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平成13年10月31日号
−無題−

お知らせ次週11月7日付けは休刊とし、11月14日付けより通常発行に復します。

ご了承下さい。



−無題−

学校図書館納入は地域書店の役割り市川市の実践例を報告各校の蔵書有効活用モデル事業に予算8億円日書連は十月二十二日午後二時から書店会館で「学校図書館ネットワーク研修会」を開催。

十九組合から三十四名が参加した。

研修会では全国学校図書館協議会笠原良郎理事長が「書店は地域文化の拠点として学校図書館納入の役割も果たしてほしい」と強調。

各学校をネットワークで結び、蔵書を共同利用している市川市の実践例を同市教育委員会丸山道夫指導主事が報告した。

この研修会は日書連スタートアップ委員会の主催。

同委員会井門委員長は文部科学省が進める「学校図書館資源共有型モデル地域事業」と日書連の関係について、「市町村の学校図書館をネットワークで結んで、個々の蔵書を他の学校でも有効に使う構想だが、学校図書館への納入はデータも含めて地元書店が納入すべきもの。

十年前からネットワーク化を図っている市川市の実践例を聞いて、システム作りに役立てていきたい」と、研修会の趣旨を説明した。

続いて学校図書館協議会笠原理事長が「資源共有型モデル事業」について説明。

新学習指導要領の調べ学習、総合的学習が始まる中で学校図書館が学習の拠点となること、司書教諭の配置、蔵書量の拡大とともに、地域ごとに蔵書を共有するネットワークと、図書館支援センターのシステムが必要なことを強調。

文部省は三か年のモデル事業に年間八億円の予算をつけており、地域の書店が文化拠点として学校図書館にかかわっていく重要性を指摘した。

市川市教育委員会が実践している図書館ネットワークについては、同教育委員会の丸山道夫指導主事がプロジェクターを用いて一時間半にわたって説明した。

市川市では市内の小・中学校と養護学校、幼稚園、高校五十八校、市川市中央図書館の蔵書をデータベース化、インターネットを利用して各校の蔵書二十二万冊と公共図書館の蔵書八十四万冊が検索できる。

貸出を希望する図書は週二回赤帽便が全校を巡回して届ける仕組み。

年間六万二千冊の図書が移動し、公共図書館から三五%、学校図書館から六五%が貸し出されている。

このシステムを支えるため、市川市は小・中学校全校に学校司書、学校図書館員を配置、平成十年からは市として司書教諭を発令するなど、情報、物流、人の三つのネットワークを平行して進めているのが特徴。

肝心のデータベースは、丸山主事が市販のパッケージデータベースソフトと、日外アソシエーツの「データベースBOOKISBN検索システム」を活用して開発した図書館管理システム。

蔵書の台帳番号、NDC分類、ISBN、バーコード番号を図書管理システムに入力し、日外アソシエーツのデータベースと照合、図書管理システムに読み込むという流れ。

同社のデータベースは書誌データのほかに表紙画像、帯、目次、内容を収め、調べ学習に便利なキーワード検索が優れている。

丸山主事は、今後の課題として■国による書誌データの無料提供、■出版社には二次元バーコードなど図書に書誌データを組み込む方法の研究を進め、安価で持続できるシステム構築を要望した。

日外アソシエーツからは学校図書館向けの蔵書データベース化についての提案が行われた。

このあと質疑応答が行われ、丸山主事は「公共図書館の場合、データベースに目次まで要求しない。

学校図書館のデータベースは基本的に性格が違う」と、一般的データベースとの違いを指摘した。



コミック版元に新古書店対策を要請

くまざわ、三洋堂書店、精文館書店、明屋書店、文教堂の大手書店五社は、講談社、小学館、集英社、白泉社、秋田書店の大手コミック出版社に対し、新古書店対策として、製本段階でのタグの挿入やパッキングによる差別化を求める以下の要請を行った。

新古書店対策支援のお願い(要旨)1.書店店頭の実体書店のロス率は急速に悪化傾向を強めており、収益を大きく圧迫しています。

主要因の一つと考えられる窃盗は、以下の顕著な傾向が出てきております。

1一人の出来心による「万引き」ではなく、三人から四人のグループによる窃盗団による組織化した犯行が横行してきています。

2欲しい本を一冊「万引き」するのではなく、大量窃盗が目立っています。

3窃盗犯を補導しようとした社員や警備員が、刃物で斬りつけられたり殴られたりする事件が多発してきています。

かつて「万引き」程度であった犯行は、計画的に犯行に及ぶ窃盗団、状況によっては強盗団に豹変する犯行にシフトしつつあるのが実体です。

その背景には本が手軽に換金できるようになった状況があります。

2.ソースタギングで新古書店を兵糧責めする新古書店の目玉商品はコミック新刊です。

そのため、売れ筋コミック新刊を定価の半値以上の高値で買い取り告知しています。

一方、書店では前述の通り売れ筋新刊コミックの根こそぎ窃盗が多発しています。

既刊本でなく新刊が集中的に狙われているのが特徴です。

「新刊コミックを何十冊も持ち込むのは怪しい。

それを買い取ることは犯罪の助長につながる」というような新古書店の良心に期待することは、残念ながらできません。

ここで、ソースタギングによりコミックを易々とは盗めない状況を作り出すことができれば、新古書店への新刊コミック供給源を絶つことができます。

3.ソースパッキングで新古書店の商品と差別化する現状、新刊書店と新古書店のコミックには何の差異もありません。

同一商品ならば価格の低い新古書店を選ぶのが自然な流れです。

例えばCDでは、新品はきっちりパックされ封印されています。

メーカー段階での機械による綺麗な包装が、新品と中古品との明らかな違いを作り出している訳です。

クオリティー高いパック包装こそが、読者に「新古書店ではなく新刊書店で」購入する魅力を打ち出す鍵です。

新刊コミックに何らかのインセンティブや景品が同梱されれば、より効果性は高まることでしょう。

新刊書店の窮状にご理解賜るとともに、新古書店に対する抜本的な対策とコミックの更なる拡売、業界全体の生産性向上を可能とするためのご英断を賜りますようお願い申し上げます。



「名刺」作成に挑戦

東京組合江東・江戸川支部は十月二十日午後一時から錦糸町のリーフパソコンスクールで第5回パソコン研修会を行い、支部員十七名が、この日のテーマ「名刺作成」に取り組んだ。

同支部では昨年秋から、パソコンを使って検索・発注ができるようになろうと研修会を重ねており、最終的に受発注、支部のサイトで情報交換ができるのが目標。

テーマによってはTS協同組合からも講師を招いて開催している。

この日は一人一台のパソコンを使ってカラー名刺の作成に挑戦。

普段の支部会とは異なり、参加者の半分ほどが女性。

「外商に使ってはいますが、いつもと勝手が違って、なかなか覚えられない」とこぼしながらも、全員が印刷までの課題をクリアした。



新理事長に川井氏

秋田県書店商業組合(越前啓一理事長)の第十五回通常総会が十月二十三日午後三時から、秋田県雄勝郡の稲住温泉で開催。

組合員四十九名(委任状含む)、東北トラック須藤芳一支店長ほか取次・出版社が出席して行われた。

総会は藤井暁夫氏(藤井書店)の司会で進行、冒頭あいさつで越前理事長は、「本年度最大の課題であった再販問題は存続で決着をみた。

しかしそれで解決したわけではなく、この不況を乗り越える手段をどうするかが問題だ。

来年度は日本縦断文化講演会の東北ブロックでの開催が秋田県と決定しており、組合員のご協力をお願いしたい。

二十一世紀において書店業界が強力な発展を築いていくためには、組合という連携組織によってお互い協力しあい、組合を強固なものにしていかなければならない。

今回をもって理事長を退任する。

役員改選には皆さんのご協力をお願いする」と述べた。

議案審議では議長に木村和一氏(榊田分店)を選任し、第一号議案の今年度事業報告から第七号議案の取引金融機関決定の件まで原案通り承認可決。

第八号議案の各委員会活動報告は特に質問もなく終了した。

第九号議案の役員改選については、選考委員会の指名で新理事二十一名、新監事二名を決め、第一回理事会で互選の結果、新理事長に川井寛太郎氏(BOOKS太郎と花子)を選出した。

川井新理事長は、「我々の使命は、多くの読者によい本をいかにお勧めすることができるかにかかっている。

『白い犬とワルツを』に見るように書店人の知恵、工夫によって三年前に出版された本が大ベストセラーになったのは非常に喜ばしい。

店頭での一声運動、そして外売と、汗と知恵を出し合って明るい展望が開かれることを期待したい」とあいさつした。

この後、取次、出版社との業界三者懇談会を行い、情報交換の場とした。

引き続き、平野史郎氏(ひらの書店)の司会で懇親会が開催された。

(木村和一広報委員)〈秋田組合新役員〉▽理事長=川井寛太郎(BOOKS太郎と花子)▽副理事長=和泉徹郎(金喜書店)高堂晃治(高堂書店)木村和一(榊田分店・専務理事兼任)

「本の得々市」に人気

「読書週間」がスタートした十月二十七日と二十八日の両日、秋の恒例行事としてすっかりおなじみになった「神保町ブックフェスティバル」が東京・神田神保町のすずらん通り、さくら通りをメイン会場に開催された。

二十八日はあいにくの雨で屋外のセールは中止となってしまったが、好天に恵まれた二十七日は、神田古本まつりとあわせて多くの読書人で賑わった。

東京組合千代田支部主催のこの催しは今年で第十一回目。

千代田区、東京組合、毎日新聞社が後援、地元商店街の振興会や神田古書店連盟、日本児童図書出版協会、JPICなどが協賛して行われている。

二十七日の午前十時半からは、すずらん通り駿河台下入口でオープニングセレモニーが行われ、石川雅己千代田区長らがテープカットを挙行、明治大学応援団のパレードで開幕した。

ブックフェスティバルの呼び物は「本の得々市」と銘打った自由価格本フェア。

東京組合では千代田支部をはじめ文京、大田、目黒・世田谷、中野・杉並、八王子の六支部と青年部がワゴン十八台、同組合読書推進委員会としてもワゴン十二台に自由価格本を出品した。

出版社は百二十八社が参加してワゴン二百四十台でセールを展開。

掘り出し物を求める人々が詰め掛けた。

白山通りに面した小学館、集英社前の広場には「ワクワクこどもランド」が設けられ、児童図書出版協会会員社が児童書を販売。

講談社「本とあそぼうおはなし隊」による読み聞かせや、とっとこハム太郎工作あそびなどが行われ、親子で楽しむ姿が見られた。

また三省堂一階特設会場では、正午から浅田次郎氏、午後四時半から北方謙三氏のサイン会を開催、ファンの長い列ができた。



週刊売行き情報

今週ジャック・ウェルチ、カルロス・ゴーンと経営のカリスマの著書が出版された。

いつの時代も自分の信念を持ち理想図を描け、行動を示せる人は強いですね。

(文)(1)『ジャック・ウェルチわが経営(上)』日本経済新聞社4‐532‐16400‐1……9冊
(2)『高業績メーカーは「サービス」を売る』ダイヤモンド社4‐478‐50196‐3……8冊
(3)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……7冊
”『数学嫌いな人のための数学』東洋経済新報社4‐492‐22205‐7……7冊
(5)『ジャック・ウェルチわが経営(下)』日本経済新聞社4‐532‐16401‐X……6冊
”『ザ・ゴール』ダイヤモンド社4‐478‐42040‐8……6冊
”『話を聞かない男、地図が読めない女』主婦の友社4‐07‐226514‐4……6冊
(8)『成果主義と人事評価』講談社4‐06‐149574‐7……5冊
”『ロジカル・シンキング』東洋経済新報社4‐492‐53112‐2……5冊
”『最強の経済学』講談社4‐06‐149552‐6……5冊
(11)『日本人が知らなかったイスラム教』青春出版社4‐413‐01846‐X……4冊
”『言葉でわかる「話を聞かない男、地図が読めない女」のすれ違い』主婦の友社4‐07‐231900‐7……4冊
”『TOEICテスト文法特別プログラム』アルク4‐7574‐7493‐X……4冊
(14)『経済のことが面白いほどわかる本〔株と投資入門編〕』中央経済社4‐8061‐1523‐1……3冊
(10月21日〜27日調べ)

週刊売行き情報

テロが勃発してから、イスラム関連書の他にサバイバル物がまた出始めた。

危機意識というより興味本位といった所だが、書店業界自体もまたサバイバルである。

(井)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1……7冊
(2)『ドラゴンクエストVIIのあるきかた』エニックス4‐7575‐0431‐4……6冊
(3)『スーパーロボット大戦Aパーフェクトバイブル』エンターブレイン4‐7577‐0644‐8……5冊
”『スーパーロボット大戦Aパーフェクトガイド』ソフトバンク4‐7973‐1809‐0……5冊
”『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……5冊
”『ファイナルファンタジーXバトルアルティマニア』デジキューブ4‐88787‐011‐6……5冊
”『ファイナルファンタジーXシナリオアルティマニア』デジキューブ4‐88787‐010‐8……5冊
”『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……5冊
(9)『千と千尋の神隠し』徳間書店4‐19‐861406‐7……4冊
”『シャトウルージュ』文藝春秋4‐16‐320420‐2……4冊
”『へたな人生論よりイソップ物語』河出書房新社4‐309‐24244‐8……4冊
(12)『「自分の木」の下で』朝日新聞社4‐02‐257639‐1……3冊
”『日本人のこころ2』講談社4‐06‐210508‐X……3冊
”『シェンムーIIコンプリートガイド』ソフトバンク4‐7973‐1772‐8……3冊
”『RikaIshikawa石川梨華写真集』竹書房4‐8124‐0791‐53冊(10月21日〜27日調べ)

共済会加入促進委員会を発足へ

福岡県書店商業組合(山口尚之理事長)は十月二十三日午後二時から、県教会議室で十月の定例理事会を開催した。

理事会では、各委員会から報告や今後の取り組みについて説明があった。

出店委員会からは十一月オープンするジュンク堂福岡店の経過報告が行われた。

広報委員会からは先日行われた全国広報委員会議の模様が報告された。

日書連理事会報告では、山口理事長が再販売価格維持契約について現行と取協案との相違点を詳細に説明した。

また、河合副理事長から日書連共済会全国地区委員会議の報告があり、本県は全国ワースト三位であること、今後県をあげて共済会加入を増加させ汚名を返上しなければならないとして、新たに共済会加入促進委員会を作り、県下四ブロックから各二名を選出して共済会加入者の増進を進めることにした。

近くその発足の委員会を開催する予定となっている。

このほか、十一月七日に第二十三期通常総会を開催するのにあたって当日の会場や総会内容の説明があり、午後四時に閉会した。

(鹿子島慶正広報委員)


貸与権回復が当面の課題

漫画家・漫画原作者二百五十四名で構成する「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」は十月二十五日、東京・九段下のホテルグランドパレスで第一回総会を開催。

ちばてつや、藤子不二雄A、さいとう・たかを、弘兼憲史、猪瀬直樹の五氏を理事に選任し、活動方針を話し合った。

総会の冒頭、さいとう氏は「新古書店やマンガ喫茶は、若手にとってこそ切実な問題。

もっと関心をもってほしい」と要望。

弘兼氏は「新古書店でのコミックス販売金額は定価換算千三百億円。

マンガ喫茶では定価換算千二百億円相当のコミックスが読まれており、合わせると二千五百億円。

支払われるべき作家印税二百五十億円が消えている」と問題点を報告した。

猪瀬氏は、英国では公共物貸与権の概念があり、図書館で本が貸し出されると著作者に対価が支払われる仕組みがあることを紹介。

一方、日本では公共図書館ですら著作権の意識が薄いと指摘し、まず図書館で貸与権の認識を深めてもらい、そこから新古書店問題解決への道筋を作るべき」と提起した。

続いて会則案を満場一致で承認し、ちば氏ら五名を理事に選任した。

理事長は当面置かない。

今後の活動方針については、事務局代表の山崎司平弁護士が報告。

著作権法の貸与権は原則として広く著作物一般に認められているが、書籍・雑誌については貸本業界への影響をなくすよう配慮して現状では貸与権の対象から除かれていることから、作家への報酬還元のために「貸与権回復が当面の課題」と述べた。

最後に理事を代表して、ちば氏が「創作のために汗を流さず、作家・出版社の努力をないがしろにする新古書店に怒りを感じる」、藤子氏が「単行本が売れなければ、若手の生活は成り立たない。

新古書店は作家の生活権を脅かしている」と述べ、新古書店でのコミックス売買反対を訴えた。




本紙十月十日号をインターネットのホームページ上で読んでいたら、思わぬ投稿に引き寄せられた。

どうやら画期的な提案が「新文化」九月二十七日号に書いてあるらしい。

新文化には確かホームページがあったよなあと、早速探して閲覧してみたが、残念ながら書店新聞とは違い記事全文を見ることは叶わなかった。

こうなってくると、読みたい気持ちがうずうずと湧いてくる。

どんなことが書いてあるんだろう……。

そして、ふと目を書店人ML上に移してみた。

すると、なんとも寂しいことに、書き込みがかなり低迷している。

実はここ最近かなり顕著に感じるようになった症状なのだ。

これはただ事ではなく全国的な景気の急降下を示しているのじゃないか?冗談じゃない、ろくに満足なシステムにもなっていないうちに中小零細の販売店だけ潰れてしまうのでは元も子もないじゃないか。

せめて流通システムか情報システムを、届くべき品物がきちんと二週間以内に届くように改善してほしい。

すべての基本はそこから始まっているのだから。




書店店頭から付録についてお願いです。

陸上競技社と講談社が共同発行する陸上競技専門誌「月刊陸上競技」十一月号は、マラソンの高橋尚子選手がベルリンマラソンで世界新記録を出して優勝した瞬間の「記念ポスター」が付録として付いています。

ポスターの大きさは72×52センチで、これを26×21センチの雑誌にゴム止めすると、約五センチとび出します(タテにはとめられない折り曲げ方です)。

限られた売場スペースでの五センチの幅です。

平台、棚差しともに約二四%も増加します。

次回からは雑誌に収まる付録の折り曲げ方をお願いします。




本紙十月十日付声欄「萬納理事の提言を読んで」の、お三方の投稿を拝見しました。

萬納さんの「いま書店が直面する三つの問題」は大事なことと思いますが、私も三つの問題を提言したい。

それは利益がうすい注文品が遅いほしい本が入らない−−です。

「利益がうすい」について。

正味問題について大変詳しい小林一博氏は、著書『出版業界』(柏書房)の中できわめて有益な問題点を発表しています。

一例をあげると、「出版社の正味は改めるべきではないか。

特に高正味の維持が取次、書店の経営圧迫の一因となっているのに、自社の給料は出版社の中で、最高ランクとなっている例をみると違和感は深い。

この是正は今後、取次会社の主導によって早急に行い、出版社、書店の中にある不公平感をなくしてほしいと思う。

また、中小書店は八方ふさがりである。

年間千店ペースの書店の廃業に歯止めをかける有効打は正味の引き下げしかない」と述べています。

「客注品が遅い」については、神奈川組合の中村理事長が「注文品流通はドイツのように三日四日で入荷する体制をこの数年のうちに築いていかなければならない。

注文を早くするだけでなく、正確な情報提供を含めて流通改善が必要です」と述べています。

「ほしい本が入らない」については、小学館の相賀社長が「出版社の社員の多くは、出版流通と販売は取次、書店の仕事と思っている。

しかし、それはおかしい、違うといって、意識改革を訴えています。

在庫の有無などにすぐに応えられることが出版社に所属する者の責任だと思う」と、出版社の立場から大変大事なことを語っています。

小林氏の言うように、書店は今、急速に衰退しています。

小売業の中で最低ランクの低いマージンの中で、書店は負担増を強いられています。

正味改善こそ従業員の給料・賞与・福利厚生等を改善する大切な財源になるもので、これによって生き残るための光が差してくると信じています。

画家マチスは「一平方センチの青と一平方メートルの青とは、同じ青でも違う色だ」と言っています。

これを書店組合に置き換えてみますと、大書店と中小書店では出版業界を見つめる「視点」が違うと思います。

組合という組織にとって、これは大きな問題です。

「優先順位判断力」という言葉があります。

仮に十の仕事があるとして、この優先順位判断力が正しいとすると、上から一、二、三の三つを片付けると七〇%の効果をあげることができると言われています。

こういう人を「忙しい人」と言います。

残りの七つを片付けると、それは三〇%の成果です。

七つの仕事をするわけですから忙しいわけです。

このような人を「忙しがりやの人」と言うようです。

私どもは優先順位判断力を磨き、少なくとも上から五番目までの仕事を優先して片付けられたらよいと思います。

これが私どもが生き残るための知恵だと思います。

厳しい書店業界の中で、横浜市「デルブ・モア」吉田裕一氏の投稿から、「お互いが知恵を出し合って一つひとつ解決し、本屋を商っていて良かったと思える職業にしたい」という言葉をもって結びとします。



読書週間に読み聞かせ会

日販は十月二十七日に始まった秋の読書週間に合わせて、全国の取引書店百二十四店で一斉に読み聞かせ会を実施している。

このキャンペーンは書店での読み聞かせ会の定着と継続を支援するとともに、店頭活性化に貢献することを目的に展開。

「おはなしマラソン」開催店だけでなく、これまで独自に読み聞かせ会を開催してきた書店も含めた幅広い書店を対象に同時開催している。

日販はキャンペーン参加全店に「読み聞かせ会支援キット」を提供している。

内容は保護者に配布する「読み聞かせガイドブック」店頭告知用ポスターおはなし会スタンプラリー開催セットなど。

なお、日販ではこのほど全社的な組織として「読書推進委員会」を設置。

本社部門を中心とする全社委員十九名と、各支店で書店の相談窓口となる支店読書推進委員四十四名を置き、読書推進サポート体制を強化した。



大崎氏の『将棋の子』

平成十三年度講談社ノンフィクション賞に大崎善生氏『将棋の子』(講談社)、同エッセイ賞に小池昌代氏『屋上への誘惑』(岩波書店)、坪内祐三氏『慶応三年生まれ七人の旋毛曲り』(マガジンハウス)が決まり、十月二十五日夕、東京・丸の内の東京会館で贈呈式が行われた。

贈呈式では野間佐和子社長から受賞者に賞状と記念品、副賞百万円が贈られたあと、ノンフィクション賞選考委員の辺見じゅん氏が「『将棋の子』は挫折した側に身を寄せて書かれた、人間理解のための感動的な作品」、エッセイ賞選考委員の井上ひさし氏が「小池さん、坪内さんの作品ともに文学的正直さに心打たれた」と選評した。

各受賞者は「賞は書くモチベーションを高めてくれるもの」(大崎)、「散文はチャレンジしがいのある素晴らしい世界」(小池)、「受賞は寝耳に水で、まだ実感がわかない」(坪内)とスピーチした。



異動

◇エス・エス・コミュニケーションズ10月19日の臨時株主総会及び取締役会で以下の役員を選任した。

取締役会長(非常勤)角川書店専務取締役桃原用昇代表取締役社長風間英昭取締役(営業担当)浜川三郎同(編集担当)中谷充取締役相談役(非常勤)西友専務取締役富澤司郎取締役(非常勤)角川書店常務取締役福田峰夫取締役(同)角川書店取締役松原眞樹常勤監査役小林敏郎非常勤監査役角川書店取締役江川武非常勤監査役西友グループ担当マネジャー橋本和英◇日本書籍協会(10月1日付)事務局長田中光則*本間広政事務局長は日本出版データセンター(仮称)準備室へ異動。



本屋のうちそと

この夏、家族で小豆島に行った。

元気だとはいっても八十近い母と、一番上の娘、四歳になるその息子という組み合わせである。

男の子は元気いっぱい。

よく言えば好奇心の塊のようなヤツで、とにかくひとときもじっとしていない。

母が疲れないように、こどももそれなりに楽しめるようにと、リゾートホテルに四日滞在することにした。

「うわーぁ、すごーい。

きれいなおヘヤぁ。

ここでおとまりツるの?うれしいな」と、こどもは大喜びしている。

一息入れることもせず、部屋のあちこちを開けたり閉めたり、ベッドにもぐったり、クッションを動かしたり大忙しである。

「忙しいね、相変わらず」などと言いながら、この時ばかりは彼の時間にそのままつきあっていられる。

光る海、あふれる緑、プールあり、温泉ありのゆったりとした空間。

テニスコートや丈の低い草に縁取りされた散歩道もある。

時計のいらない時間が流れていく。

ぶらぶらしていると、温泉の入口あたりにソファーの並んだホールがあった。

思いがけずその中ほどがミニライブラリーになっていてちょっと驚いた。

写真集がある。

絵本もまんがもミステリーもある。

「これ、読んで!」と、男の子が『むしばミュータンスのぼうけん』を持ってきた。

「つぎは〜これっ!」シリーズを次から次へと持ってくる。

こどもをひざに乗せ、求めに応じて本を開き、声に出して読む。

ただそれだけなのに、なんともいえず心地よい。

すぐそばに本棚がある豊かさを、店の本棚から離れて再発見したのだった。

(如意)


さわや店長ら講師に

書店経営研究会(亀川正猷会長)は十一月二十六日午後一時半から市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷(私学会館)で第22回出版販売実務セミナーを開催する。

今回は「活力ある書店経営をめざして」をテーマに実務に役立つ講座を企画。

第一講「読者にとって魅力ある書店とは/伊藤流“売る店作り”のノウハウを語る」(盛岡市・さわや書店本店店長・伊藤清彦)、第二講「激変の時代、いま出版が為すべきこと/書店現場に出版社が望むもの」(筑摩書房取締役営業部長・田中達治)。

受講料一名六千円(栗田書店共済会会員は三千円)、定員六十名、申込みは書店経営研究会事務局へ。

■03−5392−2121、FAX03−5392−2133

催し

◇『出版業界の最新事情と課題』トーハン総研は11月28日午後2時から、東池袋の「かんぽヘルスプラザ東京」でカルチャーフォーラムを開催する。

今回は小学館相賀昌宏社長を講師に、責任販売制、Sブックネット、「和楽」創刊などの背景、出版業界の課題を聞く。

受講料は一名五千円、定員百名。

申し込みは〒162−0813新宿区東五軒町6−21、トーハン総研セミナー事務局へ。

■03−3268−0731、FAX3268−0756


14地区に分け拡販

中部トーハン会は十月二十五日午後一時から名古屋国際ホテルで第34回定例総会を開催した。

総会は伊藤武司幹事(伊藤書店)の司会で始まり、木野村祐助会長があいさつ。

再販問題に触れて「長く苦しい戦いだったが、一応の決着を見た。

しかし、弾力運用として定期読者に割引サービスが行われている。

書店・取次はずしは、流通としては心外。

共存共栄の観点から、書店を通じたサービスに改めてほしい」と出版社に注文をつけた。

また、中部トーハン会が昨年のバリューアップ・コンクールで二十六位の成績に終わったことについて「不名誉な成績で遺憾。

今年は売ることに専念する中部トーハン会を明確にしたい」とし、十四ブロックに分け増売に取り組んでいく方針を示した。

さらに木野村会長は、読み聞かせ運動の関連で「最前線の書店は売るだけで、読者の育成を怠ってきたのではないか」と述べ、新年度は増売と読者開拓を二本柱に活動していく方針を明確にした。

別所業啓副会長(別所書店)を議長に議案審議に入り、高須博久副会長(豊川堂)が事業報告を、谷口正明副会長(正文館書店)が事業計画を説明。

拡販費を四十五万円から二百万円に増額、愛知、三重、岐阜を十四地区に分け、グループごとにきめ細かく増売運動に取り組むことになった。

出版社を代表して講談社浜田副社長は、タリバン問題で「売上げ見込みを下方修正せざるを得ない」と述べたあと、「読者の共鳴してくれるものが売れると言い聞かせている。

雑誌製作基準の緩和も読者に喜ばれ部数増につなげる狙い。

読者を掘り起こす工夫がさらに必要だ」と、出版業界の課題を指摘。

再販弾力化については「取引にはルールがあり、読者の混乱を避け、長続きする仕組みを考えたい」と述べた。

トーハン金田社長は今年上半期の業績について「四年連続のマイナスから回復し、店頭活性化の施策を考えてきたが、残念ながら前年割れ。

しかし、下期で十分挽回できるマイナスだ」と述べた。

書籍は第一四半期は前年を上回ったが、第二四半期に返品が増加した結果、若干の前年割れ。

雑誌は送品を大幅に抑制し、返品は減ったが売上げも大幅減。

首都圏、中部、特販は好調だが、その他の支社が悪く、二極分化が進んでいる。

名古屋支店は既存店は前年を少し下回ったが全国平均は上回った。

金田社長は「全国二百店の定点調査で八、九月は久々によかったが、十月はダウンと一進一退を繰り返している。

雑誌は十月も悪くない。

力を合わせ不況を乗り越えよう」と呼びかけた。

拡販表彰に続き、オラクルひと・しくみ研究所の小阪裕司氏が「惚れる仕組みがお店を変える」を講演。

懇親パーティーに移った。



文藝賞に綿矢さん

河出書房新社が主催する第38回文藝賞は、綿矢りさ氏の『インストール』に決定、贈呈式が十月二十二日午後六時から駿河台の山の上ホテルで行われた。

千五百九十二点の応募作から選ばれた綿矢氏は現在高校三年生。

式典では若森繁男社長から賞状と賞金、記念品が贈られたのち、選考委員の藤沢周氏は「技に溺れた小説は嫌いだが、受賞作はあまりにうまく面白い。

この器用さは十七歳とは思えない。

文とリズムに驚かされた」と選評。

受賞した綿矢氏は「受験を前に、会話する人もクラスの数人や家族くらい。

変化のない人生において、書いた小説がこんなに評価され心の支えになった。

これからも精進して頑張っていきたい」と喜びを語った。

若森社長は「約二十年前の堀田あけみさん以来の最年少受賞。

選考はダントツで決まった。

単行本は特急で作業を進めており、十一月九日発売を予定している」とあいさつし、清水勝会長の発声で乾杯した。


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