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平成23年3月1日号
日書連から5氏推薦/全出版人大会長寿者表彰

5月13日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれる第50回「全出版人大会」の長寿者表彰に、日書連から鈴木喜重副会長(千葉)、木野村祐助副会長(岐阜)、OBの下向磐元副会長(東京)、奥村弘志元副会長(東京)、今西英雄元副会長(大阪)の計5氏を候補者として推薦することを決めた。

書店再生委員会を設置/再販制の利点活用を検討/日書連

日書連は2月18日、書店会館で定例理事会を開き、書店再生委員会を設置することを決めた。正副委員長は藤原、西村両副会長がつとめる。汚損本の最終処分権など小売店が本来持っている権利・権能について考え、再販制の利点を生かしながら書店経営を再生する方法を検討する。

〔政策〕
「書店再生委員会」を設置することを決めた。東京組合「書店再生を考える委員会」の提案を受け、①書店が所有権を有し処分できる商品、②書店の処分可能日――等について議論し、再販制の利点を生かしながら書店経営を再生する方法を探る。書店が最終処分権を有する商品としては汚損本、支払済買切扱い商品、責任販売制のうちの買切扱い商品が考えられている。
東京組合の同委員会は、昨年10月、日書連理事会での大橋会長の「変化の時代に対応した書店経営をするには、小売店が本来持っている権利・権能を考え、再販制の利点を生かし、再生する工夫をするべき」という発言を踏まえて設立されたもの。メンバーは委員長=片岡隆常務理事、委員=大橋信夫理事長、柴﨑繁副理事長、舩坂良雄副理事長、岡嶋成夫副理事長、小泉忠男副理事長、市川晶裕特任理事代理(紀伊國屋書店)、渡辺泰特任理事(有隣堂)、小城武彦特任理事(丸善)、望月伸晃特任理事代理(八重洲ブックセンター)、渋谷眞常務理事、渡辺真常務理事。1月6日の第1回委員会から計6回協議を重ねてきた。
日書連「書店再生委員会」はこれを全国組織に昇格させたもの。藤原副会長が委員長、西村副会長が副委員長をつとめ、東京組合「書店再生を考える委員会」のメンバーで構成する。大橋会長は「考えをまとめ、出版社や取次と話し合いたい。汚損本の範疇で最終処分権を書店にほしい」との考えを示した。
平成22年度「組合活性化資金」については、23組合に総額200万円を支出することを決めた。内訳は以下の通り。▽15万円=北海道、神奈川、京都▽10万円=青森、秋田、山形、群馬、千葉、東京、愛知、新潟、石川、長野、兵庫▽5万円=埼玉、山梨、大阪、奈良、鳥取、島根、長崎、熊本、沖縄。
また、6月23日に開催する第23回通常総会の会場を、経費節減のため、予定していた東京・飯田橋のホテルエドモントから東京・神田駿河台の書店会館に変更することを承認した。
〔消費税問題〕
書協、雑協、取協、日書連の出版4団体は2月1日、政府税制調査会と税調会長の野田佳彦財務大臣に対して、昨年12月16日に閣議決定された平成23年度税制改正大綱の中で「社会保障の安定・強化を目的に消費税の引き上げを提起」とされていることについて、「消費税率引き上げの際には、書籍・雑誌等の出版物に軽減税率の導入をすること」を求める要望書=別掲=を提出した。
面屋委員長は「心の糧である読書に課税するなという日書連の基本姿勢に変化はない。出版業界が一致して税率据え置き、税率引き上げの際は出版物に軽減税率を求める二段構えの運動を展開したい」と述べた。
〔広報〕
日書連ホームページ部会(辻本和樹部会長)の第1回会合が2月17日に行われたと報告があった。同部会は日書連ホームページを大幅刷新するため1月の日書連定例理事会で立ちあげたもの。読者に役立つ情報を提供し、組合員にメリットを与えるためのフレーム作りを検討していく。全国広報委員と各種団体にアンケートを送付し、魅力あるホームページ作りについて意見を募る。

平成23年度税制に関する要望事項【消費税率引き上げの際には、書籍・雑誌等の出版物に軽減税率の導入をすること】

平成22年12月16日に「平成23年度税制改正大綱」が閣議決定されました。この大綱では、4つの基本的な柱が示され、その4つの考え方を基本に所得税・資産課税・消費課税までにわたる改正を行うこととしています。消費税のあり方については、この大綱の中で『社会保障の安定・強化を目的に消費税の引き上げを提起』とされています。このような状況の中で、出版界としての考え方を要望書と致しましたので、格別の取り扱いを図られるようお願い申し上げます。
軽減税率は、いち早く欧州が付加価値税での導入をしておりますが、書籍・雑誌に対する税率は、イギリスは標準税率17・5%に対してゼロ税率、ドイツは標準税率19%に対して7%、フランスは標準税率19・6%に対して書籍5・5%・雑誌2・1%、スウェーデンは標準課税25%に対して6%となっております。EU各国は、特に2007年からは「産業の保護」「文化政策」という目的に限って軽減税率を適用しております。
とりわけ「文化政策」は文化保護や国民への教養機会の提供という観点から、文化関連の財・サービスの価格を低く抑えることを目的としています。一方日本国内では、書籍・雑誌によって普及してきた文字・活字文化はあらゆるコンテンツの源泉となっています。従いまして、書籍・雑誌等の出版物は、国民が広く平等に出版物に触れる機会が得られるために、価格を低く抑える必要があります。
2005年(平成17年)7月に「文字・活字文化振興法」が制定され、すべての国民が等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境整備を国及び地方公共団体の責務として、関係機関及び民間団体等と連携、総合的な施策を策定し実施することとしています。また、学術的出版物の普及について、国が出版の支援その他の必要な施策を講ずることとしています。「2010年は国民読書年」ということから、出版界も業界を挙げて文字・活字文化の重要性を訴えて多様な読書推進運動を展開して参りました。
私たち出版界は、子どもの国語力の低下が指摘されるなか、税率の据え置き又は、軽減税率の適用がなくなりますと、ますます出版物に接する機会を減少させることとなり、読書習慣の形成の上からも見過ごすことの出来ない問題であると考えております。
以上、平成23年度税制改正にあたっては、貴税制調査会が出版界の要望をおくみ取りのうえ、出版文化の衰退を招くことがないよう、ご配慮して頂くことを強く望むところであります。

経産省書籍デジタル化推進事業、JPOなどと共同提案へ/2月理事会

〔情報化推進〕
経済産業省の平成22年度書籍等デジタル化推進事業の委託先募集に日本出版インフラセンター(JPO)が公募申請を行うことになり、日書連が共同提案団体として同事業に参加することを承認した。
同事業は出版物等のデジタルコンテンツの利用機会の拡大、収益構造の確保等を図るため、複雑化する市場に即したビジネスモデルの構築に必要な環境を整備することを目的としており、経産省は課題の一つとして「書店を通じた電子出版と紙の出版物のシナジー効果の発揮」をあげている。採択件数は3、4件程度。予算規模は全体で上限2億円。
JPOが提案する事業内容は①新ICT活用ハイブリッド型書店の調査研究②書店活性化新業態開発の調査研究③次世代書店モデルの調査研究。ためほんくん、在庫情報開示、本の学校のあり方などについて提案する。検討委員会として「フューチャー・ブックストア・フォーラム」(仮称)を設立し、正副会長に肥田美代子、植村八潮の両氏が就任する予定。事務局はJPOが担当。日書連、JPIC、本の学校運営委員会、出版倉庫協議会、業界団体、学識経験者などが参加する。
井門委員長は「電子書籍に対するビジョンがまだ描かれていない。次世代の書店の役割を業界全体で検討し明確化できれば」と期待を示した。
全国の公共図書館で電子図書館導入が本格化していることについては「地方出版物のデジタル版を地元書店として納入することから始めたい」との考えを示した。
〔指導・教育〕
全国万引犯罪防止機構(万防機構)の臨時総会・討論会が1月24日に開催されたことを鈴木委員長が報告した。
臨時総会では「マイバッグ使用のルール化をどう進めるか」「万引品処分市場をどう撲滅するか」「万引犯の店内捕捉に関わる諸問題」の三つのテーマを検討する小委員会を総務委員会の中に新設することを決め、日書連は「万引品処分市場をどう撲滅するか」の小委員会に小泉常任委員を派遣することになった。この問題について総会後の討論会で「古物営業法施行規則の改正で店頭買い取りが減少する反面、インターネットでの取引が増加するのではないか。ネットオークション業者は売買の場を提供しているだけとして、施行規則改正が及ばない。次はこの問題を解決すべき」などの意見が出た。
万引犯の店内捕捉については「三洋堂書店が数店で『万引きは店内でも捕捉します』とのポスターを店内に掲示したところ、牽制になっているのか捕捉事例が出なくなったようだ。しかし店内捕捉には誤認と人権の問題があり警備会社も嫌がる。愛知県警以外に店内捕捉を認めている例は今のところない」と述べ、店内捕捉の是非について引き続き調査するとした。
〔流通改善〕
雑誌のL表示問題について、具体事例を集めて検討したいとの方針を藤原委員長が示した。
〔組織〕
1月期の各県組合の加入・脱退は加入1店、脱退17店で、前月対比16店純減となり、傘下組合員数は合計5026店になったと中山委員長が報告した。〔読書推進〕
「読売新聞本屋さんへ行こう!キャンペーン」の同東京本社版夕刊掲載日とキャンペーン期間が変更になったと西村委員長が報告した。掲載日は3月9日付から3月14日付、キャンペーン期間は3月9日~4月10日から3月14日~4月17日にそれぞれ変更となった。

電子書籍サービス、規約の制限の対象に/小売公取協

出版物小売業公正取引協議会の影山専務理事は2月18日の同協議会定例理事会で、「電子書籍のサービスは『公正競争規約』の制限の対象」とする文書=別掲=を公表した。
影山専務理事は、今後、電子書籍がらみの相談事例があった場合、「電子書籍のサービスを顧客誘引の手段として取引に附随して提供すれば、景品類の提供として同規約の制限の対象となることは明白」との考え方を基本に対応していく方針を示した。また、具体的事案については「消費者庁の考えを仰ぐこともある」とした。

〔電子書籍のサービスは「規約」の制限の対象〕
1、問題の発端
大手A書店が、B出版社の書籍を購入すると、同社の電子書籍を無料で提供するキャンペーンが報じられました。
電子書籍という、新しい情報媒体の登場によって提起された被疑事例が発端となって、当該サービスが、果して「規約」の運用上景品類の提供に当るのか否かの判断が、早急に求められることになりました。
2、「景品表示法」及び「規約」上の考え方
「値引」は景品規制の対象とはなりませんので、「規約」の運用上「景品」と「値引」の区別をすることは、重要な課題なのです。
景品表示法では、景品制限告示の運用基準で「値引」の範囲を明確にしています。
①対価の減額②金銭の割り戻しの他に、③同一物の付加も「値引」として定義されています。(何れも複数回数の取引を含む)
電子書籍の無料提供は、同一物の付加(「値引」)と判断出来るものでしょうか。
公正取引委員会は、出版物と電子書籍について次のような見解を公表しています。
「独禁法の規定上は、『物』を対象としている。一方ネットワークを通じて配信される電子書籍は『情報』として流通している。従って電子書籍は再販の対象とならない」
―平成22年12月3日、公取委ホームページ―
電子書籍が「情報」であるならば、指定告示で定義されている景品類「経済上の利益」のうちの「便益」に当ります。
「便益」は「規約」の運用の手引では「情報の提供」を含む、とされていて顧客誘引の手段として取引に附随して提供すれば、景品類の提供として「規約」の制限の対象となることは明らかです。
従って「値引」と定義される同一物の付加には当りません。
今後、電子書籍がらみの被疑事例を判断するに当っては、「規約」の制限の範囲で対応することを基本として、その役割を果たして参りたいと考えます。
ただし、出版に関する情報の提供については、アフターサービスとして規制の対象から外しています。

1月期売上6・7%減/コミックの大幅減響く/日販調べ

日販経営相談センター調べの1月期書店分類別売上調査が発表された。売上高対前年比は雑誌、書籍ともにマイナスとなり、合計では6・7%の大幅減になった。
雑誌は6・4%減。先月に続き全ジャンルでマイナスになった。特にコミックが8・6%の大幅減となった影響が大きかった。通常4日発売である集英社のジャンプコミックスをはじめとした銘柄が昨年末に前倒しで発売されたことから、マイナス幅が拡大した。
書籍は6・9%減。ポプラ社『KAGEROU』の売上が落ち着いたものの、飛鳥新社『くじけないで』などの既刊が引き続き好調で、文芸書は1・9%増とプラスを維持。一方、実用書は20・1%の大幅減に。前年同時期に幻冬舎『巻くだけダイエット』が重版とパブリシティの影響で売上を大きく伸ばしていたことから、今月は反動減になった。

本屋さんへ行こうキャンペーン/QRコード利用で応募増/京都組合

京都府書店商業組合(中村晃造理事長)は、昨年末まで実施していた「本屋さんへ行こうキャンペーン」の応募抽選を1月19日に行い、約2ヵ月のキャンペーンを終了した。
この催しは、組合加盟店の増売と読者サービスを目的に京都組合が毎年独自に実施しているもので、今回は書店の販促物としては定番となっているカードカレンダーを作成し、組合加盟店で来店者に配布した。
カードの表面にはキャンペーンの要領とともに「QRコード」を記載。来店した読者はコードを携帯電話のカメラで読み取り、必要事項を入力して送信する。また、パソコンからのインターネットでの応募も受付けた。読者が情報をデータで直接送って応募するスタイルは京都組合では初の試みながら、FAXでの応募もあわせた合計は311通で、前年を上回る数となった。厳正なる抽選の結果、40型液晶デジタルテレビ1名、ブルーレイディスクレコーダー1名、図書カード3千円分30名の当選を決めた。
担当した黒澤靖活性化委員長(アポロン書房)は総括して、「今回は、応募数とともにキャンペーンへの参加書店数が大幅に増えた。『書店のレジ横にカードカレンダーを置くだけ』とした配布スタイルが、負担なく参加できる形として受け入れられたのではないか。読者側については、あえて応募条件を設けず、キャンペーンカードを配布している書店に来店すれば誰でも手軽に参加できる形式を採用したことで、幅広い参加を呼びかけた。一律な当選機会による公平性が重要と考え、重複応募した参加者を統合させる照合作業が生じたが、今回はデータでの応募を主軸にしたことで、作業が容易にコンピュータ上で明確に行えたのも功を奏した結果となった。国民読書年だった今回は、景品に充てる予算の配分を増やすために、宣伝広告費を抑える目的で販促効果の高いカードカレンダーのみを制作しての実施となったが、例年並みの予算でそれ以上の成果が得られたと考えている。今後は課題とされる告知方法の見直し、さらには出版社との連携の可能性を探るなど、費用対効果を高めた展開を行うことで、さらに充実した読者サービスを図るとともに、組合加盟書店の売上増加に貢献したい」としている。
(澤田直哉広報委員)

「声」/『親子ふれあい文庫』は絵本受注のチャンス/郡山市・高島書房・高島瑞雄

全国の書店のみなさん!ご存知ですか。国の政策で書店関係に注文が舞い込んできています!
「光をそそぐ交付金」の話ではありません。幼稚園・保育所に対しての子育て支援『親子ふれあい文庫』(地域により名称が異なります)といい、1施設に対して30万円前後の予算がついております。弊社では、年末年始で10数箇所から200万円以上のご注文をいただきました。施設に対してのアプローチの早い者勝ちです。
大阪や福島、新潟では数千冊の絵本の注文がきていますよ。30万円の予算の内容は、園児親子や地域近隣に対する貸し出しのための絵本や紙芝居および書架の購入費です。
幼稚園・保育所専門の絵本屋さんは、版元系列が多いので、一般書店は有利ですよ。既に享受された書店さんはご苦労さまでした。いいお年玉になりましたね。

生活実用書/注目的新刊

面白い文庫平台の陳列法を書店で見た。タイトルも似せているために違和感はない。二点の本が一冊ずつ、互い違いに置かれている。つまり、平台は一カ所なのである。
文庫は特に出版社ごとの陳列が主流だが、読者は版元やブランドで本を買うのではないということを、改めて見せられたようである。書店の管理しやすい陳列ではない、お客の身になった方法である。
帯津良一/藤井直樹著『病気にならない全身のツボ大地図帖』(三笠書房知的生き方文庫お―39―2648円)がその一冊目。15刷を超えるロングセラーである。
ツボは気の流れる道の経絡の上にある気の入り口。経絡の分析をドイツ、フランスなどの大プロジェクトが試みたが、西洋医学ではついに解析できなかったという。しかし現実に存在するし、ハリ麻酔の手術なども行われている。ツボの威力はすごいのだ。
ツボの正しい押し方は、息を吐きながら力を加え、鼻から吸いながら力を抜く。これを10回繰り返す。では、ツボはどこにあるのかというわけで、頭からつま先まで全身のツボがイラスト上で紹介。
痛み、ちょっとした不調、ストレス・疲労、体質改善、美容、ダイエットから心の不調まで細かく解説される。
たとえば禁煙には肺、口、飢点、神門の四つのツボ。すべて耳の周囲にあるので、ここを楊枝の丸い方で押す。吸いたい気持ちを根本から絶ってくれるツボである。
二冊目は、佐藤一美著『痛みをとる・病気にならない体に効くツボ大地図帖』(永岡書店552円)である。
こちらも全身のツボインデックスがあって、同じようにイラストで紹介されている。
たとえば腰の痛みの初期には崑崙というツボ。外くるぶしから後ろ、アキレス腱にぶつかるところを刺激する。ギックリ腰には中封。つま先を上にそらして浮き出る腱と内くるぶしの間にできたくぼみの中心。さらに慢性的な腰痛を改善するには照海。内くるぶしの突起から真下に、親指の幅分下がった箇所である。いずれもポイントはいつでも
何回でも押してよく、3~5秒押して離し、3~5分これを繰り返せばいいのだ。
以前、『体のツボの大地図帖』(マガジンハウス)も紹介したが、どうやら大地図帖は流行している。
(遊友出版・斎藤一郎)

第18期受講生98名が修了/JPIC読書アドバイザー養成講座

出版文化産業振興財団(JPIC)が主催する第18期JPIC読書アドバイザーの修了式が1月31日に新宿区の日本出版クラブ会館で行われた。
第18期の修了生は98名。主催者を代表し肥田美代子理事長は「第1期から数えてこれで1800人の読書アドバイザーが誕生したことになる。これから大きな力を発揮するチャンスが来た。昨年の国民読書年から国が動き出し、本に関する状況が変わり始めている。皆さんと力を合わせて読書環境をよい状況にすることが、子どもたちの未来に対する私たちの役目だ」とあいさつした。
来賓の日本出版取次協会・山﨑厚男会長は「ツイッターやフェイスブック、ブログを使ったソーシャルリーディングの動きが注目を集めている。全国にある読書会をITの力で結んでいく動きもこれから出てくるのではないか。それには読書のコミュニティを主宰したり、読書をナビゲートする力をもつ人がたくさんいることが大事だ。読書アドバイザーにそういう仕事を担っていただきたい」と祝辞を述べた。
講師代表の永江朗氏は「時代の大転換期にあたって、出版界に智恵が足りない。『ここはこうした方がいい』という文句をどんどん言ってほしい。出版界のパトロンになった気持ちでアドバイザー活動を日々実践していただきたい。相互に連絡を取り合ってそれぞれの地域、職域で活動を広げてもらえたらうれしい」とあいさつ。肥田理事長から修了生代表7名に修了証が授与された。

電子雑誌「BOX-AiR」を創刊/講談社

講談社は新人作家を中心とした電子雑誌「BOX‐AiR」を創刊、2月4日に「零号」を発売した。アップストアからiPad/iPhone向けアプリと、電子書籍作成・販売サイト「パブー」からPDF、EPUB版を販売する。価格は350円。
「BOX‐AiR」は、講談社の書籍レーベル「講談社BOX」編集部が手掛け、キングレコードのアニメレーベル「スターチャイルド」と、第一線のクリエイターが集まり刊行する電子書籍「AiR」が参加。アニメ化も見据えて毎月新人作品の選考会を行い、最短では2ヵ月で本誌に掲載する。「創刊零号」には、第1回BOX‐AiR新人賞を受賞した千石サクラ氏の小説「FortuneGirl」など7作品を収録。4月から毎月刊行し、12月にはアニメ化する作品を発表する。
講談社本社で2月4日行われた発表会で、講談社BOXの秋元直樹部長は「新人賞に応募される原稿を見て、文学作品よりもアニメやマンガに強く影響を受けて書いている作品が多いと感じ、アニメ化作品を選ぶ前提で電子雑誌を立ち上げようと考えた。BOX‐AiRの特色はスピード感とライブ感。選考会議はUstreamで配信する」と述べた。

電子書籍テーマに研修会/文化通信・星野編集長が講演/埼玉組合

埼玉県書店商業組合(水野兼太郎理事長)は2月14日、浦和ワシントンホテルで平成22年度研修会を開催。「電子書籍と書店」をテーマに文化通信社取締役編集長の星野渉氏が講演し、34名が出席した。
研修会は根岸秀夫教育指導委員長の司会で進行し、水野理事長が「電子書籍元年、いよいよ黒船来ると各地で騒々しくなっている。私たちの活動がどのような形になっていくのか、講演をうかがって書店のこれから行く道を探っていきたい」とあいさつした。
講演で星野氏は、日本の電子書籍の現状について、「端末も普及しておらず、実態として市場はできていないが、昨年ブームとなった背景には、グーグルやアマゾン、アップルなど外資の動きと、国立国会図書館による所蔵資料の大規模デジタル化の動きが相まって、将来に向けて電子化をしていく上で必要な準備が様々なレベルで進んだということがある」と説明。総務省、文部科学省、経済産業省が電子書籍の環境整備で個別課題の検討を進めていることや、出版業界における権利処理モデル・出版契約書ヒナ型の作成、様々な電子書籍サービスの開始など各方面の動向を説明し、「制作体制、契約関係、販売チャネルという各段階の調整がこの1、2年で急速に進む。電子書籍の提供は今後増えていくだろうが、まだ時間がかかる」と分析した。
今後の展開については、基本的にはニーズがある分野から電子化が進行するだろうが、図書館、教科書の動向に注視すべきだと指摘。「地元書店から図書館に電子書籍を納入できる環境整備を真剣に考えなければいけない。教科書のデジタル化では、教科書供給システムという既存産業への影響が大きいことを堂々と主張する方が説得力がある」と述べた。
最後にこれからの書店を考えるポイントとして「電子書籍で読者が書店から離れているわけではなく、今でも伸びている書店はある。そういう店に来るお客は何を求めているのか、書店の根本的な価値は何かを考える必要がある。リアル書店の魅力を追求するとともに、電子的な手段を書店のサービス向上に活用する。業界外の人からも意見を聞き、次世代の書店ビジョンを作り具体化していくことが大切ではないか」と提案した。

第2期の実証実験行う/雑誌コンテンツデジタル配信/雑協

雑協のデジタルコンテンツ推進委員会は、雑誌コンテンツデジタル配信の第2期実証実験を2月1日から28日までの1ヵ月間実施した。総務省サイバー特区事業の一環として行われているもので、3月末までに実験結果をまとめる。
第2期実証実験では、実験サイト「Pararaβ」を開設して、雑誌の発売日同時配信をはじめ、海外配信、アクセシビリティ、広告効果について実験を行った。配信対象は、調査会社のモニター集団約6百人。
同時配信実験は10社11誌を対象とし、紙の雑誌の発売とほぼ同時に電子雑誌を配信した。各誌編集部が編集作業で大見出し、小見出し、リード等にタグ付けして自動検索に対応。雑誌の見出しが流れるように表示される「見出しクラウド」により、見出しをクリックして記事が閲覧できる。読者が記事をキーワードで検索したり、好きな記事をまとめて保管し読める仕組みにした。
海外配信は9社12誌を対象に、アメリカの電子書籍サービス「Zinio」には英語、中国の方正には中国語、韓国は懇国雑誌協会のホームページに日本語で配信した。
アクセシビリティ実験は、NTTクラルティの協力で視覚障害者への音声読み上げ実験を実施。広告効果については電子雑誌の有料配信サービス「MAGASTORE」に連動した実験を行った。
昨年実施した第1期実証実験では、「Pararaα」サイトに61社91誌約5千の記事を掲載してモニター約3千人に配信。雑誌記事を配信するのに適した形態・手法や、雑誌単位・記事単位の購入動向などの調査・研究を行った。モニターのアンケート調査では、約6割が有料サービスでも利用したいと回答、最新号の記事が読みたいという意見が多く上がっていた。
〔同時配信実験参加雑誌〕
▽MacPeople(アスキー・メディアワークス)▽GetNavi(学研パブリッシング)▽レタスクラブ(角川SSコミュニケーションズ)▽毎日が発見(同上)▽暮しの手帖(暮しの手帖社)▽Gainer(光文社)▽エクラ(集英社)▽ひとり暮らしをとことん楽しむ!(主婦と生活社)▽歴史読本(新人物往来社)▽きょうの料理ビギナーズ(NHK出版)▽Hanako(マガジンハウス)
〔海外配信実験参加雑誌〕
▽MacPeople(アスキー・メディアワークス)▽暮しの手帖(暮しの手帖社)▽ナチュリラ(主婦と生活社)▽ひとり暮らしをとことん楽しむ!(同上)▽日経デザイン(日経BP社)▽きょうの料理ビギナーズ(NHK出版)▽Spa!(扶桑社)▽住まいの設計(同上)▽JELLY(ぶんか社)▽CasaBrutus(マガジンハウス)▽Hanako(同上)▽自転車人(山と溪谷社)

組合ホームページをリニューアル/山形組合

山形県書店商業組合は、全国中小企業団体中央会の「平成22年組合等Web構築支援事業」の助成を受け、組合ホームページのリニューアルを行った。
ホームページの変更点として、日書連の施策の一つである「郷土出版物のデータベース化」を踏まえ、山形県の出版物約400点を掲載(表紙写真と出版詳細・内容)、さらに書名検索システムを付加したサイトを新たに作成した。
また組合員ピックアップサイトでは、各組合員店舗を訪問し、インタビュー等で身近に組合書店を紹介している。
まだスタートしたばかりだが、今後も事務局で更新を重ね、県内の読者への情報発信サイトになればと考えている。
(五十嵐靖彦広報委員)

電撃コミックGPの贈呈式/アスキー・メディアワークス

アスキー・メディアワークスが主催する「第12回電撃コミックグランプリ」の贈呈式と新年会が1月28日に西新宿のヒルトン東京で行われた。
電撃コミックグランプリは、今回から作品の募集期間を1年間に変更。『月刊コミック電撃大王』『電撃マ王』『シルフ』各誌新人賞への応募及び一般公募の、少年マンガ、少女マンガ両部門を合わせた選考本数307作品の中から受賞作を決定した。少年マンガ部門はグランプリに竣成さんの『BLACKTHEATER』ほか、準グランプリ2点、優秀賞2点が受賞。少女マンガ部門は準グランプリ1点、優秀賞1点が受賞した。
贈呈式であいさつしたアスキー・メディアワークスの髙野潔社長は「今回から賞の選考方法が変わったことに合わせるかのように、受賞作品もパワーアップされたものが多かった。電撃コミックグランプリは皆さんの今後の活躍次第で賞自体が盛り上がっていく。担当編集者の言うことを素直な心で聞き、それを糧に次の作品を作ってもらいたい。昨年12月には電子コミック雑誌『電撃コミックジャパン』を創刊した。皆さんが活躍できる場はいっぱい用意している。連載作品を載っけるくらい活躍してほしい」と受賞者を激励した。

3月10、11日に新商品展示会を開催/日販事業戦略部

日販は3月10日と11日の2日間、事業戦略部主催の「新商品展示会」を日販本社5階会議室で開催する。
この展示会では、事業戦略部が取扱う文具・雑貨をはじめとする「開発品」の新商品・新企画を一堂に展示。書籍や雑誌とともに相乗効果を狙え、売上アップに役立つ新商材について直接相談できる場として活用できる。
〔開催要領〕
▽日時=3月10日(木)午前10時~午後5時、11日(金)午前10時~午後4時(最終入場午後3時)
▽参加費=無料(事前に営業担当者または事業戦略部に申し込む)
▽出品予定=文具/玩具/知育玩具/キャラクター雑貨/菓子/生活用品/トレーディングカード/検定事業/書店備品ほか。メーカー20社以上の出展を予定。

児童養護施設へ図書寄贈と読み聞かせ/日販労組

日本出版販売労働組合は12月11日、1月15日・22日・29日の4日にわたり都内の児童養護施設等を訪問し、毎年恒例となっている図書寄贈と読み聞かせを行った。
この活動は「より多くの子どもたちに、本を読む楽しみを体験してもらいたい」という主旨で1982年からスタート。組合員の募金を元に継続した活動を行い、延べ397ヵ所の施設を訪問している。
今年度は20代から30代の若手を中心に40名の組合員が7ヵ所の児童養護施設等を訪問し、約2百冊の本をプレゼントした。今回は参加した半数が初めての絵本の読み聞かせに挑戦。絵本選びから事前の練習などを重ねて当日の読み聞かせに臨み、子どもたちと一緒に休日のひと時を過ごした。

『君に伝えたい本屋さんの思い出』

日販が書店経営者・店長向けに毎月発行する「日販通信」の巻頭エッセイ「書店との出合い」が、主婦と生活社から『君に伝えたい本屋さんの思い出』として刊行された。四六判並製256頁・定価1500円(税込)。
同書は、著名作家や文化人の「本屋さん」にまつわる思い出のエッセイを集めたアンソロジー。山際淳司が高校時代に通った書店、宮部みゆきの大切な隠れ家など、「日販通信」に1988年から現在までに掲載された中から60編をセレクトしている。なお、この本の売上の一部は、日販からNPO法人本屋大賞実行委員会に寄付する。

ミランダ・ジュライと盛田隆二が受賞/ツイッター文学賞

2010年に面白かった小説をツイッターの投票で選ぶ第1回「Twitter文学賞」の結果が2月5日に発表され、海外作品はミランダ・ジュライの『いちばんここに似合う人』(新潮社)、国内作品は盛田隆二の『二人静』(光文社)がトップとなった。この賞は書評家の豊崎由美氏が「これまでにない面白い文学賞を作っていきましょう」とブログで呼びかけて企画したもの。海外作品、国内作品のトップ5は以下の通り。
〔海外作品〕
①ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』(新潮社)②トマス・ピンチョン『逆行』(新潮社)③エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』(早川書房)、デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』(早川書房)④ジョルジュ・ペレック『煙滅』(水声社)、ボストン・テラン『音もなく少女は』(文藝春秋)⑤ロベルト・ボラーニョ『野生の探偵たち』(白水社)
〔国内作品〕
①盛田隆二『二人静』(光文社)②阿部和重『ピストルズ』(講談社)③星野智幸『俺俺』(新潮社)、樋口穀宏『民宿雪国』(祥伝社)④上田早夕里『華竜の宮』(早川書房)、森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川書店)⑤柴崎友香『寝ても覚めても』(河出書房新社)

7年ぶりの4人ダブル受賞/芥川賞・直木賞贈呈式

第144回芥川賞・直木賞の贈呈式が2月18日午後6時から東京・丸の内の東京會館で開かれた。今回受賞したのは、芥川賞が『きことわ』の朝吹真理子さん、『苦役列車』の西村賢太さん、直木賞が『漂砂のうたう』の木内昇さん、『月と蟹』の道尾秀介さん。計4人の受賞者が出たのは7年ぶりとなる。
受賞者あいさつで、芥川賞の朝吹さんは「2009年に初めて小説を発表する前は、書いたものを机の引き出しにしまっていたが、その引き出しは無数のリンク先につながっているという気持ちで書いてきた。今は読者とやりとりできることがうれしい。これからも読み手のあなたに届くよう心を尽くして書いていく」と喜びを語った。また、西村さんは「自分の作品は芥川賞に向かないと思っていたので驚いている。これからも変わらず書いていきたい」と抱負を述べた。
直木賞の木内さんは「海のものとも山のものともつかない私に小説を書かせてくれた編集者に感謝したい。プレッシャーに押し潰されず、むしろ受賞を糧にしたい。これから山あり谷ありの作家生活だと思うがマイペースでやっていく。物語世界に従順かつ真摯でありたい」と抱負を述べた。また、5回目の候補で受賞を果たした道尾さんは「小説は同じだったら面白くない。文学賞の候補になっても、影響を受けない自信がなくて、選評を読まないようにしてきた。作家が他の作家の意見を参考にするのはおかしいと思うから。これからも自分の書くものがいちばん面白いと勘違いして書き続ける」と喜びを語った。

幻冬舎のMBO成立/3月16日に上場廃止

幻冬舎は2月15日の臨時株主総会でMBO(経営陣による自社株買収)に必要な議案を可決した。同社株式は3月15日まで整理銘柄となり、同16日付でジャスダック上場廃止となる。
同社は昨年末、見城徹社長が全株式を保有するTKホールディングスがTOB(株式公開買い付け)を実施しMBOによる上場廃止を目指してきたが、英領ケイマン諸島籍の投資ファンド、イザベル・リミテッドが株式を買い増し、1月20日提出の大量保有報告書で議決権ベースの保有比率が37・4%に達していることが判明。MBO成立の動向が注目されていた。

書店マージン30%で/小池龍之介氏新刊を計画販売/小学館

小学館は小池龍之介氏の新刊『ブッダにならう苦しまない練習』を書店マージン30%の計画販売制で3月30日に発売する。返品は55%の歩安入帳となる。
受注は2回に分けて行い、受注締切は初回配本が3月8日、2回配本が4月5日。注文数をいずれも満数配本する。注文殺到の場合は重版分が分納になることもある。売れ行きに応じて次回配本も検討する。出荷条件は4カ月延勘。
計画販売制商品であることを明示するため、スリップは赤、表紙はA表示とする。新聞宣伝は4月3日付の朝日新聞、日本経済新聞を予定。書店宣伝物はパネルを大規模店向けに発送するほか、ポスター、フラッピング、サービス品のセットを20部以上発注店に用意する。
同書は現代に伝わる膨大なブッダの言葉の中から、日常生活に役立つ25の言葉を人気の僧侶・小池龍之介氏が厳選。わかりやすい現代語で解説したもの。四六判、226頁、定価本体1300円。

村山斉『宇宙は何でできているのか』/新書大賞

中央公論新社主催「新書大賞2011」の受賞作が決まり、2月10日発売の「中央公論」3月号で発表。村山斉さんの『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎)が大賞に選ばれた。2010年に刊行された新書を対象に、書店員や出版社の新書編集部員らの投票で決定される賞で、今年で4回目。他の上位受賞作品は2位『デフレの正体』(藻谷浩介著、角川書店刊)、3位『街場のメディア論』(内田樹著、光文社刊)、『競争と公平感』(大竹文雄著、中央公論新社刊)、『伊藤博文』(瀧井一博著、中央公論新社刊)。

電子書籍端末の動向とモバイルサービス/電子出版制作・流通協議会流通委員会副委員長草場匡宏氏が講演

電子出版制作・流通協議会(電流協)は1月31日、都内で会員を対象に技術委員会セミナーを開催。同協議会流通委員会副委員長の草場匡宏氏(インテル㈱シニアストラテジスト)が「電子書籍リーダー端末の技術動向とモバイルサービスの展望」をテーマに講演した。概要を紹介する。

〔タブレット端末高まる存在感/国内142万台〕
電子書籍端末はモノクロ専用リーダー、カラー専用リーダー、汎用タブレット、スマートフォンへと広がりを見せている。モノクロ専用リーダーの普及台数は世界で1000万台、国内は一部のユーザーがキンドルを輸入して購入したぐらいで80万台と言われている。汎用タブレットは昨年iPadが急速に広まり世界で800万台、国内でも142万台に達している。スマートフォンは世界で3億台を超え、国内でも500万台になっており、見過ごすことのできない重要なデバイスだと思う。
専用リーダーの表示デバイスは電子ペーパー。コストは高いが紙に近いデバイスとして優れている。一方、汎用タブレットは液晶パネルでコストが安い。表示方式はコンテンツとの相性によるところが大きい。モノクロ専用リーダーはテキスト中心の書籍・辞書に限れば十分使える。しかし、ネットワークを使ったサービスを考えると汎用タブレットのほうがいい。iPadが非常にメジャーとなった今、コンテンツサイドから見るとモノクロの電子ペーパーでは辛いという声が多く聞かれる。
電子書籍端末は現状、ビューアーアプリ、PCソフトの互換性や使い勝手に課題がある。またDRM(デジタル著作権管理)やフォーマットの違いがマルチデバイス対応を阻害している。今後はフォーマットの標準化やビューアーソフトの互換性、共通のアカウント管理が必要となる。ePUBの日本語対応も重要となる。eInkなど新しいカラー表示デバイスの国内導入も期待される。Android、iOS、Windows7、MeeGOといった組込OSのバージョンアップによって製品の差別化が進むだろう。

〔モバイルサービスとの連携が不可欠/電子書籍普及で〕
09年のモバイルビジネス市場は前年比12%増の1兆5206億円。個別に見ると、電子書籍の売上などから成るコンテンツ市場は14%増の5525億円、通信販売の売上やオークションの利用料から成るコマース市場は11%増の9681億円となり、拡大している。
モバイルビジネスの見通しとしては、3G携帯加入者はほぼ上限に達しており、通信各社はスマートフォン、モバイル、ルーターなど複数回線契約で音声収入の減少をデータ収入でカバーしようとしている。電子マネーの普及と連動して、サービスや物販系を強化したいと考えているのではないか。これまで携帯コンテンツ市場を支えてきた着メロや着うたは横ばい状態で、ゲーム市場も拡大していない。スマートフォンの普及により、SNSなどのコミュニケーション関連やアバタービジネスが急速に成長すると予測される。携帯向けの電子書籍も08年までは年率150%以上の伸びだったが、10年にはこれまでほどの伸びはなくなっている。携帯向けの電子書籍はコミックがほとんどだが、そのユーザーが限定的であるためだ。今後、電子書籍市場全体を伸ばすためには、書籍や雑誌を増やすしかない。
電子書籍の普及には、配信や利用シーンからモバイルサービスとの連携が不可欠。現在の電子出版は出版市場のごく一部に過ぎないが、今後は電子書籍端末の高性能化により、マルチメディアやネットワークを介して新しい表現方法が可能になる。そうしたコンテンツのためのフォーマットや配信の仕組みを作っていく必要がある。また、ユーザー拡大には、マルチデバイス対応や使いやすい同期ソフト、PC再生ソフトも必須だ。今のインターネットでは画像、PDF、FLASHのコンテンツが重要だが、ディスプレイのカラー化だけではなくより強力なプロセッサーが必要になるだろう。ただ文字だけで十分というユーザーもいるので、テキストコンテンツ市場も残ると思う。
通信事業者にとって、電子書籍は継続利用が見込まれ、データ量も限定的で、ネットワーク負荷をかけずにデータとコンテンツARPU(月間電気通信事業収入)を上げることのできる理想的なコンテンツ。今後スマートフォンやタブレット端末の普及に合わせて、電子書籍専用のデータプランの確立が求められる。10年の通信各社の出版提携はその動きを見越していると考えられる。将来あらゆる情報家電がインターネットを介してクラウド化することで次世代デジタルネットワークが構築されていくことになるが、デジタルコンテンツの中心的存在に電子書籍がなってほしい。

NHK出版春の企画説明会

NHK出版は1月31日、東京・新宿区の京王プラザホテルで「春の企画説明会」「創立80周年記念感謝の会」を開いた。
企画説明会であいさつした内藤正明常務取締役営業局長は「NHKテキスト・コンシェルジュ」という企画を考案したことを説明。「書店の皆様がテキストの案内人となって、お客様の要望に即応していただきたい」として協力を求めた。
荒井正之販売部部長は「『NHKきょうの健康大百科』が6万8千部の成果をあげることができた。2010年度のテキスト全体の実売予測部数は前年度比101・7%の見込み。英語テキストの『ラジオ英会話』は104・2%、『ラジオ基礎英語3』は103・5%と既刊テキストが好調だった。英語以外の7カ国語はさらに好調で126・0%を見込んでいる。ただ、家庭テキストは88・4%だった」と報告した。
語学テキストでは「英語に注目を」として、『攻略!英語リスニング』『実践!英語でしゃべらナイト』『プレキソ英語』を創刊すると発表した。家庭テキストは『趣味の園芸ビギナーズ』、教養テキストは『資格☆はばたく』『100分de名著』を創刊する。書籍は「生活人新書」の「NHK出版新書」への新装刊などを説明した。

〔「知るって楽しい」大切に/80周年感謝の会〕
企画説明会の後、80周年記念感謝の会が開かれ、遠藤絢一社長は1月1日にNHK出版に社名変更したことを報告。「NHKに最も近い関係にある出版社であるという強みを意識して仕事し、読者にも存在感を発揮していく。『知るって楽しい』を最も大切にする価値として出版活動を続けていきたい。本と読者の幸せな出会いを作るため書店の力は大きい。本の作り方に厳しい意見を寄せていただきたい」とあいさつした。
来賓の日書連・柴﨑繁副会長が「最前線にいる書店が商品をどう扱うかが販売の力になる。配本ゼロでは頑張れない。定期割れも痛い。そうならないよう取次に厳しく言っていただきたい」と述べて乾杯した。

新執行役員体制/主婦の友社

主婦の友社は2月1日付で新しい執行役員体制を決めた。大橋和広国際部長が執行役員に新任。山岡京子執行役員は人事総務部付部長とし、同日付で主婦の友リトルランドに出向し常勤取締役に就任した。

〔執行役員体制〕○新任
執行役員第1出版部・第2出版部担当佐藤一彦
同編集部担当兼編集部長
渡部伸
同販売部担当藤井孝行
同制作部担当兼制作部長
星野隆夫
同広告・事業部兼国際部担当
○大橋和広
同経理部担当佐野敏夫
同人事総務部担当
依田俊之

筑摩書房、創立70周年記念の会開く/社長に熊沢専務が昇格へ

筑摩書房は2月16日、東京・日比谷の東京會館で創立70周年記念の会を開催。席上、菊池明郎社長は、熊沢敏之専務の社長昇格と自らの代表取締役会長就任が内定したと発表した。
記念の会には出版業界関係者341名が出席。冒頭あいさつした菊池社長は同社が1978年7月12日に業績不振のため会社更生法の適用を申請したことに触れ、「なぜ筑摩書房は倒産したか、どうやって立ち直ったかについて、3月中旬に筑摩選書のエキストラバージョンとして刊行する社史『筑摩書房それからの四十年1970―2010』に赤裸々に書いてある。出版不況の時代だからこそ反面教師として活用していただきたい。著者は永江朗氏で、小説よりも面白い。私が筑摩の入社試験に1回落ちたことまで書いてある」と笑いをとった後、「苦しい思いをして、本日こうした会を持てたことは出版人冥利に尽きる」と喜びを語った。また、「99年から社長を11年間つとめたが、このほど熊沢専務に社長を引き継ぐことになった。私は会長として若い役員の面倒を見てくれと言われている。6月末の定時株主総会・取締役会で正式決定する」と発表し、壇上で熊沢専務を紹介した。
来賓の京都大学・伊東光晴名誉教授は「若い頃、総合雑誌『展望』に論文を載せてもらったことが私の原点。会社更生法申請の時は布川角左衛門氏を管財人に推薦した。著者と編集者の間に信頼関係を築いてきた良い社風を今後も続けてほしい」、小学館・相賀昌宏社長は「筑摩書房には良い本を出すというブランドイメージがあり羨ましい。どこか古本屋の匂いもする。懐かしいものに帰ろうとする精神が何とも言えない魅力。新しい読者に向かっていく動きも面白い。今後の広がりに期待している」、日販・古屋文明社長は「会社更生法を申請した後、新書、文庫を出して業容を拡大する一方、書店からスリップを回収してデータを分析し、いち早くPOSデータの単品分析によって新刊配本を行うなど、マーケティングで進んだ試みをしてきた。業界のオピニオンリーダーとして尊敬している」、同社と取引のある印刷・製本・製紙会社35社から成る筑友会会長の精興社・青木宏至社長は「良心的な出版社として発展を」とあいさつ。トーハン・山﨑厚男会長が「筑摩書房は創業者・古田晁のDNAを踏まえ、ちくま文庫や文学の森など斬新なコンセプトに貫かれた出版物を作ってきた。故・田中達治取締役の功績もあり販売と流通に対してもしっかりした考えを持っている。若い人の知的好奇心を刺激するコンテンツを出し、業界隆盛へリーダーシップを」と述べ、乾杯した。

「世界人物図鑑」第2弾が好調/日本文芸社

昨年3月に発売され10万部を超えるベストセラーになった『世界権力者人物図鑑』の続編である『ヨーロッパ超富豪権力者図鑑』が11月に日本文芸社から発売され、4万1千部と好調な売れ行きを見せている。
評論家・副島隆彦氏の「世界人物図鑑」シリーズの第2弾。著者は副島氏の一番弟子の中田安彦氏。副島氏は責任編集を務める。今回は世界のビジネス界を支配する欧州の超富豪66人を豊富な写真とともに解説している。B5判、128頁、定価1575円(税込)。
1月14日に東京・新宿の紀伊國屋ホールで開かれた副島、中田両氏の刊行記念講演会「欧州、アメリカ、日本――迫りくる政治・経済・金融の地殻変動」は300人の聴衆で満員となり盛況だった。

本屋のうちそと

1月末の日曜の支部会に出席した。
出席者は5名。数年前までは10数名が出席していたが、廃業や死亡。役員人事や決算の承認の議事が終了し、懇談の話題は電子書籍や組合員の減少問題。
日書連の組合員数も年内遠からず5000店を割り込みそうだ。書籍雑誌の売り上げは14年連続してマイナス。今年の総額は1兆8000億円を維持できるのか。書籍の新刊点数は1999年までは6万5000点前後で推移してきたが、以降2009年まで毎年逓増し、約7万8500点に達したが、去年は約7万5000で止まった。
販売現場の書店が減り、売上総額が減少する中、新刊点数だけが増加する。当然1点当たりの価格も上昇している。現象的には返品の増加を意味していて、鴨川の流れを止められない状態だ。これは何を意味するのだろうか。
一企業がこのような事態であれば、典型的な循環取引による粉飾決算だ。表面上利益が計上されていても実態は債務超過状態。10年も続くと当然、経営破綻。
当然出版社の一部も気が付いたようだし、一部の取次も総量規制を一時実施した。
再販制度と委託販売制で成り立つこの業界の利益の源泉は書店による販売にある。書店が上げた荒利益を版元と取次に再分配されているという簡単なことが再認識されなければならない。
俯瞰した解決策は書店の足元にある。民の竈は賑わうことが出発点ではないか。
(井蛙堂)
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