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平成22年10月1日号
秋葉原で電子書籍・コミックサミット/11月12日~14日

「電子書籍・コミックサミットin秋葉原」が11月12日から14日まで東京・秋葉原の秋葉原UDXで開かれる。同実行委員会主催、経済産業省など共催、コミック10社会、日本電子書籍出版社協会など後援。出版界首脳や作家、電子書籍の国内外第一人者による講演会やシンポジウムなど様々な催しが行われる。

取次大手、初の期限付き回答/送品・返品同日精算問題が進展

日書連は9月初旬にトーハン、日販両社を訪問し、送品・返品同日精算の早急な実現を要請。これに対し、トーハンは「来年3月までに方針を決定する」、日販は「1年以内に1日の短縮を目指す」と回答。取次大手2社が期限をきって同問題解決に取り組む姿勢を示したのは今回が初めて。9月16日の日書連定例理事会で大橋会長は「山が動き始めた」と評価し、「時間を与え、結果を待ちたい」と述べた。
日書連は9月3日、大橋会長、柴﨑取引改善委員長、大川専務理事の3名でトーハン、日販両社を訪問し、送品・返品同日精算の早急な実現を要請した。トーハンは山﨑会長、谷川取締役、日販は古屋社長、安西常務が応対した。
会談の席上、日書連側は送品・返品同日精算の要請は「悪しき歴史的商慣習の改善を求めるもの」として、実現すれぱ①金融返品の減少、②店頭展示の確保による売上げ増、③書店のキャッシュフロー改善――などにつながると説明。
しかし、返品入帳改善についてお願い文書を出してから4年経過したにもかかわらず解決に向けた道筋が示されず、さらに段階的改善計画すら提示されない状況に遺憾の意を表明。書店業界の疲弊を考えると「これ以上の解決の先延ばしは困難」として、真剣な取り組みが見られないようであれば公取委審査部に優越的地位の濫用(不公正な取引)に該当するかどうか調査を依頼するという日書連の「重大な決意」を示し、両社に「英断」を求めた。
これに対し、トーハンと日販は9月14日付で文書で回答。期限を決めて具体的な結果を出す考えを示した(別掲)。
トーハンは研究と検討のための専門委員会を設置、一定の進展を目指し、「平成23年3月末日までに方針を決定する」と回答。同委員会は近藤社長、阿部専務、関連部署の責任者ら約10名で構成。同社は「ゼロ回答はない。最低1日。しかしそれ以上の短縮を考えているので、時間がほしいということ」としている。
また、日販は一連の入帳処理工程の更なる短縮を検討し「1日の短縮を目指す」と回答。短縮化のための業務システム変更要件をとりまとめ、他の業務範囲や資金への影響を見極めた上で「1年以内の実現を前提に進める」とした。同社は「これで終わりではなく、今後も改善に向けた検討を続ける」としている。
理事会の席上、柴﨑委員長は「この回答で終わりではない」と強調。また、大橋会長はトーハンと日販が初めて期限をきって回答したことを評価。「ようやく山が動き始めた。今回は『本当のやる気』を感じる。もう少し時間を与え、『結果』を待ちたい」との方針を示し、理事会は了承した。

〔トーハンの回答〕
弊社は、書籍の物流基地である桶川SCMセンターの本格稼働により、平成19年より一定の返品処理ルールに則って返品業務を行っていただいているお得意様に対しまして、入帳締切日を期末5営業日前処理分までと変更させていただきました。
過日のご要請といたしましては「送品・返品同日精算」ということでございますが、これ以上の変更は弊社の業務全体にも大きく影響を及ぼすこととなり、販売会社だけで対応することは非常に困難であります。この課題に取り組むにあたっては、出版社様のご理解、ご協力がどうしても不可欠です。
弊社といたしましては、関連部署間でこの問題の検討を重ねてまいりましたが、この度の要請を受け、再度、研究及び検討のため、新たに専門委員会を設置いたしました。一定の進展を目指し、平成23年3月末日までに弊社として方針を決定いたしたいと存じます。
「送品・返品同日精算」については業界全体で解決すべき問題であり、先ずは出版市場を一刻も早く回復させ、業界三者間で当課題の解消に取り組める環境作りが急務と認識しております。弊社でも需要喚起を図る各施策に尽力しておりますが、今後も各取引先のご協力をいただきたく、何卒、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

〔日販の回答〕
弊社ではお取引様支援のための物流改革に継続的に取組み、返品物流に関しましても無伝返品システムを稼働させ書店様の返品作業の合理化を実現致しました。その稼働に併せ、平成15年より書店様返品入帳日を順次繰り下げ、現在は期末日を含め6営業日前処理分までとさせて頂きました。本年9月につきましても24日(金)到着分までを処理する予定であります。
「送品・返品同日精算」につきましては、影響を受ける業務が広範囲かつ複雑でありシステム面の課題に加え、販売会社のみで対応するには困難な問題でもあります。この解決のためには、出版社様のご理解・ご協力が必要不可欠であると考えております。
以上が弊社の基本見解でありますが、大変厳しい業界環境の中、今回のご要請を重く受け止め、弊社で出来得る範囲の取組みとして、一連の入帳処理工程の更なる短縮を検討し一日の短縮を目指してまいります。短縮化のための業務システム変更要件をとりまとめ、他の業務範囲や資金への影響を見極めた上で、実施時期は改めてご回答させて頂きますが、一年以内の実現を前提に進めてまいります。
何卒、ご理解・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

プレ稼働3ヵ月延長/ためほんくん、利用料金など調整/9月理事会

〔情報化推進〕
店頭コミック試し読みシステム「ためほんくん」の申込店舗数138店、申込台数161台、設置済み店舗108店舗、設置済み台数123台(9月10日現在)と田江部会長が報告した。参加出版社は講談社、集英社、小学館、秋田書店、白泉社の5社に加えてスクウェア・エニックス、さらに双葉社の作品がアップされた。
現在、検索型・品揃え型から提案型・特集型へとインターフェイスを手直し中で、レコメンド機能を強化するため「特集ボタン」をつけたという。
田江委員長は今年4月からスタートしたプレ稼働期間の取り組みについて「設置台数と参加出版社については一定の成果をあげることができた」と評価したものの、「解決できていない問題もある」と指摘。具体的な問題として「出版社の利用料金」と「受け皿組織」をあげ、利用料金については「扱い量の多い出版社は定額制、少ない出版社は従量制を希望し、調整が難しい。基本的に定額制とするが、3グループに分けて料金に差をつける方法を考えている」、受け皿については「任意団体ではなく、法人格を持つ組織が望ましい」との考えを示した。そして、「プレ稼働期間を3カ月延長し、12月末までに問題点を解決した上で、来年1月の本稼働を目指したい」と述べた。〔広報〕
10月14日午後1時から書店会館で開催する「全国広報委員会議」で「電子書籍」を議論のメインテーマにしたいと面屋委員長が報告。電子書籍の3省懇談会が6月に出した報告書のうち「書店の活性化」「電子出版と書店」の部分を叩き台にするとした。
また、面屋委員長は10月26日に講談社を訪問し、日本電子書籍出版社協会の野間代表理事(講談社副社長)と「電子出版を書店店頭活性化にどう結び付けるか」をテーマに対談する。
〔指導・教育〕
11月18日の定例理事会に文化通信社・星野渉取締役編集長を講師に招き「電子書籍」をテーマに講演会を行うと鈴木委員長が報告した。鈴木委員長は「特に電子教科書は教育の問題でもあり、社会の在り用に大きな影響を与える。日書連として反対運動を展開すべき」との考えを示した。
警察庁は10月から万引被害に遭った店舗が被害届を出しやすくするため、万引の捜査書類を簡略化する。鈴木委員長は全件届出に向け努力するよう求めた。〔読書推進〕
独自展開の企画を提出してきた組合に実施補助金を拠出する「サン・ジョルディの日PR企画推進費」の募集を来年度も引き続き行うとの方針を西村委員長が示した。金額は未定。また、今年度企画を実施した27組合に対して、用途・収支報告書を日書連事務局まで送付するよう求めた。
また、日本児童図書出版協会が国民読書年を応援するキャンペーンソング「本のまほう」を制作したとの報告があった。同協会のホームページから無料でダウンロードできる。
〔増売〕
春の書店くじのダブルチャンス賞は応募総数2069通から、7月22日の抽選会で100名を決定。8月2日に賞品として1人当たり1万円分の図書カードを発送したと舩坂委員長が報告した。
今秋の読書週間書店くじ申し込み状況は9月12日現在で260万3千枚。
〔共同購買・福利厚生〕
9月末日であんしん財団との業務代理所契約を打ち切ると中山委員長が報告した。同財団は全国書店新聞に広告を出して今後の対応を説明するとしている。
日書連のオリジナル手帳「ポケッター2011」は7万5千部製作し、9月16日までに7万3100部の注文があった。残数は1700部。
〔組織〕
8月の各県組合加入状況は新規加入が5組合で13店、脱退は23組合で52店、差し引き39店純減し、4月対比で100店減の5087店になった。中山委員長は「未加入書店への加入促進とPRを強化してほしい」と各県組合に求めた。
◇理事交替
神奈川組合=筒井正博(小田原市・伊勢治書店、所属委員会=組織、流通改善、読書推進)
◇退任理事
井上俊夫(神奈川)
◇他団体派遣
出版文化産業振興財団常務理事(運営担当)=舩坂良雄(東京・大盛堂書店)

「国民読書年・読書週間」企画/子どもの本謝恩バーゲンフェア

日本書籍出版協会は読書週間(10月27日~11月9日)に合わせて国民読書年企画「子どもの本謝恩バーゲンフェア」を実施する。日書連、日本児童図書出版協会、日本出版取次協会が協力。バーゲンブックのノウハウを持つ八木書店・第二出版販売グループが業務代行を担当。
書店店頭活性化と子育て家庭支援のため、各社売れ筋の児童書バーゲンブックを新刊と併売するフェア。旧定価の約50%オフのためお客様へのアピール度が高く、販売促進と売上増に貢献。また、取次から書店への出し正味は買切50%、委託75%と、新本より高い利益の確保が見込める。
セット内容は売れ筋の絵本、幼年向け、仕掛け、遊びなど。1セット100冊。納品金額約5万円(本体)。セット内容は店舗ごとに異なり、複数セットの注文も可能。限定500セット。
注文は10月末日まで受け付け。なお、10月8日までの注文については読書週間前日の10月26日までに納品。申し込みは取引取次まで。

生活実用書/注目的新刊

農業ブームというが、実際のところはどうなのだろう。いわゆる団塊世代の退職後の家庭菜園や、若者の田舎暮らし志向など自然に向かおうとする人が増えたのも事実である。ところが、日本人が昔から自然に親しんでいたかというと、意外にそうでもない。
富山和子著『水と緑と土』(中公新書348760円)は、1974年に出版された本の改版である。36年半の時を経て再刊されたことは、ま
るで読み捨てになってしまったような本の世界にとって、素晴らしい出来事といえる。20代の著者が50代になってなお古びない。本はそういうものであるはずなのである。
ダムは森林を奪い、土砂をため、いずれ使えなくなる消耗品である。しかしそのために、表裏の関係である水害と水不足を生み、加えて諸産業の増加する水需要のために、農業用水すらも奪っていく。「都市はまず、農業から労働力と水資源と農地とを物理的に奪うことで最初の破壊を敢行した。」その破壊された土地を工場、ホテル、道路、住宅に利用することで、自然をさらに汚染させてきた。自然を粗末に扱ってきた日本人を戒める著者が36年前にいる。
明治初期、電信が導入されると東海道の杉並木を片っ端から切り倒した日本人。それを外国人が反対して、多少の並木が助かったというエピソードにはびっくりする。環境破壊は現在も同じである。
神門善久『さよならニッポン農業』(NHK出版生活人新書321700円)も、知られていない驚くべき農地行政の真実が語られる。
まず農地基本台帳が一元化されていない。実際に農地と記載された土地が、駐車場や産業廃棄物などのゴミ捨て場になっていることも珍しくないのだという。しかも、こうした不正利用は取り締まりたくともできないのが現状。つまり、台帳がずさんなので持ち主すら辿れないのである。
なぜ農地が無秩序になったのか、江戸時代にまで遡って検証する一方、勝手気ままな耕作放棄を見逃してきた農政の無策も批判する。特に田中角栄内閣が農地の転用で利益を生み出させ、JAを票田として抱えたことは、農家の行動原理も変えてしまった。
農業=環境保全である。自給率が下がる現在、我々にとって重要なテーマである。
(遊友出版・斎藤一郎)

書店への電子書籍市場の影響を懸念/熊本総会で長﨑理事長

熊本県書店商業組合は8月24日午後3時から熊本市の全日空ホテルニュースカイで第23回通常総会を開催。来賓にテジマ㈱の手島宏彰社長、中央会の園田智恵氏、文化通信社の星野渉取締役編集長が臨席した。
総会は木村彰吾事務局長(熊文社)の司会で進行。長﨑晴作理事長があいさつし、出版業界が流通の多様化等で大きく揺れる中、電子書籍市場が小売書店に与える影響を心配しており、これからの書店のあり方を考えたいと述べた。
議長に長﨑理事長を選出し、第1号議案から第4号議案までを承認。本年度は役員改選にあたり、満場一致で長﨑理事長を再選し、全理事の留任を承認した。
第2部では文化通信社の星野氏が「デジタルの波は出版界に何をもたらすのか」の演題で講演。書店はデジタル化にどう対応していくか、また学校現場がデジタル化される影響等の話があり、会員書店は真剣に聞き入っていた。
第3部懇親会は宮崎副理事長の乾杯で開宴。お互いの親睦を深め、また情報交換の場として和やかな雰囲気の中、全日程を終了した。(宮崎容一広報委員)

「首都圏書店大商談会」/11月8日に出版クラブで開催

首都圏の書店取次会で構成する「首都圏書店大商談会」実行委員会は、9月17日に書店会館で出展説明会を開催した。
「首都圏書店大商談会」は、書店の厳しい状況を打破するために、より多くの関係者との情報交換会・商談会を、帳合の枠を超えて開催しようという構想のもと呼びかけられたもので、実行委員会は、東京トーハン会、東京日販会、大阪屋東日本友の会、太洋会関東・甲信越支部、首都圏中央会、協和会、首都圏栗田会で構成。東京都書店商業組合が後援、出版文化産業振興財団が事務局として協力する。
説明会は出版社約120社が出席し2回に分けて開催。始めに商談会の発案者である奥村弘志委員長(首都圏栗田会会長)が、「書店が元気にならなければ版元も取次も元気にならない。各取次の書店会を活かし本当の意味での市会ができないかと考えた。書店にハッパをかけてくれるような企画をお願いする。来場した人も出展した人も『やってよかった』と思える会にしたい。東京組合約6百書店の中で取次会に入っているのは半分弱なので、他の書店にも来ていただきたいということで東京組合に参画をお願いした」と企画した経緯を説明した。
また、東京組合大橋信夫理事長は「奥村さんから、一生懸命本を仕入れて売るという原点に戻ってやりたいというお話があり、それはいいことだと承諾した。心を一つにして目的を達成したい」とあいさつした。
商談会は11月8日(月)12時~17時、新宿区の日本出版クラブ会館2・3階で開催。出展社は50社程度を予定、来場書店は2百~3百店程度を目標とする。出版社のアピールポイントをまとめて事前に広報するほか、会館内に取次書店会・取次各社の受付を設け、各出版社ブースへの訪問をサポートする。
説明会では、出展社に望む販売企画例として、①図書目録・パンフレットによる既刊本販売②今商談会のみの特別セットによる販売③来年3月までの企画もの④ポスター掲示やチラシ配布などの協力要請⑤本以外の開発商品⑥作家を招き、来場書店との対話・懇談、サイン会等⑦タレント等の著名人を招いてのサイン会や握手会、撮影会等――を提案。また、この商談会ならではのお得感を提供するものとして、協力書店に対する「お楽しみ券」や献本等の活用を呼びかけた。

鈴木理事長を再選/委託販売商品の拡充図る/千葉組合総代会

千葉県書店商業組合(鈴木喜重理事長)は9月10日午後1時から、千葉市中央区の千葉書店会館で第27期通常総代会を開催した。
総代会は長谷部副理事長の開会宣言に続き、鈴木理事長があいさつ。電子書籍の状況と書店の対応について「実際にiPadを見てみたが、よく出来てはいるものの、使い勝手が悪いなと感じた。果たしてこれがどのくらい定着するかが問題だが、書店員の質を上げ、きちんとお客様の相談に乗るようにすれば、紙の本もまだまだ捨てたものではない。新しいツールが出るといろいろな道筋が変わってくるので、その点は気をつけて時代に遅れないようにしながら、自分たちの良いところを中心に据えて本を販売することだ。研鑽してお客様に力を注いでいただきたい」と述べた。また、日書連指導教育委員会で取り組んでいる万引対策について、被害届を出しやすいように警察庁が手続を簡略化したと報告した。
鈴木理事長を議長に選任して進めた議案審議では、村田副理事長が事業報告、事業計画を説明した。日本貿易振興機構アジア経済研究所の売店は採算が取れなくなったため昨年12月で閉店したと報告。また、国民読書年推進企画として『ふさの国文学めぐり』の委託販売などを実施、今後も書店に有利な販売条件の商品を扱っていきたいとして、企画の提案を広く呼びかけた。任期満了に伴う役員改選では、鈴木理事長の再選を決定。このほか、組合員数の減少に伴い、総代会に替えて総会を開催するための定款変更が提案され、了承した。
来賓の日書連柴﨑繁副会長は「電子書籍は、配信の仕組みや組織が出来てきたという段階で、もとになるコンテンツがまだ整備されていない状態。じたばたしないで推移を見守っていくことが今の段階では大事だと思っている。送品・返品同日精算は、トーハン、日販に厳しく申し入れをしており、何らかの回答があると思う。今後とも鈴木理事長を筆頭に日書連の仕事にご支援をお願いする」とあいさつ。総代会終了後、県中央会、出版社、取次を交えて懇親会を行った。

8月期は3・3%減少/文庫が7ヵ月ぶりプラスに/日販調べ

日販経営相談センター調べの8月期書店分類別売上調査がまとまった。売上高対前年比は3・3%減で、マイナスは4ヵ月連続となった。また客数は1・6%減で7ヵ月続けて前年を下回った。
文庫は0・8%増で7ヵ月ぶりにプラス。『夜明けの街で』(角川GP)、『永遠の0』(講談社)等の好調や、人気シリーズの新刊『とある魔術の禁書目録(インデックス)21巻』(角川GP)の発売が貢献した。
児童書は5・4%減で4ヵ月連続マイナス。『床下の小人たち』(岩波書店)やポプラ社『かいけつゾロリ』の最新刊が好調だったが、これに続く有力銘柄がなかった。前年は『くらべる図鑑』(小学館)や『獣の奏者3・4』(講談社)など本体価格の高い本が売上を牽引しており、その反動が出た。
客単価は0・5%増の1185・0円で2ヵ月続けて前年を上回った。

4人に3人が反対/小学校低学年への電子教科書無償配布/ビジネスパーソン2千人調査

モバイルリサーチ事業を展開するネットエイジアが9月16日に発表した「ビジネスパーソンの『iPad』に関する調査」結果によると、電子書籍端末を学習目的で小中学生に無償配布することの賛否について、中学生については半数が賛成だったものの、小学校低学年段階では4人に3人、高学年段階では3人に2人が反対と回答した。
この調査は携帯電話によるインターネットリサーチ方式で実施し、20~59歳の男女有識者2188名(キャリア内訳=NTTドコモ62・2%、au29・4%、ソフトバンク8・4%)の携帯電話ユーザーの回答を集計したもの。調査期間は7月14日~21日。
「国の政策としてiPadなど電子書籍を閲覧できる端末を、小中学生に学習利用目的で学校から無償配布するとした場合、賛成しますか」との質問に対しては、「小学校低学年に無償配布」は23・5%(男性28・1%、女性18・9%)、「小学校高学年に無償配布」は34・3%(男性39・4%、女性29・3%)、「中学生に無償配布」は53・7%(男性55・8%、女性51・6%)が「賛成」と答えた。中学生については回答者の半数が賛成と答えたが、小学校教育の段階では賛成は20~30%台にとどまり、反対意見が多数を占めた。特に女性が否定的に考えていることが明らかになった。
iPadなど電子書籍を閲覧できる携帯型端末で読みたい雑誌を購読できるようになった場合、紙の雑誌は購入しなくなると思うかという質問に対しては、「購入することはあると思う」57・9%で、「購入しなくなると思う」42・1%を上回った。特に40~50代男性で購入すると答えた割合が高かった。
「紙の雑誌を購入することはあると思う」と答えた回答者に「どのような時に紙の雑誌を購入するか」と質問したところ、「切り抜きや雑誌自体を残しておきたい・保管したい」が最も多く41・8%。以下、「紙の質感やインクの匂い・活字で読みたい」「中を見て気になったら買うから・衝動買いするから」がともに10・5%、「端末を持ち歩かない・いつでも読みたい時に読みたいから」が8・6%、「付録が目当て」が6・0%、「じっくり時間をかけて読みたい」4・3%、「紙のほうが読みやすいと思うから」3・5%、「紙だと斜め読みできる・探しやすい」3・0%、「デザイン・美術・写真などは紙の方がいい」2・5%、「目が疲れそう・悪そう」2・3%だった。

学研「科学」がネット講座で復活

インターネットスクール「N‐Academy」を運営するNTTナレッジ・スクウェアと教育書籍出版をはじめ教育総合事業を展開する学研ホールディングスは9月16日、eラーニング分野で提携すると発表した。
第1弾として、2010年3月に休刊となった学研の学習誌「科学」を元にした講座をネット上で復活。「湯本博文の親子で楽しむ【学研科学実験講座】」として、9月28日よりインターネットで開講した。
「科学」は1957年から2010年にかけて小学生向けに発行されていた学習誌で、実験キットを付録にしていた。この講座では「科学」シリーズの中でも好評を博した実験を中心に展開する。

東京組合出版研修会/音楽業界とデジタル化

東京都書店商業組合は9月2日、キングインターナショナルの天沼澄夫社長を講師に第4回書店のための出版研修会「音楽業界とデジタル化」を開催した。天沼氏の講演概要と、講演終了後にキングレコードの重村博文社長も交えて行われた質疑応答の模様を紹介する。

〔専門店化が生き残りの鍵/落語特化で売上増のCD店も/キングインターナショナル社長・天沼澄夫氏〕
音楽ソフト総生産金額は2000年の5398億円から09年の3165億円へと、この10年でほぼ半減した。ただ、アメリカのCDマーケットは配信への移行の影響で急速に縮小しているため、09年に日本はアメリカを抜いて世界一のCDマーケットになった。
日本の音楽配信はモバイルが中心という世界でも珍しい形で発展した。05年の342億円から急成長し、08年に905億円になった。このまま右肩上がりで伸びると思ったが、09年は909億円にとどまり急ブレーキがかかった。10年は850億円に縮小すると予測されている。違法ダウンロードの影響が大きい。バラ色ではなくなっているのがレコード業界のデジタル配信の現状だ。
タワー、HMV、ヴァージンなど外資系レコード店は軒並み日本資本になった。先日HMV渋谷という旗艦店が閉店する象徴的な出来事もあった。ナショナルチェーンでは新星堂が縮小して銀行系ファンドの傘下に入り、静岡すみやとWAVEは消滅した。
オンラインショップの双璧はHMVとアマゾン。総合力ではアマゾンだが、HMVは専門性と情報量で勝る。キングインターナショナルの全売上の35%をHMVオンラインで占めているほどだ。
今後の業界の課題をレコード会社としての側面から見ると、新規販売ルートの企画と営業拡大がある。マーケティング型営業にするということだ。そこには書店ルートも含まれる。
レコード店としての側面から見ると、一層の専門店化、差別化が必要だろう。一般的なレコード店が閉店していく中で、専門分野に特化した店はむしろ顧客を取り込んでいる。長野県上田市の琴光堂は落語に特化し、オンラインショップも開いているが、毎月相当な売上があるようだ。ある種のクラシックに特化した店、エルダー・ジェネレーション向けの商品だけ売る店もある。顧客を取り込むためにはより深い専門性と知識、きめ細かなサービスが求められるだろう。
また、地域密着型の商品提案が意外となされていない。地域のニーズに合わせた商品企画・開発をレコード店とレコード会社が協力して行っていきたい。キャラクターグッズ、関連書籍、輸入盤、関連雑貨など音楽関連の扱い商品を多様化し、総合的な商品提案を行うことも必要だ。
総合型のアマゾンにはかなわないかもしれないが、かなり特化した地域密着型のオンラインショップを立ち上げれば、相当な売上をあげることもまだまだ可能だと思う。
オリジナルCDの制作・発売を手掛けるのもいい。レコード店は川下にいるが、一気に川上に行って原盤権を持つ。レコード店独自でやってもいいし、レコード会社とタイアップしてもいい。出版業界でいえば、地域の掘り起こし企画は地域の書店がもっとできるはず。川上に行くことも考えてはどうか。


〔書店とのコラボ企画推進/朗読・童謡CDを書店で販売/キングレコード社長・重村博文氏〕
【質疑応答】
――多くのレコード店が閉店していく中、長野の琴光堂が落語に特化して売上を伸ばしているという話があった。異なる業界から見て、町の本屋は今後どうしたら生き残れると思うか。
重村2年前に講談社からキングレコードに移った。驚いたのは、朗読CDなど書店で売らなければならないアイテムがたくさんあるということ。そこで都内・地方10書店で朗読CDの実験セールをやった。すると1週間で3~4割売れ、すぐに追加注文が来た。文字を読むのが辛くなった人、通勤途中に耳で聴きたい人、クルマを運転するときに聴きたい人…様々な需要がある。こうした観点から書店とレコード会社とのコラボは今後重要になる。落語CDや童謡CDなども、レコード店より書店で展開するほうが可能性がある。レコード会社は多様な商材を持っている。目を向けていただきたい。
天沼書店向けのCD開発が今、われわれの重要なテーマになっている。童謡からエルダー向けの音源をキングだけで15万曲持っている。各レコード会社を合わせると膨大な財産がある。しかし残念ながら一般レコード店では売れなくなってしまった。世界の民族音楽をはじめ知的好奇心に訴える音源はたくさんある。そうしたものを書店向けの専用商品として開発する必要がある。機会があれはビクターやコロムビアなどとともに開発したい。そのときは書店の皆様にもお話をさせていただきたい。

35ブックス「南方熊楠コレクション」を重版/河出書房新社

河出書房新社は、昨年11月に出版社8社で始めた共同責任販売システム「35ブックス」の対象アイテム「南方熊楠コレクション(河出文庫・全5巻)」を9月に重版した。
「南方熊楠コレクション」は事前受注は順調ではなかったが、発売後は売行き好調で、発売から3ヵ月目の今年1月末にはほぼ完売したという。その後も、客注や店頭販売の注文が相次いでおり、全巻の重版を決定した。

海外の出版・書店事情⑩/ノセ事務所代表取締役・能勢仁

〔ロシアの出版・書店事情〕
ロシアの国土は日本の46倍、地表の8分の1ととてつもなく広い。人口は1億4087万人である。出版は08年の書籍新刊は10万6382点(日本7万8013点)で、前年比12・8%増である。発行部数は5億6112万冊である。言語別ではロシア語が97・5%を占めている。発行している言語は72で、ロシア語に次いで多いのは816点の英語である。全体の0・76%でしかない。日本語の点数は発表になっていないが、村上春樹は勿論、宮部みゆき、桐野夏生、三島、川端、谷潤の作品は書店に並んでいる。新刊としての発刊は村上春樹だけか?
出版社別にみるとエクスモ社1万439点、2位アスト社9884点で、二社がダントツに多く、他社を圧倒している。因みに3位のフェニクス社は1261点である。地域別には上位10社の内、9社はモスクワであり、フェニクス社だけがモスクワ南部ドマー市である。出版点数のロシア全体の60%が、発行部数の83%がモスクワに集中している。2位はサンクトペテルブルグで、点数は8・4%、冊数で5・5%である。分野別では社会・政治・経済3万4093点で一番多く、次が文学2万138点で、文学は昨年比27%増である。2000年に全国網をもつ流通組織「ロッシースカヤ・クニーガ」(国営)が作られた。政府は08年、国民の読書離れを危惧し、読書振興の国家プロジェクトをすすめ、各都市にロシア書籍連盟の支部がつくられた。検閲時代は全出版物の70%が政治的出版物であり、残りが教育、文芸であった。85年のペレストロイカにより言論の自由が進められ、共産党による検閲や統制がなくなった。その結果、出版内容も多様になりミステリーの出版が多くなった。しかしお国柄か、書店店頭には大量の古典が陳列されていることに驚く。トルストイ、ドストエフスキー、ツルゲーネフ、ゴーゴリ、チェーホフ、ブルガーコフ、プラトーノフなどである。詩の本の多さも出版の特色である。プーシキンの本が陳列されていない書店はない。1999年が生誕200周年に当り、プーシキンブームが持続している。
〈モスクワ・ドム・クニーギ〉
ロシアは市場経済に移行しているが、書店名は昔のままのドム・クニーギ(直訳すると本の館)である。書店の看板はどこでもドム・クニーギである。中国の国営書店がすべて新華書店であることに似ている。この店はモスクワの繁華街アルバート通りにある。横長の書店で60mはある。奥行きは20m近い。一階、二階約600坪の大型書店である。一階はこどもの本(約80坪)、美術書(約40坪)、古書(40坪)、稀覯本(20坪)である。こどもの本と美術書売場の間に文具、CD、ビデオ売場がある。二階は文藝書と充実した専門書売場である。
この店の特色は古書売場(売買)とレアブックコーナーである。ロシアの書店人に筆者が質問されて窮したことがある。それは日本ではなぜ新刊と古書を別々に売るのですと聞かれたことである。レアブックコーナーには専門家が二人いた。この売場案内に「貴方は文化遺産に会うことが出来ます」という表示がでていた。モスクワにはドム・クニーギが35店ある。上記の店が一番店である。
〈サンクトペテルブルグ・ドム・クニーギ〉
この店はネフスキー通りにある。カザン寺院の真ん前にある立派な外観の書店である。しかし店内は通路が狭く、雑踏であった。全体的にロシアの書店は通路幅が70㎝で狭く、訪れる日本人は誰しも感ずることである。社会主義国の通例として、ガードマンの監視が厳しい。そして写真の撮影は不可である。この店も例外ではない。従業員は制服を着ていないので、店内写真をとる苦労は並大抵ではない。従業員の男女比は3対7で女性が多い。サービスは良いとはいえない。新華書店と同じである。笑顔がないからである。イタリアの書店と正反対である。
この店は一階実用書(90坪)、こどもの本(50坪)、文藝書と専門書(150坪、数学、技術、物理、心理学、哲学、歴史、外国語)である。実用書は婦人実用書と医学書の多いことに驚いた。二階は左室(80坪)芸術、画集、ポスター、ポストカード、カレンダー、右室(80坪)は教育、教授学、児童文学、文学理論、詩、音楽、演劇、映画のフロアーであった。レジは二ヶ所である。三階(約120坪)は化学、生物、生態学、薬学、農業、技術、エネルギー、貿易、コンピュータ書が並んでいた。レジは二ヶ所で、インフォメーションサービスも兼ねていた。

大阪屋創立61周年記念式典

大阪屋は9月6日に創立61周年記念式典を開催。大阪本社、東京支社間をテレビ回線で繋ぎ、社歌斉唱の後、南雲社長があいさつを行った。永年勤続者表彰では、40年勤続5名、20年勤続9名、10年勤続8名の計22名を表彰。他に、個人表彰、業績表彰、スポーツ功労表彰の個人、団体が表彰された。南雲社長のあいさつ要旨は以下の通り。
「今年はあらたに『第3創業元年』と位置づけスタートした事業年度に当たる。経営方針は、第8次中期経営計画『チェンジ&チャレンジCreat3rd』を策定した。先期から継続した『チェンジ&チャレンジ』の柱に、今期は『収益構造の改革』と『新取引モデルの創造』を置き、その行動指針に『タブーなき挑戦』と『カット&ゲット』を掲げている。
8月までの実績は、特に収益面では大変厳しい状況下にある。その象徴的な問題が、当社が抱えている書籍での収益性の追求の難しさだ。一方、業界環境の変化の構造的問題は、『業界再編』の動きと、『電子書籍・デジタル化』の2つが特記される。この大きな胎動にどうフォーカスし、手だてを講じていくかが経営の大きな課題だ。
時代に適応したものだけが生き残れるのがビジネスのセオリーであり、改めて全員がそのことを肝に銘じ『チーム大阪屋』としてしっかり前を向いていくことが必要だ。
とにかく今は知恵と汗を出し、『効率・コスト・キャッシュ』の3つに集中して行動を起こすことだ。上半期でインプットした分を下半期でしっかりアウトプットするよう頑張ろう」

読みきかせらいぶらりい/JPIC読書アドバイザークラブ・尾場瀬淳美

◇2歳から/『ろうそくいっぽん』/市居みか=作/小峰書店1365円/2008・10

今日はふくろうじいさんの百歳の誕生日。男の子はろうそくの火を大切に持ち、そのろうそくの火が途中色々な動物達の役に立ちながら、みんなの待つパーティー会場をめざします。百本のろうそくに火をつけたページでは子ども達の目も輝き、とても優しい気持ちにちになれる本です。

◇4歳から/『どうぶつサーカスはじまるよ』/西村敏雄=作/福音館書店840円/2009・11

アザラシの司会ではじまるゆかいなどうぶつサーカス。ライオンの火の輪くぐりからはじまり、ワニの組み体操、馬のダンス…。どうぶつたちが様々な芸をみせてくれる度に子供達も拍手喝采。後半はハプニング発生で思わぬ展開に。テンポが良く、読み手も聞き手も楽しめる一冊です。

◇小学校低学年向き/『ひみつのカレーライス』/井上荒野=作/田中清代=絵/アリス館1470円/2009・4

ある日、ふみおがカレーを食べていると、口の中でカリッ!それをお父さんが本を見て調べカレーの種ということがわかります。種を植えると、芽が出てカレーの木になり、お皿の葉っぱや福神漬の花が咲く…不思議なお話。家族で踊る呪文のようなカレーの歌も楽しく子ども達も大喜び。

日販創立61周年記念式典

日販は9月10日に本社5階会議室で創立61周年記念式典を開催。あわせて社長賞のほか、業績貢献賞、事業拡大賞、社会貢献賞、業務精励賞、資格取得奨励賞、特別協力賞の表彰を行った。古屋社長のあいさつ要旨は以下の通り。
「今期は『LEAD』の2年目となり、当初掲げた目標の達成に向けて各部門で努力してもらっている。取引制度改革については、今期から取引先との契約の総称を『パートナーズ契約』とし、インセンティブ契約にとどまらず、インペナ契約店も大幅に増えている。HonyaClubは加盟店数、会員数とも拡大し、会員限定の予約キャンペーンを積極的に展開している。QuickBookは出版社在庫のお取り寄せサービスを開始した。書店ニーズが高かったサービスであり、ネット書店に対抗するサービスと考えている。
電子書籍については、紙の本・リアル書店との共存共栄を図るため、取引先や関係業界とも連携をとりつつ、方向性を模索していきたい。
今期の業績は、8月期累計では比較的好調に推移しており、売上高予算を達成しているが、この先減速することも予想され、予断を許さない状況だ。引き続き全社を挙げて努力を続けてほしい。
今から61年前、創業時の先輩方は活字文化に飢えている人々に本を届けることを聖なるわざととらえ、誇りを持って昼夜の別なく作業に勤しんだ。我々は日本文化の発展に貢献するという矜持をもってこれからも歩み続けていかなければいけない」

『獣の奏者』の電子書籍を配信/講談社

講談社は、シリーズ累計120万部のファンタジー小説『獣の奏者』(上橋菜穂子著)のAppStoreでの配信を9月15日からスタートした。
このアプリケーションはiPhone、iPadにユニバーサル対応し、ユーザーが小説の試し読みを含む無料アプリをダウンロードした後に続きを購入出来る仕組み。シリーズ全5巻のうち、まず「闘蛇編」「王獣編」を各450円で販売、電子書籍版の特典として、著者の電子書籍発売に当たってのコメントが無料で読めるほか、購入後の各巻末に「上橋菜穂子への50の質問」を収録している。

参考図書

◇東京書籍、百周年記念の社史刊行
東京書籍は、創業100周年を記念して「東京書籍百年史」「東京書籍100年のあゆみ」で構成する社史を刊行した。
「東京書籍百年史」は、教科書・教材のデジタル化への対応など最近の動向のほか、明治・大正期の教科書史、植民地における教科書史など新しい史実について最新の研究成果を盛り込み、同社の百年の歴史を通観した。
「東京書籍100年のあゆみ」は、写真やトピックを材料に100年の歴史を振り返るもので、DVD―ROM「デジタル版動画でみる東京書籍100年のあゆみ」が付いている。

実業之日本社、10月5日に文庫創刊/東野圭吾作品など9点刊行

実業之日本社は9月8日、銀座の三笠会館本店に取次会社を招き、10月5日創刊する「実業之日本社文庫」の説明会を開催した。
「実業之日本社文庫」はミステリー、時代小説、青春小説、経済小説、エッセイ、ノンフィクションなどを厳選して刊行するもので、10月5日には東野圭吾の文庫オリジナル長編ミステリー『白銀ジャック』を始め、堂場瞬一『水を打つ(上)』、内田康夫『名探偵浅見光彦の食いしん坊紀行』など9点をラインナップ。第2回は11月5日、第3回は12月4日に各7点を刊行、来年以降は偶数月に5~6点の刊行を予定している。
説明会の席上、実業之日本社・増田義和社長は「業界が厳しく年々売上が縮小している時だからこそ、書店や販売会社に喜んでもらえる文庫シリーズをつくり上げていきたい。これまで文芸出版は四六判の単行本と新書版ノベルスを長いこと続けてきた。この数年を見ると、1500円を超える単行本は作家のコアなファンには買っていただけるが、その先の売り伸ばしが厳しく、ノベルスは書店の販売スペースが年々縮小している。また、良い作品であってもノベルスには向かないという作家がかなり増えている。そういったことを考え合わせて、我々が文芸分野を続けていく以上、文庫という形態が必要だと考えた」とあいさつ。
販売本部の原浩史本部長は「創業113年を迎える歴史の中で始めて文庫という分野に進出することになった。編集者が努力して取ってきた作品が、最後は他社から文庫で出てしまうという忸怩たる思いがあった。今回文庫を創刊するということで、社員一同気持ちを新たに取り組んでいく」と述べた。

受賞

◇乱歩賞に横関大氏
第56回江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催、講談社、フジテレビジョン後援)は横関大氏の『再会』(講談社刊)に決まり、9月9日、東京・日比谷の帝国ホテルで贈呈式が開かれた。8度目の挑戦で受賞を果たした横関氏は「プレッシャーを感じている。1作1作、着実に作品を書いていきたい」と喜びを語った。

webサイト「最前線」をプレオープン/星海社

講談社の子会社・星海社はwebサイト「最前線」を9月15日にプレオープン。これに先立ち14日に池袋アカデミーホールで一般読者約百名を招待して前夜祭イベントを行った。
「最前線」では、小説や漫画等のコンテンツをDRM(著作権保護技術)の制限なしで無料公開。ユーザーが自由にダウンロードして読むことができ、コピー&ペースト、URLへの直接リンクも可能。サイトには、虚淵玄・小説、高河ゆん・イラストによるファンタジー小説『金の瞳と鉄の剣』など6作品を掲載するほか、イラストレーターがイラストを書き下ろす「星海社竹画廊」や、声優の朗読を配信する「坂本真綾の満月朗読館」などの企画も行う。メールやブログ、ツイッターと連携して多様な情報発信を行っていく。
「最前線」はグランドオープンを今年冬とし、紙メディアの「星海社FICTIONS」や「星海社文庫」との連動を予定。「星海社FICTIONS」は売上の1%を新人賞の賞金の原資に拠出する。

57期売上高400億円/専務に加藤顯次氏/太洋社決算

太洋社は9月29日開催の定時株主総会・取締役会に先立ち、9月10日に第57期(平成21年7月~22年6月)の決算概況を発表した。
これによると、今期の売上高は前期比4・4%減の400億3434万円で5期連続の減収となった。内訳は雑誌208億9100万円(前期比1・9%減)、書籍185億1500万円(同6・8%減)、その他6億2800万円(12・2%減)。返品率は雑誌39・0%、書籍41・6%、その他23・2%、計39・6%だった。
物流再編で物流4拠点を埼玉・志木市の志木センターに集約したため販売費及び一般管理費が増加。営業利益は66万円に大幅減少し、経常損益は1億3806万円の赤字となった。しかし、船橋流通センターを京成電鉄に売却したことなどで特別利益9億7484万円を計上し、税引前当期純利益は8億1945万円、当期純利益は5億2595万円と大幅増益となった。自己資本比率は12・4%。配当は1株当たり50円。
役員人事では、今年3月にマーケティング会社㈱インテージを退社し、4月に太洋社顧問に就任した加藤顯次氏を専務取締役に新任し、新設した事業開発室と人事統括室の担当にするとした。
第58期の重点方針は①経営基盤の強化、②変化に対応するための「人財」育成、③ネットコミュニケーションへの対応、④既存取次事業の高度化・効率化、⑤新規事業への参入と新商材の開発――の5点。人財育成と新規事業への参入については、國弘社長と加藤専務が中心となって推進する。売上目標は前期比3・6%増の415億円。

本屋のうちそと

忙しい毎日、落ち着いて本を読む時間は中々取れません。実際に、長編小説などはじっくりとそして一気に読んでみたいと思いますよね。
かつて2週間ほどの入院を余儀なくされた時、チャンスとばかりに病室に持ち込んだのは『坂の上の雲』全8巻でした。ずーっと昔に読んでいたのを改めて読み直そうと思ったのです。ところが秋山兄弟の活躍ばかりが記憶に残っていたこの本。病を得て読んでみると、こんどは正岡子規の闘病のところばかりに眼がいってしまうのです。彼の病状が悪化するにつれて、こちらの気持ちも沈んでいくのには参りました。
こういう失敗をしないように、「入院されている方へのお見舞いに何か肩のこらない本を…」、と言われた時にお勧めする本を選んで、小さなコーナーを設けてあります。綾小路きみまろの爆笑シリーズや島田洋七のがばいばあちゃん。柳家小三治の『ま・く・ら』とか佐藤愛子・池波正太郎・小沢昭一らのエッセイ集や短編のアンソロジー等が中心になります。様々な作者の短い文章が集められたものは、どこから読んでも構いませんし、見知らぬ作者との出会いに、新たな発見をしていただけるかも知れません。特に文藝春秋から毎年発売されるベスト・エッセイ集にはずれはありません。
このミニ・コーナー、中々に良い回転をしていまして、これからの棚作りのヒントを示してもいるようです。(広辞猿)

電子書籍書店アプリの提供開始/廣済堂

廣済堂は、iPhoneとiPad向け電子書籍書店アプリ「BookGate」を開発、8月からAppStoreで提供を始めた。
「BookGate」は書籍の検索から購入、読書、本棚のカスタマイズまでを1つのアプリ内で提供するもので、iPhoneとiPadの両方で見られるユニバーサル対応。決済はAppStoreのシステム「InAppPurchase」を利用する。オープン時は70タイトルをリリース、10月末までに約3百タイトル、年度内に2千タイトルの品揃えを予定。また、読みやすさを追求したテキストビューアの開発に着手し、年内の実装を目指す。
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