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平成28年12月1日号
1等賞はじめ各当せん番号を決定/「読書週間書店くじ」抽せん会

日書連が主催する「読書週間書店くじ」の抽せん会が11月15日午後0時半から東京都千代田区の書店会館会議室で開催され、「書店くじ」の協賛社、協賛団体、日書連役員の立会いのもと、1等賞「図書カード1万円」から4等賞まで各賞の当せん番号を決定した。読者への当せん番号発表は、12月5日(月)に日書連ホームページと書店店頭掲示ポスターにより行う。
今年で43回目を迎える「読書週間書店くじ」は、10月27日から11月9日まで行われる「読書週間」の協賛行事として、読者謝恩、店頭活性化と増売を目的に実施している。
抽せん会は、日書連読書推進委員会・西村俊男委員長の司会で進行。冒頭であいさつした舩坂良雄会長は、「書店の減少や、書店の売上が悪化するとともに書店くじの販売枚数も減っているという現状がある。書店くじを何とか良いものにしたいと、読書推進委員会で西村委員長にご苦労いただいている。良い案を出していきたいと思っているので今後もご協力をお願いする」と述べた。
書店くじの抽せんは、0から9までの番号を記した10個のボールを抽せん箱に入れ、中からボールを1個取り出す方法により実施。日本書籍出版協会の中町英樹専務理事、日本雑誌協会事務局の中越明子氏、日本出版取次協会の松尾靖事務局長、読書推進運動協議会の宮本久事務局長、日本図書普及の平井茂常務取締役が1番から5番までの抽せん箱を担当し、1等賞から3等賞までの当せん番号を決定。最後に日書連・柴﨑繁副会長が4等賞の番号を引いて、全当せん番号を決めた。
書店くじの引き換え期間は、12月5日(月)の当せん番号発表から平成29年1月10日(火)まで。書店で賞品に立て替えた当せん券は、当せん番号発表ポスターと同送する清算用紙に必要事項を記入の上、一緒に同1月31日(火)までに日書連事務局へ送付する。

書店1043人が来場/BOOKEXPO2016

第6回を迎える関西の大商談会「BOOKEXPO2016秋の陣~活かせ!書店力」が11月8日、大阪市北区のグランフロント大阪で開催された。
この商談会は書店、取次、出版社で構成する「BOOKEXPO」実行委員会(堀博明実行委員長=堀廣旭堂)の主催、経済産業省、書協、雑協、取協、日書連などの後援で開催。当日は午前10時10分からセレモニーが行われ、堀実行委員長、日書連・舩坂良雄会長があいさつして開幕した。
出展社は、233社・237ブース(昨年231社・234ブース)、来場者は1936人(同1889人)で、ともに過去最多となった。来場者の内訳は、書店1043人(同1021人)、出展社693人(同695人)、取次165人(同132人)、報道10人(同20人)、その他25人(同21人)。商談の成立件数は5831件(同6129件)、金額は9800万7713円(同9114万3283円)。件数は前回を下回ったものの、金額は前年を7・5%上回った。
会場では一般書、コミック、児童書、第三商材の各コーナーが設けられ、熱心に商談や情報交換が行われた。イベントコーナーでは、OSAKABOOKOneProject「大阪ほんま本大賞」の歴代受賞者によるトークイベントや、関西在住の人気料理ブロガーによるトークイベントを開催。児童書コーナーのイベントスペースでは、絵本作家・ヨシタケシンスケ氏のサイン会とトークイベントが行われた。また、第4回京都本大賞を受賞した『京都寺町三条のホームズ』(双葉社)の著者・望月麻衣氏や、『マチネの終わりに』(毎日新聞出版)の著者・平野啓一郎氏によるサイン会、「西日本POP王決定戦」に応募された全430作品の展示などが行われた。

12月14日に出版販売年末懇親会/日書連

日書連は12月14日(水)午後6時から、東京都千代田区の帝国ホテルで「出版販売年末懇親会」を開催する。
書店が主催する出版業界懇親の場として出版社、取次、業界関連団体を招き毎年行っているもので、今回は同ホテル本館17階の「インペリアルラウンジアクア」を会場に開催する。

図書納入、地域書店にも利益を/図書館総合展で書協・相賀理事長

第18回図書館総合展(同運営委員会主催)が11月8日~10日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれ、図書館、行政、教育、出版関係者など計3万1355名が来場した。
図書館関連の商品やサービスを紹介する企業・団体がブースを出展したほか、約90枠のフォーラムを開催。10日には、書協図書館委員会・成瀬雅人副委員長を司会に、東京都世田谷区・保坂展人区長、日本図書館協会・森茜理事長、書協・相賀昌宏理事長によるフォーラム「本と地域の20年後を創る」が行われた。
相賀理事長は、図書納入の競争入札について「地域の小さな書店は値引きや装備品のサービスができず、どうしても大資本の企業に決まる。入札は1つの正しい制度だが、そろそろ別のやり方を考えるべき。例えば各都道府県組合には書店商業組合がある。組合と図書館が話し合い、小さな書店にも利益を配分することはできないか。書店は厳しい状況にあるが、住民にとって最寄の書店があるのは便利なこと。地域の課題にしてほしい」と提案した。
森理事長は「図書館単独で本を集めて貸しているだけでは地域の読書文化は育たない。書店組合や書協、地域書店や出版社と組んで、知へのアクセスに満ちた社会を創ることが大切」と協調を訴えた。
また、書協と日本図書館協会が共同で、文部科学省や総務省に図書館資料購入費の増額を要望したことについて、相賀理事長は「中央官庁の動きよりも各地方自治体の首長や議員の意識が変わらない限り、地方交付税を資料購入費に回すことは難しい。森さんと地方議員への働きかけを始めたところで、連携して進めている」と話した。
保坂区長は「図書を充実させようという声が地方議会で出れば行政は考える。首長の考えだけでは難しい。議会や市民が声をあげることが大事」と述べた。

近畿ブロック会での相賀氏の講演決まる/大阪理事会

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は11月8日、大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催。来年2月1日に開催する近畿ブロック会で、書協・相賀昌宏理事長が出版業界の諸問題をテーマに講演することを報告した。また、新年互礼会は来年1月10日午後4時からウェスティンホテル大阪で開催する。
各委員会からの主な報告事項は次の通り。
[定款・規約等改正委員会]
総代会から総会となって総代の選出がなくなることによる、欠席組合員から出される委任状についての問題点を説明。規約改定にあたってはこの点を考慮して記述し、12月理事会に上程したいと報告した。
[出店問題・組織委員会]
「無印良品近鉄あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の出店連絡を報告した。開店日は11月25日。
[事業委員会・広報委員会・レディース委員会]
小学館カレンダーが11月末、東京より2万4940部発送されると報告した。
[図書館委員会]
全国書店新聞11月1日号に掲載された日本図書館協会の見解「公立図書館の指定管理者制度について」の内容を説明。活字文化議員連盟が設置した「全国書誌情報の利活用に関する勉強会」の答申を踏まえ、福祉施設に図書装備を依頼することによって本を定価納入とし、MARC代は自治体負担としている実例があることから、11月中に勉強会を開催したいと報告した。
(石尾義彦事務局長)

予約獲得14万件、過去最高に/年間定期購読キャンペーン

雑誌愛読月間(7月1日~9月末)の特別企画「年間定期購読キャンペーン」(雑協、取協、日書連共催)の予約受注総数は前年比18%増の14万3245件、予約書店数は同4%増の3042店と過去最高を記録した。
今年のキャンペーンは雑協加盟出版社のうち41社161誌が参加。全国の書店6106店が参加し、参加店の49・8%が予約を獲得した。
このキャンペーンは、期間中に参加書店で年間定期購読を申し込んだ読者に1ヵ月分無料にするもので、割引分の差額は出版社が負担する。対象誌を発行する出版社の費用負担は重く、参加出版社は13年の50社をピークに減少している。
こうしたことから、このキャンペーンは雑誌業界に一定の役割を果たしたとして、今回で終了することになった。
なお、今年の予約獲得数上位10誌は以下の通り。
①きょうの料理(NHK出版)6028②きょうの健康(NHK出版)5298③日経TRENDY(日経BP社)5015④LEE(集英社)4941⑤暮しの手帖(暮しの手帖社)4524⑥with(講談社)4175⑦クロワッサン(マガジンハウス)4069⑧趣味の園芸(NHK出版)3797⑨ViVi(講談社)3580⑩ゴルフダイジェスト(ゴルフダイジェスト社)3464

文字・活字文化推進大賞、静岡エフエム放送に/県下書店との連携評価

読書推進と文字・活字文化振興に貢献し、業績をあげた学校、地方自治体、団体、個人を顕彰する第10回高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」(高橋松之助記念顕彰財団主催)の表彰式が10月31日に東京・千代田区のクラブ関東で行われた。
今回朝の読書大賞を受賞したのは、七尾市立天神山小学校(石川県七尾市)、横手市立横手南中学校(秋田県横手市)、富山県立富山いずみ高等学校(富山県富山市)。文字・活字文化推進大賞は、K―mix静岡エフエム放送(静岡県浜松市)が受賞、同特別賞をビブリオバトル(普及委員会本部・滋賀県草津市)。
贈呈式は、高橋松之助記念顕彰財団・浅野純次理事長のあいさつに続き、衆議院議員で活字文化議員連盟会長・図書館議員連盟会長の細田博之氏が祝辞。選考顧問で上智大学名誉教授の植田康夫氏が選考経過を報告した後、朝の読書大賞は選考顧問・作家の井出孫六氏から、文字・活字文化推進大賞は文字・活字文化推進機構の肥田美代子理事長から受賞者に表彰状と副賞が贈られた。
天神山小学校の向俊子校長は「次の朝読む本を机の上に置いたり、月曜は子どもたちが落ち着かない様子なので『朝読』の時間を延長したりするなど、少しずつ改善を重ねながら続けてきた。子どもたちが本で調べたり、読んで考えるという活動があったからこその受賞」と述べた。
K―mix静岡エフエム放送は、「うちどく(家読)」をテーマに朗読番組を継続して本好きのリスナーを育成、静岡県下の書店と連携した販売から地域に密着した社会貢献までの好循環を生み出したことが評価された。祐嶋繁一会長は「ラジオの持つパーソナリティの発信力と、想像力を育むメディアという面で、本に出会う楽しみを番組を通してさらに積極的に展開していきたい」と語った。

地域の読書普及に貢献/団体・個人に野間読書推進賞

読書推進運動協議会(野間省伸会長)は11月1日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で第46回野間読書推進賞の贈呈式を開き、野間会長から受賞者に賞状、賞牌、副賞が贈られた。
今回受賞したのは、団体の部が「グループわらべ」(岩手県遠野市)、「村山朗読会」(山形県村山市)、個人の部が岸本方子さん(大分県大分市)、平田恵美子さん(沖縄県那覇市)、奨励賞が「宅配ボランティア」(長野県諏訪郡富士見町)、第70回読書週間記念特別賞が「日本子どもの本研究会」、「ぐるーぷ・もこもこ」。
子どもたちにお手玉や竹遊びなどの地域の伝承遊びや絵本の読み聞かせ、遠野の昔話と伝説を題材に自主制作した大型紙芝居の実演などを行ってきた「グループわらべ」の佐々木文子会長は、「子どもたちに喜んでもらうには自分が喜ばなければならないという確信を持って活動している。賞金を使って人形劇をやりたい」と喜びを語った。

前年同期比で96・83%/2016年上期ABCレポート

日本ABC協会は2016年上半期(1月~6月)雑誌発行社レポートを発表した。今回掲載したのは39社154誌。各雑誌部数の前年同期比の平均(既存誌ベース)は、週刊誌94・90%、月刊誌97・39%、合計96・83%となった。
総合週刊誌は、『週刊文春』が前期から5万5千部増の43万5千部と好調で、販売部数首位をキープ。2位の『週刊現代』は3千部減の32万2千部、3位の『週刊新潮』は1万5千部減の27万部でともに部数を落とした。新聞社系では、『週刊朝日』が8万8千部とほぼ横ばい、『サンデー毎日』が5千部増の5万4千部と復調した。
ビジネス誌は、『週刊ダイヤモンド』が1千部増の8万9千部で前期とほぼ同水準。『週刊東洋経済』は4千部減の5万9千部、『プレジデント』は8千部減の16万部と後退した。
女性週刊誌は、『女性セブン』が3千部増の21万9千部、『女性自身』が2千部減の20万5千部、『週刊女性』が1千部減の11万1千部と小幅な動きだった。
女性月刊誌は、『InRed』が3万2千部増の17万7千部、『GLOW』が4万7千部増の17万6千部となるなど、宝島社の雑誌で部数増が目立った。

「雑誌復権!」への道を探る/雑協60周年記念シンポジウム

日本雑誌協会(鹿谷史明理事長)は10月26日、東京・千代田区の一橋講堂で創立60周年記念シンポジウム「『雑誌復権!』への道を探る」を開催。シンポジウム第1部では、ジャーナリスト・田原総一朗氏をモデレーターに、パネリストのノンフィクションライター・森功氏、東洋経済新報社・田北浩章常務、「週刊文春」・新谷学編集長が、「雑誌ジャーナリズムの過去・現在・未来」をテーマに議論した。概要を紹介する。

〔スクープこそ週刊誌の武器/「週刊文春」今年4冊が完売〕
田原80~90年代、一番売れていた「ポスト」は90万部ぐらい出ていた。今は「文春」が一番多くて40万部。週刊誌の部数はなぜこんなに落ちたのか。
森全体のパイが減ったのは確か。週刊誌を読む層の年齢が上がり、サラリーマンが読まなくなった。昔、「ポスト」「現代」はサラリーマン雑誌で、その上が「文春」「新潮」みたいなイメージがあった。今、「ポスト」「現代」の読者は70代が主流。だから「医療もの」の記事が受ける。
田原「年寄の性」も売れる。老人雑誌になった。そういう中で「文春」が頑張っている。
森今年に入ってから甘利大臣の政治資金スキャンダルとかベッキーの不倫スキャンダルとか、これだけスクープを連発したのは週刊誌の歴史上なかったのではないか。最近は「文春」の頑張りが起爆剤になって、「現代」「フライデー」や「ポスト」も、編集部はもっと取材をやらなければ、スクープを取らなければという雰囲気に少しずつ変わってきた。
田原「文春」はなぜ次から次へと大ヒットが出せるのか。
新谷スクープを狙っているから。
雑誌冬の時代とかスクープでは売れないと言われるようになると、各週刊誌ともお金のかけどころが変わってくる。頭を使って効率良く部数が取れるやり方になってくる。
「文春」は私が編集長になった2012年から一貫して、我々の最大の武器はスクープ力だ、スキャンダルこそ週刊誌の華だ、いいネタをどんどん取ってきてくれと言い続けて、まったくぶれずに今日に至っている。これが結果的にいいほうに出た。
田原田北さんは色んな週刊誌の中で「文春」がずば抜けて頑張っていることをどう見ているか。
田北編集長のスクープを取りに行く情熱が他の方よりも強いということだと思う。
田原僕も週刊誌の仕事をたくさんやって、サウジアラビア、西ドイツ、ロシアなど外国取材をずいぶんやった。今はそういうことがあまりなくなった。
森売れないから取材費を使えない、取材費を使えないからいいものができないという悪循環に陥っている。コストカットで取材記者を減らし、取材力の足腰が弱くなっている。
4大週刊誌の編集部を見ると、「文春」が一番働いている。歴然とした差が出てくるのは当たり前。ある新聞社のデスクと話したら、新聞記者も休みたがるそうだ。会社に休ませなければならないシステムがある。パワハラで責任をとれないということもあるだろう。でも、この仕事は休んでいてはスクープは取れない。これが「文春」がスクープを取れている最大の理由ではないか。
田原そんなに働いて問題は起きないのか。
新谷よく働いているのは事実だけど、順番にしっかり休ませている。
大事なのは、目の前の仕事がやらされ仕事になっているのか、自分の意思でやっているのか。この違いがものすごく大きい。当事者意識を持って仕事に向き合っているから、モチベーションも上がる。
甘利さんのネタは、最初、大手新聞に持ち込まれた。ところが、その新聞の社会部記者はブローカーに気のない返事をして帰ってしまった。そこから文春の記者は揺れる告発者と接触して、一緒にお酒を飲んだりして励ましながら何ヵ月もとことん付き合い続けた。やらされ仕事では絶対できない。告発させれば大きなスクープになるという意識があったからできた。
森「文春」には媒体の信用力、ブランド力がある。取材力もあるからネタも集まる。好循環が生まれている。週刊誌はどうあるべきかの原点に帰ればいいだけの話。事件や政治経済など人間が起こすすべてのことを一生懸命取材して掘り下げる。そう簡単にネタは拾えない。騙されることのほうが多い。その繰り返しを粘り強く続けるしかない。「文春」という成功体験があるのだから、そこに向かってみんなが負けずに頑張ればいい。
新谷「文春」は基本的に直球勝負。ファクトの強さとインパクトで勝負する。アッと驚くような事実を掘り起こすのが我々の仕事だから、物事を斜めに見る必要はない。
田原いま政治家で面白そうだと思うのは誰か。
新谷初めにファクトありきだから、ターゲットを絞り込んで、誰かを徹底的に狙うやり方は好きじゃない。何がしかの情報がもたらされて、それをベースに取材する。甘利さんのスクープも、別に甘利さんを狙っていたわけではない。

〔今起きているのは流通革命/コンテンツへの課金システムを〕
田原週刊誌はこれからどうなるか。
森もう情報発信の手段は紙じゃなくてもいいのかなという気もする。もちろん紙は残るだろうけれど、良いものを出せばオンラインでもいい。しかし、ネットやテレビの情報は浅いことが多い。ちゃんと取材をしていない。
田原ネットの一番の問題は、ヤフーを見ても、結局のところ新聞から記事を取っている。新聞は部数が落ちて、取材能力も落ちている。ネットは増えているけれど、その新聞から情報を取っている。悪循環ではないか。
森ネットニュースはキャッチーな言葉にこだわるあまり、情報を掘り下げようとする姿勢が見えない。そこをクリアしていけばネットも活用できる。
田原週刊誌はネットに相当やられている。紙は残ると思うか。
新谷ABCレポートで「文春」は前期比114・7%という数字が出た。長い目で見れば徐々にネットに軸足が移っていくのかもしれないが、まだまだ紙の力は捨てたものではない。私は紙でもデジタルでもこだわりはない。紙に対する愛着はあるけれど、今のような大きな転換期には物事をシンプルに考えるべき。我々の生み出す記事やコンテンツにお金を払う価値があると読者に思っていただければ、紙でもデジタルでも商売は成り立つ。
今は流通革命が起きていて、紙だけで流しても届かなくなってきている。それをどうやってデジタルに乗せてお金を払ってもらう課金システムを成立させるかが課題だ。
1月以降のスクープ連発もあって、いろんなプラットフォームから「文春」の記事を課金モデルで読者に届けるビジネスを一緒にやらないかという話をいただいており、前向きに進んでいるものもある。それとは別にドワンゴと「週刊文春デジタル」を月額864円で始めている。会員数はまだ6000人ほど。これをいかに伸ばしていくか。他のプラットフォームとのビジネスを含め、どうやって課金システムを広げていくか考えている。
流通革命が起きるとコンテンツも革命的に変わる。「週刊文春デジタル」の会員が急激に増えるのは、動画や音声を公開したとき。今年からテレビ局には記事使用料をいただくことにした。動画も使用料をいただいている。宮崎謙介議員の「ゲス不倫」をやったとき、記者が手持ちのカメラで宮崎さんを直撃して、手ぶれしまくりだが動画を撮った。この動画がテレビの各ワイドショーで取り上げられたときも会員が増えた。「文春」が作ったコンテンツをいろんな形でお金に変えることに取り組んでいるところだ。
田原「東洋経済オンライン」について聞きたい。
田北9月の月間ページビュー(PV)は2億になった。1500万人が月1回読んだことになる。雑誌はその何十分の一の部数。オンラインを読んでいる人のほうが完全に多い。大学生では、オンラインは知っているけれど雑誌のほうは知らない人がほとんどという状況だ。
田原紙をなくしてオンラインだけになる可能性はあるか。
田北それはない。雑誌というパッケージで育った読者がオンラインに移っている。編集は雑誌できちんと訓練しなければ、いきなりオンラインに配属しても厳しい。紙の存在は重要だ。
田原動画や音声といったコンテンツについては。
田北1回トライしてうまくいかなかった。でも非常に魅力的だと思っている。スマホには動画が合う。例えば、記者が企業の決算発表の直後、トヨタの決算はこうでしたと会場の外から動画を流す。今まではテキストをベースにしていたけれど、そうではない時代が来るかもれしない。
新谷さんが言ったように、今、流通革命が起きている。1995年頃にインターネットの拡大が始まるのと軌を一にするように雑誌がピークを打った。2000年代以降、スマホが普及していく。昔、読者は我々生産者が決めた発売日に書店に行って買うという行為でしか雑誌を手に入れることができなかった。ネット時代はまったく違う。タッチポイントが書店1点だけだったのが、スマホが手元にあることで、あらゆる場所でコンテンツに触れることができるようになった。主権が生産者から読者に渡った時代と言える。
こうした時代にどうやってコンテンツを届けるか。紙というパッケージで週1回、月1回ではなかなか届かない。当社が「東洋経済オンライン」でやっていることも1つの届け方だと思う。新谷さんの言う「当事者意識」が記事の質を決める上で重要なキーワードになる。よく「東洋経済オンライン」はなんで2億PVになったのかと質問されるが、編集者が当事者意識を持っているから。雑誌もニュースサイトも自分たちのものだと考えている。
編集者がやっていることは、まず午前6時に朝の通勤時間に読んでもらうための記事を入れ、午前11時に昼休みにパソコンで読んでもらうための記事を入れる。午後4時には帰りの電車で読んでもらうための記事を入れ、夜に自宅で読んでほしい記事を入れる。記事の内容によって配信する時間を分けている。
村上春樹氏がノーベル文学賞を獲れなかったとき、発表は日本時間午後8時と分かっていたから、獲れたときの記事と獲れなかったときの記事と、2本用意していた。結局、獲れなかったので、ハーバード大学名誉教授のジェイ・ルービン氏のコラム「残念!世界はそれでも『村上春樹』が大好きだ」を午後8時10分に配信した。
新聞だとボブ・ディランが受賞したというファクトを流すが、我々はそういうファクトで勝負していないから、別の切り口で記事を作った。この記事はものすごく読まれた。まさに編集者が本気で良いものを作ろうと、当事者意識をもってやった結果だと思う。
田原ネットの時代になって、雑誌のあり方、週刊誌のあり方も変わらざるを得ない。今のところネットは底が浅いのではないか。
森それだけではないが、そう感じてしまう。編集者のセンスと企画力で解決できる問題と、人と取材費を使ってやらなければならない問題と、2つある。新聞記事をネットで流すだけならコストはかからないけれど、いざネットニュースで情報を掘り起こして発信するための取材をやるとなると、費用もかかるし、人材も発掘しなければならない。面白い記事を作ろうとすれば、雑誌でもネットでも同じことだ。
田原ここで会場から質問を受けたい。
質問者(出版社社員)dマガジンやアマゾン、楽天などがやっている雑誌の定額読み放題サービスについてどう考えるか。月400円で多くの雑誌が読める。出版社にとっては痛し痒しで、大きな収益になる一方、紙の部数が下がる。自社でネット配信することによって課金するビジネスの足枷にもなっている。
新谷個人の考えとしては、dマガジンは一刻も早く止めるべき。プラットフォーム側とコンテンツを作っている側の力関係からいって、プラットフォーム側が力を持ち過ぎると買い叩かれる。十把一絡げにされて読み放題というのは、目先のお金にはなるものの、持続可能だとは思わない。
我々が作る記事コンテンツを適正な価格で読者に届けるという大前提をしっかり守っていく。そのためにはああいう蛇口は閉めたほうがいい。今はかなり読めるようになっているが、少なくとも減らすべきだと思う。

〔ジャーナリズム成立させる収益構造つくることが必要〕
田原これだけは言っておきたいということを。
森今までテレビも新聞も「一部週刊誌によると」と我々のネタをパクリのような形で報じてきた。新谷さんのところが甘利さんの時に初めて、テレビ局から仕事の対価としてお金を受け取るようにして、ネタの掘り起こしや独自の情報、取材がいかに大事かを示してくれた。これなら週刊誌はまだまだやっていける。
田北「東洋経済」は基本的にアベノミクスに批判的な立場をとっている。経済社会を牽引するという創業からの信念を貫くため、「東洋経済」は収益化が難しくてもぎりぎりプラスマイナスゼロでいい。ジャーナリスティックな仕事や権力批判を思い切りやるなら、そこで収益は追わない。別の場所で収益をあげてトータルで成立する構造を作る。オンラインがその場所になっているが、まだ足りないので、動画への課金など色々と考えている。そういう収益構造を作らなければ、本物のアベノミクス批判も消えてしまう。
新谷年明けからスクープが続いて、今年は4冊完売した。一過性のものではなく、持続可能な安定飛行に入ってきていることが何よりもうれしい。ネタの賞味期限が短くなってきているから、舛添さんのスクープなども次から次へと新しいネタに移りがちだが、そうではなく昔の週刊誌がよくやっていたようなキャンペーンのやり方で第8弾までやった。そういう戦い方も十分できる。地道な取材がキャンペーンにつながった。それがなければ、豊洲市場の問題は明るみに出なかっただろうし、小池百合子都知事も誕生していなかったと思う。ペンの力への自信をもう一度取り戻すことができた。これからも地道に日々の取材を続けていきたい。
田原まだまだ議論したいが、このへんで終わりにしたい。ありがとうございました。

9月期販売金額2・9%減/文庫は前年並みの水準に/出版科研調べ

出版科学研究所調べの9月期の書籍雑誌推定販売金額(本体価格)は前年同月比2・9%減となった。
部門別では、書籍は同3・2%減。雑誌は同2・6%減で、内訳は月刊誌が同2・0%減、週刊誌は同5・8%減。月刊誌は返品率の改善によりマイナス幅が抑制された。
返品率は、書籍が前年同率の35・2%、雑誌は前年同月比0・4ポイント減の39・2%。
書店店頭の売上は、書籍が約3%減。『小説君の名は。』(角川文庫)の売行きが絶好調で、映画の大ヒットと連動し9月にミリオンを突破。文庫はマイナスが続いていたが、9月期はほぼ前年並みの水準にまで戻した。児童書、学参・辞典、趣味・生活も前年を上回り、特に趣味・生活は、「料理レシピ本大賞inJapan2016」の発表や、『どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』(サンマーク出版)が80万部に達するなど、好調な要因が多かった。
雑誌は、定期雑誌がほぼ前年並みで、付録付き女性誌などが好調だった。コミックスは約7%減、ムックが約6%減。コミックスは既刊の落ち込みが厳しく、6月以降5%以上のマイナスが続く。9月期は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)の最終巻が発売され、増刷されるなど話題を集めたが、コミック全体の落ち込みを補うには至らなかった。

神田村こう使っている/中小書店にも売れ筋配本を/弘正堂図書販売社長・細野寛行

日書連が10年ぶりに全国小売書店経営実態調査を実施し、報告書をまとめた。
「ベストセラーが希望通り入荷することが多い」と答えた書店はわずか7・2%。「ほとんど入らないことが多い」と答えた書店が53・6%で最も多く、「入荷するが希望数は入らないことが多い」が33・9%と続く。この問題は神田村を使えばある程度解決できるが、まだ神田村を使っていない書店が多い。
ここ数年の経営状態の変化について「やや悪くなった」「悪くなった」「非常に悪くなった」と答えた書店は合計85・2%に達した。
太洋社の経営破綻にあたっては、雑誌の配本がなくなり、このままだとお客さんに迷惑をかけてしまうと、大型書店で雑誌を買い集め、弊社(弘正堂図書販売)に雑誌を買いに来た書店もいた。たまたま弊社は多くの雑誌を取り扱っていたので、帳合変更が完了するまでだったがお手伝いさせていただいた。その書店には大変喜ばれた。
小さな書店は地元のお客さんをつかんでいる。お小遣いを持って書店で本を買い、本を読む習慣を身につけ、読者に育つ。定期雑誌を売ってくれる書店は大切な存在。書籍で売れ筋が出ると、こういう書店に一切目を向けなくなる出版社は多いが、廃業されて困るのは誰か。ないがしろにされた書店の恨みは大きい。
そもそも大型書店にタワー積みする必要があるのだろうか。ある中堅書店の社長は「1回に何十冊も要らない。お客さんが来たときに渡せる3~5冊があればいい。重版のたびにそれぐらい入ればいい。いつ追加が来るかをお客さんに伝えられれば、お客さんは待ってくれる」と言っていた。別の書店から「タワー積みされた本が1ヵ月後に大量返品され、2次配本で初刷りの本が20冊配本されてきた」という話も聞いた。旬でないそんな本を誰が買うというのだろうか。
定額読み放題サービスは書店の立場からすると止めてもらいたいものだ。アマゾンが展開する「キンドルアンリミテッド」が今、業界で問題になっている。講談社は1000を超える書籍や雑誌を提供してきたが、人気の高い10数作品がアマゾン側の一方的な事情で除外。これに対して講談社がただちに抗議したところ、今度は講談社の提供する全作品が削除された。講談社は「アマゾンの配信の一方的な停止に対して強く抗議する」との声明を発表した。アマゾンは「道義的に責任はあるが、契約違反ではない」と回答したそうだ。講談社には出版業界の雄として頑張ってほしい。
昔のような活気ある出版業界に戻るには、売れ筋の本が出たら中小書店にも公平に配本する必要がある。「ベストセラーが希望通り入荷しない」「ここ数年で経営状態が悪くなった」と答えた書店は、ぜひ神田村を使ってほしい。満数ではないが新刊が入る。補充、客注も早い。客注品の納期の問い合わせには、いつ入荷するか答えることができる。これならお客さんは待ってくれるはずだ。
神田村は機動力があり、小回りが利く。今後も大手取次とともに、お互いの得意分野で書店をサポートしていきたい。

生活実用書/注目的新刊

核家族が増えてきたことや多機能の冷蔵庫など利便さの影響、ものが豊富にあるからなどの理由で、日本にかつてはあった、生活の知恵そのものが貧弱になっている。ホームライフセミナー編『食品保存早わかり便利帳』(青春新書P10731000円)は、野菜、果物、肉、魚介類や、主食・卵・乳製品、加工食品の6分類で、200余品目の食品保存法を解説する。
たとえば、キャベツは芯をくりぬき、湿らせた紙を詰めてポリ袋に入れ、芯を下にして野菜室へ。これで1週間は鮮度が保てる。ざく切りして水気を取り、ラップで包み、密閉袋に平らにして入れ、冷凍室へ。こうすると2週間は鮮度のキープができる。
薄切り肉が残ったら、数枚ずつラップで包み、さらにアルミホイルで包んで密閉袋に入れ、冷凍室。1ヵ月間は間違いなく新鮮に保存できる。
徳江千代子監修『食品の保存テク』(朝日新聞出版1200円)は、料理レシピ本大賞、料理部門の準大賞に選ばれた一冊。オールカラーな上に、豊富な写真を駆使しているので大変わかりやすい。
冒頭の食品保存の基本ではまず、食材が傷む原因を知ることから開始。①常温保存②冷蔵保存③冷凍保存④干す⑤漬けるの順に、それぞれに適した食材が紹介されている。りんごなどは段ボールに新聞紙を敷き、ペーパータオルや新聞紙で包んで並べる。いも類は上に新聞紙をかぶせて、蓋は閉じない。
常温というのは15~25度のことで、冷暗所は14度以下、通気性が良く日が当たらない涼しい場所のこと。
しょうがの保存、どっちが正解?などクイズ形式の解説もある。①常温保存②野菜室で保存の二者択一。2週間後は圧倒的に①の勝利である。
にんじんは冷蔵で2~3週間、冷凍は2ヵ月、常温1週間、干せば1ヵ月である。
さて、ハンバーグの保存の正解はどちらだろう。①肉だねのまま冷凍②焼いて冷凍。①は自然解凍、フライパンで焼き②は自然解凍でレンジ。ふっくらジューシーは①。
年末は特に、まとめ買いをすることが多くなる。せっかく買っても、傷んでは元も子もない。もったいない、は世界が認める日本の美徳だが、ここらでもう一度、保存法を見直すのも、賢い生活の知恵であろう。(遊友出版斎藤一郎)

移転

☆軒先株式会社
事務所を11月7日から左記の場所に移転した。
〒102―0093東京都千代田区平河町2―5―3NagatachoGRID3階
電話=03―3725―8890(代表)、FAX=03―6893―2344

著者、編集者がアピール/報道関係対象に企画発表会/小学館

小学館は10月27日、東京都千代田区の学士会館で報道関係者向けに「第7回新企画発表会」を開催。秋から来年初頭にかけて予定する出版企画について、担当編集者や著者がプレゼンテーションを行った。
冒頭で相賀昌宏社長が「この会は、講談社の企画説明会が評判が良いと聞いて始めた。良い結果が出ていると報告を受けており、皆さんが紹介する先に読者がいると実感している。今日も各担当者のプレゼンから熱い思いをくみ取り、ご紹介いただきたい」とあいさつした。
出版局からの発表で、医師・作家の夏川草介氏は、『神様のカルテ』シリーズ以外での初長編となる『本を守ろうとする猫の話(仮)』(12月15日発売)について「医療の枠から離れ、僕の本音を最も親しんできた読書の世界を通じて表現しようと思った。『神様のカルテ』では読んだ人が励まされるような話を書いてきたが、今回は毒が多い。医療の現場は人間の醜い部分が出てくる場所で、以前よりそういうものが増えていると感じる。全力で走り続けるだけでなく一度立ち止まり、カッコよく生きてきたか、思いやりをもって生きてきたかを問い直す機会になればと思う」と話した。
第三コミック局の発表では『東京ラブストーリーAfter25years』を著者の柴門ふみ氏が紹介した。大ヒット作『東京ラブストーリー』の読み切り続編が今年1月発売の『ビッグコミックスピリッツ』で掲載されて話題になり、その続きを『女性セブン』11月10日発売号から全7回連載、単行本が来年1月12日発売予定。柴門氏は「恋愛が終わっても人生は続く。その人生を皆はどのように生きているか自分でも確かめてみたいと思った。読み切りを描いた段階では心残りがあったが、これで私の中で描きたいことは描き切ったと非常に満足している」と語った。
この他、以下の企画説明が行われた。▽出版局=『超入門!やせるおかず作りおき』『私はいったい、何と闘っているのか』『はじめてのオーケストラ』『夜行』『ドラえもんはじめての論語』▽児童学習局=『「こねこのプーフー」シリーズ』『キッズペディア地球館生命の星のひみつ』▽ポスト・セブン局=「DIETポストセブン・介護ポストセブン」『あさえがお心のハンドルをぎゅっとにぎる33の言葉』▽ライフスタイル局=『半島をゆく第1巻信長と戦国興亡編』▽女性メディア局・出版局・児童学習局・ライフスタイル局=「北斎」プロジェクト(『和樂ムック北斎の衝撃』『葛飾北斎名作ポストカードブック』『100%Hokusai!』『北斎ぬりえミュージアム』、通販サイト「大人の逸品」での北斎グッズ開発)▽第二コミック局=『ウルトラマンの現場~スタッフ・キャストのアルバムから~』

高須博久会長を再選/第50回記念総会に向け協力要請/中部トーハン会

中部トーハン会は10月27日、名古屋市中区の名古屋国際ホテルで第49回定例総会を開き、会員書店、出版社、トーハン関係者など計328名が出席した。
冒頭あいさつに立った高須博久会長(豊川堂)は、地元ブロック紙の広告に掲載された巨大自動車企業の野望を暴く書籍に関心を持ったが、出版社の説明で東海エリア重点配本商品にも関わらず、自社6店舗や別の名古屋の書店の配本はゼロであることが分かり、トーハン本社や名古屋支店に電話をかけ、苦労して希望部数を確保したいきさつを報告。「トーハンが取り組んでいる『適材適書』はデータで見て、コンスタントに売り続ける仕組み。デジタルも大事だが、声と声で気持ちを通じ合うアナログも大事だ」と述べた。
議事ではすべての議案を原案通り承認。役員改選で再選された高須会長は「全国トーハン会プレミアムセールの販売金額全国1位の座はどこにも譲り渡したくない。来年の第50回定例総会は記念総会にする。アイデアを出してほしい」と協力を求めた。
出版社を代表してあいさつした講談社・森武文専務は「脳トレで有名な東北大学・川島隆太教授と仙台市教育委員会による共同調査で、スマホを使うほど成績が下がることが分かった。出版市場低落の原因の1つは、読書時間をスマホに奪われていること。読書の価値と効用を父親・母親たちにもっと知らせるべき」と訴えた。
トーハン・藤井武彦社長は「読者をエリア書店に呼び戻すことが第一」と同社の営業方針を説明し、「売場改善」「店頭客注の強化」「店頭活性化プロジェクト」を重点施策として推進していると述べた。また、雑誌の抜本的な仕入改革が大きな課題として、今期は検証結果を踏まえて新システムの稼働段階に進んでいることを報告した。このほか、定額読み放題サービスが書店に及ぼす影響に懸念を示し、デジタルからリアルに誘導するシステムの構築が必要と指摘した。
このあと中部トーハン会プレミアムセールの表彰式を行い、販売実績、ブロック別伸長率、個店別伸長率、飾り付けコンクールの上位店に賞を贈った。
記念講演では書評サイトHONZ代表・成毛眞氏が「Amazonとは何者か」をテーマに話した。

小説部門で2作品に大賞/電撃大賞

KADOKAWAアスキー・メディアワークスが主催する「第23回電撃大賞」の贈呈式が、11月7日に都内のホテルで行われた。
応募総数は5803作品で、電撃小説大賞には4878作品(長編3410作品、短編1468作品)、電撃イラスト大賞には591作品、電撃コミック大賞には334作品の応募があった。電撃小説大賞では、麻里アサトさん『86―エイティシックス―』、佐野徹夜さん『君は月夜に光り輝く』が大賞を受賞した。小説部門ではこのほか、金賞1点、メディアワークス文庫賞1点、銀賞2点、選考委員奨励賞2点が受賞。電撃イラスト大賞は金賞1点、銀賞3点、選考委員奨励賞2点、電撃コミック大賞は金賞2点、銀賞3点が受賞した。贈呈式で、小説大賞を受賞した麻里さんは「明るいファンタジーに挑戦してみたい」、佐野さんは「中学生の頃から書いてきたがあきらめずに書き続けてよかった」とコメント。KADOKAWA執行役員アスキー・メディアワークス事業局の塚田正晃局長が「KADOKAWAのメディアミックス力や国際展開力を惜しみなく皆さんの作品に投入する。一緒に世界を目指して頑張ろう」と激励した。

文藝賞に町屋良平氏の『青が破れる』/河出書房新社

河出書房新社が主催する第53回文藝賞は、町屋良平氏の『青が破れる』に決まり、10月24日に東京都千代田区の山の上ホテルで披露の会が行われた。
式典では、町屋氏に賞状と正副賞が贈られた後、斎藤美奈子、藤沢周、保坂和志、町田康の各選考委員が選評。受賞者あいさつで町屋氏は「小さい頃から物語が好きで、本に憧れて育ってきた。勉学には熱心ではなかったが、文学への興味だけはずっと持ち続けてきた。小説は広い場所で、いろいろな考えや人間を受け入れてくれる。これからはまだ言葉にされていない人間の小ささや弱さ、自然と共に生きることを考え、自分なりのものを書いていきたい」と語った。
主催者あいさつで河出書房新社の小野寺優社長は、電子書籍の定額読み放題サービスについて触れて、「読者は歓迎し、出版社にとっても使い方によっては新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれない。だが読者が喜ぶからというだけで拡げていくことには懸念を覚える。きちんと検証せずに進めた場合、出版社、書店、取次や、作家の首をも絞めかねない。こうした状況がエスカレートしたとき一番恐ろしいのは、コンテンツにお金を払うのは馬鹿馬鹿しいと思われること。今年の文藝賞選考会で見たのは、十把一絡げで扱われる作品を生むためではなく、これからの文学を担うプロの作家を生み出すという思いに溢れたものだった。河出は今年創業130周年を迎えたが、この歴史は私どもが刊行してきた素晴らしい作品の歴史でもある。そこに町屋さんの作品が加わったことを大変うれしく思う。ますます素晴らしい作品を生み出す作家に成長されることを心から祈っている」と述べた。
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