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平成30年4月15日号
第22回「春の書店くじ」4月20日から配布スタート/1等賞は図書カード1万円

4月23日の「世界本の日サン・ジョルディの日」に合わせて、第22回「春の書店くじ」の配布が4月20日からスタートする。1等賞には「図書カード1万円」400本を用意した。4月30日までの実施期間中、書籍・雑誌500円以上を購入した読者に「書店くじ」を進呈する。当せん発表は5月25日。
第22回「春の書店くじ」の宣伝用ポスターは、フランス・ロココ期を代表する画家ジャン・オノレ・フラゴナールの「読書する女(読書する娘)」を用いたデザイン。実施期間、1等賞から4等賞までの各賞の賞品と当せん本数、くじの配布方法、当せん発表日と発表方法、賞品引換期間などを記載している。
くじは「もらうと本が読みたくなる」のコピーとともに、柴犬と猫がリボン掛けした本を手にする可愛いデザイン。
「春の書店くじ」を申し込んだ書店には、取引取次店経由で4月18日前後までにくじを送付する。宣伝用ポスターは、日書連ホームページからファイルをダウンロードして印刷する方式になっている。
※書店くじの申込みは2月20日で締め切っています。締切日以降の申込みはできません。

第57回全出版人大会、5月8日に開催/日本出版クラブ

日本出版クラブは5月8日午後3時、東京・千代田区のホテルニューオータニで「第57回全出版人大会」を開催する。
共立出版・南條光章社長が大会委員長を務め、日本出版クラブ・野間省伸会長のあいさつ、南條大会委員長のあいさつ、大会声明朗読、来賓祝辞、長寿者の祝賀、永年勤続者の表彰を行う。日書連からは本間守世副会長が長寿者に推薦されている。
式典終了後、脳研究者で薬学博士の池谷裕二氏の講演を行う。

「文字・活字の税率、据え置き望ましい」/活字文化議連・細田博之会長、消費税問題で考え示す/文字・活字文化推進機構設立10周年記念式典

文字・活字文化推進機構(福原義春会長=資生堂名誉会長)は3月28日、東京・千代田区のよみうり大手町ホールで設立10周年記念特別講演会を開催し、世界的に有名な建築家・安藤忠雄氏が「あしたへの挑戦―われわれはどこへ向かうのか」と題して講演。500名が来場した。講演会に先立ち行われた記念式典では、同機構顧問で活字文化議員連盟会長、図書議員連盟会長の細田博之衆議院議員が消費税問題に言及し、文化的に重要性を持つ文字・活字の税率はできるだけ低い水準に抑え、現行8%に据え置くことが望ましいとの考えを示した。
冒頭、主催者を代表してあいさつした同機構副会長で作家の阿刀田高氏は「IT機器の発達で、紙に文字を印刷して文化的な営みに役立ててきた歴史が曲がり角を迎えている。しかし、ここにきて活字の重要性を再認識する機運が高まってきた」と述べ、政界、出版界、新聞界など多くの関係者の協力に謝意を表した。
祝辞を述べた細田氏は、あらゆる科学や芸術の基礎には文字・活字があると指摘。文字・活字の重要性は来年10月に予定される消費税増税の議論とも関係しているとして、「消費税3~8%まですべての品目を対象に引き上げてきたが、生活の基礎である食料品や文字・活字については、財政事情を理由にしていつまでも引き上げるのは適当ではない。今の8%で据え置く。食料品は体の源、文字・活字は脳や思考の源だから、できるだけ低い水準に税率を抑えて、新聞や出版物の値段が多くの国民にとって高くならないようにする。それは欧州でも行われていること」と述べた。
同機構顧問で子どもの未来を考える議員連盟会長、学校図書館議員連盟会長の河村建夫衆議院議員は、学校図書館を根幹とした読書環境整備に果たしてきた同機構の役割を強調。「20年に学習指導要領が変わり、アクティブラーニングの時代に入る。その中心は学校図書館でなければならない。学校司書の配置の拡充にも取り組む」と述べた。
同機構副理事長で日本新聞協会会長の白石興二郎氏(読売新聞グループ本社会長)は、消費税問題について「新聞が食料品とともに軽減税率の対象品目に決まったのは、公共財としての価値が認められたということ。責任の重大性を認識し、自らを律していかなければならない」と述べた。
同機構副理事長で日本書籍出版協会理事長の相賀昌宏氏(小学館社長)は「人は本を読むことで様々なことを学ぶ。弱い立場の人の心の痛みを知り、皆が思っていることとは異なる考え方があることを知る。音楽、映画、絵画に接する時も同じ。我々の仕事は文字・活字だけではなく、もっと広いテーマを持つものと考える。機構の活動を広げていくために何をすればいいか、皆さんから考えを聞きたい」と述べた。
講演会で登壇した安藤氏は、アートによる街作りで知られる香川県直島の「ベネッセアートサイト直島」など同氏が設計を手掛けた様々な作品のエピソードを披露。「ベネッセの福武總一郎氏は直島を世界一の現代美術の島にしたいという強い思いで、人口2500人の島に世界中から年間70万人が訪れるリゾート施設を作った。企画力は読書から生まれるもの。今の日本人はあまり本を読まないから、こうした企画を生む感性が鈍っている。考える人間を作らないと、世界の中で生きていけない。好奇心を高めるために本を読むべき」と訴えた。
また、大阪市北区の中之島公園内に児童向け図書館を設計・建設し、同市に寄付する構想を説明。大阪市出身の安藤氏は「大阪に生まれたことを誇りに思えるような読書環境を作りたい」と意気込みを語った。

5月10日に春のくじ抽せん会

1等賞「図書カード1万円」が当たる日書連主催、第22回「春の書店くじ」の抽せん会は、5月10日午後0時半から東京・千代田区の書店会館で、出版社、取次、関係会社、日書連役員の立会いのもと行われる。当せん発表は5月25日(金)、日書連ホームページと書店店頭掲示のポスターで行う。

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に北海道・いわた書店の岩田社長が登場/4月23日放送予定

NHK総合テレビのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル仕事の流儀」に、北海道砂川市のいわた書店・岩田徹社長(北海道書店商業組合理事)が登場する。放送は4月23日(月)午後10時25分の予定。
いわた書店では、読者から送ってもらったアンケートを元に、岩田社長がお薦めの本を1万円分選んで届けるという「1万円選書」を実施。アンケートでは、これまでに読んだ中で印象に残った本や、これまでの人生でうれしかったこと・苦しかったことなど、読者の人となりを知るための質問項目に答えてもらい、読者が挑戦したことのない作家やジャンルからプロの目で本を推薦しており、全国から申込みが殺到する人気になっている。

図書館納入問題で陳情活動/大阪維新の会への訪問を報告/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は3月10日、大阪市北区の組合会議室で定例理事会を開催した。
事務局からの庶務報告では、大阪府教育庁地域振興課から「OSAKAPAGEONE」のホームページ更新のため組合書店への「読書推進の取組み状況調査」の依頼があったことを報告、FAX通信と同送することを承認した。また、総会議案書の「委員会事業計画」は4月理事会の承認事項であることから、3月24日までの提出を各委員長に要請。平成31年新年互礼会は会場を梅田のウェスティンホテル大阪とし、1月10日午後4時開始で予約したと報告があった。
面屋理事長からは、書店経営環境改善について日書連で2月13日にKADOKAWA・山下常務、同23日に集英社・堀内社長、3月9日に講談社・野間社長と文藝春秋・松井社長をそれぞれ訪問して懇談したと報告。日書連が提案している業界3者による実務者会議の立ち上げについて、各理事から意見を出しあった。
各委員会の報告・審議事項は次の通り。
[総務委員会]
2月20日に財務委員会を開催、4月4日に29年度会計監査会を予定すると報告した。
[読書推進委員会]
2月末で読書ノート後期達成者を締切り、発表は5月中旬と報告。4月4日に課題図書選定会議を開催予定だと報告した。
[出版販売倫理・共同受注委員会]
2月16日に大阪府警察本部で開催された「大阪府万引き総合対策協議会」第1回総会について報告した。
[図書館・情報化委員会]
図書館納入問題について、面屋理事長、田上委員長が3月6日に大阪維新の会大阪府議団会長の岩木均議員、政務調査会長の中司宏議員を訪ねて陳情したことを報告。岩木会長の紹介で、3月30日に門真市の市長と教育長への陳情を予定していると説明した。
(石尾義彦事務局長)

日書連のうごき

3月1日文字・活字文化推進機構理事会に舩坂会長が出席。
3月2日日本出版取次協会との書店くじ打合せに事務局が出席。全国商工団体連合会との意見交換に事務局が出席。
3月7日出版クラブ平和堂委員会、平和堂維持会に事務局が出席。定期会計監査。
3月8日JPO運営委員会に柴﨑副会長が出席。
3月9日書店環境改善で講談社、文藝春秋訪問に舩坂会長、鈴木、面屋両副会長、井上理事が出席。
3月12日書店環境改善で光文社、マガジンハウス訪問に舩坂会長、鈴木、面屋両副会長が出席。
3月13日JPO理事会に藤原副会長が出席。発売日本部委員会に藤原、西村両副会長、塩川、長﨑両理事が出席。出版労連との意見交換に事務局が出席。
3月15日全出版人大会事務局打合会に事務局が出席。全国中小企業団体中央会理事会に舩坂会長が出席。JPIC評議員会・理事会に舩坂会長、藤原、西村両副会長、小林、春井両理事が出席。学校図書館整備推進会議総会に事務局が出席。
3月16日九州雑誌センター取締役会に舩坂会長が出席。
3月19日軽減税率専門委員会に柴﨑副会長が出席。JPIC読書アドバイザー養成講座修了式に舩坂会長が出席。
3月20日JPRO管理委員会に事務局が出席。読書推進運動協議会理事会に舩坂会長が出席。
3月22日出版クラブ理事会に舩坂会長が出席。出版倫理協議会に井上理事が出席。
3月23日万防出版対策本部に事務局が出席。光文社3賞贈呈式に事務局が出席。
3月27日書店環境改善で新潮社訪問に舩坂会長、鈴木、面屋両副会長、井上理事が出席。
3月28日文化産業信用組合理事会に舩坂会長が出席。日本図書普及取締役会に舩坂会長、鈴木、藤原、面屋、西村各副会長が出席。文字・活字文化推進機構10周年特別講演会に舩坂会長が出席。
3月29日定期会計監査。
3月30日認定個人情報保護団体シンポジウムに事務局が出席。

「春夏秋冬本屋です」/「『小学一年生』に続くお薦めは」/福井・じっぷじっぷ代表取締役社長・清水祥三

店に立ち寄る子どもたちが激減した。街中にある本屋が魅力的でなくなったとか、スマホ等の影響はとても大きいのだろう。下校帰りに本屋に立ち寄り、雑誌や読み物を立ち読みしたり物色したりという学生のあたりまえの文化が風化してしまったのだろうか。
昨年の春から下校時に必ず店先に立ち寄る子どもが2人。黒いランドセルと赤いランドセルの一年生。登校時には上級生も一緒なのだが、帰りは一年生の2人だけである。
ほぼ毎日、店先で立ち止まり、男の子が入口からガラス越しに店内をのぞき込む。お目当ての雑誌の発売を確かめ、店内の様子をチェックしている。2人はひとしきりああだ、こうだとおしゃべりをしている。時にドアを開けて店に入ろうとすると女の子に「寄り道したらあかんのやよ!」とひっぱられる。
『小学一年生』の発売日の夕方には、お母さんと一緒に買いに来る。女の子が1人で帰っていく時は、その後遅れた彼が走っていくのが見える。逆に彼のほうが早く下校するときは必ず店の前で女の子を待っている。雨の日も、雪の日も店先に立ち止まる。
この4月、2人は二年生になった。変わらず一緒に店先での立ち話は続いている。彼がのぞきこんで発売を待っていた『小学一年生』は卒業。いきなり8年生にはちょっと手が届かない。次は何をすすめればいいのだろう。

河出書房新社『昨夜のカレー、明日のパン』を拡販/第1次送品で全組合員に5冊配本/東京組合

東京都書店商業組合(舩坂良雄理事長)は4月3日、東京・千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。主な審議・報告事項は以下の通り。
[総務・財務委員会]
4月1日現在の組合員数は、前年同期と比べ脱退23店、加入0店で347店になったと報告した。
6月以降の理事会開催日を、次の通り決定した。6月5日(火)、7月3日(火)、8月休会、9月4日(火)、10月2日(火)、11月6日(火)、12月4日(火)
[事業・増売委員会]
河出書房新社の文庫『昨夜のカレー、明日のパン』(木皿泉著)の特別増売企画について説明した。木皿氏の新刊『さざなみのよる』(4月18日発売予定)の刊行に合わせて拡販に取り組むもので、新たな販売施策として第1次送品は全組合員に文庫5冊を配本する。販売期間は4月18日~6月30日。出荷条件は3ヵ月延べ勘、期間内の実売部数1冊につき30円の報奨金が付く。非POS店はスリップ集計とし、専用封筒に入れて返送する。この増売企画対象外の『さざなみのよる』についても最低1冊の配本を確約、店頭販売の相乗効果を図る。
[厚生・倫理委員会]
3月に改訂された東京都制作のパンフレット「東京都青少年の健全な育成に関する条例のあらまし」を配布。青少年健全育成条例の一部改正で、青少年に裸体等の「自画撮り画像」の提供を不当に求める行為の禁止などが新設されたことを説明したほか、区分陳列の徹底を改めて呼びかけた。

『君たちはどう生きるか』ベストセラーの経緯語る/マガジンハウス代表取締役社長・石﨑孟氏/出版科学研究所「出版科研セミナー」

出版科学研究所は3月7日、東京・新宿区の飯田橋レインボービルで出版セミナーを開き、マガジンハウスの石﨑孟社長が「マガジンハウスのこれまでとこれから―『君たちはどう生きるか』はなぜベストセラーになったのか」をテーマに講演。同書の刊行までのいきさつ、メディア露出と売上への影響などについて話し、読者の購買行動を意識した本作りと売り方の工夫がヒットにつながると考えを述べた。講演の概要を紹介する。

〔若い世代が読みやすいスタイルに〕
『君たちはどう生きるか』は昨年8月24日に初版を発行した。漫画版が1万5000部、新装版が1万部のスタートだった。「こんなに多くて大丈夫なのか」と担当者に言ったのが嘘のように、3月9日付で漫画版が200万部に到達して驚いている。
『君たち~』は今や社会現象になっている。テレビでは、昨年10月21日の「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)、11月26日の「おはよう日本」(NHK)、12月16日の「世界一受けたい授業」、今年1月9日の「クローズアップ現代」(NHK)、1月20日の「世界一受けたい授業」、1月21日の「サンデーモーニング」(TBS系列)と各局で紹介され、各番組放送後に売上が大きく伸びた。
新聞も全国紙から地方紙まで、これでもかと言うほど紹介してくれた。
この本はミリオンセラーに達するまでのスピードがとても速かった。ここ数年で発行部数100万部までのスピードが速かった書籍を調べてみると、1位は2週間で到達した『ハリー・ポッターと呪いの子』、2位は2ヵ月の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、3位は18週間の『火花』。『君たち~』は19週間で4位だった。
紀伊國屋書店のパブラインによると、読者の男女比は、発売から10日間は男性60%、女性40%。最も多い年齢層は30歳から49歳。原作を知っている人たちが購入したと推測している。これが今年1月27日~2月7日になると、女性70%、男性30%と逆転した。1月20日に「世界一受けたい授業」で取り上げられて以来、女性の比率が大幅にアップした。最も多い年齢層は30歳から49歳。子供に読ませたい母親が購入したのだと思う。
ヒットした理由については、評論家やコメンテーターが様々な分析をしている。多分すべて正しいのだろう。ただ、後付の理由が多く、よく分からないというのが正直なところではないか。そこで、担当編集者の鉄尾周一にこの本を出したいきさつをまとめてもらったので紹介したい。
初めて原作を読んだのは、大学生の頃に父が薦めてくれたことがきっかけ。最初は説教臭そうな本だなと思ったが、読んでみると心に沁みるエピソードがいくつもあり、何度か読み返すうちに愛読書になった。
漫画化を考えたのは、編集部の30代の男女が相次いで一番の愛読書だと熱弁を振るったのがきっかけ。こんな古い本を今の若い人も読むのかと驚いたと同時に、世代を超えて読まれる名作の強さを実感し、今の人たちが読みやすいスタイルにすれば読者は付いてくると思った。漫画化すれば、この名著の存在を知っている大人に加えて、子供も読んでくれる。子供に読ませたいという親の需要もプラスすれば、読者層は老若男女すべてに広がる。
しかし、マガジンハウスは漫画と縁が薄く、漫画家のツテがない。そこで講談社で『Hot―DogPRESS』や『FRaU』を手がけた編集者、原田隆氏に相談を持ちかけると、元講談社のベストセラー漫画編集者、佐渡島庸平氏が設立した出版エージェンシーのコルクに所属する漫画家・羽賀翔一氏を紹介してくれた。
デビュー作『ケシゴムライフ』を見て、素朴で純粋なキャラクターが『君たち~』にぴったりだと思った。羽賀氏は『君たち~』の存在すら知らなかったが、一読して、日常の出来事からストーリーを積み上げていく作風や、主人公のコペルくんが母子家庭であることなど、多くの共通点を感じたという。
当時、コルクに所属していた敏腕編集者、柿内芳文氏が手伝ってくれることになり、原作者の吉野源三郎氏の子息、源太郎氏に会いに行くことになった。「漫画化しても売れない。時代が違うから」と渋る源太郎氏を「10万部は堅いです。新装版も出します」と説得して、3回会ってようやくOKをもらった。「国会の前に行ってSEALDsのデモを見てきなさい。原作当時の雰囲気が分かるから」と言われたのは驚いたが、細かいことは言われず自由に描けたのは幸いだった。
作画のために、当時の面影が残る湯島界隈に引っ越すなど準備万端、気合十分で臨んだものの、なかなか筆は進まなかった。繰り返し読むたびに発見があり、原作の記憶が盛り込まれている――そんな漫画にしたかった。原作は啓蒙的な内容だが、読者がキャラクターに寄り添い、共感できる作品にしたい。そして、叔父さんがコペルくんと一緒に成長していく展開を心掛けた。
コペルくんの髪型を当時の中学生らしく丸刈りにすると絵に動きを出しづらいため長い髪にする、クライマックスの雪の日の喧嘩のシーンを冒頭に持って来る、登場人物を必要最小限に絞るなど、試行錯誤を重ねるうちに、当初1年だった締切はゆうに過ぎ、結局2年半かかった。
カバーは、デザイナーの川名潤氏と相談の上、漫画版はコペルくんの強い表情のアップに、新装版は全身姿にした。10数枚も書き直したと聞いている。

〔メディアや文化人の支持が後押し〕
発売後に勢いを加速したのはコピーライターの糸井重里氏のツイッターだった。「いまは亡き著者と、これをいま出版しようと考えた編集者と、この本に正面からぶつかろうと思った漫画家に、カーテンコールのように拍手を続けています」。このツイートがきっかけになって、全国の書店から注文が殺到。新聞や雑誌、テレビの取材が続々と舞い込んだ。
発売当初から書店員の方々の熱烈な支持があったことも『君たち~』ブームの大きな要因だ。紀伊國屋書店梅田店のように手書きのPOPで自主的にコーナー展開してくれたり、代官山蔦屋書店のように100冊以上の大ワゴンで展開してくれる書店もあった。
10月28日には、かねてから『君たち~』の愛読者であることを公言していた映画監督の宮崎駿氏が突如引退撤回を宣言し、新作のタイトルは『君たちはどう生きるか』と発表したことも追い風になった。
この頃には売行きに増刷が追い付かず、在庫切れになることもしばしばだった。『おはよう日本』で取り上げられた11月26日の日販のトリプルウィンの売上は1万冊以上を記録した。
教育関係者からの引き合いも多い。小中学校の先生が教材に使ったり、学校図書館が購入したり、卒業記念に数百冊単位で購入するケースもある。
12月には発売から4ヵ月余りで漫画版と新装版合わせて100万部を突破。今年1月6日には漫画単独でミリオンセラーを達成した。マガジンハウスでは2001年の『世界がもし100人の村だったら』以来、約15年ぶりのミリオンセラーとなった。
この鉄尾のレポートを読んで感心したのは、原作があるにも関わらず完成まで2年半以上かかったこと。この漫画を描くために引っ越しまでしたことにも驚いた。漫画とマガジンハウスが多く手掛けるライフスタイルマガジンではここまで違う。年単位で1冊の雑誌を作ることはまずない。
単行本、特に文芸書は、人気作家に書いてもらうためには良好な人間関係を築き、順番を待たねばならないので、必然的に時間がかかる。マガジンハウスが単行本に進出した時、私が初代編集長を務めた。3年後に女優の室井滋氏の『むかつくぜ!』が50万部を超えるヒットになったが、声をかけてから本になるまで約2年かかった。1冊の本にするには量が足りず、書き足してもらったためだ。
『世界がもし100人の村だったら』は現在も年1回は増刷がかかって、発行部数は130万部に達した。発売当時、書籍出版局長だった私が編集に対して指示したのは、「定価は1000円で丸める」「発売はどんなに遅くとも12月初旬まで」の2点。1000円札を持って書店に行ってパッと買ってもらえる、親が子供に贈るクリスマスプレゼントに最適な本だと考えたからだ。担当編集者は本作りに集中していてなかなか気づかないものだが、このように読者の購買行動に対して意識を持つことは、編集者にとって大切なことだと思う。

「角川つばさ文庫小説賞」贈賞式を開催

KADOKAWAは3月18日、東京・千代田区の學士会館で「第6回角川つばさ文庫小説賞」の贈賞式を開催した。
この賞は、小中学生のこどもたちに読書を楽しんでもらいたいとの願いから、11年に創設。今回は、「一般部門」2作品(大賞は該当作なし、金賞1作品、特別賞1作品)、「こども部門」24作品(グランプリ2作品、特別賞6作品、入賞16作品)を表彰した。
「一般部門」金賞は田原答さんの『オバケがシツジの夏休み』、同・特別賞はひのひまりさんの『エスパー部へようこそ』、「こども部門」グランプリは矢吹優奈さん(小学3年)の『ねずみの水晶玉』、綾星鳴夏さん(中学3年)の『飽食時代』が受賞した。
「一般部門」金賞受賞作品は角川つばさ文庫から刊行される。特別賞については受賞作の次の作品の刊行を予定している。
開式あいさつで松原眞樹社長は「児童書に力を入れている。新しい作家をどんどん生み出したい」とお祝いの言葉を述べた。
贈賞式では絵本作家のあいはらひろゆき氏、女優で絵本など多数の著書がある本上まなみ氏らがプレゼンターを務め、作家の宗田理氏が「将棋の藤井聡太6段のような子どもが小説の世界でもきっと出てくる」と受賞者を激励した。

絵本『ちいさいおうち』の著者、バージニア・リー・バートン展/銀座教文館、5月7日まで開催

教文館(渡部満社長)は3月17日~5月7日、東京都中央区の銀座教文館9階ウェンライトホールで、絵本『ちいさいおうち』の著者バージニア・リー・バートンの没後50年に合わせて「『ちいさいおうち』のばーじにあ・りー・ばーとん」展を開催している。
『ちいさいおうち』は1942年にアメリカで出版され、児童書の賞で最も権威のあるコールデコット賞を受賞した、バートンの代表作。日本では石井桃子氏の翻訳で、1954年に岩波書店から刊行された。田舎の丘の上に佇む「ちいさいおうち」が、都市化・工業化の時代の波にのまれつつも、再び田舎に運ばれてのどかな暮らしを楽しむというストーリーは、今も世界中で愛されている。
バートンはテキスタイルやグラフィックのデザイナーとしても世界的に活躍。バートンが指導したデザイン集団「フォリーコーブ・デザイナーズ」は展覧会に多くのバイヤーが集まるほどの存在に成長した。
同展では絵本の原画やスケッチ、フォリーコーブ・デザイナーズで制作したテキスタイルなど、貴重な資料の数々を展示。多彩な才能を発揮したバートンのものづくりに臨む姿勢を余すことなく紹介している。
第2会場の6階ナルニア国では、店内で書籍、ポストカードやトートバッグなどのオリジナルグッズを販売。また、講演会や読み聞かせ会、音楽会などの関連イベントも開催している。
会場には連日、多くの読者が訪れ、親子連れはもちろん、幼少期にバートン作品に親しんだ中高年の姿も目立つという。
問い合わせは「教文館子どもの本のみせナルニア国」まで。℡03(3563)0730

サン・ジョルディ名古屋、4月22日開催/書店が選んだ絵本の販売など

「サン・ジョルディフェスティバル名古屋2018」が4月22日(日)午前10時~午後5時、名古屋市中区の名古屋テレビ塔1階タワースクエアで開催される。サン・ジョルディ名古屋実行委員会(愛知県書店商業組合、日本・カタルーニャ友好親善協会)と中日新聞社が主催。カタルーニャ州政府が特別後援。
33回目を迎える今回は、「本屋さんが選んだ子どもに読み聞かせたい絵本101冊」の展示販売をはじめ、絵本作家による絵本の読み聞かせとサイン会、バラの展示販売、ビブリオバトルin名古屋テレビ塔、ワークショップなど、様々な催しが用意されている。
絵本作家が来場するイベントは、地元名古屋市在住の長尾たくまさんによる読み聞かせとサイン会が午前10時から、『おまえうまそうだな』(ポプラ社)が15周年を迎える宮西達也さんの読み聞かせとサイン会が午前11時から行われる。ワークショップは、イラストレーターの茶畑和也さんを迎えてぬりえコンテストを開催する。
午前9時45分に始まるオープニングセレモニーでは、主催者を代表してサン・ジョルディ名古屋実行委員会委員長を務める愛知県書店商業組合・春井宏之理事長があいさつする。

JPIC読書アドバイザー養成講座/第25期受講生84名が修了

出版文化産業振興財団(JPIC)が主催する第25期読書アドバイザー養成講座の修了式が、3月19日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で行われた。
冒頭であいさつしたJPICの肥田美代子理事長は、「皆さんは今日から我々の仲間。(読書推進に関して)国は法律や制度を作るが、放っておいたら誰も振り返らない。皆さんにはその間を埋めて政策を引っ張っていく役目がある。『こういう予算が今年はついたから、こうしよう』と地域で声をあげてほしい。そのために皆さんと色々連絡を取らなければいけないと思っている。本を読まなくても生きていけるが、本を読んだら少しは人間らしい生き方ができるかもしれない。確約はできないが、もしそうならそちらを取りましょう」と今後の読書活動に協力を呼びかけた。
来賓として祝辞を述べた日書連・舩坂良雄会長は、読書アドバイザー養成講座の修了生が各地で読書推進に取り組んでいる例として、和歌山県有田川町や新潟県糸魚川市、福島県飯舘村での活動を紹介し、「読書アドバイザーの皆さんの活躍は枚挙にいとまがない。皆さんも地元に戻って自分のできる範囲で、本に関する楽しいこと、読書の面白さを拡げる行動を起こしていただきたい。できるならば地元の本屋と一緒に読者を増やす活動に取り組んでほしい」とこれからの活躍に期待を寄せた。
続いて、第25期修了生84名を代表して成績優秀者5名に肥田理事長から修了証を授与。それぞれが受講の感想や今後の抱負を語った。熊本・長崎書店の大村奈美さんは、「この講座で全国各地から来た皆さんや講師の方の話を聞いて、自分自身の本に対する思いや考えにさらに膨らみをもたせることができたと感じる。書店員の良さはお客様の声を直接聞けること。店頭でいただいた声を、出版社や作家の方、ここでつながった皆さんに届けていきたい。こうして全国に仲間ができ、皆で少しずつ読書の種をまけたらいいなと思う」と話した。

地域書店と連携し読書活動/店頭活性化とコミュニティ形成を推進/JPIC

出版文化産業振興財団(JPIC)は3月15日に東京・新宿区の日本出版クラブ会館で評議員会と理事会を開催。平成29年度事業報告並びに決算見通し、平成30年度事業計画案、収支予算案を承認した。
日本の書籍を翻訳出版して海外に日本の魅力を発信する「JAPANLIBRARY」は、平成26年度から28年度までの3ヵ年でJPICから25タイトル、提携する海外出版社から2タイトルの合計27タイトルを発行。29年度は3月末までにJPICから11タイトル、海外出版社から1タイトルの合計12タイトルを刊行した。これらの図書は、海外の大学図書館・研究室や公共図書館など約1千ヵ所に寄贈するとともに、国内外の書店・大学生協などで販売している。
10代・20代の若者の読書や教養の深化を支援し、継続的なネットワークの構築を図る「JPICYOUTH」は、事業をスタートした29年度は計3回のイベントを開催。30年度は6回の開催を予定する。
30年度の新規事業では、光文文化財団と協力して「書店連携企画in京都2018(仮称)」を展開する。書店店頭イベントなどによるコミュニティの形成と、SNSなどによる情報発信を活用した読書推進活動を地域書店と作り上げることで、「書店店頭活性化と読者コミュニティの創造」を結びつけるモデルケースを作ろうというもの。個性的な人気書店が集積する京都で若手書店人に参画してもらい、「書店の連携が読者を育て、地域文化を育む」という好循環を生み出す地域活動に取り組む。新事業の活動費は子どもゆめ基金の助成金を中心に、光文文化財団とJPICの事業費を一部充てる。書店の売上アップと地域読書文化を担える活動に育てていくことを目標に、その成果を他の地域にも広げていく方針。
このほか、鈴木一則評議員(日販)の退任、濵田博信監事(日本図書普及)の逝去を報告。後任についてはそれぞれの推薦社と相談し、次回理事会、評議員会で提案を行う。

シングルコードの発行開始/1点単位でISBNコードを割当て/JPO

日本出版インフラセンター(JPO)は3月13日に定例理事会を開催し、ISBNコード/日本図書コード、書店マスタ提供サービス、出版情報登録センター(JPRO)の各利用規約を4月1日付で改定することを承認した。
図書コード管理センターが運用するISBNコードの規約改定では、1コード単位で出版者にISBNコードを割り当てる「シングルコード」の発番を開始した。これまでは7桁の出版者記号で10タイトル登録できるのが最少単位だったが、シングルコードの新設により、1点だけ出版したいという個人や企業、団体等がコードを取得しやすいようにした。なお、書籍JANコード(2段バーコード)は現行システムでは7桁の出版者記号までしか対応していないため、シングルコードで使用することはできない。新規申請料はシングルコードが本体8千円、7桁コードは同2万円、6桁コード(100タイトルの登録可)は同3万7千円。
また、ISBNコードの登録申請について、Web上で申請を受け即日発行するシステムを構築した。
書店マスタ提供サービスについては利用料金の改定を実施。JPO会員社の利用料金はJPOが負担することにした。JPOへの加入メリットとして書店マスタ利用社に入会を働きかけていく。
JPROは、4月23日から運用を開始する第2フェーズに合わせて利用規約を改定。出版社、取次、書店で分かれていた規約をまとめて定義を明確にし、提供情報の目的・用途や利用の制限を明記した。
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