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平成21年11月1日号
共済会の残余財産活用/書店会館評価額、外部に依頼

〔財産運用〕
日書連共済会の残余財産について、藤原副委員長は「9月17日に清算が終わり、財産は日書連に移った。引き続き活用の検討に入った」と報告した。10月21日に開催した委員会では喫緊の課題として①読書週間書店くじで見送られた㈱図書普及の協賛金4337万円の肩代わり、②日書連借入金4千万円の返済にあてることを提案。
9月理事会までに寄せられた各県組合の提案については、「(東京組合の所有する)書店会館購入の提案があったが、築40年でメンテナンスも必要。リニューアルの必要額、テナントを入居させて収益があがるかなど、不動産鑑定士に妥当な金額を算定させ、調査した上で案を提示したい」とまとめた。
この説明に佐藤理事(愛知)は「組合員が減り、収入が減少する中で、安易に土地、建物を買うのはいかがか。来春になると、また春のくじで4千万円出ていく可能性もある。書店くじをやめるのも選択肢ではないか」と述べた。藤原副委員長は「書店会館を買えるのか、買う妥当性があるのかも調査項目の一つ」だとし、委員会の方針を了承した。

同日精算実現まで粘り強く交渉/9月は5営業日前まで入帳

日書連は10月22日午後1時から横浜市西区のグランド・インターコンチネンタルホテルで神奈川組合設営による移動理事会を開催した。送品・返品同日精算問題ではトーハン、日販からの回答が報告され、同日精算の実現まで、なお粘り強く働きかけていく方針を確認した。
〔取引改善〕
日書連は9月16日に日販、17日にトーハンを訪問して「送・返品同日精算」問題の進捗状況を報告するよう求めていたが、9月30日に日販橋専務、10月5日にトーハン谷川取締役が日書連を訪れ、文書回答があったことが報告された。
これによると、日販は①2005年より書店返品入帳を順次繰り下げ、本年9月の締め日は24日(木)着荷分まで入帳処理した、②今後も入帳処理繰り下げをさらに進める検討を継続していく――という回答。
トーハンは①平成19年より一定の返品処理ルールに則って返品業務を行っている書店には入帳締日を期末5営業日前処理分までに変更した、②これ以上の繰り下げは経営にも大きく影響を及ぼすもので、慎重に検討する、③請求締日と返品締日を合わせるには出版社の請求締日も連動させる必要があり、販売会社内だけで対処はむずかしい――と回答した。
この回答に対し、柴崎委員長は「日販は口頭で来年3月までにもう少し改善できる可能性を示している。トーハンは(これ以上の)改善は出版社とも相談してと言っている。大阪屋、栗田は3月31日まで入帳しており、年度末までに1日でも短くできるよう詰めていきたい」と述べた。
面屋副会長からは大阪理事会で出た意見として、事態打開のため、公取委に相談するべきだという発言があったことが紹介された。
今年2月、トーハンから栗田に帳合を変更した梅木常任委員からは7―9月の栗田の返品入帳額と、トーハンの返品入帳額を想定した対比が発表された。7月16日から31日の半期請求で栗田の返品入帳額は163万7千円。これをトーハンにあてはめると、トーハンは24日までしか返品入帳しないため25日から31日までの未入帳額は94万3千円となる。8月はこの差額が69万1千円、9月は217万円という計算結果が示された。
今後の運動の進め方について、大橋会長は「取次が出版社の協力がなければできないというのは筋違いだが、裁判に訴えろでは解決しないのではないか。開きは5日で、毎年少しずつ短くするしかない」と述べ、柴崎委員長も「取次もノーとは言っていない。一気にやるのではなく、時間をかけて取り組みたい」と方針を述べた。
〔情報化推進〕
コミックスの店頭立ち読みサイト「ためほんくん」は福島・高島書房、東京・ブックスページワン、同・大盛堂、大阪・ブックス深田、広島・廣文館、今井書店グループの11店に端末を置き、11月3日から小学館、集英社、講談社、白泉社、秋田書店のコミック150点を紹介していくことになった。
画面の表紙に触れると第1巻1話分(26~30頁)が読めるほか、書店人のおすすめ本、出版社の宣伝も流れる。井門委員長は「5社以外の出版社も関心を寄せている。店頭での販売効果を確認していきたい」と意欲を示した。
雑誌ネット配信、書籍デジタル化などの最近の動きについて、井門委員長は「グーグルが世界中の書籍をアーカイブ化しようと、アメリカの図書館の蔵書をすべてスキャンしてデータ化した。アメリカ国内と公立図書館では無料で読める。日本では流対協が拒否したが、大勢は静観する流れ。一方、国立国会図書館長尾館長は国立国会図書館のデータをデジタル化する意向だ。デジタル化で著作権者の権利保護の問題もあるし、コンテンツと書店店頭をどう結び付けるかが課題になる」と指摘。さらに「ある論文だけ欲しいというコンテンツのバラ売りはブックオンデマンドを利用して可能になるのでは」という見通しを述べた。

大阪の書店が上位独占/雑誌定期獲得キャンペーン/10月理事会

〔増売〕
夏の雑誌愛読月間に行われた「定期購読キャンペーン」は、参加店が5066店で昨年を1割程度下回ったものの、予約獲得は前年を3割上回る2万4314件となり、初めて2万件を突破したことが舩坂委員長から報告された。
10年目を記念した定期獲得コンクールでは、1位10万円、2位8万円、3位6万円など上位70店に賞金を進呈するが、①福島書店、②カペラ書店、③まや書店、④隆祥館書店、⑤岩永書店(広島)と上位4店はいずれも大阪の書店が独占。トップは福島書店の539件だった。
東京組合梅木常任委員は59件獲得で47位だったが「老人ホームの受付の女性に働きかけ、『オール読物』の定期を獲得した。お年寄りには重たい本を買いに行かずにすんで助かったと感謝の声が寄せられている」と、取組みの実例が報告された。
読書週間書店くじの申し込みは10月22日現在、283万枚となった。抽選会は11月18日午後5時から出版クラブ会館で。
〔読書推進〕
来年の「国民読書年」に向けて、出版文化産業振興財団(JPIC)を中心に①ブックリボン、②20歳の20冊の2つの事業が進められていることを西村委員長が報告した。
「20歳の20冊」は成人式を迎えた新成人に図書を送る運動で、既に茨城県大子町、千葉県袖ケ浦市で実施が決まっている。大子町の場合、書店がないため町側の要望で教科書扱店経由で本が納入されることに。このため「組合経由で取り組みたい」「継続する事業なら組合加入を求めるべき」「JPICから全国の自治体に働きかけているのか」などの声があがり、日書連も協力する方向で取り組むことを了承した。
〔指導教育〕
万引き防止対策として、万引き犯に商品代金のほか、事件処理のための従業員の人件費も含めて損害賠償を請求し、被害が減少する効果があがっている三洋堂書店の実例を鶴谷副委員長が報告。万引き防止機器としてのICタグの現状と効果について、12月理事会で井門情報化委員長から話を聞きたいとした。
大橋会長からは万引防止機構の会合に出席したこと、米村警視総監が万引き問題に強い関心を示し、警視庁では万引き届け出の事務を簡素化して小売店の負担を軽減する動きがあることなどを紹介した。
一方、日書連、リサイクルブックストア、古書組合の連名で万引き防止ステッカー作製の計画が進んでいることも報告された。
〔流通改善〕
出版社に直接、雑誌の定期購読を申し込むと、書店経由の定期購読にはない付録などの特典がつくのではないかとして、この夏、各県組合に調査をお願いしたが、藤原委員長は「重複する雑誌もあり、各誌別に調査結果を整理して雑誌協会に提案していきたい」と説明した。
〔物流研究〕
戸和委員長から10月21日にトーハン、日販とそれぞれ行った懇談の内容について報告があった。
取次特急便は通常より高い85掛になっているが、80掛にならないかというのがテーマ。引き続き11月にも話し合いを行うが、戸和委員長は具体的な進展がなければ出版社からの直も含めて検討したいと、今後の取り組みを述べた。
〔組織強化〕
10月1日現在、各都道府県組合の加入・脱退状況は4月からの累計で加入19店、脱退175店となり、4月1日対比で156店少ない5346店になったことが報告された。
〔再販研究〕
岡嶋委員長は9月理事会の方針を受けて、9月18日に大橋会長、柴崎副会長らとともに書協に小峰理事長を訪ね、「再販契約の意義再確認のお願い」を手渡してきたと報告した。
また、三越池袋店の撤退後、10月末出店するLAVIヤマダの書籍売場(250坪)で、買い物に対し3%のポイントを付けるほか、開店セールで5%のポイントをつけるようだと報告があった。
〔出版販売年末懇親会〕
昨年に続いて実施する第2回出版販売年末懇親会は12月16日午後6時から帝国ホテルで開催する。会費は1名1万8千円。
〔共同購買〕
日書連の特製ハンディ手帳『ポケッター2010年版』は9万部製作したが、残部が8500部あり、FAXで各県組合に売り伸ばしをお願いすると中山委員長が説明した。
〔消費税〕
民主党政権は今後4年間は消費税率をあげないことを明言している。面屋委員長は研究活動を引き続き行っていくと当面の取り組みを述べた。
〔広報〕
10月14日に開かれた全国広報委員会議の模様を面屋委員長が報告した。全国書店新聞の役割として、面屋委員長は「日書連、各県組合の動きを伝えるとともに、書店からの声を吸い上げ、活動に反映していく双方向が必要。議論しながら組合を活性化していきたい」と述べた。
また、書店新聞コラムの内容について大型店からクレームが入ったことについて議論したとして「機関紙として組織と組合員に損害を与える記事は書かない」と広報委員会の考え方を説明した。

ポケッター残部僅少

薄型でハンディサイズが好評な日書連のオリジナル手帳『ポケッター2010年版』は、9万部製作しましたが、店名なし分のみ、若干の部数が残っております。締切日を過ぎておりますので、直接、日書連「ポケッター係」までご注文ください。店名なし1セット(100部)8150円です。
日書連共同購買委員会

3カ月連続で93%台/雑誌20カ月ぶりにプラス/日販調べ

日販経営相談センター調べの9月期書店分類別売上調査がまとまった。平均では前年同月比93・5%で、7月93・6%、8月93・3%と3カ月連続で6%台のマイナス。
9月は土日を含め5日間の大型連休、シルバーウイークがあったが、この間の売上前年比は95・1%で店頭売り上げは、はかばかしくなかった。
ジャンル別では雑誌が102・8%で昨年2月以来20カ月ぶりのプラスになった。週刊文春は19・4%、週刊朝日17・2%、週刊新潮7・2%、文藝春秋18・9%と冊数比でプラスになった。
雑誌以外では、コミック91・1%、文庫87・4%、新書86・7%、児童書89・3%、文芸書82・6%と主要ジャンルが軒並み落ち込んだ。
客単価は1165・0円で前年同月比99・8%とほぼ横ばい。1点当たり単価は101%だったが、1人あたり買上げ冊数が99・4%と下回ったため。

子どもの読書活動推進で報告/熊本理事会

熊本県書店商業組合(長﨑晴作理事長)は10月17日に熊本市金龍堂まるぶん店会議室にて今期第2回目の理事会を開催した。
理事会は長﨑理事長の冒頭あいさつの後、議題に入った。議題内容は次の通り。
①図書館プランナー進捗状況について――この事業は子どもの読書環境をさらに充実するため、熊本県教育委員会が熊本県書店商業組合への業務委託により、図書館づくりプランナーを県内各小・中学校へ派遣し、子どもたちに親しまれる図書館(室)づくりを目指した提案を行う事業。今年8月から取り掛かったこの事業に、早速県下24校から申込みがあるなどの報告があった。
②11月16日から30日まで大津町で開催される子どもの本フェスタについても内容確認等が行われた。
③第3号となる「本はよかバイ」が予定通り12月に発行される等報告があった。(宮崎容一広報委員)

国民読書年へ事業展開/言語力の向上目指す/文字・活字文化推進機構とJPIC

文字・活字文化推進機構と出版文化産業振興財団(JPIC)は10月19日、千代田区の日本新聞協会で、2010年の国民読書年に向けた事業展開について記者会見を行い、ロゴマーク(写真上)や、国民の言語力向上を目指す事業計画を発表した。
文字・活字文化推進機構は、国民の言語力向上に資する事業を展開し、来年秋に「言葉の輝く国へ―国民読書年大祭典」(仮称)を政官民の協力で国民的行事として取り組む方針で、事業として①子どもの言語力育成、②社会人の言語力育成、③議員連盟との連携――を実施していく。また、キャッチコピー「じゃあ、読もう」を合言葉に、生活習慣としての読書活動を呼びかける。
この中で、子どもの言語力育成については、①子どもの言語力向上ワークショップ②言語力向上に関する有識者会議(仮称)の設置③新聞活用教育(NIE)の全国展開――を実施。社会人の言語力育成については、①読書・新聞閲読啓発フォーラム②コミュニケーション力の向上作戦③読書バリアフリー法の制定④図書館サミット――を展開していくとした。
JPICは、国民読書年を契機として、従来の幼児・児童対象の活動に加え、若年層(中高生・大学生・20歳代)に焦点を当てた活動に取り組み、以下の事業を実施する。①若年層にアピールするキャラクター「ヨミネエ」(写真下)を設定。②成人式に自治体から新成人に本を贈る「20歳の20冊」。③「大学読書人大賞」など、周囲の人と読書を共有することでさらなる読書活動の深化と拡大を図る「読書の共有化」事業。④家庭に眠っている図書を提供してもらい、更正施設や児童福祉施設等に寄贈する「ブックリボン」運動。⑤ポスターによる読者参加型PR活動の展開

県立図書館への納入が順調に推移/大分総会

大分県書店商業組合(大隈劭理事長)は9月28日正午から大分図書会議室で第25期通常総会を開催。委任状を含め組合員39名が出席した。
総会では後藤副理事長の進行により、大隈理事長を議長に選出して事業報告、収支決算報告、第26期予算案などを審議し、原案通り承認した。
役員改選では理事長に大隈劭氏(おおくま書店)、副理事長に後藤知己氏(晃星堂書店)、樋口文雄氏(ブックスプラザひぐち)、福田健太郎氏(福田書店)、常務理事に金光直明氏(金光書店)、二階堂進氏(文彰堂)、二階堂衞司氏(二階堂書店)、斉藤勝義氏(さいとう)ほか理事7名を継続選出した。
大隈理事長は「本年度は県立図書館の入札による図書納入、装備および入力の受注が2年目に入り、順調に推移している。今後は、改良効率化をはかり、次回の落札に向け対応していきたい。また国の補助金を受け、県組合のホームページをリニューアルした。販売促進につなげたい」と語った。
(金光直光広報委員)

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザー・井上佐和子

◇2歳から/『とうふさんがね…』/とよたかずひこ=作・絵/童心社893円/2009・9

とうふのおっちゃんが走ります。小さいとうふもどんどんついてきて、まな板のある場所に着きました。
おっちゃんがネギを切ると小さいとうふたちはネギを頭に乗せたり、うでにかけたり、おみそ汁の中へ。おっちゃんは大きくて入れません。とうふをきっと、大好きになる絵本です。

◇4歳から/『ホットケーキできあがり!』/エリック・カール=作/アーサー・ビナード=訳/偕成社1470円/2009・9

「でっかいホットケーキがたべたいなぁ」男の子がお母さんに言うとカマを渡され、ムギをたくさんかってくるように言われました。ホットケーキって何からできてるの?どうやって作るの?そんな疑問を、ムギをかる所からホットケーキができるまで、わかりやすく楽しく描いています。

◇小学校低学年向き/『としょかんライオン』/ミシェル・ヌードセン=作/ケビン・ホークス=絵/福本友美子=訳/岩崎書店1680円/2007・4

ライオンが図書館に?図書館員のマクビーさんは、
慌ててメリーウェザー館長の所へ。図書館の決まりを守っているので問題ないと許可しますが、ある日それをやぶってしまい、ライオンは図書館から出ていきますが、その理由がわかって…。ルールとマナーの違いがわかる心温る絵本です。

新理事長に井上喜之氏を選出/兵庫総代会

兵庫県書店商業組合は10月20日午後2時から神戸神仙閣会議室で第21回通常総代会を開催、総代43名(委任状含む)が出席した。
大杉誠三副理事長(大杉広文堂)が「県組合は財政面でも苦しいが、組合員の期待に応えられるよう役員一同が結束して頑張っていきたい」と力強く開会宣言。森井宏和副理事長(森井書房)の司会で進行し、三上一充理事長(三上尚文堂)はあいさつで「兵庫県組合は、組合員数の減数により来年度からは総代会ではなく総会となる」「3期6年務めた理事長職を辞するに当たり、皆様のこれまでのご協力に感謝申し上げる」「兵庫がこれ以上沈下しないためにも若い人に入っていただき、新しい組合体制にチェンジすることで、全国に轟く組合となるよう頑張ってほしい」と述べた。
続いて、安井克典相談役(安井書店)を議長に選任した議案審議では、平成20年度事業報告、決算報告及び、平成21年度事業計画案、予算案など原案通り可決承認した。今年は役員改選の年となっており、各支部から選任された理事が承認された後に一端休会となり、各支部長の互選により新理事長に井上喜之氏(井上書林)が選ばれた。
井上新理事長は就任あいさつで改めて会社と自身の紹介をすると共に「返品運賃の減額など組合に加入しているメリットを考えていきたい」と述べ、最後に全員で平成21年度定時総代会スローガンを読み上げて閉会した。
(中島良太広報委員)

稚内東小学校など4校へ朝読大賞/「本の学校」生涯読書会に文字・活字文化推進賞

読書推進と文字・活字文化振興に貢献し、業績をあげた学校、地方自治体、団体、個人を顕彰する、高橋松之助記念・第3回「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」(社団法人全国出版協会主催)の表彰式が10月28日午前11時から東京・大手町のクラブ関東で開かれた。
贈呈式は、朝の読書推進運動協議会・加藤真由美事務局長の司会で進行、全国出版協会・田中健五会長のあいさつに続き、選考顧問の植田康夫氏が選考経過を報告。朝の読書大賞は選考顧問の井出孫六氏から、文字・活字文化推進大賞は全国出版協会・肥田美代子顧問から受賞者に賞状と副賞が贈られた。
衆議院議員で子どもの未来を考える議員連盟会長の河村建夫氏の祝辞に続き、各受賞者があいさつ。朝の読書大賞を受賞した北海道・稚内市立稚内東小学校の加藤良平校長は「日本最北端にある稚内市にとって全国的表彰は数年に一度あるかないかの出来事。市民の間でも大ニュースになっている。本校では10年にわたって読書の時間に取り組んでいる。10年前に児童の心を耕し、学ぶ力の基礎を養う時間として導入した結果、読書を楽しみとし、生活の中に読書を取り入れる子供も増えてきた。4年前、読書活動を広めようと、市街地にある5つの大きな小学校に図書館協力員が配置された。小学生の読書に対する関心も高まり、図書室の利用も増えた。4年間で児童1人当たりの貸し出し冊数は倍以上に伸びた。今回の受賞に対して、子供たちの読書活動を全面的に応援してくれている市長はじめ市教委や地域の方々からもお祝の言葉が寄せられている。受賞をただ喜ぶだけではなく、今後の読書活動のバネにして、子供たちの心を耕していきたい」と喜びを語った。
また、文字・活字文化推進大賞を受賞した「本の学校」生涯読書をすすめる会の足立茂美代表は「鳥取県西部地区にたくさんある読み聞かせグループが一堂に会してネットワークを作っていこうということになったのが、当会の始まり。当初から「本の学校」にはいろいろご助力いただいており、活動拠点として本の学校を活用している。この10年間をふりかえると、本の学校事務局はいろいろな面で私たちの活動を支えてくれた。毎月例会を開き、各グループが集まって最新情報を交換したり、お薦め本を紹介し合ったり、専門的なことを話し合うミニ勉強会を行うなどしている。本の学校の支えがあったからこそ、寄り合い所帯の会でありながらなんとかやってこれた。居心地がよくなかなか自立できないが、立派な本の学校の立派な宿り木として、これからもしっかりと読書推進活動のネットワーク作りに取り組んでいきたい」と述べた。

〔朝の読書大賞〕
▽稚内市立稚内東小学校(北海道稚内市)
▽千葉市立緑町中学校(千葉県千葉市)
▽岐阜県立恵那農業高等学校(岐阜県恵那市)
▽山陽女子中学校・高等学校(岡山県岡山市)
〔文字・活字文化推進大賞〕
▽「本の学校」生涯読書をすすめる会(鳥取県米子市)

【受賞理由】
▽稚内市立稚内東小学校(北海道稚内市)
同校は17学級、児童数477人の稚内市内における大規模校。平成18年から司書教諭に加え学校図書館協力員の配置による図書館の活性化を図り、市立図書館との緊密な連携、ボランティアによる読み聞かせなど、活発な読書活動を展開していることが評価された。
朝の読書は平成11年に開始。平成18年には専任の学校図書館協力員1名を配置し、読書相談や読み聞かせを頻繁に行ったことにより、児童の読書意欲が向上し、来館児童数、貸出冊数の大幅増という結果につながっている。さらに、保護者や地域ボランティアによる読み聞かせなどの協力、読み聞かせ用の大型絵本の貸与や司書による配架指導など市立図書館との連携も活発な読書活動の要因となっている。
平成20年度からは、毎週月曜日を「リサイクルマンデー」とし、家庭の空き缶を持ち寄り、売却益を学校図書館の蔵書購入に充てる活動を実施。環境教育としても保護者から高い評価と積極的な協力を得ている。
▽千葉市立緑町中学校(千葉県千葉市)
同校は、現在の「朝の読書」運動が本格化する以前の昭和57年より、生徒指導の一環として20分間の朝の一斉読書を開始した。そのいち早い取り組みと、現在までのたゆまぬ読書活動が評価された。
朝の読書は当初は生徒指導の一環として、第1校時から授業に集中させたいという考えから第1学年のみで開始、1年を経て全校に拡大。生徒に読書習慣を定着させ現在に至っている。
平成20年度からは学校図書館指導員が週4日勤務し(千葉市の一斉事業)、各学級を巡回して創意工夫を凝らした読み聞かせやブックトークを行う「ブックナビ」活動を展開。昨年度の月平均読書冊数は14・2冊(千葉市平均8・3冊、全国平均3・9冊)に高まり、国語の読解力や表現力も国・県のレベルを上回るものとなっているという。
また、調べ学習に対するレファレンス等で各教科の授業と図書館との連携を図るなど、学校における図書館の役割を充実させ、教育的効果を実現している。
▽岐阜県立恵那農業高等学校(岐阜県恵那市)
同校は平成17年に朝の読書を開始。全教職員、生徒が毎日読書活動を行い、専門高校における朝の読書の実践成功例となった活動が評価された。
同校の図書館は、県下の公立高校では最も狭く、蔵書も最も少ないという状況であったが、朝の読書の開始に合わせて図書館前の階段スペースに書棚を設置して「朝読文庫」として供用した。また学級文庫も設置し、本へのアクセスの利便性向上を図った結果、図書館を利用する生徒が増え、年間の図書貸出冊数は活動開始前の平成16年度2254冊から、20年度には6881冊と3倍近い伸びを示している。
また、授業での資料読みがスムーズに行えるようになった、遅刻者が2年間で34%減少した、ショートホームルームでは私語がなくなり落ち着いて人の話を聞くようになったなど、教育全般に成果が出ている。
▽山陽女子中学校・高等学校(岡山県岡山市)
創立123年の伝統校。蔵書6万5000冊の図書館を備え、中学校と高校が一体となって「朝の読書」運動を行い、私立学校における読書活動の好例として評価された。
同校の「朝の読書」は平成9年、提唱者の林公氏を招いて教職員研究会を開いて学習、翌10年より中学校・高校とも全校一斉に開始した。平成12年には「朝の読書」最初の実践者である大塚笑子氏の講演会を開いて教職員への意識向上に努めるなど、全校一丸となって取り組んでいることから、他校からの見学も多い。
毎年秋の読書週間には、朝の読書1行詩コンクールやイラストコンクールを実施し、その入賞作品を載せた「日めくりカレンダー」を作成している。また、年度末に生徒の「朝の読書」体験の感想を寄せた「朝の読書感想文集」を発行するなど、朝の読書の成果を形に残す活動にも積極的に取り組んでいる。
▽「本の学校」生涯読書をすすめる会(鳥取県米子市)
同会は、鳥取県西部圏域の読書支援活動をしている団体や個人が集まり、「胎児から老後まで、本との出会いによる豊かな暮らし」をテーマに、読書の楽しさを伝えるネットワークとして平成10年に発足。以来、県内における読書推進に数々の成果を挙げたことが評価された。
同会は、毎月1回の例会で情報交換と勉強会、年数回の講演会等の開催、会報の発行等の活発な情報発信を続けている。
平成12年の「子ども読書年」には、全国に先駆けてブックスタートの講演会を開き、鳥取県内全域にブックスタート事業が広がる契機を作った。また最近では、家読(うちどく)や読書による町づくりをしていこうとする自治体の取り組みに着目し、首長を招いて「講演と座談の夕べ」を開催。絵本作家による講演、ワークショップ、子どもの本の展示会などが催される「絵本ワールド」の県内開催の運営協力など、その活動は多方面に渡っている。

日本唯一の農業書専門書店/ビジネス街・大手町から農家に発信/大手町・農業書センター

東京・大手町は日本有数のビジネス街だが、近年、都市再開発により町の様相は一変しようとしている。JAビル内で15年前から営業を続ける日本唯一の農業書専門書店「農業書センター」もこの4月に旧店舗から300メートルほどのところに移転したばかり。農業書の販売を通じて農家を元気にしたいという川村裕哉店長に、専門書店として独自の存在感を示す同店のコンセプトを聞いた。

〔「農」を核に地域の活性化支援〕
東京駅の西側に位置する大手町。日本経済の中心地として政府系金融機関、大手銀行、商社、新聞社の本社などが集まる。近年は建物の老朽化が進み、再開発が盛んになっている。この地域は皇居前ということもあり、建築基準によって建造物の階数に厳しい制限が設けられていた。しかし、現在は緩和され、東京サンケイビルをはじめとした超高層ビルが建つようになり、隣接する丸の内とともに日本屈指のビジネス街を形成している。
農文協・農業書センターが入るJAビルも大手町再開発の一環として今春、大手町1丁目8番地から旧大手町合同庁舎1、2号館跡地の同3番地へと移転。地上37階・地下3階の超高層ビルに生まれ変わった。31階建ての日本経済新聞社東京本社ビル、23階建ての経団連会館が隣接し、オフィス、国際カンファレンスセンター、店舗などの複合施設を形成している。農業書センターもJAビルとともに移転し、新ビルの地下1階に入居。今年4月13日にリニューアル・オープンした。
農業書センターの創業は1994年。出版社の農文協が農業書を展示販売するために始めた。農文協の読者は主に農家の方々。農文協の営業は農家を回る。「田舎には本屋がない」「農業書をまとめて取り扱っている書店がない」という声をたくさん聞かされた。こうした声を受けて「日本唯一の農業書専門書店」というコンセプトが生まれた。
当初は農文協を含む農業書協会会員11社の出版物のみの取り扱いだったが、「入手しづらいものも」という農家からの要望を受けて自費出版、地方出版、都道府県刊行物へと取り扱いを広げていった。もちろん講談社、小学館など大手出版社の農業書も揃える。
初代店長は斎藤進さん。「農家からの要望はとにかくすべて叶える」が口癖だった。斎藤さんの後を受けて、昨年7月に2代目店長に就任した川村さんも「お客様の声にきちんと耳を傾け続けてきた結果、自然と取り扱い点数が増えていった」と語る。
川村店長は1946年生まれの62歳。岩手県北上市の農家に生まれた。今もお兄さんが農業を続けている。高校まで北上で過ごし、信州大学人文哲学科に入学。大学を卒業後、農文協に就職。「家の仕事はよく手伝っていた。農家の役に立ちたいと思っていた」という。農文協入社後は営業一筋。農村を歩き雑誌「現代農業」の普及などにつとめた。
全国7支部のうち5支部と東京本社に勤務したあと、61歳で農業書センターに異動。東京本社勤務時代に書店への営業を3年間やった経験から、出版社営業マンから書店店長への転身にもそれほど戸惑いはなかった。
店長になってから1年も経たないうちに、新しい店舗へ移転。店のコンセプトは旧店舗時代から基本的に変わらないという。「地域の活性化と農業の発展に資する品揃えをすることが第一。これが創業時から脈々と流れる農業書センターの精神」。

〔高まる農・食・環境への関心〕
約43坪の売場には農業技術、農業経済、家庭園芸、農業一般、地域開発、環境問題、食生活食文化、加工栄養から食農教育など農業、農村とその周辺の関連書3万冊がすっきりと陳列されている。「農」で埋め尽くされた書棚は圧巻だ。分野別では農業8割、食1割、環境1割。一般書はまったく置いていない。
そんな専門店ならではの売場の中で目立っていたのは、「地域を元気にする農産物直売所フェア」。農産物直売所とはその直売所が立地する周辺の農家が運営して、地元の農産物を販売する施設。生産者と消費者が情報交換する拠点ともなっており、その地域ならではの商品開発に結びつくこともある。近年、地域活性化に役立つとして注目されている。
書棚5段を使ったこのコーナーは、農産物直売所に関する書籍64点が並ぶ。農業書センターはテーマを絞ったフェアを1カ月ごとに展開している。これまで「蜜蜂フェア」などを展開してきたが、今回の直売所フェアの反応が最も良いという。
来店する客は地方の農業関係者が最も多い。JAビルには全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会、農林中央金庫が入っており、全国から関係者が毎日のように訪れる。東京駅からも至近で、上京してきた地方の人たちが訪れやすい立地と言える。
地方の客は年に2、3回しか来店できないため、1回当たりの滞在時間は2、3時間に及び、3万円から5万円分の書籍を買っていく。実際、取材中も雑誌「現代農業」のバックナンバー5冊をまとめ買いしている客がいた。客単価は非常に高く4千円ぐらいとのこと。また、隣接する日本経済新聞社、経団連の社員・職員も来店し、主に食糧問題の本を買っていく。女性客は米粉を使ったパンやお菓子作りの本を買っていく。
近年の農業、食糧、環境問題への関心の高まりとともに、農業書センターの客層も広がりを見せ始めている。一般ビジネス誌などが農業を特集するようになり、大手町のビジネスマンがふらりと来店して購入するのだ。ニッポンの食と農業を特集した「週刊東洋経済」10月17日号は100部売れた。1年前の農業特集号もトータルで270部販売した。新規就農に関する書籍の出版も盛んだ。こちらは30代の脱サラ組、60歳前後の団塊世代がターゲットである。
農業技術通信社が昨年創刊した季刊誌「アグリズム」の売れ行きも好調。同誌は新規就農者向けのライト感覚の雑誌。最新号では、ライブドア元CEO堀江貴文氏のインタヴューや、派手なメークに奇抜なファッションのギャルによる農業体験記など、ユニークな記事が満載だ。また、元ギャル社長の藤田志穂さんが今度は「ノギャル(農をするギャル)プロジェクト」を立ち上げ農業に挑戦、中公新書から『ギャル農業』という本まで出した。こちらも一般読者によく売れており、30部追加注文を出したという。
ここ1年で最も売れた書籍は『奇跡のリンゴ』(幻冬舎)。主人公の農家・木村秋則さんが無農薬・無肥料のリンゴを作ることに成功するノンフィクションである。テレビで取り上げられた効果は大きく、ナチュラル志向の一般読者に受けて、昨年8月発売以来200部販売した。
「かっこ悪い、泥臭いと思われてきた農業がかっこいいものになって、関心を持つ人が増えてきた。当店の客層の中心は50代男性だが、最近ちょっと変わってきたなという感触はある。若い女性のお客様も増えている」
全国の顧客が商品を購入しやすいようにと、店頭とともに、インターネット書店「田舎の本屋さん」にも力を入れている。通販の注文はウェブ、電話、ファックスで受ける。トーハン帳合だが、地方出版、自費出版、都道府県刊行物の取り扱いが多いため、仕入先は200カ所を超える。「そのあたりが専門書店の大変なところ」という。
では、専門書店をやっていてうれしいことは。
「初めてのお客様の中には農文協の本しか置いていないと思っている方もいらっしゃるから、様々な農業書が揃っていることに驚く。『目当ての本が見つかった』と言っていただくのがいちばんうれしい」
そんな川村店長が大切にしているのは、農家を良くすること、地域を良くすること、そのために役立つ本を早く届けること。
「人間は今まであまりにも自然を破壊してきた。農業は環境を守ることができるということに気づいていただきたい。お客様の声を第一に、農業と食と環境の専門店として可能性を追求するのが農業書センターの役割だと思っている」
(本紙・白石隆史)
新風会東京総会特別講演/第1部基調報告「新世紀メディア論」/㈱インフォバーンCEO・小林弘人氏

インターネットの急速な普及により、書籍のデジタル化、雑誌コンテンツのネット配信などの動きが目立っている。メディア産業にとって、これからはどのようなビジネスモデルが考えられ、今後、書店にはどう影響してくるのか。10月6日の新風会東京総会で㈱インフォバーンCEO、小林弘人氏の特別講演と、文化通信社星野渉編集長によるインタビューを聞いた。京都の同朋舎出版で編集をしていて、94年に月刊誌『ワイヤード』日本語版を創刊した。アメリカで研究機関や政府しか使っていなかったインターネットが初めて商業接続され、それがどう社会に影響を及ぼすかレポートした初めての雑誌だ。同朋舎出版が解散した98年に今の㈱インフォバーンを立ち上げ、『月刊サイゾー』を創刊した。現在は㈱サイゾーに事業譲渡して、紙の出版は一切やっていない。創業時からずっとウェブ上のメディア、真鍋かをりさんのプロデュースとか、ブログを本にした「ココログ」は日本で初めてのブログの出版。2005年にギズモード・ジャパンというメディアを立ち上げ、月間1400万ページ・ビューある。
2006年には、出版社がこれからどうITに取り組み、新しいビジネスモデルを作るか研究する出版バリュー・マネジメント研究会も作った。最近、バジリコから『新世紀メディア論』を出版した。インターネット上に多い無料サービスは、どうやってお金を生み出すのか、その戦略について書かれた『フリー(無料)』の解説と監修をやり、11月にNHK出版から出る。
出版社はウェブ上のメディアについて、IT企業が作っているとか、プロじゃないよという考えをお持ちだが、ユーザーにとっては関係のない話。豆腐屋だろうが雑誌社だろうが、個人・企業の別など、ウェブの地平線上に出てしまうと、それが通販をやっていようが、本を売っていようが差別化ポイントは情報でしかない。情報商材を仕入れ、情報で差別化していく活動になる。しかも更新頻度を高めていかないとお客さんは来ない。質の高い、低いはあっても、これからはメディア化してしまう時代なので、本のタイトルに『誰でもメディア時代』と名付けた。
プロの編集者は、ウェブメディアをやっているIT野郎と一緒にするなという気持ちがある。しかし、残念ながらヤフーやグーグルの検索エンジンはプロ、アマチュアを全然差別しない。差別化するのは情報だけ。コンテンツを売ってそこからお金を得ている、広告モデルで食べている、あそこはマンゴー農家だからメディアでないとかはビジネスモデルの差であって、あまり関係ない。既存メディアの過ちは、ビジネスモデルによって競合者を区分してしまうことだ。出版社もウェブ上に出ていった時、コンテンツを有料で販売したり、広告を取るだけでないビジネスモデルの方法があるにもかかわらず、自分たちのビジネスモデルから抜け出ていない。
注目資源、英語でアテンション・エコノミーというが、全部メディア化した時には一番目立つものが勝ちだ。どうやってユーザーの目に触れるか。貨幣資本主義でなく、注目資本主義。注目を独り占めできるかを競い合う時代になっている。
今までは大資本、大組織によるマスメディアがあった。現在は私の会社も含めて小資本、あるいは個人メディア、中間のミドルメディア、ハブメディアなどがインターネット上にたくさん出てきた。
いろんなブログ、ミクシー、SNSと、誰でもメディアを持っている。検索エンジンはそこが大資本だろうが、個人だろうが過去の名声があろうが差別しない。美容について語っているブログがあれば、それを横串にさせば全部つながる。1個1個では弱い声かもしれないが束になってかかると、検索エンジンに拾われて強い声になっていく。検索エンジンはすべて均等に集約する。
今、新しい取次兼書店兼中吊り広告は、グーグルかヤフーだと思って構わない。でも、みんなテレビを見ている。まだまだテレビはいけると言う人がいる。テレビは遠洋で大量に魚を取るメディアだ。遠洋に出るには大量のガソリンもいる。ところが、その魚は自分で検索する。うろ覚えの商品名やサービス名、テレビ・ドラマの主役の名前で検索をかけ、何がひっかかってくるかというと、たどりつくのはテレビでもないし、企業サイトでもない。紙媒体にも直接いかない。ブログばかり出てきて、腹だたしいこともある。肝心の情報にたどりつけず、ミドルメディアや個人ブログにたどりつく方が多い。
図版1はギズモード・ジャパンというブログ上のメディアだ。月間1400万ページ・ビュー、150万ユニーク・ユーザーが見ている。そこから商品や気になったことにリンクを張っているので、そこから商品を検索した場合は、すごい数になる。認知の流れは、今までは全部マスコミだったが、今ではウェブ上に移行しつつある。マスで発信された情報もミドルメディアが拾って、これを掲載することですぐグーグルやヤフーにひっかかってくる。それを見て、またユーザーが自分でブログに書く。一方的な読者はもういない。全員が発信者であり、受信者である時代になっている。
そんな時代に重要なのは関連性だ。一つのことを検索していって、その1ワードにどのような関連するトピックがあるか。リンクを張ってあげる。それから絞り込む。テーマはばらばらで、ぼんやりした総合情報誌的なものより、ネットではすごくニッチ、徹底的に絞り込んで行った方が強い。それからユーザーが何をどういう言葉で検索してくるかの先読みだ。あるいはこのサイトに来たとき、次にどこに行くか。そういったユーザーの導線、流れがわかっていないといけない。あとは注目資源の奪い合いだから、その中でいちばん目立つためにはどういう引きを用意するかがノウハウになる。
ニッチであればあるほどいいと言ったが、ミドルメディアは魚の種類を絞り込む。たとえばイワナしか釣らない。あの渓流のあの岩の下にいるのを俺は知っているというような秘密主義になっている。ネット上は参入障壁が低いので誰でもライバルになる。そこで儲かっている人は、自分たちがなぜ儲かっているかは秘密にする。
図版2はロングテールのグラフだ。左側の縦軸が売上高。右側が商品名。このような分布図を描くが、既存の小売店だと、左側の超ヒット商品、2割の商品が全体の売上げの8割を稼ぐ。ところが、ネット上ではアマゾンやネット通販のヤフー・オークションは、恐竜の尻尾に似ているロングテール、1個ずつの売上は少ないが、ずっと続いている故に全体の総売上げの8割から9割をたたきだしている。
なぜこんなふうになるかというと、リアルだと棚の面積、店舗面積、商品の個数に限界がある。ネットには限界がない。棚は無限に作れるし、在庫もすごく安くキープしたり、オンデマンドで届けたりできるので、管理コストが低いためニッチ商品をたくさん並べることができる。これがインターネットになってからの一番大きな変化だ。今までは劇場とか新聞のスペース、雑誌のページが全部希少資源だった。そこで訴求できるヒット商品しか見えなかった。インターネットで、それ以外の商品が可視化された。超ヒット商品が希少資源だった時代はショート・ヘッドが売れた。それが潤沢になって、売上げはロングテールに移行し、ネット上で分散化してしまった。プロの編集者は、どうせ素人が作るものなんかゴミだと言っていた。ゴミの中にも大ヒットする宝が埋もれている。それがネットで発掘されるようになった。
ショートヘッドには既存のマスコミ、音楽レーベルが並び、ロングテールにはアマチュアや小資本の会社が並ぶ。これまで希少資源を司どってきたマスメディアは、希少資源だったが故に生産者の売り手市場だった。ところが今は消費者の買い手市場になってきた。超並列分散市場という。
オールド・メディアがウェブ・ビジネスに進出しようとしてうまくいかない理由は、地球人が火星で商売しようとしているようなものだからだ。地球で売れているものを火星に持ち込んで売ろうとしても売れない。もし火星人がいるなら火星人の消費行動、ニーズを調べる。ウェブ・エコノミーを誰も理解していない。ウェブは貨幣経済ではない。ブログをやられている方は何が目的だろう。アフィリエイトで小遣い目的か。たぶん違うと思う。おそらく自分の知識やこれまで生きてきた経験を世に発表して、友人やコミュニティができたりするモチベーションでやっている。贈与経済に近い非貨幣経済だ。それと今の希少資源を利用して販売していく貨幣経済が混ざっているデュアル・モデルだ。ただし、そこは注目資本主義であって、貨幣資本主義ではない。グーグルのランキングはお金では買えない。グーグルは信頼度によってランキングされている。ページランクというプログラムによって振り分けられているが、基本は信頼度。二番目には限界費用がゼロ円である。限界費用とはモノを1万個作る。そこから1万1個目を作る費用だが、この限界費用がほとんどゼロに近い。情報素材はコピーすればいいのでゼロ円。ウェブは無料に近い万有引力を発生している惑星だ。
それらの理由によって、情報はコモデティ、日用品になっていく。いままで希少資源、紙や雑誌、新聞に刷っていたので貴重なニュースも、ウェブ上に出た途端、潤沢になって、価値が下がってしまう。産業革命の時代、人が手で縫っていて貴重だったものが機械が発明されたことで大量生産が可能になり、モノは潤沢になっていった。歴史は繰り返してネット上でも潤沢になってきた。
グーグルは非貨幣経済圏における世界銀行だ。信用を司っている。信用度がインフレを起こさないよう、抜け駆けしてグーグル上で1位になる手段はあるが、そういう手段を使ったサイトは沈めてしまう。常にプログラムを変えて信頼度が上にあるサイトが上に来ています。これからは新たな希少を見つけて、そこをお金にしていくサイクルが望まれる。
もう潤沢商品になったものを追加供給しているだけでは食えない。無料の法則が働いているので、だんだん無料化してしまう。希少ってなんだろう。リアルなものかもしれないし、人と人のつながり、実際に会うチャンスを作るのが希少かもしれない。新しい希少を発見してそこに価値をつけ、ネット上はプロモーションとして注目を集めていく。そういう組み合わせもあるかなと思う。
ネットに進出しても、今までと同じ広告を入れ、コンテンツを有料で販売するモデルは通用しない。ビジネスモデルは自分で発明しないと、ウェブ上では食べていけない。既存の組織形態、組織構造ではだめだ。地球人が火星に行けば、火星には火星の法則がある。そこに適正な組織形態、人数、命令・決済系統を編み出さないと、既存の組織を持ってきてもかなりきびしいと思う。

新風会東京総会/第2部インタビュー

――新聞やテレビなどのマスメディアは従来、大きな収益をあげる強いメディアだったが、今後どうなっていくだろうか。
小林ネットがでてきてわかりやすくなったのは、フローとストックの問題だ。日々のニュースはフローで、これまでは日刊紙が一番早かったが、ツイッターだと分刻みで情報が流れてくる。紙の新聞がフローばかり追っていたら勝てない。今後、新聞は雑誌化していくと思う。実際にアメリカのいくつかの新聞は、ネット上で雑誌のように読める。アメリカの新聞自体、経営危機が叫ばれていて、議会で新聞救済法案が出ている切羽詰まった状況だ。
――雑誌もフローの情報だし、販売部数を見ると、明らかに転換点がきている。
小林雑誌の本質はあの形状にあると思われているが、実はその雑誌に集まる読者のコミュニティにある。『ワイヤード』という雑誌を立ち上げた時、インターネットで商売しようと書いている雑誌は全然なかった。楽天の三木谷さん、堀江さんは定期購読していた。そういう人たちのコミュニティをどうやって換金していくか。こういう人たちが読んでいますと広告をとるのは簡単だが、そういうコミュニティはウェブ上に移行してしまった。紙よりウェブの方が集いやすいからだ。そこを勘違いして、ウェブ上で紙の形にこだわり、紙みたいにめくれるブラウザー機能を追加したところで意味はない。これからは、紙でしかできないことを考えるべきで、漠然と雑誌を作ってネットと競合している雑誌はなくなる。
――新聞や放送は政府の規制があったり、大きな印刷機を持ち大資本でなければできない。出版は比較的小回りが利く意味ではミドルメディアに近い。
小林私のメッセージは、だからあきらめるなということだ。ただ、ネットに詳しい個人がどんどんきている。出版が進化しなかったからだ。ある海外旅行のガイドブックが最初、ネットに進出したとき、書籍の宣伝しかしなかった。進化するならガイドブックをネットに移設するべきで、そのガイドブックは読者の投稿から情報を集めていた。ネット上で読者から旅行情報を集めている「フォートラベル」というサイトがある。出版社はその場所に約束の地があったにもかかわらずネットを主戦場にしなかったため、全部とられてしまった。
――出版社は紙の売上げが大半で、それを売る取次、書店もいる。まだ1%か数%に満たないウェブになかなか経営資源を投入しにくい事情もあると思う。
小林私は1998年に出版社を立ち上げ、月刊誌を出したが、雑誌コードがとれなかったり、苦労した。参入障壁が高すぎるのでネットでなんとかしようと、かなり初期の段階で有料メールマガジンを発行するなど、あの手、この手をやった上で、こういうふうに商売を展開すればいいというところにいきついた。単に流通チャンネルが増えただけでなく、ビジネスモデルの根幹にかかわる問題だと思う。結局、ネット上では、みんなが同じようなことをやっているので、では、あなたは何者なのか問われる。その時に答えられないメディアは生き残れない。ポルシェの専門誌だったら、ウェブ上に同じポルシェの専門誌が出てきたときに、専門誌の中でも何なんだというところがはっきりしているとビジネスが構築しやすい。
トライアル&エラーをリアルでやったら会社は倒産するが、ウェブは雑誌のスクラップ&ビルドのコストがすごく安い。既存の会社だと、ある程度の役職になったら、絶対失敗するなと言われるが、ウェブの場合、早く失敗して早く学んだ人間が次に進める。完成形はない。どんどん進化していかないといけない。
ウェブビジネスのスピード感は全然違う。ある出版社に企画を持ち込んだら、1週間後に、まだデスク会議にかけている。2週間後に電話しても、もうちょっと待ってくれ。これはうちではありえない。即決即断だ。そのため権限もある程度与えている。いちいち稟議に回していたら、ユーザーニーズに応えられない。大会社でも分社化や社内ベンチャーにした例を聞いている。アメリカの出版社の場合、ネットで活躍した人間を一時期、どんどんヘッドハンティングしていったが、カルチャーが合わずに出ていく人も多かった。
――書籍は海外でネットライブラリーやデータ化された専門書が研究者に使われている。アメリカでは紙とデータを一緒に納本するのが一般的だ。日本では書籍の電子化は準備段階だが。
小林書籍は今後も残るが、紙の形で残るかどうか。書籍はネットから取り出しても独立して生きていける完成形のメディアだから、今後もなくならない。インターネットが普及して本はコンテンツの一つとして非常に強いので、ネットとは親和性が高い。
――グーグルがネットサーチで世界中の本を電子化すると言い出した。
小林書籍は文脈の塊だから、検索で何語か拾われたところで、全部読まないとわからない。ただ、紙はコストが高いので、採算をとって行くにはプリント・オン・デマンドがアメリカでも注目されているし、生産コストが下がる形で提供できれば紙も残っていく。ただ、今の新書のような、ちょっとフローが入っているのは電子ブックリーダーに行くと思う。
ヒューレット・パッカードがマグ・クラウドというサービスを始めた。デザインまで作られたファイルをHP社に送ると、高品質の印刷と製本ができ、この人とこの人と届け先を指定すると配送までしてくれる。今後は印刷会社で印刷・製本するとは限らない。
――グーグルのブックサーチに対する訴訟はどう見たか。
小林グーグル1社でやっていくのは反対だ。グーグルはアメリカで上場企業だから、株主もいるし、売上げも必要だ。民間企業が世界中の知を一挙に集めてしまうことに反発がある。個人的には出版しない権利、絶版する権利も留保しておきたい。それが全部流通してしまうのもどうか。ただヨーロッパみたいに全員で訴えて排除しようとするのはおかしい。グーグルは企業文化的にどんどん先にサービスを発表して、ダメだったら引っ込める。今回も全世界のことは考えていなかったと思う。
――グーグルはアメリカでは暮れにコンテンツ販売をスタートし、日本でも間もなく始まる。
小林電子ブックリーダー、アマゾンの「キンドル」やiチューン・ミュージックストアもそうだが、プラットホームの力が強すぎると、出版社などは1コンテンツ・ホルダーの地位になり下がってしまう。いくら売れていても、プラットホームにもっていかれ、入ってくるお金は少ない。
――みんなが誰でも発信する「誰でもメディア」の時代に、出版社の機能はどうなるか。
小林出版社の機能はもうちょっと上位レーヤー、プロデューサー的になり、埋もれている作家を掘り出して育てたり、エージェント機能で法務的な処理をしたり、役割が違ってくると思う。村上春樹のような有名作家であれば、村上春樹ドットコムを作れば出版社へのマージンを払わないですむ。
紙をやっていた編集者をネットに連れてきて、勝てるコンテンツが作れるかというとそうではない。自分がネットユーザーでない限り、モノは送り出せない。自分がネットを使っていないのに、これだけ与えておけばいいやでは絶対成功しない。ネットのヘビーユーザーが次の時代のネットの編集長になる。
――出版社は去年あたりから広告が激減し危機感をいだいている。新聞、雑誌は今までのモデルではまずいとしても、どうやってデジタルで稼いでいくか。
小林コミック・モーニングに「神のしずく」というマンガがある。まだ話題になる前に、登場するワインをリストにして楽天のショップにリンクを張ってアフィリエートした。結構お金が入った。これを本家の出版社がやればどうか。ワイン好きを集めたコミュニティを組織し試飲会をやるとか、違うところにビジネスモデルのヒントがある。
――出版社がもう一度雑誌のコミュニティに注目し、そこに立脚したメディアということを再確認し始めた。
小林ネットは窓口のようなもので、ネットで完結するモデルはむずかしい。いろいろ複合させ、ネットで露出し、宣伝して、換金するのは別のエンジンと複合的に考えた方がいい。雑誌のコミュニティの力はすごくある。先ほどのポルシェ専門誌なら、ポルシェ・コミュニティを囲えるから、ディーラーで無料配布してもいい。それを見てネットにアクセスし、コードをもらってディーラーに行くと何%オフとか。そこで売れたら、版元にキックバックが入るビジネスも考案できる。高価なモノは中古市場もあるから、その中古市場を自分でコマースしたり、書店タイアップも可能だ。
――デジタル・デバイスも昔のものは1冊読む前に電池が切れるなど問題が多かったが、最近、新たなデバイスが出てきた。
小林来年2月と噂されるアップルのブックリーダー「タブレット」が出てくると、景色が変わってくる。アマゾンの「キンドル日本版」も出てくる。任天堂もそうだが、小さすぎる。iフォンで読んでみたけれど、慣れているぼくもきつかった。あれに合わせた商材、見せ方がないとむずかしい。
――電子デバイスが普及していくと、流通も次のステップに上がっていく。デバイス・メーカーとはどう付き合っていくか。
小林グーグルに出資すればよかった。自分たちが左右できるプラットホームを持っておくことが重要だ。電子ブック「キンドル」は、アマゾンが売場を持ち、客も抱えている。そのうちの何%はこちら側に来ると読めるし、電子ブックを好きな顧客情報もデータベースで持って、お客さんの顔が見えている。今後、データベースを持っていないところは、いくら電子デバイスだけを作ってもそう普及しないだろう。
――最後に、これから書店はどうなるか聞きたい。
小林一番大きい書店はアマゾンで、棚は無限に持っており、巨大なネット書店にリアル書店はかなわない。そこで先程の希少の部分、地域に根付いて人を呼べる部分が重要になる。売り物は紙だけでなくてもいい。書店に足を運ぶお客さんは結構教育水準も高い。こういう人たちに本を窓口にいろいろなソリューションを提供していく。本を媒介に違うものを売っていくようメディア化した方がいい。書店もプロデュースやプランニングをしてはどうか。ユーザーからすると書店はどこも同じ本が置いてある。そこに行くのは立地的な理由でしかない。地域や客層に合った形で、もっと特色を出せないか。サンフランシスコに「レッド」という本屋がある。共産主義の本しかない。
昔、本屋はある本から次の本という関連性があった。この著者はこんなものも書いているのかと気づきがあった。今はネットにどんどんリンクが張られている。タワーレコードでは店員がPOPを書いて、ネットで知らないようなCDを紹介している。日本の書店はそこが物足りない。
昔は用もないのに書店に行った。そこにワクワク感と、出会いがあった。地域コミュニティのハブになり、知が集中する。そういうものを現代に合わせ提供していただけないかと思う。

「ChuChu」「sabra」が休刊

小学館は小学校高学年~中学生女子向けコミック誌「ChuChu」を12月28日発売の2月号で休刊。また男性向けグラビア誌「sabra」を来年1月25日発売の3月号をもって休刊すると発表した。
「ChuChu」は月刊「ちゃお」の増刊として誕生し、2006年1月号より月刊誌として新創刊したが、少女コミック誌全体の再編成を図る中長期的な経営判断から休刊を決めた。
「sabra」は、掲載されるすべての情報をwebにリンクさせたNEXTAGEの情報誌として2000年5月に創刊。小学館では「雑誌およびweb環境の大きな変化の中で、次代へ向けた展開を視野に抜本的な見直しを図ることにした」としている。

松本清張生誕百年フェアの第2弾/トーハン

トーハンは、北九州市松本清張記念館公認「松本清張生誕100周年記念フェア」第2弾を10月中旬から全国3百書店で開催している。
今年は生誕100年を記念して映画化やドラマ化が相次ぎ、清張作品の魅力があらためて注目されている。出身地の北九州市では、地元団体、企業、行政が一体となって松本清張生誕100周年記念事業実行委員会が設立され、松本清張記念館を中心に展示会や記念イベントが1年を通じて行われている。
トーハンは、4月に生誕100周年記念フェアを開催しており、今回は11月14日に全国東宝系で「ゼロの焦点」が映画公開されるのにあわせて同映画の原作を中心としたフェアを実施する。対象は「ゼロの焦点」(新潮文庫)や「松本清張の日本史探訪」(角川文庫)、「鬼畜」(光文社文庫)など8作品。松本清張記念館の協力により、開催書店に記念館オリジナルのしおりとフェア専用ポスターを提供する。

「大きな文字の青い鳥文庫」を刊行/講談社

講談社は、「大きな文字の青い鳥文庫」のオンデマンド出版を開始した。
今回刊行した19点33冊の作品は、「青い鳥文庫」の編集部がセレクトした人気作品で、弱視の子どもが読めるように文字の大きさを通常の2・5倍の22ポイントとし、ゴシック体で編集しなおしたもの。「青い鳥文庫」では今春、文字を拡大した同文庫を全国の視覚障害特別支援学校に寄贈したが、今回販売を開始したのはその市販版。今後も定期的に刊行を続け、話題の新作や名作など幅広いジャンルの作品を揃えていく。

「小学五年生」と「六年生」休刊へ/来春に新学習漫画雑誌を創刊/小学館

小学館は10月26日、学年別学習雑誌「小学五年生」「小学六年生」の2誌について2009年度末をもって休刊とし、来春から新学習漫画雑誌「GAKUMANPLUS」(仮題)を創刊すると発表した。
「小学五年生」は3月号(2010年2月3日発売)、「小学六年生」は2・3月合併号(2009年12月28日発売)で休刊する。学年別学習雑誌は小学館の創業以来の基幹事業として、子どもたちの成長と環境の変化に合わせて内容を刷新し続けてきたが、休刊の理由について同社は「特に小学校高学年の学習環境は大きく変化し、趣味や嗜好の多様化が進んだ。学年別学習雑誌は学習、生活、活動など幅広く網羅する編集方針だったため、読者ニーズに必ずしも合致しなくなってきた。そこで高学年向け2誌は刊行形態を抜本的に見直し、新展開を図ることにした」としている。
休刊の2誌に代わり、「楽しく好奇心を刺激する」をコンセプトに、2010年春に学習漫画雑誌「GAKUMANPLUS」を創刊する。「学習漫画」は読者層が幅広い年齢層に広がり、海外でも大きな発展が見込まれるジャンルであることから、この学習漫画や図解の手法を駆使して、新たな「学習雑誌」の展開を進める。また「小学一年生」から「小学四年生」までの各学年誌についても、内容の見直しと改革を進めていく。

小学館児童出版文化賞に篠原、松岡両氏

第58回「小学館児童出版文化賞」の受賞作が、篠原勝之『走れUMI』(講談社)、松岡達英『野遊びを楽しむ里山百年図鑑』(小学館)に決定した。
贈賞式は11月12日(木)午後5時半から如水会館で挙行。正賞としてブロンズ像「わかば」、副賞として賞金百万円が授与される。

日経BP・BizTech図書賞が決定

日経BP社は2009年(第9回)「日経BP・BizTech図書賞」の受賞図書を決定した。
同賞は、技術と経営の進歩や発展に役立つ優れた図書を表彰するもので、2009年6月までの過去1年間に国内で著作、発行された図書の中から受賞図書3点を選出した。受賞図書の著者には表彰状と賞金を、出版元には盾を贈呈する。
今回の受賞作は、福島清彦『環境問題を経済から見る』(亜紀書房)、鈴木亘『だまされないための年金・医療・介護入門』(東洋経済新報社)、小池和男『日本産業社会の「神話」』(日本経済新聞出版社)。
表彰式は10月27日(火)午前11時から東京丸の内の東京會舘で行われた。

ニッセンと共同でほんやチャンネル/日販

日販は、通信販売のニッセンと共同で、書店店頭に高機能デジタルサイネージ(電子看板)を設置し、新しい独自メディアとして展開する「ほんやチャンネル」を、実験的にスタートする。
実験を行うのは、トリプルウィンプロジェクト参加店で、今期新たに進めている店頭強化策「パワーレイアウト」の契約店50店。10月下旬から1月下旬の約3カ月間テストランを行う。
「ほんやチャンネル」では、雑誌を中心に、書籍・コミック・DVD・CDなど書店で取り扱う商品の広告、店舗で行うフェアやイベント情報、週間ランキングや天気予報等を、オンラインネットワークでタイムリーに配信、放映していく予定で、店頭や屋外での告知を効果的に行うことで来客数アップと売上拡大を図る。ネットワーク化されたデジタルサイネージの書店設置は初のケースで、書店の店頭活性化とともに、サイネージを利用した効果的な商品訴求手法を研究し、多くの出版社やメーカーが書店店頭で販促活動を行う際に、より広く活用してもらえるツールを確立していく方針。
日販は、書店の窓口として、サイネージの展開状況を把握しながら、出版社と連携した各種拡販キャンペーンの立案等も行い、効果的なメディアバリューの提案を行う。ニッセンは、同社の新しいメディア事業として事業全体を統括し、また広告事業も統括して展開する。さらにこのサイネージにタッチした顧客のターゲットをセグメント化し、ニッセンからのメルマガの発行等、同社のマーケティングとの連動を行っていく予定。3カ月のデータを収集し、来春以降に全国の書店店頭を結ぶ「カスタムメディア」として、本格展開をめざしていく。

本屋のうちそと

毎年の事だが、10月の毎日曜日は当店の前にある小学校で運動会が開催される。第一日曜日は小学校、第二は幼稚園、第三は保育所、第四は連合町会が行う。
年々参加者が減っていて、以前に比べて静かになっているのだが、今年はある異変に気付いた。競技中や演舞中に流される音楽が聞こえてこないのだ。
近隣住宅からうるさくて寝ていられないとか、テレビが聞こえない等のクレームがあるため、ボリュームを下げたり、ピストルを使用しなかったりと主催者は苦労をされているようだ。
自然発生的な地縁共同体ではコミュニティの行事に全員参加するか許容する事を前提に成り立っている。マチでは7月の夏祭りが、ムラでは9月の秋祭りが当然の事として行われているのだ。
学校があれば、運動会がカリキュラムとしてあるのは当然なのだが、一部のオトナには許容できないらしい。
生活に静謐を求めることには理解ができるが、共同体を維持する上で、生活(騒)音が発生するのは当然であり、それを歳時記的に受け入れる余裕が、騒音としてではなく、心地よい地縁共同体の胎内音として感じられるはずだ。
商取引のような契約共同体での取り決めと地縁共同体のかかわり方を整理して理解できない「オトナ」が増えてモラル・ハザードとなっている。
(井蛙堂)
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