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平成20年2月11日号
業界全体のルール必要/再販研究委新年会で各代表

出版再販研究委員会は1月29日午後5時半から上野・韻松亭で新年懇親会を開催した。
懇親会であいさつした小峰紀雄委員長(書協)は「再販制度は出版界にとって生命線。昨年、活字議員連盟、新聞業界とともに文字・活字文化推進機構を組織し、消費税もにらみながらプロジェクト・チームで議論を進めている。読書推進と活字文化の振興を通じて出版業界の重要性を理解してもらうことが必要だ」と出版業界の取組みを説明した。
各団体あいさつで雑協村松邦彦理事長は「再販が少しずつほころびかけている気がしないでもない。再販が内部から崩れることのないよう業界全体のルールづくり、ガイドラインが必要ではないか。守るべきところはしっかり守っていきたい」と、ガイドライン作りに言及。
取協山﨑厚男会長は「読者は安いものだけ求めているのではなく、価値あるものを求めている。年末年始の数字でも客単価は下がっていない。価値あるものを価値ある値段で提供していくとともに、業界内から再販を崩してしまうのは由々しき問題だ。読者のためにも再販制度を維持していきたい」と強調した。
日書連大橋信夫会長は「書店にとって再販制度があるのは大前提。利の薄い仕事で、値引き競争に走ったら本屋は成り立たない。是正6項目の内容を見ると、再販そのものがグズグズになっていくのではと懸念している。再販研究会で大いに議論して守るべきところは守っていきたい」と述べた。
乾杯の音頭は朝倉邦造相談役。「再販がなくなれば出版界は存亡の危機を迎える。これからも頑張っていただきたい」と激励した。

3.1%減、2兆853億円/2007年の出版物販売金額

2007年の出版物販売金額は前年比3・1%減の2兆853億円になったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。書籍は3・2%減の9026億円、雑誌は3・1%減の1兆1827億円。書籍は前年の「ハリー・ポッター」の反動と、需要が低価格商品にシフトしたことがマイナスの要因。雑誌は98年から10年連続のマイナスが続いている。
雑誌販売額の内訳は、月刊誌が4・1%減の9130億円、週刊誌が0・8%増の2698億円。週刊誌が前年を上回ったのは分冊百科が好調なためで、既存の週刊誌ベースでは約2%の減少という。
雑誌の販売部数は月刊誌が4・0%減の17億2339万冊、週刊誌は1・6%減の8億8930万冊で、月刊誌の落ち込みが大きい。必要な特集の時しか買わない読者が多く、号毎の実売率の波が大きくなっている。
既存誌の売行きが低調なことから創刊誌は182点と前年を21点上回ったものの、売行きは低調。休刊誌は出版科研が統計を取り出してから最多の218点を数えた。
一方、書籍の推定販売部数は、7億5542万冊と前年対比横ばいになった。前年に引き続き教養新書、文庫、ケータイ小説などの低価格商品が好調だったのが原因。
書籍の販売実績は「ハリー・ポッター」シリーズの新刊が出た02年、04年、06年は前年を上回り、出なかった年は反動で沈むパターンが続いている。
2003年に『バカの壁』がヒットして以来、教養新書にヒットが続き、昨年も『女性の品格』が200万部を超えた。文庫本も映画、テレビと連動して好調ながら、売行きの中心が低価格商品にシフトしているため、販売金額では伸び悩む結果となった。
書籍の新刊平均価格は前年比1・9%ダウンの1152円。新刊に重版・注文品を加えた出回り平均価格では3・8%ダウンの1131円と、いずれも大幅な値下がりになった。新刊平均価格は3年連続、出回り平均価格は5年連続の下落。
雑誌の平均価格は前年比0・6%アップの468円とわずかな上昇にとどまった。月刊誌は0・2%アップの541円、週刊誌は3・0%アップの310円となったが、分冊百科を除くと1・0%アップの295円。
金額返品率は書籍が前年より1・2ポイント増の39・4%、雑誌は0・7ポイント増の35・2%。雑誌の内訳を見ると、月刊誌が0・9ポイント増の36・7%、週刊誌は0・1ポイント増の29・5%。「月刊誌の返品率はいよいよ書籍並みになってきた」と出版科研は指摘している。

長野組合、20日に百周年式典

長野県書店商業組合(赤羽好三理事長)は2月20日、上山田温泉「ホテル清風園」に各都道府県書店組合など関係者多数を招いて「創立100周年記念祝賀会」を開催する。午後2時30分より記念式典に続いて5時30分より祝賀会。1泊翌朝食後に解散。創立100周年記念実行委員長は宮原洋一氏。

催し

◇青森県書店組合が図書装備研修会
青森県書店商業組合は2月20日午後1時から青森市のラ・プラス青森で図書装備研修会を開催する。テーマは①公共・学校図書館の運営状況と今後の情勢、②情報BOXアプリ新バージョンの販売促進。
講師は教育システムの長尾幸彦氏。TRC対策と指定管理業者への対応、情報BOXアプリのバージョンアップ版でのセールス、アフターサービスについて研修する。今回は秋田県書店組合員にも参加を募る。
翌21日は長尾氏とともに八戸市、八戸市商工会議所などを訪問。日書連MARCの説明とともに、地元書店からの図書購入を訴える。
(黒滝恭一広報委員)

生活実用書/注目的新刊

同じ出版社の同一シリーズでも、月をまたいだ発売の本は類似テーマにもかかわらず隣りに並ぶことが少ない。
書店にすれば、前月の新刊をかたづけなければ今月の本は置けない理屈なのだが、そうやって新陳代謝を良くすることばかりが売り上げの向上に繋がるものでもない。読者は今月も先月もなくて、面白いと思ったり、類書が並ぶその雰囲気から、初めて手に取ってみたくなるのである。
たとえば次の二点は月をまたいだ発売だが、関連書として併売する書店の少ない例。
松生恒夫著『腸内リセット健康法』(講談社+α新書379―1B800円)は、大腸内視鏡検査などが専門の消化器内科医が教える腸の働きと仕組みと健康のための提案である。1980年頃まではさほど多くなかった大腸の病気が、21世紀に入ってから目立って増えてきている。原因は不明だが、動物性脂肪摂取の増加、食物繊維摂取の低下という食事性因子が大きく関与しているらしい。
腸には「それ自身の判断によって動くことのできる神経細胞が存在」していて、第2の脳と呼ばれるほど重要な働きをしている。そこで、腸を健全な状態に戻すための健康法が腸内リセットである。プチ断食をはじめ、簡単な方法が紹介されている。長ねぎパスタなど腸内リセットレシピ15種、にんにくなど必須の食材を25種などのガイドで、快
腸を目指そうと結んでいる。
高山忠利著『肝臓病の「常識」を疑え!世界的権威が説く肝臓メンテナンス法』(講談社+α新書383―1B800円)は、肝がん患者を3000人以上診てきた現日本大学医学部消化器外科教授が語る正しい肝臓の知識である。かつては難治といわれてきた肝臓病が、現在では飛躍的に治療が進歩している。そんなに恐れることはないと読者を励ましながら論は進む。
肝臓に良いとされるシジミは鉄分が多く、実は悪いなど肝臓の敵を知ることから、最新医療の実際までを、時にはビックリするような医療写真も見せながら説明する。7章は肝がんでもあきらめるな!
この二点はテーマは腸と肝臓に別れるが、書店店頭では是非併売をしてもらいたい。腸内が元気になる話しをチョウナイ(町内)の読者にも知らせてあげてください。
(遊友出版・斎藤一郎)

総代会は5月20日開催/草思社応援フェア実施へ/東京組合

東京都書店商業組合(大橋信夫理事長)は、2月5日午後2時から書店会館で定例理事会を開催した。主な審議・報告事項は以下の通り。
〔総務・財務委員会〕
総代会は5月20日(火)午後1時半から、日本出版クラブで開催する。定例理事会を3月4日、4月2日、5月8日に開催するほか、総代会提出議案を審議するため、4月24日に臨時理事会を開催することに決定した。
また、4月から施行される改正パートタイム労働法について概要をまとめた資料を理事に配布したほか、家の光協会が2月21日に開催する「読書フォーラム2008」の紹介があった。
〔経営・取引委員会〕
「草思社応援フェア」は同社の債権・債務整理のため注文対応がストップしていたが、TS流通協同組合経由によるセット商品の注文に応じられると回答があったため、参加を呼びかける申込書を組合員に再度流すことにした。
商品は30点30冊のセットで本体合計4万7852円。2カ月長期委託で3カ月目に精算する。正味は78・7%で、TS組合が現在実施している2%還元キャンペーンを適用する。
〔流通改善委員会〕
TS流通協同組合の1月期の売上げは1024万9538円(前年比93・0%)、発注件数は9185件(103・4%)、書店数は71書店(93・4%)と報告された。
〔再販研究委員会〕
1月29日に開かれた出版再販研究委員会について、岡嶋副理事長は「在庫僅少本の定義の明確化や弾力運用の検証等を求めたが、今後話し合いを密に行なっていくことを確認した。一定の前進があったと考えている」と報告した。
〔読書推進委員会〕
第12回「春の書店くじ」は東京組合として50万枚を販売目標とし、支部会等でより多くの参加を呼びかけるようPRを要請した。
〔事業・増売委員会〕
東京組合で取り扱っている立ち読み防止用ポリ袋について、原材料の価格高騰などの理由で仕入業者から価格改定の申し入れがあり、3月1日から新価格で販売することになった。

東北ブロック大会は7月8、9日開催へ

第60回を迎える東北ブロック大会は、山形県組合が当番として準備をすすめているが、7月8日(火)、9日(水)に天童市の天童ホテルで開催する方向で関係各位にスケジュールの調整を図ることにした。
(山形県書店商業組合・五十嵐靖彦専務理事)

尼崎市の日書連マーク導入事例を報告/兵庫理事会

兵庫県書店商業組合は、1月15日に神戸市エスカル神戸に於いて今年最初の理事会を開催した。
三上一充理事長(三上尚文堂)は、「業界の年末年始の数字が悪いとよく耳にする。年始めから反省することが多いが、10年ぶりに発売された広辞苑が何とか起爆剤になってくれればと思っている」と、あいさつを述べた。
理事会は、井上喜之新専務理事(井上書林)の提案で、前回理事会より、委員会報告に加えてフリートークの時間を充実させるために日書連報告を後ろに持ってくるなど運営方法を変更した。
情報化推進委員会からは、兵庫県下で初めての導入となった日書連マークの導入事例として、尼崎市の導入に至るまでの経緯が報告された。尼崎市内の中学校19校それぞれにパソコン一式が寄贈され、そのうち18校に情報BOXが導入された。
委員会報告では、第4支部から1月25日に明石市民会館に於いて、協賛を続けて今年で10年目となる「小学1年生の会」について報告があった。
また、1月24日播磨支部(第4)、25日には尼崎支部(第3)とそれぞれ新年懇親会が行われる予定と報告された。
フリートークでは、毎月第2火曜日を理事会の定例としていることについて、最近の業界の行事を鑑み変更を希望する声が上がった。また、幻冬舎の注文品がなかなか入らないことについて、意見を求める声があった。
(中島良太広報委員)

県内福祉施設に528冊寄贈/埼玉組合

埼玉県書店商業組合の水野兼太郎理事長は昨年12月12日午前10時、県福祉部こども安全課を訪問し、鈴木豊彦課長、友永孝浩主幹、新井貴裕養護担当に528冊の本を寄贈した。
寄贈本の内訳は幼児用47冊、低学年用122冊、中学年用167冊、高学年用104冊、中・高・一般88冊。
鈴木課長は「毎年多くの本を寄贈していただき、県内福祉施設も大変感謝している。施設には、家庭環境に問題を抱え、虐待等で心に傷を負っている子供も多くいる。読書は心のケアに大きな力となる」とお礼の言葉を述べた。
寄贈本はこども安全課より県内の児童養護施設、母子生活施設等、多数の施設にクリスマスに合わせて配本され、各施設の子供たちから多数のお礼の手紙が寄せられた。
(埼玉組合事務局・山口洋)

総面積1万3千坪大幅増/店数は15店減少/07年新規書店

業界紙『文化通信』は1月21日付と28日付で、書店調査会社アルメディア調べとして2007年1月~12月の書店出店・閉店状況をまとめた。
これによると、新規書店は382店で前年比15店(3・8%)減だったが、総面積は9万2791坪で1万3339坪(16・8%)増と大幅に増加した。一方、閉店は1208店で104店(9・4%)増、総面積は6万7139坪で5489坪(8・9%)増だった。この結果、07年の書店数は差し引き826店純減したものの、総面積は2万5652坪純増となった。
取次別でみると、日販は新規店数155店(9・2%増)・出店面積4万7164坪(37・3%増)、トーハン112店(8・7%増)・2万6598坪(5・5%増)、大阪屋44店(38・9%減)・6543坪(14・3%減)、栗田出版販売31店(6・1%減)・5310坪(6・7%減)、太洋社19店(9・5%減)・5008坪(46・1%増)、中央社9店(25・0%減)・649坪(42・8%減)、その他12店(14・3%減)・1519坪(24・4%減)。
文化通信は調査結果について「大型出店が多かったことを裏付けた」として、大幅増床の原因を「チェーン書店間の競争が地域的にも拡大していること、複合業態の増加など店舗の大型化が進んでいるため」と分析している。

人事

◇出版再販研究委員会
(1月29日付)
▽委員長=小峰紀雄(小峰書店)
▽副委員長=菊池明郎(筑摩書房)大竹靖夫(小学館)土屋博功(中央社)岡嶋成夫(ブックロード)
▽委員=志村幸雄(工業調査会)山口雅己(東京大学出版会)岩崎光夫(講談社)関谷幸一(角川グループパブリッシング)村田耕一(主婦の友社)吉村治(中央公論新社)高橋茂(大阪屋)風間賢一郎(トーハン)橋昌利(日本出版販売)小暮豊博(中央社)山去賢二(日教販)村木透(太洋社)木下英樹(協和出版販売)鍬谷睦男(鍬谷書店)大橋信夫(東京堂書店)藤原直(金港堂)面屋龍延(清風堂書店)谷口正明(正文館書店)中村晃造(桂書房)山口尚之(三山書店)樋口嘉重(学識経験者)
▽監事=名女川勝彦(文藝春秋)
▽会計=米川清一(栗田出版販売)山本裕一(信濃屋書店)
▽相談役=相賀徹夫(小学館)長坂一雄(雄山閣)渡邉隆男(二玄社)朝倉邦造(朝倉書店)

◇出版梓会
昨年12月6日開催の通常総会・理事会で以下の役員を決定した。○新任。
▽理事長=大坪嘉春(税務経理協会)
▽副理事長=菊池明郎(筑摩書房)下中直人(平凡社)
▽常務理事=大矢栄一郎(白桃書房)
▽理事=安部英行(学事出版)今村正樹(偕成社)井村寿人(勁草書房)江草貞治(有斐閣)黒須雪子(二玄社)○黒田拓也(東京大学出版会)○佐々木哲(白水社)○島田孝久(NTT出版)土井二郎(築地書館)成瀬雅人(東洋書林)錦織与志二(東洋館出版社)○長谷川晋一(東京創元社)○持谷寿夫(みすず書房)矢部敬一(創元社)○山本憲央(中央経済社)渡邉直之(草思社)
▽監事=川北博(公認会計士)○北原暁彦(法学書院)和田佐知子(春陽堂書店)

日書連のうごき

1月5日事務局仕事始め。
1月9日第57回日教販春季大市会に大橋会長が出席。新年名刺交換会に大橋会長ほか役員が出席。書店新風会新年会に大橋会長が出席。
1月10日大阪屋新春おでんの会に面屋副会長が出席。
1月15日公正取引協議会連合会賀詞交換会に柴﨑副会長ほか役員が出席。再販研究委員会。
1月16日JPO運営委員会に柴﨑副会長が出席。中小小売商サミット打合せに大川専務理事が出席。
1月17日活字文化振興出版会議運営委員会に大川専務理事が出席。
1月18日出版倫理協議会に高岡委員が出席。
1月22日読書感想画中央コンクール表彰式に大橋会長が出席。文化産業信用組合理事会に大橋会長が出席。
1月23日読進協常務理事会に大橋会長が出席。ICタグ研究委員会書店部会に井門副会長が出席。読売新聞新春懇親会に大橋会長が出席。
1月24日近畿ブロック会による都内図書館視察に大川専務理事が同行。
1月25日日書連新年理事会。第54回出版販売新年懇親会。出版物小売公取協理事会。新年懇親会実行委員会。財務委員会。日書連共済会理事会。
1月29日第2回出版クラブ会館問題特別委員会に大橋会長が出席。ICタグ研究委員会に井門副会長が出席。平成19年度下期公正取引協議会連絡会議に柴﨑副会長と影山専務理事が出席。再販研究委員会に大橋会長ほか役員が出席。
1月30日日本図書普及役員会に大橋会長ほか役員が出席。活字文化振興出版会議幹事会に大橋会長が出席。

日販労組が児童養護施設など訪問/図書寄贈と読み聞かせ

日販労働組合は昨年12月22日および今年1月19日、26日の3日間、都内の児童養護施設等を訪問し、図書寄贈と読み聞かせを行った。
同労組は07年度の重点取り組みの1つに「社会貢献を柱とした組合価値の創出」を掲げており、今回の取り組みは07年秋の読書週間に呼応した読書推進キャンペーン(読書週間と環境意識を喚起するマガジン・エコバッグを全国主要駅頭で配布)に続くものとなる。
この活動は「より多くの子供たちに、本を読む楽しみを体験してもらいたい」という主旨で82年からスタート。以降26年間、組合員の募金をもとに継続した活動を行い、これまでに延べ約370カ所の施設を訪問している。
今回も約30名の組合員の代表が児童養護施設など7施設を訪問し、計200冊の本をプレゼント。さらに、子供たちと歌や踊りなどを交えた遊びや絵本の読み聞かせを行った。
同労組は今後も社会貢献活動の一環として図書寄贈、読み聞かせ、読書推進キャンペーンを継続して実施したいとしている。

『本はよかバイ お~い読まんネ!』より

熊本県書店商業組合は昨年5月『お~い中学生!本はよかバイ。』を刊行したが、これをきっかけに昨年10月設立された「NPO法人本はよかバイ」はこのほど中学生向け読書ガイド第2弾『本はよかバイお~い読まんネ!』を刊行した。このガイドブックから、東大大学院法学政治学研究科教授・蒲島郁夫氏と、『世界の中心で、愛をさけぶ』等の作品で知られる映画監督・行定勲氏による特別寄稿を全文紹介する。


〔「夢への架け橋」/東大教授・蒲島郁夫〕
私はいま東京大学法学部で政治学の教授をしていますが、小・中・高校時代は決して成績が良かったわけではありません。小学校時代には6年生のとき国語で5(当時は5段階評価)をもらいましたが、それが最初で最後の5でした。中学では平均的な生徒でしたが、高校は落第すれすれで卒業しました。勉強はしませんでしたが本はよく読みました。
小学校3年の時に兄が『ああ無情』という本を学校から借りてきました。私が最初に読んだちゃんとした本です。次に読んだのが『フランダースの犬』です。それを読んで涙が止まらなかったことを今でもよく覚えています。とても貧乏な家庭に育ちましたので、自分は不幸だと思っていましたが、世の中にはもっともっと不幸な人がいることを知りました。それから本を読みあさり、小学校の図書館にある小説はほとんど読み尽くしました。
私が政治に興味をもったきっかけは小学生のとき『プルタークの英雄伝』を読んだからです。その英雄伝を読んで、ローマ最大の英雄シーザー(カエサル)のような政治家になりたいという夢を持ちました。ネブラスカ大学の農学部からハーバード大学の大学院に進学したのは政治の勉強をしたかったからです。政治学というまったく未知の分野に飛び込んでいけたのも、政治という夢があったためです。プルタークの英雄伝で育まれた夢が私をハーバードに連れて行ってくれました。私にとって読書は「夢への架け橋」でした。しかし夢を持つだけでは何も起こりません。それに向かって一歩踏み出すことが大事だと思います。
私は自分の人生を振り返ってみて、人間の可能性は無限であると感じました。高校時代に最低の成績であった私が30年後に東大教授になれたのです。現在の状況だけで未来の可能性を判断できないのです。人間の可能性が無限であれば、今の立場が悪ければ悪いほど、未来への可能性が大きいと思います。その意味で、現在の逆境はむしろ幸せの源かもしれません。


〔「行間が写す風景」/映画監督・行定勲〕
どちらかというと僕は本を読むより映画を観る少年だった。そんな僕が自発的に小説を手にし、熱狂的に読むようになったきっかけがある。中学生の頃だった。
あの頃の僕は、休日は決まって映画館通いだった。ある日曜日、お目当てのアイドル映画を観たときのことだ。その映画は青春の一瞬の輝きと淡い恋の話が自分の日常とシンクロしていたせいか、やたら感動してしまった。
映画が終わり余韻に浸ってエンドロールを眺めていると僕の目に【原作】という文字が飛び込んで来た。その時、原作小説がある映画があるということを初めて認識したのだ。僕は鞄から素早くノートを取り出して作家の名前を書き写した。
早速、帰りに本屋に立ち寄った。小説の題名を店員に告げると少女向けの小説だった。少しだけ恥ずかしい思いはしたが小説は手に入った。
家に帰るや否や一頁一頁を捲りながらまだ記憶に新しい映画の場面を重ねていった。映画を見た直後なので小説の登場人物は否応無しに映画の俳優たちの顔を想像してしまった。場面によっては映画には存在しない登場人物がいて戸惑ったり、逆に映画の俳優がミスキャストと感じて別の顔を想像したりしながら読んだ。映画に存在した場面の箇所には赤鉛筆で線を引きながら読み進めていった。
読み終わって小説の頁をパラパラと捲り返してみると赤線がひかれた箇所は意外にも半分に満たなかったのだ。しかも、映画に感じた感想とは違う読後感が僕を支配した。今考えてみると「映画と小説は別ものなのだ」と悟ったのはその時だったのかもしれない。
それまで観て感動した映画も後になって調べてみると原作がある作品がたくさんあった。それ以来、僕は映画になった小説を好んで読みあさった。
小説を映画にする事とは、小説に書かれた物語から読み取ったテーマを映画監督の独自の映像的視点で描いて行くことだ。
小説は映画にする為に読まれるものでもないし、映画にする為に書かれたものでもない。だが、僕は小説の行間に映画の風景が見え隠れする喜びを知った。それが映画になる原点なんだと思う。
あの頃の僕はそんな風に小説に触れ、映画監督に憧れていた。

語学テキスト380円に/9年ぶり4月号から改訂/NHK出版

NHK出版は2月6日午後4時半より新宿京王プラザホテルで「平成20年度春の販売促進会」を開催、関東、首都圏の書店が多数出席した。
第1部企画説明会では山田常務営業局長が同社の経営状況について「3月末の今期決算は減収減益。テキストは創刊した『きょうの料理ビギナーズ』は10万部と好調だが、趣味関係がもうひとつで、ならすと昨年並み」と報告した。営業政策については「ここ3年、書店営業の強化整備に取り組み、書店対応のキー局として書店課を作った。首都圏支社も立ち上げ、書店との結び付きを強める。テキストの定期割れは起こさない。今年は4月号から語学テキストの値上げを行う」などと説明した。
渡辺販売部長からは新年度の重点販売施策として、①語学テキストは番組の大改編に伴って9年ぶりの定価改訂を行い、380円に一本化する、②家庭テキストは『趣味の園芸ビギナーズ&やさいの時間』を創刊する、③書籍では2月16日に実用セレクション第1期5点を創刊、2009年大河ドラマの原作『天地人』を売り伸ばす、④テキスト・コーナーの飾り付けで読者の定着率を高めてほしい――と呼びかけた。
第2部懇親会であいさつしたNHK出版大橋晴夫社長は「NHKは不祥事で苦しんだが、昨年11月の視聴者接触率は74・5%ある。NHK関連本の接触率は7・7%で、1千万人が週に1度目を通している計算だ。4月号から語学テキストを値上げし、少しでも書店のお役に立ちたい。さらにコミュニケーションを深めていきたい」と述べた。
これに対し、三省堂書店亀井社長は「NHK出版の値上げを歓迎する。積極的に売っていくきっかけを作ってくれた」と述べて乾杯の発声を行なった。

魔法のPOPで増刷/ちくま文庫『思考の整理学』

「もっと若い時に読んでいれば…そう思わずにはいられませんでした/何かを生み出すことに近道はありませんが、最短距離をいく指針となり得る本です」という魔法のPOPで火が付き、昨年1年で25万部を重版した、ちくま文庫『思考の整理学』(外山滋比古)。
初版の1986年発行以来、20年間に17万部を販売している超ロングセラー文庫だが、盛岡市・さわや書店の松本大介さんが一昨年秋に読んで感動。さっそく冒頭のPOPを付けて店に並べたところ3カ月あまりで百冊を販売した。筑摩書房の東北担当、窪拓哉さんがこれに目を留め、他の書店にも紹介した結果、火が付いて現在42万部。読者の中心は20代、30代のビジネスマンだという。
ちくま書房では1月下旬から北海道新聞、中日新聞、西日本新聞など地方紙に広告を出稿。2月20日には読売新聞に全5段。2月13日には41刷4万部を重版して売り伸ばしを図る。

「今月の装丁家コレクション」フェア/トーハン

トーハンは装丁に着目したオリジナルフェア「今月の装丁家コレクション」を2月上旬より全国130書店で開催中。
書店店頭で多くの商品の中から読者の手にとってもらうには、表紙デザインが大きく影響する。最近では本やCDをパッケージデザインで選ぶ「ジャケ買い」も若者に浸透しつつある。
同フェアでは、毎月ひとりの装丁家を取上げ、6作品をピックアップ。プロフィール紹介のPOPやパネルで売場を演出する。
第1弾は、1994年に講談社出版文化賞ブックデザイン賞を受賞した鈴木成一氏で商品は以下の6点。第2弾は大胆なデザインが注目され幅広いジャンルの本の装丁を手がける祖父江慎氏。
『そんなはずない』(朝倉かすみ、角川グループパブリッシング)、『パイロットフィッシュ』(大崎善生、角川グループパブリッシング)、『アウトドア般若心経』(みうらじゅん、幻冬舎)、『ブラックペアン1988』(海堂尊、講談社)、『Prezents』(角田光代、双葉社)、『すぐそこにある希望』(村上龍、ベストセラーズ)。

ベネッセなど4社で辞書引き学習フェア

立命館小学校教頭の深谷圭助先生が提唱する「小学校1年生から国語辞典を引く学習法」が注目を集めている。この深谷メソッド、辞書を引いて付箋紙を貼り付けていくことにより、自分で考え、答えを導く力がどんどん身に付いていくというシンプルな学習法。
この学習法を広めようと、すばる舎、MCプレス社、のら書店、ベネッセコーポレーションの4社は合同で「2008年新学期辞書引きフェア」を展開する。セットは『辞書引き学習自学ドリル漢字学習編』『同国語辞典編』(MCプレス)、『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』(すばる舎)、『なぞなぞあそびうた』『同Ⅱ』(のら書店)、『チャレンジ小学国語辞典』『同コンパクト版』『チャレンジ小学漢字辞典』『同コンパクト版』(ベネッセ)の9点33冊。本体価格合計5万3048円。
フェア商品には統一帯を巻き、パンフレット「ご家庭用辞書引きガイド」と店頭用拡材を配布。辞典購入者には抽選で1万名にトートバッグをプレゼント。3カ月延勘、2月15日締め切り、出荷は3月上旬。注文はベネッセ注文センターへ。FAX0480・23・9255番。

受賞

◇第53回小学館漫画賞
1月21日開催の最終審査で以下の受賞作を決定。贈賞式は3月3日午後6時から帝国ホテルで開催する。▽児童向け部門=村瀬範行『ケシカスくん』(月刊コロコロコミック)
▽少年向け部門=寺嶋裕二『ダイヤのA(エース)』(週刊少年マガジン)
▽少女向け部門=青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』(少女コミック)
▽一般向け部門=黒丸/夏原武『クロサギ』(週刊ヤングサンデー)、せきやてつじ『バンビ~ノ!』(週刊ビッグコミックスピリッツ)

4期連続で増益に/日経BP

日経BP社は1月30日開催の取締役会で2007年度(第40期)の決算を承認した。
第40期の売上高は533億5800万円、前年比3・4%減で3期連続の減収となった。営業利益も28億8500万円で2・6%の減だが、経常利益は34億1800万円、3・9%増で、4期連続の増益になった。
売上高の内訳は広告263億9200万円(4・8%減)、販売242億6800万円(2・4%減)、事業その他が26億9700万円(1・0%増)。
2007年度の売上げのうち、インターネットの総売上げは21・1%増の63億円を売り上げた。2008年度の予算は売上高548億円、営業利益29億円で、クロスメディア事業の一層の強化を目指す。

本屋のうちそと

年末に引き続き、年が明けても出版社の倒産が続いている。この先どうなるんだろう?もちろん版元だけじゃなく書店も倒産を含む廃業が、より以上加速するかもしれない。問題は版元の倒産が先か、当店の破産が先か…なんて競い合ってどうする。
売上げが昨年10月くらいからしっかり落ち込んできている。年明けも数字は目を覆いたくなる有り様である。何故かそれと正反対に増えたのが数値、といっても売上げとは関係の無い身体の。
ここ2年ほど毎朝、腕立て伏せと腹筋だけを数十回ずつ細々と継続して何とか体重を維持していたのだが、この冬に入って少しずつサボりだしてもう2カ月近く運動をしていない。1月の検査では血糖値を先頭に軒並みランクUP。よく食べていたし、晩酌缶ビールも1本増えて実情は4キロ余りの体重増加。やっと細身のスラックスが穿けて喜んでいたのに、しきりに反省。
それにしても店内の棚を眺めていると、倒産返品不能本ばかりが目に入る。破産版元フルハウス状態、誰も誉めも驚きもしない。棚はそんな本ばっかりが増えてきている…まるで悪玉コレステロールだ。確かに昨今の書店の棚は、売れない返品できないメタボ状態で境界線を越え、完全に生活習慣病になってしまっている。
さてさて、特効薬は?誰が診断、調薬してくれるんだい!結局、自分で地道に身体を動かすことしかないのでは。まめに棚をチェックして、店内を歩き回り、配達をして思い切り頭をつかって悪玉を無くし善玉を増やしていくというのが遠回りのようでいて一番の近道なのかもしれない。
(理)
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