。以前常設ギャラリーでしたが、しばらく倉庫になっていました。昨年から少しずつ片づけてイベントスペースにしています。
そして、11月23日、「三箱古本市」。プロの古書店から愛好家まで15店がみかん箱3箱ずつ出品。プロは藤沢、奈良、京都、大阪、倉敷から参加、神戸3店、10年前に閉店された文学書で定評の古書店が当日復活します。愛好家では、当店店長も入っています。オオトリが12月23日、何と私の本『本屋の眼』(みずのわ出版、地方・小扱い)出版記念会。ホンマに出るんです。ガクッと格落ちですが、本人も承知のうえ、報告は次々回します。来年初回のイベントも決定済みです。
地味でも、「変」でも、自己満足でも、面白いことができます。皆さん、お近くの有名人や変わった方を巻きこんでやりましょう。

正味下げ、適正配本が課題/売上げ減少傾向に危機感/宮城総会

宮城県書店商業組合は11月12日午後2時から仙台市太白区の秋保温泉『ホテルきよ水』で通常総会を開き、組合員117名(委任状含む)が出席した。
総会は佐藤陽一理事(朝野堂)の司会で進行。小関真助副理事長(かほく書店)が開会の辞を述べ、藤原直理事長(金港堂)があいさつした。
藤原理事長は「現在の書店経営における深刻な問題は売上の減少。昨年末に日書連が実施した『全国小売書店経営実態調査』でも85%の書店が経営が悪化したと回答している。インターネットや携帯電話の普及が原因の1つと考えられる。日書連では、正味引き下げや配本問題改善、返品入帳、支払サイトの改善に取り組んでいく」と述べた。新販売システムについては「『窓際のトットちゃん』『だいじょうぶだいじょうぶ』2点合わせて2万3千部受注という結果だった。買い切りという条件面とシステムの説明が十分ではなかった」と述べた。また、日書連共済会の解散についてこれまでの経緯を説明した。
このあと藤原理事長を議長に議事を行い、すべての議案を原案通り承認可決した。
議事終了後、出版社、取次、運輸など11名を加えて永年勤続者の表彰を行なった。今年の受賞者は勤続5年から30年まで合計15名で、受賞者を代表して勤続15年の佐藤芳子さん(石巻市・ヤマテル)が理事長より表彰を受けた。続いて行なわれた研修会では、出版社各社が自社商品、取次各社は新しい流通システムと書店支援策を説明した。菅野喜副理事長(ブックス・カンノ)の閉会の辞で総会を終了した。
(佐々木栄之広報委員)

組合書店推薦図書、神奈川新聞に掲載/神奈川理事会

神奈川県書店商業組合は11月7日、横浜市のトーハン神奈川支店で定例理事会を開いた。主な議題は次の通り。
1、日書連共済会について担当理事より説明があり、解散やむなしと同意となった。11月22日の日書連共済会総会に委任状のハガキを出すよう組合員に働きかける。
2、国際地学協会が倒産したが、書店だけが不利な立場に置かれるのは納得がいかない。取次も損失を負担すべきだとの意見があった。
3、幼年誌、少年向け週刊誌の早売りが川崎地区で発見された。1店だけとは思われないと注意を促した。
4、10月22日の読書フォーラムは西支部と平坂書房の協力を得て成功させることができた。
5、神奈川新聞の日曜日読書欄に組合員書店の推薦図書が掲載された。
6、合同新年会は1月24日、中華街「華正楼」で行う。
(平井弘一広報委員)

読書ノート50冊読了者、4割増える/大阪理事会

大阪府書店商業組合は11月11日、組合会議室で定例理事会を開催した。
面屋龍延理事長は「子どもの本フェスティバル、および本の帯創作コンクールの開催に際しては理事各位のご協力をいただき無事終えることができた。11月8、9、10日には朝日新聞に『読書ノート』運動の50冊読了者2092名の氏名が発表された。これは昨年の4割増だった。また、5月の総代会で定款の改定を行ったが、これに伴う規程の見直しがある。総務委員会から提案があるので、時間をとって審議したい」とあいさつした。主な委員会報告は以下の通り。
【子どもの本フェスティバル】(10月28、29日)
昨年比3割増の売り上げがあった。搬入図書は総額1千万円だった。来年度の事業を円滑に運営できるようにするため、近日中に大阪屋、読売新聞社、委員会の3者で反省会を開くことにした。組合は直接タッチしていないが、謝恩価格本の売り上げは約20万円だったという。組合の販売スタッフは2日間で延べ12名、出席理事は延べ38名だった。
【本の帯創作コンクール】(11月4、5日)
比較的順調に運営できた。ただ、課題図書18点の入賞作のうち、実際に製品化された帯を装丁して売り出された本は9点しかなくて、製品化されなかった作品の作者にとっては残念なこととなった。「子どもの視点を重視した子ども中心の運営であって欲しかった」という意見が出た。
【読書ノート】
朝日新聞に「読書ノート」50冊読了者の平成18年度前期分2092名の氏名が、11月8、9、10日の3日間にわたり掲載された。来年4月の後期発表はさらに増えることが予想される。来年度は「読書ノート」希望者全員に配るべく各出版社、組合員に協賛金を募ったところ約70万円の拠出金があった。
【定款等改正委員会】
以前、「理事長選出選挙のとき、新たに選ばれた理事は選挙で投票するにあたり誰に投票するべきかという判断材料がない、理事長候補は『組合だより』に所信を発表すべきではないか」という意見が出たことを受けて委員会で選出規程を検討してきた。その草案が提起されたが、修正案も出たので、再度委員会で検討して、12月理事会で改めて審議することにした。
【学校図書館・IT関連委員会】
ある書店から、府立高校情報ネットワークシステムの図書マークについて日書連マークで組合が落札した努力に対して「廃業もと思っていたが続けることを考えたい」と礼状が届いた。
【共同受注委員会】
大阪私立中央図書館の雑誌納入に組合が応札する是非についての議論は、入札実施までまだ時間が残っているので、結論を出すことは持ち越しとなった。(中島俊彦広報委員)

懸賞論文入選/「小さな本屋の大風呂敷ふるさと自慢・店自慢」/新宮市・くまの書房・大江真理

〔ホントに小さな書店です〕
先頃京都の淡交社から出版されたガイド付きの写真集『熊野古道』、末尾の「熊野古道おすすめスポット」に、「くまの書房―速玉大社から15分ほど歩いたところにある小さな書店。熊野関係の書籍がとても充実している。児童書にも力が入っていて、良書が多く、本好きには嬉しい。参拝後に余裕があれば、ぜひのぞいてみたい。」と、旅館や飲食店など16カ所の中に、本屋では1軒だけ当店を紹介して下さっている。先ごろ淡交社が発行した『山伏入門』が、当地に関連の深い大峯・熊野修験を中心とした内容だったので、力を入れて販売した。それもあって、このように書いてくれたのだろうが、小さいのだけは本当です。
朝日新聞(2006年6月27日付)文化欄“単眼複眼”に「町の本屋、存亡の危機―入荷ままならず客減少」の記事。日書連の全国小売書店経営の実態調査のアンケート回答を受けての記事である。「もはや町の本屋は崩壊している、という感じがします」と書店事情に詳しいフリーライターの永江朗さん。回答した店の7割は売場40坪以下の中小書店、と書かれているが、当くまの書房はわずか14坪、弱小も弱小の零細書店である。
私が、勤めをやめて、4坪の店を借りてはじめたのが28才のとき。商売のことは何も知らなかったけれど、とにかく本が好きで、他のものは節約しても本は買うほうだったから、本屋なら自分にもできるのではと考えた。当時7才と4才だった子どものためにも、いい本にいっぱい出会いたいという気持ちもあった。
2年後、土地を得て現在のところへ移転。夫も本屋を一緒にやってくれるようになり、その後、3人目の子どもが生まれた。小さい頃から手伝ってくれていた子どもたちも、本に囲まれて育ち、どんどん頼りにできるようになり、文字通り家族ぐるみでやってきた。
長男が中学の卒業文集のひとこと欄に「ゴホンといえば龍角散」をもじって「ご本といえばくまの書房」などと、ちゃっかり店の宣伝をしていたことを思い出す。今では成人した子どもたちも、全員が地元で暮らし、他の仕事もしながらではあるが、くまの書房のためにそれぞれ精一杯の力を注いでくれている。
新宮市立図書館と、熊野地方史研究会が共同で編集、年に1度発行している『熊野誌』は、去年の暮れで51号となった。毎号、図書館納入書店組合で協賛広告を出している。10年以上も前のことになるが、書籍というものについての認識不足の役所から、入札の話が出た。それはなじまない、と書店が協同して交渉し、納入組合を作った。広告のメッセージは「地域社会の文化向上に御奉仕致します」、その下に書店名を並べている。この文案はその時私が考えたものである。当時は7店あった町の本屋は今では3店、広告も寂しくなってしまった。そんな今でも「地域社会の文化向上に奉仕する」、本屋の社会的使命はこれにつきると思っている。
この地域の状況は、ここ10年ほどの間に劇的な変化があり、零細企業、生業を営むものにとっての危機的状況が生まれている。8年前にはジャスコの大型店が出店。2つあった製紙工場の撤退やNTTの職員無人化、JRの人員削減、各種民間企業の事業所廃止などが続き、地域で働く人の職場が失われていった。さらに市立の病院が郊外に移転し、既存のスーパーがジャスコに対抗して広大な製紙工場跡地に巨大なショッピングセンターを出店。まるで町が一つ新たにできたような状態で、人の流れが大きく変わってしまった。市内の人口減に加えて、郡部からの流入人口も大幅に減っている。最近では大手コンビニの出店ラッシュ、過疎化・高齢化の進行など、こうして列挙していても気が滅入るくらいのものである。おそらく、こういう状況はここだけのことではなく、全国の地方都市で同じようなことが起こっているのだろうけれど。

〔誇りは新宮・熊野の文化の高さ〕
しかし、プラス要素として、歴史に裏づけられた新宮・熊野の文化度の高さがある。地域の人びとが誇りを持ち、また郷土の歴史や文化に対する関心も強い。この地方に関する多くの出版物が刊行されるなど、全国的にも注目を集め続けている地域である。
新宮市の人口は、ピーク時で4万2千、現在では3万数千。そのわりに文化的なサークルが多く、コンサートや展覧会などの催しも頻繁に行われている。各種講演会にも多くの人が集まり、話を聞く態度の熱心さや、打てば響く反応に、訪れた講師の方は一様に驚かれると聞く。移り住んで来られた方は、「新宮に住んでみたら、いろいろ催しが多く、年中退屈することがない」と言われる。
絵本の読み聞かせや地域文庫の運動など、本をめぐる活動も活発である。例えば、先日福祉団体が主催した上映会「博士の愛した数式」では、1000人入る市民会館の会場がほぼいっぱいになった。
2005年3月には、日本国内では珍しい「地域」を研究対象とする「国際熊野学会」が設立された。当地出身の芥川賞作家、故・中上健次がはじめた「熊野大学」も全国からの参加者を集め、続けられている。
紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産に登録されたのには、そういったことも背景にあると思われる。
この懸賞論文「私の書店論」募集の目的に「出版業界の長期低迷、書店業界の沈滞を打ち破り、町の本屋を再生するにはどうすればよいのか―」とある。それぞれの書店が考えていること、実践していること、アイディアなどを情報交換し共有することで、お互いに学び合い、活かしていくための機会として企画されたのだろうと思う。そこで、全てがどの書店にも当てはまるとは限らないと思うけれど、一部でもヒントや参考にしていただけたらと思い、重点的に取り組んでいることを具体的に挙げてみる。
①毎月の“くまの書房だより”の発行―「心から心へ」「継続は力なり」
開店のころから不定期で発行していたが、定期化できたのは98年の8月から。今年で丸8年になる。得意先や職域、店頭での配布、学校などへの郵送も含めて約3000部、ほぼ月刊で発行している。10年ほど前、どこで聞いたのかNHKからこの“たより”について取材したいという電話があった。その頃は不定期だったので辞退させてもらったが、今なら喜んで取材に応じられるのだけれど、と思っている。
活字、印刷物があふれている中で、顔の見知っている本屋の出す“たより”はミニコミ紙的存在になり得ているらしく、心待ちにしてくれている人も多い。売上にダイレクトにつながるとも言えないが、お客さんとのコミュニケーションの意味合いもあり、重要な役割を果たしてくれているので、全く力を抜けない。コラムの「栞」は私が担当、掲載する本のセレクトは全員で、本の紹介文は長女、紙面構成は息子、印刷は主に次女と、くまの書房だよりの作成に心を込める。
②くまの子ブッククラブ―当店が選んだ素敵な本を毎月お届けします
子どもの年齢に合わせた本を選定し、毎月届けるという企画。児童書の出版社や、大手児童書専門店のものが有名だが、うちのような小規模の書店では珍しいそうだ。
私が本屋を始めた動機の一つに「子どもにいい本を」というのがあったくらいなので、もちろんうちの子どもたちはいろいろな本をたっぷり読んできた。その経験から、必要な時期に適切な本を与えることが子どもの成長にとってとても大切、というのが家族の共通の認識になっている。
いよいよ開店30周年を機に始めようということになり、2004年春のスタートに合わせて準備を進めた。全員のこれまで蓄積してきたものを出し合い、膨大な本の中から、ジャンル、新旧、季節感などさまざまなことを考慮して、楽しく悩みながら選定した。「ラインナップはクレヨンハウスにも負けてないで」と娘たちは言う。
現在3年目、孫が生まれたとか、親戚の子どもに贈りたいなどと途中申し込みも時々いただいて、好評のうちに配本を続けている。
③学校巡回―良心的で意欲的な児童書の出版社・グループが増えている
開店当初から出版社との同行巡回をしてきたが、数年前から自主巡回に切り替え、先生方の都合に合わせてきめの細かい対応をしている。近年は、いい本を出している小さな出版社が、NCLやCBLといったグループを作り、活躍してくれている。読者や小さな本屋も大切にする姿勢は評価できる。少額の販売でも促進費が出るのもうれしいことである。
④講演会等の会場での販売
うちの店ではまとめて出張販売と呼んでいるが、地域の講演会等催しの際、会場での販売に積極的に取り組んでいる。会の内容に合わせた書目の発注などの手配をし、ポップなども準備して、雰囲気づくりも含めて催しの成功に協力できるよう心がけている。「関連本を並べることで催しのグレードが上がる」と、主催者の方々も喜んで下さる。
⑤客注品への丁寧な対応が可能に
「お客様のほしい本を、できるだけ早くその手に届ける」のが本屋の仕事であるが、以前は難しいことが多かった。お客さんが言ってくれる情報から書目を特定すること自体が困難で、特定できても、入手できるかどうかや取り寄せにかかる日数などを知る手段が地方の書店にはほとんどなかった。状況がわからないまま注文伝票を郵送し、後は待つだけ、品切れの連絡が来るのが1カ月後などというのもザラで、せっかく注文してもらってもお客さんの要望に応えられないことも少なくなかった。
近年、インターネットが急速に普及し、取次や各出版社などのオンライン検索発注システムが整備されたことで、検索や在庫の確認、発注などがスムーズにできるようになってきた。所要日数も短縮され、取次に在庫がある場合なら数日中に入荷するなど、以前は考えられなかったことが可能になっている。
オンラインで確認しきれない場合などに利用する電話についても状況は改善されている。出版社は首都圏に集中しているので、地方の書店は1冊の注文のために長距離電話をかけていては到底採算が合わず、滅多なことでは出版社に電話もできなかった。今はIP電話など、全国一律で安いサービスが出てきたので、当店も導入している。気軽にかけられるので、大いに助かっている。
⑥お客さんとの交流
そういうデジタルな進歩の恩恵を取り入れる一方で、お客さんとの人間関係というアナログな部分はもっと大切だと考えている。多くのお客さんと「心安い」間柄になり、店と客の関係を越えたお付き合いをさせていただいている。
すっかりともだちになって、おすそわけのお菓子や果物、家庭菜園の野菜や、釣った魚などをいただくことも多い。たくさんいただいたときはまた別のお客さんにもらってもらう。絵本『おかえし』(福音館書店)ではないが、やったりとったり、GNPには現れない物々交換経済(笑)に近い状況がある。こういった親しいつながりは、大型店にはマネのできない強みだと思っている。

〔ここで提案!〕
①店頭にパソコンを
当店では、5年ほど前にレジ横にパソコンを置いた。機械に弱く最初はおそるおそるだった私でも、習うより慣れよで、検索や発注程度なら充分使えるようになった。まだ導入していないお店は是非店頭にパソコンを置いてみてほしい。
②自前のチラシは強い
出版社の販促物だけでなく、自店で作ったものを配るのはやはり効果が高い。商品を薦めたいという熱意や姿勢が伝われば、プロのような仕上がりでなくてもお客さんの心を動かす力があると思う。あまり作っていないお店は簡単なものでも試してみてほしい。
③あきらめないこと
「入荷ままならず客減少」は食い止められる。私も以前は、こんな地方の小さい書店にはベストセラーや欲しい本が入って来ないのは仕方がないのかと思っていたりもした。しかし、いろいろなやり方を模索することで、出版社による対応の違いや、有効な注文方法がわかってきた。おかげで売れ筋の商品や仕入れたいものを手に入れることもできるようになった。あきらめずに小さなことでも積極的に実践することで道が開ける、こともある。
私の実感としては、こんな小さな本屋が30年以上続けてこられたこと自体、「奇跡」である。思えばコンピュータの活用にしても、転機となったのは、全国書店新聞で見た岡森書店さんの販売管理システムの記事だった。10年近く使わせてもらった後、ようやく普及し始めたパソコンを導入して、息子が独学で作成した販売管理システムを今も使っている。(業務形態の近い書店なら業務の効率化や経費節減に役立つと思うので、関心のある方はご相談下さい)
また、私たち家族は平和・人権・環境・地域学など、さまざまな社会的活動に参加する中で、多くの仲間を得、いつもみんなに支えられてきた。どれ一つ欠けても、今日のくまの書房は存在しない。すべての出会いに感謝、である。
今回、この文章を書くにあたって、これまでの資料を引っ張り出してみた。開店時にガリ版刷りで作った〝くまの書房だより〟の創業のあいさつには「小さな芽が育って、やがて鳥が翼を休めたり、そこから飛びたったりする大きな木になるように、どうぞ皆さんの力で、〝くまの書房〟を育てて下さい。」とある。改めて読んでみても基本的な姿勢は変わっていないと感じる。大きな木に育ったかどうかはわからないけれど、「小さな本屋の大きな役割」を自覚して、これからもこの熊野の地で、本屋を続けていきたいと思っている。(完)

トーハンも女性誌3誌で増売キャンペーン

トーハンは『主婦の友』『すてきな奥さん』『おはよう奥さん』新年号のオリジナル増売キャンペーンを全国3百書店で実施する。お年玉袋2個を店頭で本誌に挟み込んでもらうもので、購入者計2万4千名に先着でプレゼントする。

『日本国語大辞典』を来夏からネット配信/小学館

小学館は、『日本国語大辞典第2版』のインターネット配信を2007年夏から開始する。配信は、ネットアドバンスが運営するデータベースサイト「ジャパンナレッジ」をプラットフォームとして行なう。
サービスの名称は「日国オンライン」。第2版の50万項目100万用例を掲載し、見出し検索・全文検索・用例検索のほか、品詞や方言情報、出典辞書などで検索できるシステムを開発する予定。専門的なコンテンツを提供する〝JKセレクトシリーズ〟の一つとして配信し、利用料金は個人が月額1575円、法人が同1万5750円から。
11月14日の記者発表で、小学館・佐藤宏国語辞典編集長は「第2版の刊行当時は、1億字という収録文字数やJISコード外の文字表示の問題で電子配信は難しかったが、ネットが一般化し、新ウィンドウズがユニコードを採用するなど環境が整ってきた」と配信を決めた経緯を説明した。

婦人誌7誌新年号の店頭増売フェア

日販、大阪屋、栗田、太洋社、中央社、協和の6取次は、共同で婦人誌新年号7誌の店頭増売フェアを11月24日から来年1月6日まで実施する。
対象誌は、主婦と生活社『すてきな奥さん』、主婦の友社『主婦の友』、学習研究社『おはよう奥さん』、世界文化社『家庭画報』、扶桑社『ESSE』、文化出版局『ミセス』、アシェット婦人画報社『婦人画報』の新年号で、主要7誌が連合して行なうフェアは初の試み。オリエントコーポレーションの提供により、総額数百万円相当の商品が約4百名に抽選で当たるプレゼントを実施する。

本屋のうちそと

小中学校の図書館で子どもの読書について聞いてみた。一生懸命読んでいる子もいるし全く図書館を利用しない子もいるという。今はパソコンで検索して調べることが多いようだ。百科事典や国語辞典を引けない子どももいるという。
パソコンでは一つのことを調べると、次から次へとクリックすれば見ていける。明治、大正、昭和と歳を重ねてきた人から見れば、世の中便利になったものだと感心するが、何でもある時代に生まれ育った者は、当然と思っていることだろう。
長いお付き合いのお客様で、現役でバリバリで働いていらっしゃった頃、お茶をご馳走になりながら話し込んたこともあった。歳を召してからは読書をすることも減り、その後は老人ホームに夫婦で入られたという話だ。もう、開店からのお客様は減ってきた。
新規のお客様の増加は今までのようにはいかない。それでも、今までネットで買っていたのが、当店で買うようになったお客様がいる。出歩くことが困難な人だけに、注文したら配達してくれる本屋さんが唯一の楽しみの様子だ。若い人たちに聞くと、ほとんどがネット注文しているという。本屋さんを覗きにきながら話をして、欲しい本を探すという行動がなくなったのだろう。
町の本屋さんは無くなってしまうのだろうか。辞めていった仲間たちは、今でも頑張って商売をしたかったというが、今さら再起しようとは思わないようだ。もう小さな書店は生きていかれないかも。(とんぼ)
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