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平成20年9月1日号
読書週間書店くじ実施要領

▽実施期間平成20年10月27日(月)より11月9日(日)まで。書籍・雑誌500円以上購入の読者に「書店くじ」を進呈
▽発行枚数500万枚。書店には1束(500枚)3751円(税込)で頒布
▽申込方法返信用申込書に必要事項を記入し、束単位で所属都道府県組合宛に申し込む。
▽配布と請求方法くじは取次経由で10月25日前後までに配布。代金は取引取次より請求。
▽当選発表12月5日(金)。日書連ホームページ並びに書店店頭掲示ポスターで発表
▽賞品総額7500万円、9・7本に1本
特等賞=図書カード10万円50本
1等賞=図書カード1万円1000本
2等賞=図書カード又は図書購入時充当1千円1500本
3等賞=同5百円1万5000本
4等賞=図書購入時に充当百円50万本
ダブルチャンス賞=図書カード1万円100本
▽賞品引換え特等賞は当選券を読者より直接日書連に送付。1、2、3、4等賞は取扱書店で立替え。図書カード不扱い店または品切れの場合は、お買い上げ品代に充当。ダブルチャンス賞は平成21年1月15日(当日消印有効)までに読者が直接日書連にハズレ券10枚を送付
▽引換え期間読者は12月5日より平成21年1月10日(消印有効)まで。書店で立替えたくじは平成21年1月31日までに「引換当選券・清算用紙(発表ポスターと同送)」と一緒に日書連事務局に送付
▽無料配布店頭活性化の一環で組合加盟店全店に書店くじ50枚、ポスター1枚を無料配布

利益、事業力強化を学ぶ/書店経営テーマに研修会/日書連

日書連は8月20日と21日の2日間、文京区のホテル東京ガーデンパレスで「書店経営研修会」を開催し、日書連役員や都道府県組合役員60名余りが出席した。全国中小企業団体中央会の連合会等研修事業として実施したもので、指導教育委員会が企画。キャッシュフローを中心とした事業力の強化や、書店の利益構造、外商力・雑誌販売力の向上など経営力安定を実現するための方策を学習した。
午後1時から始まった研修会は指導教育委員会・鶴谷祿郎委員の総合司会で進行し、大橋信夫会長が冒頭あいさつ。「日書連は現在読書推進と取引改善問題を大きなテーマとして行動しているが、個々の店にとって頭が痛いのが資金繰りの問題。2日間の講習内容を身につけ、店で活用してほしい」と話した。
鈴木喜重指導教育委員長は「書店は薄利少売になって皆非常に苦労している。経営を守るためにどうしたらよいか委員会で議論し、キャッシュフローを中心にいろいろな角度から学習することにした。充分勉強ししていただくとともに、これらの問題について今後どのような手が打てるか議論を深めていきたい」とあいさつした。
このあと午後1時15分から、ノセ事務所代表の能勢仁氏が「書店の利益構造について」、平井財務人事研究所代表・平井謙一氏が「キャッシュフローを中心とした中小書店の事業力強化」、豊川堂代表取締役・高須博久氏が「外商力を高めるポイント」と題してそれぞれ講演した。
能勢氏は、「書店は細かいことを積み重ねていかないと利益が出ない。利益は販売と経費のバランスであり、両方を見ていく必要がある」と述べて、販売における4つの生産性と、経費の追求における7つのポイントを解説し、「利益の源泉は心、つまり接客だ。一人ひとりのお客様を大事にしていくことの積み重ねがどこかで利益につながる」と締めくくった。
平井氏は、資金の動きを通して財政状態や収支状況を判断するために利用する4つの資金表について説明。この中から、倒産の危険があるか、資金収支の健全性を把握するための手段として資金移動表を取り上げ、損益計算書と貸借対照表から実際に表を作ってみる演習を行った。
高須氏は、豊川堂の歴史と、外商に傾注するようになった経緯を述べ、学校と一般の外商それぞれの取り組みについて説明。「外商力を上げるポイントは人。絶対いい本だと説得する力を持つ人が必要だ。次にモノで、新企画をどう取り上げるかは社長が決めないといけない」と話した。講義終了後、別室で懇親会を開催して1日目を終了した。
2日目は午前9時から文藝春秋取締役・名女川勝彦氏が「雑誌売上アップを実現する」と題して講演。名女川氏は、「雑誌は書店の安定した顧客を作る役割を持ち、店の客層や立地の変化を映す鏡でもある。雑誌販売は継続性のもので販売技術が求められる」と述べて、雑協がまとめた雑誌販売の成功事例集「これで雑誌が売れる!」の中から実践例をピックアップして紹介した。
続いて、日本リティルサポート研究所代表・永島幸夫氏が「ディスプレイ、POPで売場は変わる」をテーマに講演。さまざまな業種において魅力ある売場作りで売上げを伸ばした実例を紹介し、買いたくなる陳列法やPOP、レイアウト、売場演出について、書店での売場作りに応用できるポイントを説明した。
最後に面屋龍延副会長が「大変参考になる研修会で、私も大いに勉強させていただいた。苦境を乗り切り、お互いに励ましあって書店経営を続けていきたい」と述べて研修会を終了した。

4地区に分け実施/山形図書館研修会

山形県書店商業組合(五十嵐太右衛門理事長)は、山形県教育委員会後援のもと、日書連マーク・図書館システム研修会を8月19日の山形市・山形テレサ研修室を皮切りに20日、東田川郡三川町・なの花ホール、21日、米沢市・アクティ米沢、22日、東根市・さくらんぼタントクルセンターと県内4会場に分けて開催した。各会場とも午前10時から11時30分。
講師として教育システム情報コーディネーターの本間達哉氏を迎え、日書連マークの活用性、情報ボックスのシステム内容、ライブラリーサーチ、そして図書館システムによる学校図書館の活性化について講義を行った。
また、実際の図書館システム導入(蔵書登録作業)の実例発表が行われ、より具体的な研修会になった。組合員からは、より具体的な販売促進方法の研修会も企画してほしいとの要望があり、今後企画していくことになった。
(五十嵐靖彦広報委員)

新理事長に山本裕一氏/読書推進で書店販売支援/神奈川総会

神奈川県書店商業組合は8月22日午後2時から横浜市中区の神奈川平和会館で第31回通常総会を開催。体調を崩した井上俊夫理事長が退任し、新理事長に山本裕一氏(横須賀市・信濃屋書店)が就任した。
神奈川組合総会は筒井正博常務理事(伊勢治書店)の司会、平井弘一副理事長(平井書店)の開会あいさつで始まり、井上理事長があいさつ。井上氏は今年4月に長谷川理事長を引き継いだものの、ドクターストップがかかってしまった経緯を説明し、「同業がこれ以上つぶれることのないよう日書連によろしくお願いしたい」と、退任に無念さをにじませた。
村上弘一常務理事(村上書店)を議長に進められた議案審議では、組織強化でこの1年間、新規加入がゼロに対して脱退が33名に達したことが報告され、取次に対して出店時の加入促進を働きかけていきたいとした。
読書推進・増売運動では①神奈川県読書推進会の主催、県組合の後援により、第2回「大好きな本絵画コンテスト」を実施、園児750名の応募があった、②昨年10月と今年4月に「子ども読書活動推進フォーラム」を開催、書籍販売に協力した、③神奈川県夏のすいせん図書は7万2千部販売し、3488点の応募があった、④4月22日に神奈川新聞へサン・ジョルディの日の広告を打った、⑤『季刊横濱』は2万7千部販売した――などの報告があった。
出版販売倫理では、県青少年課より青少年不健全図書の区分陳列を励行するよう要請があるが、小口止めシールを貼っていない成人図書が送られてくるケースがあるとして、出版社、取次にシール貼りの徹底を図るよう要請することになった。
情報化推進では、神奈川県組合のホームページが開設されたことを受けて、書店のイベント、フェア情報、アルバイト募集など、ポータルサイトとしての役割を強化していく方針が説明された。
質疑応答では「日書連共済会の残余財産処分は、再度総会を開いて使途を決めてほしい」「新販売システムの完全買切りは委託制度になじまない」「取次は月末の返品入帳処理後に書店に請求すべきではないか」などの意見があがった。
これらの意見について、来賓として出席していた日書連大橋信夫会長は「新販売システムは1回目を精査しないまま2回目を実施して、申込みが少なく中止になった。3回目は十分検討したい。日書連共済会は税務署の説明が当初と異なり、財産を凍結している。処理の方向が決まれば、お諮りしたい。返品入帳は書店の地域や、取次の規模でも条件が違う。一つひとつ処理していく」と述べ、理解を求めた。
任期満了に伴う役員改選では新理事33名、監事2名を承認したあと、初理事会で理事長に山本裕一氏(横須賀市・信濃屋)を選出した。副理事長、各種委員会委員長については9月理事会で選ぶ。
山本新理事長は「皆さんのお話を聞きながら、組合活動を盛り上げていきたい」と、今後の組合運営についての意気込みを語った。総会終了後、会場を横浜中華街・華正楼本店に移し、出版社・取次を交えて懇親会を行った。

山本裕一氏略歴昭和26年1月4日生れ、57歳。横須賀市・信濃屋書店代表取締役。昭和49年東洋大学文学部卒業、同年信濃屋書店入社。平成9年同社代表取締役。12年神奈川県書店商業組合理事、13年神奈川県教科書販売監査役。15年日書連常任委員。16年神奈川県書店商業組合副理事長、横須賀支部長。16年日書連理事。20年神奈川県書店商業組合理事長就任。

97・7%と落込み続く/『ハリポタ』あってもマイナス/日販調べ

日販経営相談センター調べの7月期書店分類別売上調査がまとまった。7月は
23日に『ハリー・ポッターと死の秘宝』が発売され、文芸書、児童書が大きく動いたものの、他ジャンルの落ち込みが大きく、平均で97・7%と前年をクリアすることはできなかった。
7月期に前年同月を上回ったのは文芸書168・4%、児童書101・9%、文庫102・3%の3ジャンル。一部書店では『ハリー・ポッター』を児童書で集計しているため、同ジャンルも前年を上回った。
一方、新書、学参書、辞典、地図旅行、ビジネス書、専門書の各ジャンルは前年を10ポイント以上下回った。コミックも前年を8・2ポイント下回る91・8%。
これ以外では文庫が3カ月連続で前年を上回った。映画化された『西の魔女が死んだ』(新潮社)、佐伯泰英『紅花ノ邨』(双葉社)が好調。

訃報

服部敏幸氏(元講談社会長、元書協理事長、全日本学校剣道連盟会長)
8月20日、心不全のため逝去した。95歳。通夜・葬儀は近親者のみで行われ、後日「お別れの会」を行う予定。詳細は未定。喪主は長男の服部清臣氏。

書店の利益構造について/ノセ事務所・能勢仁

〔損益分岐点の意識を徹底〕
利益には、一般的に、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前利益、当期利益の5つがある。一番問題である経常利益は、営業利益に営業外収益と営業外費用を足し引きしたものだ。
利益を考えたとき、引くほうの数、つまり経費を少なくすることが大切だ。それから足し算になる部分はできるだけ多くする。書店は営業利益ではマイナスの時代が続いた。リベートやそれ以外の雑収入で食べているのが現状だ。雑収入の面では、例えば自販機を漫然と置かせるのではなく、自分のほうから利幅を持ちかける姿勢が必要だ。リベートは最近は取次はできるだけ出したくないが、売上を上げてくれることには非常に関心を持っている。書店が「こうしたいのでこういうふうにしてほしい」と熱心に提案し、個々に交渉する必要があると思う。書店の利益というのは、細かいことの積み重ね、泥臭いことの積み重ねしかない。
次に損益分岐点の話をする。利益を考える前に、現在の経営が儲かっているかを考えねばならない。損益分岐点を簡単に算出する私なりの式があって、書店で従業員の数を聞くと、ひと月の経費が大体わかり、損益分岐点が自動的に出る。その式では、ひと月の人件費が250万とすると、その店の経費は倍の500万と見る。これを粗利で割ると損益分岐点が出る。単純に、8掛けの商品を主として扱っているとすれば、500万を0・2で割った2500万円がこの店の損益分岐点売上となる。
ここで考えてほしいのは、分母を大きく、分子を小さくするということだ。そしてこの売上バーを下げる運動をしなければいけない。例えば8掛の商品を75にすると、500万円を0・25で割って損益分岐点は2000万円。一方、500万の経費を400万に下げると、400万円を先ほどの粗利0・2で割ったら、こちらも損益分岐点は2000万円になる。
もし粗利を0・25、経費を400万に両方改善すれば、400万円÷0・25で、損益分岐点売上は1600万円になる。約3分の1バーが下がるわけだ。バーを下げることを、社長はもちろん、店長以下従業員に心がけさせることが非常に大事だ。店が儲かるか儲からないかの基準を明示することが書店にとって重要なことだと思う。
話は変わるが、自店が置かれている位置を知る必要がある。地域一番店があって、それを追いかける店、チャレンジャーがある。どっちつかずの店のフォロワーがあって、最後がニッチを埋めるニッチャーだ。読者は便利な店に行くかもしれないが、心のつながりやいいものがある店に来る。個性とか特性は場所や大きさには関係なく、商人のやり方、意思の問題だろう。そういう点で、日書連の場合にはニッチに相当する店が多いのではないか。読者に感動を与えられる書店は支持を得られると思う。

〔雑誌の賞味期間は20日〕
利益は販売と経費のバランスだ。売れている時代はよかったが、売れない時代は経費ばかりがかかって、どうしても損益分岐点が上がってしまう。販売についての変革、新しい考え方をしなければいけないのではないか。私は1970年代に書店革命が起こったと考えているが、もう一度そのときに立ち戻る必要があると思う。
当時起きたのはまず立地革命で、モータリゼーションを裏付けに、郊外でも商売ができるようになった。地価が安かったということもある。同時にスペース革命があり、郊外なら場所が広く取れた。百坪は現在では大型店ではないが、書店革命のもたらした規模の大きさだろうと思う。また、深夜まで営業するようになったり、本以外の商品を扱うようになった。
一番大きかったのがPOSの導入だ。データを解析し売れる本、売れない本がはっきりわかった。また、売り方の革命としてセルのほかにレンタルの導入があった。この二つが最たる革命で、当時の革命を上手に取り入れた書店がある一方で、乗り遅れた書店は現在苦しい立場に置かれている。社会環境が変わったことで、読者も変化した。近代読者は本好きの人で、以前は近代読者が支えている書店が圧倒的に多かった。しかし現代読者はエンターテイメント志向で、満足させるものは本でなくてもいい。書店はそちらの読者も追いかけないと、近代読者しか来ない格好になる。販売の質は社会環境の変化によって変えていかなければいけない。
販売を追及するということで、販売の中身を見ていきたい。まず坪効率について。私は、店を広くすればするほどデッドスペースができるのではないかという意味で、大きいだけがいいとは思わない。小さいほうが効率がよくなるということだ。次に述べる商品の生産性とも絡むが、店のレイアウトが大事だと思う。
商品の生産性は、損益分岐点と同じように、大まかなことは店長や担当者に指示する必要がある。どの書店でも一番売上が高いのは雑誌だろう。自店の扱いアイテム数に対して、陳列可能点数を知る必要がある。もともと雑誌に関しては売場台数が足らないことが多い。ムックもあるので、ウロコ陳列にしてしまって客が探せない。
書店が扱う雑誌は1週間で75%から80%売る。20日過ぎると売上は1割いくかいかないかだ。20日が賞味期間と考え、20日過ぎたら新しく来た雑誌を平台にたっぷり並べる方が売場が活性化するし、売上が取れる。雑誌の回転率を10回転として、雑誌台1台で20万売れるとすれば、20台持っている書店は年商4000万は売上がないとまずい。もしなければ雑誌の中身が悪いか陳列が悪いか、送品過多だ。返品率が50%の商品は取次に絶対送らないように伝え、返品率が15%以下のものは定期改正をしたら必ず直してもらう。
人の生産性については、1人当たりの管理面積が16坪とすると、百坪の店なら従業員を7人以上は置けない。1人の店頭販売員は200万円は売ってほしいので、月商1000万円なら5人でやらなければいけないといった、いろいろな切り口がある。その月の売上を全員で働いた労働時間で割る人時生産性が、一番評価として正しいと思う。
情報の生産性については、アマゾンを考えてもらえばわかるだろう。いわゆる知的生産性で、数で表せないものだ。日販のHonyaClubも読者の購買履歴データを活用している。もともとアマゾンが得意としているもので、それによって本屋に行ってみよう、注文してみようという気になることは間違いない。情報提供はもっとしないといけないと思う。

〔利益の源泉は心である〕
経費を追求するに当たって必要な7つの意識を説明する。1つは原価意識だ。例えば、社長や店長は「セロテープは3㌢で切る」「雑誌袋は書店が買っているのだ」ということをパートやアルバイトに徹底しないといけない。2番目として、顧客意識は非常に重要だ。有隣堂は10色のブックカバーが有名だが、松信泰輔さんは「社員がお客様と会話をするためにこれを作ったんだ」とおっしゃっていた。お客様を大事にする、固定客にしようというひとつの現われだと思う。POSを活用し、よく買っていただくお客様に情報提供するなど、うちの店にとって大事な人ですよという意識付けをしてはどうか。
3つ目の改善意識は、常に新しいことをやろうということ。イラク戦争の時、昭文社がイラクの地図を出した。普通の書店は地図の棚に入れたが、多く売った店に聞いてみると、ベストセラーや話題書のところに置いていた。本には「現住所」と「本籍地」があり、この場合は話題書が現住所だったということだ。
4つ目は集団意識で、よいチームワークはお客様を大事にすることにつながる。5番目は安全意識。子どもが書店で怪我をしたら親は二度とその書店に連れてこないだろう。6つ目の美意識は、クリーンネス、店をきれいにすること。7つ目の教育意識は、一番利益を生むものだと思う。人を育てようという気持ちが常にあれば、お客様を大切にしないわけはない。これをやっていれば廃業にはつながらないだろう。
最後に万引きの追放について。海外では、入店の際荷物を預かったり、出るときにチェックする店も少なくない。書店は、自衛手段としてロッカーやボックスを備え付け、かばんや袋を持ったお客様にはそこに入れてもらうようにしたらどうか。店内にいる人は全部手ぶらにすれば、事前に防げるのではないだろうか。
最後にまとめを言うと、利益の源泉は心だということだ。これは接客と読み替えてもかまわない。商人の務めとして、一人ひとりのお客様を大事にしていけば、商売に感動があって、お客様にわかっていただけるのではないか。そういうことの積み重ねがどこかで利益につながると思う。

女性役員に聞く/愛知組合理事・片桐栄子氏

女性が男性に本を、男性が女性に花を贈り合うスペイン・カタルーニャ地方の習慣「サン・ジョルディの日」が日本でスタートしたのは1986年。以来、全国でさまざまな催しが行われているが、愛知県書店商業組合は23年間継続して、特別大規模にイベントを展開してきた。今年4月19日、20日の両日に開催された「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2008」も来場者2万人を集めて盛況。読書推進運動の先進組合として全国をリードする存在となっている。その愛知組合でサン・ジョルディ委員長を務めるのが、今回ご登場いただいた片桐栄子理事(名古屋市熱田区・磨里書房)。サン・ジョルディを中心に組合活動、書店業界の現状と展望について語っていただいた。

――サン・ジョルディ(SJ)委員長に就任したのはいつですか。
片桐2003年です。これまで5回、委員長としてSJフェスティバル名古屋に関わりました。
――今年のフェスティバルはいかがでしたか。
片桐晴天に恵まれ、多くの来場者にお越しいただきました。今回はリサイクル本のチャリティ販売、読み聞かせブース、「中学生はこれを読め!」コーナー、「孫の日」コーナーなど恒例行事のほか、名古屋市とのコラボレーションで「なごやっ子読書フェスティバル」を開催するなど、新しい試みにもチャレンジしました。
――リサイクル本のチャリティ販売はSJフェスティバル名古屋の目玉としてすっかり定着しましたね。
片桐お客様が途切れることなく大盛況でした。95年に「阪神・淡路大震災チャリティバザー」を行ったのが始まりで、今回で14回目になります。読者の皆さんから読み終えて不要になった本を寄贈してもらい、定価の1割以上で販売しています。売上金は中日新聞社会事業団を通じて福祉施設などに寄付しています。また、今年は初めての試みとして過疎地への支援を行うことになり、過疎地にある中学校への図書寄贈も併せて行いました。
――リサイクル本の集まりはいかがでしたか。
片桐読者から書店店頭に持ち込まれる本は年々減っています。チャリティで寄贈するよりも、新古書店に持って行って換金するほうがいいのでしょう。出版社から寄贈していただいた本でなんとか前年並みの冊数を維持しているのが現状です。
――今年から過疎地の中学校への図書寄贈を始めたということですが、いきさつを教えてください。
片桐これまで中日新聞社会事業団を通して社会福祉施設などに寄付してきました。でも、私たちが汗水流してチャリティ販売して得た寄付金です。直接届けることで、自分たちのやっていることが社会に役立っているという実感がほしかった。そこで過疎地にある中学校7校を選び、近隣の組合員書店が直接各中学校に寄贈本を届けました。
――片桐さんも届けに行かれたのですか。
片桐南知多町の篠島中学校に行ってきました。篠島は知多半島の先端、師崎港の沖合に浮かぶ島です。校長先生はバレーボールのコーチをしていて、練習の合間にドロドロの格好で出てきてくださった(笑)。生徒も変に毒されていない、いい子ばかりでした。
――篠島に書店はあるのですか。
片桐1店だけ。組合に入っています。夜、お話して、組合に対する意見などを聞きました。島に1軒しか書店がないという環境で、大変なご苦労をされて営業を続けているのです。それでも組合をやめるとも言わず、組合費を払っていただいているんですよ。過疎地や離島の現状は、行って話を聞かなければわからないものです。私の店は都会の駅前にあります。ついつい自分が身を置く環境の視点だけで物事を考えてしまい、組合の会合でも過疎地で営業されている方々のことまで考えて発言することはありませんでした。そうした意味で、今回の過疎地への図書寄贈では貴重な経験をさせていただいたと思っています。過疎地で営業されている書店のために何ができるか、身を引き締めて考えていきたいです。
――今後のサン・ジョルディはどうあるべきだと思いますか。
片桐委員長になって1、2年目は「今までと同じことをやっていていいんだろうか」とあせりながらやっていたのですが、3回目以降は「これだけお客様が来てくださるのだから、まずは続けることに意義がある」と考えるようになりました。そうしたら何か肩の力が抜けて。続けることは大切です。福祉施設に売上金を寄付したり過疎地の学校に図書を寄贈することも有意義ではあります。でも最終的には、もっと書店店頭に何かを還元できるイベントにしたいですね。苦しい中、組合費を払っていただいている過疎地の書店や町の本屋のためにも。
――3年前まで、似合うと思う組み合わせの本と花を選んでその理由を書いてもらう「本と花のベストカップル大賞」を実施していましたね。本と花を贈り合うというSJの趣旨に沿った企画だったと思います。今後こうした企画を行う予定はありますか。
片桐以前、SJフェスティバルの会場で結婚式をしてはどうかという提案がありました。来年あたり是非やってみたいですね。うちの組合関係者にも独身女性がいますから、できれば1回目は組合関係のカップルで(笑)。プロポーズするときにこういう本を贈ったとか、美しいエピソードがあるといいですね。
――組合の仕事をされるようになったのはいつですか。
片桐組合に関わるようになって15年たちました。初めは支部会計で、支部会計をやったら次は支部長だと言われて、理事になったらサン・ジョルディ委員長をやれと言われて。次から次へと「あれやれ、これやれ」という感じで、引き摺り込まれてしまいました。
――理事を引き受けるとき不安は感じましたか。
片桐知っている方が多かったので、不安はありませんでした。私が所属する名南支部はみんな仲が良くて、和気あいあいと楽しくやっているので。
――周りが男ばかりでやりにくいということは。
片桐そもそも女性としての扱いを受けていない(笑)。私も経営者ですから、店でも組合でも家庭の都合を持ち出すことはできません。
――組合活動に女性の声は反映していると思いますか。
片桐女性理事が増えれば組合の雰囲気は変わるかもしれません。出てくる意見も変わるかもしれません。多くの書店が生き残れるかどうかの瀬戸際という厳しい状況に直面している今、女性理事と男性理事が力を合わせてさまざまな問題に取り組むことが大切だと思います。
――中小書店がここまで疲弊した原因は。
片桐外部環境としてはネット書店、コンビニ、携帯電話の影響が大きい。活字離れもあります。
――中小書店が生き残りのためにできることは。
片桐若い人たちは店の雰囲気で買うという部分が大きい。店の雰囲気作りはとても大事です。本をただ並べるだけでなく、雰囲気作りも併せて考えることができたらと思います。フェアをやるとき、夏なら籐のカゴや麦わら帽子を置いてみたり。偉そうなことは言えませんが、町の本屋ほどそういう工夫をしていないように思います。逆に大型書店のほうが店作りの面で工夫しています。ですから、見れば素直にすごいなと思いますし、これは負けるわとも思います。でも、そこであきらめてしまうのではなく、町の本屋も生き残りを賭けてやるしかありません。やれることから始めればいいのです。時間があいているときにラッピング用のリボンを作るとか。お金をかけずにやる方法も工夫すればあると思いますし、お金をかければいいというものでもない。店の特色を出してお客様に買っていただくための努力をしないと、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
――個店の努力が及ばない部分については。
片桐協業化は検討してもいいのではないでしょうか。それは組合であってもいいし、それぞれの人脈を活かしてグループでやってもいい。これだけ状況が厳しくなると、いろいろな垣根を越えて結束せざるを得ません。愛知はいい後継者がたくさん育っているので、今後の動きが楽しみです。
――日書連に望むことはありますか。
片桐小さな書店が1人では解決できない問題に取り組むことが、組合の存在意義だと思います。組合員の声を出版業界のいろいろなところに届けてほしい。
――モットーとしていることは。
片桐仕事も組合活動も楽しくやりたい。SJもお祭り感覚で。工夫と発想次第で何でも楽しくできると思います。
(聞き手=本紙編集部・白石隆史)

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・船村朝代

◇2歳から/『ゆーらりももんちゃん』/とよたかずひこ/童心社840円/2008・4

自立した赤ちゃん、「ももんちゃん」が夜遊びをするが、そこは赤ちゃんのこと。公園でブランコをゆーらりゆーらり。金魚さんにおばけさんまでやって来て、ゆーらりゆーらり。ももんちゃんの楽しげな表情は夜とは思えないほどだ。この絵本は裏表紙の絵がポイント。しっかり見せて。

◇4歳から/『ちょっとだけ』/瀧村有子=作/鈴木永子=絵/福音館書店840円/2007・11

お姉ちゃんになったなっちゃん。ちょっとだけ我慢して、ちょっとだけ頑張って。でもやっぱり、寝る時はママのだっこをおねだり。下の子が生まれてからの上の子の気持ちが、痛いほど伝わってくる。兄弟姉妹は、親からの分け隔てない愛情で育つ。最後のページがそれを物語っている。
◇小学校低学年向き/『おじいちゃんの ごくらくごくらく』/西本鶏介=作/長谷川義史=絵/鈴木出版1155円/2006・2

「ごくらくごくらく」それは、おじいちゃんとぼくの合言葉。「ごくらくはしあわせな気持ちになることだよ」って、おじいちゃんは教えてくれたのに、旅立ってしまう。「ごくらくごくらく」は、ちょっと悲しくなったけど、この合言葉と共に、大好きなおじいちゃんを思い出すだろう。

小学校で『カーくん』教材に/いじめ、自殺防止訴え

9月10日の「世界自殺予防デー」に合わせて、9月10日から16日の1週間は自殺予防週間キャンペーンが各地で展開される。わが国でもこの10年間、自殺者は年に3万人を超え、いじめを苦にして自殺する子どもたちがあとを絶たない。
昨年秋、ワイズアウルから出版された『カーくんと森のなかまたち』は、孤独と劣等感に悩み、生きる力をなくしたホシガラスのカーくんが、森の仲間たちに支えられて元気を取り戻す物語。
同書の著者、画家の夢ら丘実果(むらおか・みか)さんは、自らも友人の自殺や交通事故の後遺症でうつ状態になった経験を持つ。このため、「つらい時や悲しい時はひとりで悩まないで」と、日本いのちの電話連盟斎藤友紀雄常務理事らとともに首都圏の小・中学校を回り、『カーくんと森のなかまたち』を教材に読み聞かせを行っている。
読み聞かせを行った杉並第6小学校では、児童たちが「人の体形とかをからかってはいけないと分かった」「シマフクロウのホー先生のようにやさしく声をかけたい」と感想を寄せた。埼玉県志木市立第2中学校では、「命はかけがえがない。皆さんも周りに元気のない友達がいたら、やさしく声をかけて」と話した夢ら丘さんに、「つらい時は人に頼っていいんだ」「自分もカーくんのような気持ちになる。これからは人に話を聞いてもらう」などの声が上がった。
出版元のワイズアウルには絵本を読んだ子どもたちからの感想が寄せられ、ホームページで紹介されているが、中には大人からの読後感も混じり、幅広い年齢層の読者へと広がりを見せている。
「私も仕事と家庭に行き詰まり死を考えるほどでした。『カーくん』は心癒される絵本です」(60代女性)
「悩める子どもたち、大人にも読んでほしい1冊です。自分の尊さに気づき、強く生きていける世の中であってほしい」(30代、子ども2人の主婦)
㈱ワイズアウル豊島区南池袋2・47・2Ysビル℡&F03(3983)0871 http://www.wise-owl.co.jp Eメールwise-owl@feel.ocn.ne.jp

売上伸び率4・4%の減/13年連続落ち込む/トーハン書店経営の実態

トーハンが発行した平成20年度版『書店経営の実態』によると、調査を行った全国の142企業417店舗の平均売上高伸長率は前年を2・2ポイント下回るマイナス4・4%。13年連続のマイナス成長となった。収益性をあらわす売上高対営業利益率は0・0%、売上高対販売費・管理費率は22・1%、粗利益対経費率は100・0%と昨年と比べ若干改善したが、売上高対人件費率は昨年と同ポイントの10・9%、労働分配率は昨年の51・5%から52・4%にアップ。人件費負担の重さが明らかになった。

〔損益状況〕
『書店経営の実態』では分析の基準として収益性に重点を置き、売上高対経常利益率がプラスの企業を「健全企業」、マイナスの企業を「欠損企業」に分け、比較対照している。
売上高伸長率を見ると、健全企業が前年比2・7ポイント減のマイナス3・8%、欠損企業が1・6ポイント減のマイナス5・8%と、ともにマイナス。総平均では2・2ポイント減のマイナス4・4%となり、13年連続のマイナス成長となった。
企業の営業力の指標といえる売上高対営業利益率は、総平均で0・0%となり、前年を0・3ポイント上回った。健全企業は1・3%で利益を確保したが、欠損企業はマイナス2・7%。
粗利益対経費率は総平均で100・0%となり、9年連続で100%を上回った。健全企業が94・1%であるのに対し、欠損企業は112・5%。粗利益対人件費率(労働分配率)は50%以内が目標とされているが、健全企業が50・7%、欠損企業が56・1%、総平均では前年より0・9ポイント悪化して52・4%となり、人件費負担の重さが数字に表れた。
複合型書店の調査では、書籍・雑誌以外の売上構成比が20%以上の店舗を複合型書店、それ以外を本専業店に分類した。複合型書店の売上高伸長率を品目別にみると、書籍が1・1%、レンタルが1・5%とプラス、雑誌がマイナス3・5%、セルCDがマイナス8・4%、TVゲームがマイナス3・2%、文具がマイナス0・7%で、総平均はマイナス0・2%。本専業店は、書籍がマイナス3・4%、雑誌がマイナス5・9%、複合品目がマイナス4・7%で、総平均はマイナス4・8%だった。
地域別の売上高伸長率をみると、甲信越・北陸が0・5%、近畿が0・1%とプラスで、あとは軒並みマイナス。特に中国・四国がマイナス6・7%、九州・沖縄がマイナス6・6%と大きく落ち込んだ。立地環境別では駅ビル内が0・4%だったほかはすべてマイナスとなり、駅前がマイナス6・8%、商店街がマイナス5・3%と不振だった。売上規模別では2億5000万円~3億円未満店が0・8%と唯一のプラス伸長。5000万円未満店がマイナス10・6%と落ち込みが目立った。売場規模別では301坪以上が1・6%だったほかはすべてマイナス。20坪以下がマイナス6・2%、21~40坪がマイナス6・6%と、小規模店で厳しい状況が続いている。

〔販売効率〕
従事者1人当りの月間売上高は、健全企業が190万6千円、欠損企業が164万2千円で、総平均では182万9千円と前年比9千円減だった。従事者1人当りの月間粗利益高を見る
と、健全企業37万9千円に対し欠損企業35万9千円。総平均では前年比1万3千円減の37万4千円だった。
商品回転率は健全企業4・6回、欠損企業3・8回で、総平均は前年比0・5回減の4・4回。売上高対粗利益率に商品回転率を掛けた商品投下資本粗利益率は、収益性と商品投資効率を総合的に判断する指標。健全企業107・9%、欠損企業96・6%で、総平均では前年より0・9ポイント減少して102・1%となった。

〔財務状況〕
総資本に占める自己資本の割合を示す自己資本比率は、健全企業が0・4ポイント減の19・4%、欠損企業が2・1ポイント増の11・0%。総平均は15・8%で0・1ポイント増加した。
事業に投下された資本総額の回転速度を表す総資本回転率は総平均で前年と同じ2・0回。健全企業で0・1回減って2・1回、欠損企業で0・1回増えて1・8回だった。
流動比率は1年以内に回収される資産である流動資産と、返済義務を負う流動負債のバランスを見ることで短期支払能力を表す指標で、130%以上の確保が望まれる。健全企業は1・4ポイント減の134・9%、欠損企業は0・7ポイント減の126・4%で、総平均では0・6ポイント減の131・3%となった。
固定資産への投資が適正かを判断する尺度となる固定比率は、100%以下が目標。健全企業は31・8ポイント増の198・5%、欠損企業は129・3ポイント増の341・8%と、ともに悪化した。総平均は59・9ポイント増と悪化して241・1%となった。
全店平均の借入金を見ると、短期借入金は20・4%で前年比3・0ポイント増、長期借入金は34・9%で1・7ポイント減少した。

芥川・直木賞贈呈/日本文学振興会

第139回芥川賞に中国人作家、楊逸氏の「時が滲む朝」、直木賞に井上光晴氏の娘、井上荒野さんの「切羽(きりは)へ」が決まり、8月22日午後6時から東京・丸の内の東京會舘ローズルームで贈呈式が行われた。
日本文学振興会上野徹理事長より芥川賞、直木賞の正賞・副賞が贈呈されたあと、選考委員が祝辞。池澤夏樹氏は楊逸氏の『時が滲む朝』について「漢字は中国から来た。二つの国をまたいで作品を書いたのは象徴的。今の日本にない熱気をはらんでいる。芥川にも中国を材料にした作品があり、芥川賞にふさわしい作品」と選評。林真理子氏は『切羽へ』について「性愛描写を抜きにした恋愛小説に嫉妬を覚えた」と述べた。
これに応えて各受賞者は「外国人として日本語で書けるのは幸せ。明日から再び文筆職人に戻る」(揚氏)、「30歳の時に亡くなった父から『もう大丈夫。書いていけるよ』と言われたことを思い出した」(井上氏)とあいさつした。
最後に上野理事長が「揚さんは青龍刀で(日本文学に)入りこんできた。井上さんは極めつけの環境に育ち、熟成期間をおいて花開いた」と論評した。

催し

◇川合玉堂とその門下
講談社野間記念館は2008年秋季展として9月6日から10月26日まで「川合玉堂とその門下」展を開催する。明治6年生まれの玉堂は日本画の技法と伝統を学び、日本の自然美を描いた。日本画壇を代表する巨匠と、玉堂の薫陶を受けた画家たちの作品を展示。同時開催は村上豊『小説現代』の表紙原画展。
入館料は一般5百円、学生3百円、小学生以下無料。休館日は月・火曜。祝休日の場合はその翌日。

人事

◇光文社(8月22日付、◎昇任、○新任)
取締役会長◎並河良
代表取締役社長
◎高橋基陽
専務取締役(雑誌統括、第1・第2編集局担当)
◎牛木正樹
常務取締役(広告局・業務局担当)丹下伸彦
同(書籍統括・文芸局担当)◎八木沢一寿
取締役(第3・第4編集局担当)坂井幸雄
同(総務局、経理局、編集管理局担当)○三橋和夫
同(販売局、宣伝局担当)○武田真士男
同(出版局担当)
○古谷俊勝
監査役小井貞夫
同牛嶋勉
*前田正三、篠原睦子取締役は退任。篠原睦子氏は顧問に就任。

新社長に正能康成氏/売上は2%減262億円/中央社

中央社は8月18日に板橋区の本社で定時株主総会を開き、取締役改選で土屋博功社長が退任。新取締役に執行役員の正能康成、矢下晴樹両氏が就任した。その後の取締役会で代表取締役社長に正能氏を選任した。
平成19年度決算(19年6月~20年5月)で総売上高は262億4094万円、前年比98%。出版物の売上げは220億6418万円で99・8%となった。出版販売の内訳は雑誌145億5178万円(97・5%)、書籍69億5500万円(103・7%)、特品等6億1184万円(117・1%)。雑誌は店頭の不振を反映したが、書籍扱いのコミックが売上げ増に寄与した。返品率は雑誌が前年を0・8ポイント上回る34・0%になったものの、書籍は1・6ポイント減の38・0%、特品等は11・2ポイント減の17・6%で、合計0・2ポイント減の35・0%となった。
販売管理費は梱包資材の値上げがあった反面、大型の取引変更を受けて運賃が3・9ポイント減。販売管理費は1400万円削減した。この大型帳合変更に伴う正味差損は6千万円にのぼり、経常利益は1億3852万円と、前年比76・0%にとどまった。
財務面では長短合わせた有利子負債を1億3570万円圧縮し、25億4800万円と、6年前の38億円から大きく減らしている。
期中の新規店は22店675坪。廃業は58店2665坪。リニューアル8店166坪。期末社員数は120名。来季の売上げ目標は0・7%増の264億円。
正能新社長は記者会見で「土屋前社長の経営を継承し、役職員一丸でお客様本位の施策を進めていく。読書推進などで業界発展にも寄与していきたい」と抱負を述べた。

中央社損益計算書
(百万円単位)
売上高26、240
売上原価23、614
売上総利益2、626
販売費及一般管理費
2、203
営業利益423
受入利息2
雑益214
営業外収益216
支払利息66
売上割引432
雑損2
営業外費用501
経常利益138
特別損失10
税引前当期純利益128

〔新役員〕○新任
代表取締役社長
○正能康成
常務取締役外山義朗
取締役新谷喜代春
同大谷敏夫
同小暮豊博
同○矢下晴樹
監査役剱持明敏
〔退任〕
取締役社長土屋博功
〔依嘱〕
営業本部長兼経営戦略室長
取締役社長正能康成
社長補佐、管理・物流・渉外担当兼総務人事部長
常務取締役外山義朗
営業副本部長兼名阪支社長
取締役新谷喜代春
仕入全般担当・営業副本部長取締役大谷敏夫
営業全般担当・営業副本部長兼コミックメディア部長
取締役小暮豊博
取引担当兼取引部長
取締役矢下晴樹
〔執行役員〕
事務管理部長岡田益男
開発営業部長斎藤進
販売部長佐藤誠三
〔顧問〕
非常勤秋山秀俊
同土屋博功


正能康成氏昭和30年12月24日生れ、52歳。昭和53年拓殖大学政経学部卒、同年トーハン入社。平成9年人事部長、平成11年執行役員、15年取締役CRM営業推進部長、16年図書館営業部長、18年常勤監査役、20年6月常勤監査役退任。8月中央社入社、執行役員、副社長。8月18日代表取締役社長就任。

本屋のうちそと

取次から届いた新刊の箱を開ける。10冊入っているうち新刊は1冊のみ、残りの9冊は既刊本。売れ行き良好書の重版なら嬉しいのだがどうも違う、そんなに売れた覚えの無い本。奥付を見ると直近の重版分では無くてどれも半年以上前の初版本。「売れ残りの送り付けか」すぐに返品に廻す。が、ここで祈る「どうかこの返品が入帳されるまでこの出版社が潰れませんように」。
以前「某出版社が危ない」との情報があり慌てて店の在庫を返品したのだが、取次で入帳されるまでの間にその出版社は倒産してしまい、結局返品した商品は取次から逆送されて来た。
6月4日のNHK「クローズアップ現代」で「ランキング依存が止まらない/出版不況の裏側」という番組をやっていたらしいが、私は店番をしていて見ていないし、そもそも「売上げランキング上位の本しか売れない」などという贅沢な悩みは、その売れ行き良好書が取次から山のように入り、新刊平台に山のように平積み出来て、日々飛ぶように売れる大型書店の話であって、当店のように「売れ行き不良好書」を送り付けられている店には縁の無い話だ。
そんな売れない本屋のお薦め本は『キレない子どもの育て方』(集英社)。これ新書版で出したら売れまっせ。もっとも『キレない大人の育て方』という本を出した方がもっと売れそうだが(私も対取次ですぐキレてます)。しかし人はなぜここまで情報に飼育されたがるのだろう。読書とは本来心の自由さなのに。 (海人)
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