全国書店新聞
             

平成28年11月15日号

「くまモン」ブックカバー、好評のため増刷/熊本組合

熊本県書店商業組合(長﨑晴作理事長)は、3年前に熊本県の許諾を得て作成した、人気キャラクター「くまモン」をデザインした新書・文庫兼用のブックカバーが完売となったため、このほど増刷した。
以前は白地だったが、今回はピンクとイエローの2種類を用意。サイズは320mm×240mm。価格は2・5円。1束300枚。注文は1200枚から受ける。送料は、九州・中国地方は500円、それ以外の地域は1000円、沖縄・北海道は要相談。清算は熊本教販帳合。
注文・問い合わせは熊本教販・福田氏まで。tel.096―344―3831

207書店・401名が来場/出展社、来場者とも過去最多/九州選書市

「九州選書市2016」(主催=福岡県書店商業組合、後援=佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島各県書店商業組合)が10月12日、13日の2日間、福岡市中央区の電気ビル共創館みらいホールで開催された。
今年で5回目となる選書市は、初の2日間にわたる開催。12日に九州日販会、13日に九州トーハン会を開く日程を組み、帳合に関係なく多くの書店に来場してもらおうという試み。
出版社など113社(231名)が出展し、九州各県および山口県から207書店(401名)が来場。出展出版社、来場書店とも過去最多を記録した。
初日、選書市に先立ち行われたセレモニーであいさつした福岡県書店商業組合・安永寛理事長は「第1回目から先輩たちが色々と工夫しながら回を重ねてきた。その先輩たちの出版文化に対する熱い情熱を私たち若い世代が引き継いでいく。出版社、取次の皆さんにはこれからも協力をお願いしたい」と述べ、開会を宣言した。
開始と同時に、書店員はお目当てのブースに足を運び、出版社の商品・企画等の説明を受けた。また、絵本専門士・JPIC読書アドバイザーの尾場瀬淳美氏による「書店でおはなし会/成功のためのヒント」、本のがんこ堂の西原健太店長による「魅せるPOP&ディスプレイ作成講座」が行われた。
初日閉会にあたり、森松副理事長は「今年8月、都渡前理事長が急逝した。非常に残念だが、その遺志を安永理事長が引き継いでいる」とあいさつした。
2日目も多数の書店が来場した。昨年までは1日のみ開催のため、人気ブースは順番待ちの列が出来たり、商談時間が短くなってしまうこともあったが、今回は2日間開催のためゆっくりと商談できたとの声が多数寄せられ、好評だった。尾場瀬氏「書店でおはなし会~」、直木賞作家・東山彰良氏のトークショーは満席になった。
閉会セレモニーであいさつした白石副理事長は「出版社の商品・企画説明をもとに、書店は『売上を伸ばす。実行に移す』につなげてほしい。九州という場所柄、情報も入りにくいが、選書市をきっかけに、出版社と書店が顔を見合わせた商いを行っていきたい」と述べ、大盛況のうちに閉会した。(加来晋也広報委員)

6氏に黄綬褒章/秋の叙勲

秋の叙勲で全国教科書供給協会から以下の6氏が黄綬褒章を受章した。伝達式は11月15日、東京・霞が関の文部科学省で行われた。
▽稲垣弘泰(三重県・稲垣書店)▽岡原秀登(広島県・広島積善館)▽柿木純倫(岡山県・柿木書店)▽上林昌三(京都府・上林商店)▽沼田渉(静岡県・サガミヤ)▽三輪金久(愛知県・泰文堂)

2日間で売上5千万円/神保町ブックフェスティバル

本の街神保町の秋の恒例行事「第26回神保町ブックフェスティバル」(主催=同実行委員会、共催=東京都書店商業組合千代田支部など)が10月29日、30日の2日間、東京・神保町のすずらん通り、さくら通り、神保町三井ビルディング公開空地で開かれた。今年も神田古本まつり(10月28日~11月6日)と同時開催。会場には出版社、東京都書店商業組合青年部、地元商店街などがワゴンを出展。自由価格本や汚損本などを販売する「本の得々市」の売上は2日間合計で約5000万円と前年並みだった。両日とも曇り空だったものの、心配された雨は降らず、約5万人の来場者で大盛況となった。
同フェスティバルは29日午前10時半、駿河台下のすずらん通り入口でテープカット。大橋信夫実行委員長(東京堂書店)の開会宣言に続き、石川雅己千代田区長、内田茂東京都議会議員、東京都書店商業組合・舩坂良雄理事長(日書連会長)らがはさみを入れ、くす玉割り、明治大学応援団・吹奏楽部・チアリーディング部のパレードで華々しく開幕した。
「本の得々市」の売上は初日約2700万円、2日目約2300万円で、2日間合計約5000万円。出版社のワゴンはほとんどが定価の半額で販売し、1冊100円で販売する出版社もあった。中でも、作家のサイン本を大量に販売する早川書房、品切れ本の廉価販売を行う東京創元社は今年も大人気で、ワゴンの前には長蛇の列ができていた。
東京都書店商業組合青年部はワゴン2台を出展。芥川賞・直木賞・本屋大賞の受賞作品を半額、岩波新書を200円、郷土出版社の「目で見る100年シリーズ」を70%引きで提供し、お買い得の本を求める読者で人だかりができていた。売上は2日間合計約48万円だった。
神保町三井ビルディング公開空地に設けられた「こどもの本ひろば」では、絵本・児童書のワゴンセールをはじめ、紙漉き体験、お話し会などの催しが行われ、親子連れを楽しませた。
ドラえもん「のび太」くんの声優小原乃梨子氏の朗読研究会、作家原田マハ氏のトーク&サイン会、ニューオリンズジャズ演奏などの催しも行われた。

コミック分科会に480名来場/本会と合わせ過去最大規模に/書店大商談会

第7回書店大商談会「コミック分科会」(「書店大商談会」実行委員会主催)が10月20日に東京都文京区の講談社講堂で開催された。
分科会には、大商談会コミックサロンの21社が出展。書店233名など総勢480名が来場。成立した商談は699件、金額は1097万1636円となった。パネルなどの拡材が当たるクイズやくじ引きなどのイベントも行われ、来場書店からは「来年以降も開催してほしい」との要望が数多くあがった。
商談会本会とコミック分科会を合わせた来場者は2726名で、前回比12・0%増。商談成立金額は1億588万924円(同16・8%増)と過去最大規模になった。

「ホセ・ムヒカさんへの手紙」コンクールの受賞作が決定/日書連後援

毎日新聞社広告局が主催して今夏実施した「『ホセ・ムヒカさんへの手紙』コンクール~夏休みに『世界で一番貧しい大統領』の本を読んで『ムヒカさんへの手紙』を書こう!~」の受賞作品がこのほど発表された。
コンクールは、汐文社、KADOKAWAが協賛、日書連が後援した。質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」と呼ばれ、4月に来日して話題となった南米ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカ氏の関連書籍を読み、感想を手紙形式で表現してもらうもの。対象書籍は、『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)、『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ』(同)、『ホセ・ムヒカ世界でいちばん貧しい大統領』(角川文庫)、『世界を動かすことば世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(角川つばさ文庫)。
8月末の締切までに225点の応募があり、応募要項に沿った作品207点の中から最優秀賞1点、優秀賞2点を選出。最優秀賞に佐賀穗花さん(8歳・千葉県千葉市)、優秀賞に佐藤優宙くん(11歳・宮城県仙台市)、千住紀子さん(75歳・山口県山口市)の作品が選ばれた。この3点の作品はスペイン語に翻訳し、ムヒカ氏へ届けられる。

活字文化振興に多大な貢献/池田創価学会名誉会長に感謝状/大阪組合

大阪府書店商業組合(面屋龍延理事長)は9月21日、大阪市天王寺区の関西池田記念会館で、創価学会・池田大作名誉会長の出版文化と活字文化振興への多大な貢献をたたえて感謝状を贈呈した。
贈呈式では、聖教新聞社の一宮関西支社長と創価学会の岡本総大阪長があいさつ。続いて、大阪組合面屋理事長から、永年かつ多岐にわたる著作が国家・民族などの差異を超えて世界24ヵ国で広く愛読されているとして、感謝状と弥生時代の文化遺産である扁平紐式流水紋銅鐸の青銅製手作りレプリカを記念品として手渡した。終わりに、山内関西長が池田名誉会長の謝辞を代読した。
(石尾義彦事務局長)

第2回「東京ブックアワード」/35書店で店頭連動企画/東京組合

東京都書店商業組合(舩坂良雄理事長)は11月2日に東京都千代田区の書店会館で定例理事会を開催した。各委員会の主な報告・審議事項は次の通り。
〔総務・財務〕
平成29年1月以降の理事会等の日程を承認した。
▽理事会=1月休会、2月2日(木)、3月2日(木)、4月4日(火)、4月25日(火)臨時理事会、5月休会。▽新年懇親会=1月17日(火)▽総代会=5月19日(金)
〔事業・読書推進〕
第10回「読者謝恩図書カード」は1万8千枚を発行し、12月1日から販売を開始すると報告した。
増売企画として、日経BP社の『小学生からはじめるわくわくプログラミング』他、KADOKAWAの『どっちが強い!?』他、日本経済新聞出版社の『三鬼三島屋変調百物語四之続』他、光文社の『子供の「脳」は肌にある』他について、各社の担当者が企画説明を行った。また、大和書房の『江戸東京88の謎』の企画紹介が行われた。
〔デジタル戦略推進〕
電子書店BOOKSMARTと書店店頭の連動企画、第2回「東京ブックアワード」の実施要項を説明した。今回の対象商品は、青月まどか著『熱愛プリンスお兄ちゃんはキミが好き』1~5巻(宙出版)、イシヤマアズサ著『真夜中ごはん』(同)、千船翔子著『文豪失格』1~2巻(実業之日本社)、後藤羽矢子著『うわばみ彼女』1~3巻(白泉社)、tugeneko著『上野さんは不器用』1巻(同)、高野ひと深著『私の少年』1巻(双葉社)、高浜寛著『ニュクスの角灯』1~2巻(リイド社)。1セット30冊(7タイトル15点各2冊)のセットを組み、35書店37セットの参加でフェアを展開。対象商品にはBOOKSMARTの百円分の利用券とプレゼントの抽選券を兼ねたギフトチケットを付けて販売する。フェア期間は11月10日から来年1月31日までで、2月7日に東京ブックアワードの大賞作品とプレゼントの当選番号を発表する予定。

日書連のうごき

10月3日出版情報登録センター管理委員会に事務局が出席。
10月4日書店大商談会に舩坂会長が出席。
10月5日出版情報登録センター販促WGに東京・小川書店が出席。JPO運営幹事会に事務局が出席。
10月7日出版平和堂功労者顕彰会に舩坂会長が出席。
10月11日雑誌愛読月間総括会議に井上理事が出席。
10月13日JPO運営委員会に事務局が出席。
10月18日読書推進運動協議会書目選定会議に事務局が出席。雑誌発売日励行本部・同実行委員会合同会議に藤原、西村両副会長、田島、春井、塩川、長﨑各理事が出席。
10月19日会計士による定期監査。
10月20日出版再販研究委員会に舩坂会長、面屋、西村、本間各副会長、安永理事が出席。指導教育委員会に鈴木副会長、天野、西尾、森松各理事が出席。
10月24日河出書房新社「文藝賞」贈呈式に事務局が出席。
10月25日読書推進運動協議会常務理事会に舩坂会長が出席。
10月31日高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」贈呈式に舩坂会長が出席。

読書推進活動で大きな成果/兵庫県組合第28回通常総会

兵庫県書店商業組合(中島良太理事長)の第28回通常総会が10月18日に尼崎市のホテル「ホップイン」アミングで開催された。
総会は午後2時から藤井剛理事(新文堂)の司会で進行、森忠延副理事長(井戸書店)の開会の辞で開始。中島理事長はあいさつで、理事長就任1年目を振り返って「あっという間の1年だった」と述懐し、委員会構成の再編、書店収益アップのための施策実施について述べた。この後、山根金造理事(厳松堂書店)を議長に指名し議事を進行した。
事業報告、委員会報告では、組合書店に少しでもメリットが出る企画として、神宮館とタイアップして暦を斡旋。また、旅行代理店「ホリデー」の提案により旅行懸賞を企画、購入促進につながると同時に多くの読者から好評をいただくことができたと報告した。
読書推進活動として日書連の助成を受け実施した「梅雨どくフェア」は、多くの書店が参加し大いに成果が上がった。また、兵庫組合も、日書連と連携して正味アップ、出版物への軽減税率適用獲得に向け活動することとした。続いて決算報告、監査報告が行われともに承認可決した。
引き続き同会場で懇親会に移り、安東興常務理事(文学館)の司会で進行。小学館PS・西川雅司支社長が来賓あいさつを行い、大阪屋栗田・以倉啓之氏の発声で乾杯、参加者は和やかに親睦を深めた。参加者は版元13名、取次7名、書店22名だった。
(安井唯善広報委員)

読書時間「増えた」は2割強/楽天リサーチ読書調査

楽天リサーチは、インターネットで実施した「読書に関する調査」の結果を発表した。この調査は9月9~10日に楽天リサーチに登録しているモニター約230万人の中から、全国の20代~60代の男女1千人を対象に実施。なお、調査では書籍(紙の書籍、電子書籍など)の形態を問わないで回答してもらっている。
普段読む本のジャンルについて聞いたところ、全体では「小説」が最も高く42・6%。次いで「マンガ(コミック・文庫版など)」が29・9%、「雑誌(その他)」が26・7%という順になった。「本を(ほとんど)読まない」という回答は27・0%だった。年代別でみると、マンガや雑誌は20代が最も高く、年代が高くなるにつれて数値が低くなる傾向がみられた。
また、本をどのような形態で読むか聞くと、73・8%が「紙の書籍のみで読む」と答え、「電子書籍のみで読む」は2・2%、「紙と電子書籍の両方で読む」は24・0%だった。
1年前と比較して、本を読む時間の変化を尋ねると、「減った」という回答が32・1%で、「増えた」の21・1%を11・0ポイント上回った。「どちらともいえない/変わらない」は46・8%だった。年代別にみると、20代では「増えた」が他の年代と比較して高く、「減った」は40代が最も高くなった。
本を読む時間が増えた理由、減った理由をそれぞれ聞くと、増えた理由で挙げられたのは、「読みたいと思う本が増えたから」45・5%、「自由に使える時間が増えたから」39・6%、「勉強が必要だと思ったから」27・9%という順になった。年代別では、20代で「『定額制』などのサービスができてコストの心配がなくなったから」との回答が17・8%と高く、定額制への関心が他の年代と比較して高いことがうかがえた。一方、減った理由は、「自由に使える時間が減ったから」44・4%、「本以外の娯楽に時間を使っているから」22・6%、「文字が見えにくくなったから」21・4%の順となった。50代、60代では「文字が見えにくくなったから」との答えが高い数値を示した。
1日の読書に費やす時間は、「休日以外」では「16分~30分以下」が27・7%でトップ。「休日」では「31分~1時間以下」が26・4%で最も多かった。
直近の1ヵ月間で本を購入するのに費やした金額を聞くと、「1001~2000円以下」が21・6%、「501~1000円以下」が20・1%、「1~500円以下」が13・4%で、2000円以下という人が半数以上を占めた。
雑誌を読むと答えた人に、なぜ雑誌を読むのか複数回答で理由を聞いたところ、「興味のある情報が盛り込まれているから」が最も多く61・2%。以下、「暇な時間に読むのにちょうど良いから」が45・9%、「トレンドを知りたいから」が38・8%という順になった。男女別でみると、「暇な時間に読むのにちょうど良いから」が女性52・9%に対し男性38・6%、「雑誌限定のおまけがついているから」が女性16・6%に対し男性4・2%と大きな差が出た。
また、雑誌を読まないと回答した人に、複数回答で読まない(読まなくなった)理由を尋ねると、最も多かったのが「特に理由はない」の36・8%。この他では「ネットで検索すれば知りたいことがわかるから」24・9%、「読んでる時間がないから」23・5%、「コストがかかるから」17・4%が上位となり、男女別・年代別で大きな差は見られなかった。

「まずは、届けてみませんか?」/図書館サポート部会便り

公益社団法人日本図書館協会(以下、日図協)は9月末、「公共図書館の指定管理者制度について―2016」と題した見解を公表した。同協会の見解は前回2010年以来6年ぶりの表明となる。
日図協は、さまざまな種類の図書館の進歩発展を図る事業を行うことにより、人々の読書や情報資料の利用を支援し、もって文化及び学術の振興に寄与することを目的に設立された団体である。その日図協が今回の見解で示した結論は、冒頭で明らかにしたように「我が国の今後の公共図書館の健全な発達を図る観点から、公共図書館の目的、役割・機能の基本を踏まえ、公共図書館への指定管理者制度の導入については、これまでの見解と同様に、基本的になじまないと考えます。」というものだった。
日図協の2015年調査では、公立図書館の指定管理者制度導入率は10%台とのことだが、現在、全国の自治体では公共施設の更新費用圧縮が必須の取組みとなる中で指定管理者制度等による経費削減や集客力強化が模索されており、公共図書館が格好の対象と捉えられつつあるらしい。
地元の公共図書館が指定管理者制度の導入を決めてしまう前に、日図協の見解(全国書店新聞11月1日号に全文が掲載されている)を行政団体に届けておいてはどうだろうか。 (高島瑞雄部会長)

本を読むきっかけ「書店で見て」がトップ/読売新聞社・読書に関する世論調査

読売新聞社は、読書週間の開始を前に、読書に関する全国世論調査を調査を行った。調査期間は9月7日~10月11日、全国の18歳以上の有権者から無作為に3千人を選び、郵送法で実施。有効回答1968、回答率66%。
この1ヵ月間に何冊の本(雑誌除く)を読んだか尋ねると、最も多かったのは「読まなかった」の46%。次いで、1冊が18%、2冊が17%、3冊が10%という順になった。また「読まなかった」と答えた人にその理由を複数回答で聞くと、トップは「時間がなかったから」49%。以下、「本以外で知識や情報が得られるから」32%、「本を読まなくても困らないから」30%、「読みたい本がなかったから」28%となった。
また、本を読む理由を複数回答で挙げてもらうと、「知識や教養を深めるため」が49%で最も多く、次いで「面白いから」41%、「趣味に生かすため」31%、「仕事に役立てるため」21%となった。
主にどのようなきっかけで読む本を選ぶか、複数回答で尋ねると、トップになったのは「書店の店頭で見て」が53%。この他、「ベストセラーなどの話題をきっかけに」27%、「新聞や雑誌などの広告を見て」26%、「新聞の書評を読んで」21%の順になった。
雑誌を除く本の主な購入先を複数回答で聞いた設問では、「書店」が77%でダントツの1位。次が「オンライン書店(アマゾンなど)」の19%だった。
電子書籍の利用について尋ねると、「利用したことはないし、利用したいと思わない」が58%と半数を超えた。この他、「利用したことはないが、利用してみたい」23%、「利用したことがあるし、今後も利用したい」13%、「利用したことはあるが、今後は利用したいと思わない」5%。電子書籍を利用したことがある人はトータルでは18%で、利用に積極的な人は36%という結果になった。年代別では、電子書籍の利用に積極的な回答は、18~29歳で51%、30歳代で52%と若い世代で半数を超える一方、年齢が上がるほど少ない傾向がみられた。
一定の金額で電子書籍が読み放題になるサービスについて関心があるか聞いた設問に対しては、「大いに」または「ある程度」関心があると答えた人が28%に対し、「あまり」または「全く」関心がないと答えた人が70%となった。
公立図書館が、発売されたばかりの新刊本を貸し出すことについて、次の2つの意見のうち、考えに近い方を選んでもらうという設問では、「新刊を買う人が減り、著者や出版社に影響が出る可能性があるので、一定期間貸し出さない方がよい」が35%、「図書館は、無料で資料や情報を提供する役割があるので、すぐに貸し出してもよい」が61%だった。

ネット経由の書籍利用は11・4%/日経MJ調査

日経MJは、消費者のインターネット利用状況を調査する「第5回ネットライフ1万人調査」の結果を発表した。
同調査は9月12~20日にインターネット経由で実施し、日本の人口構成に応じた、全国の16~80歳の男女1万137人から回答を得た。これによるとネット経由での消費額は、消費低迷を反映して、1年間で19万7千円と前回調査に比べ6・4%減。実店舗を合わせた平均消費総額は126万1700円で、前回より3万8400円減少した。
今回の調査では動画、音楽、書籍、ゲームのエンターテインメント系サービスの利用実態を尋ね、いずれかのコンテンツサービスを使ったことがある人は69・7%と、前年より3・8ポイント増えた。ジャンル別では、「ユーチューブ」に代表される動画が62・5%で最も多く、「ポケモンGO」が大ヒットしたゲームが25・6%、「iTunes」など音楽が15・3%、「キンドル」など書籍が11・4%となっている。書籍の利用は1割強にとどまるが、1ヵ月の平均消費額は751円と、4ジャンルの中で最も多かった。

絵本とわたしの物語展、4500人が来場/日本橋で開催

「絵本とわたしの物語展」(主催=創価学会「絵本とわたしの物語展」日本橋展実行委員会)が10月18日~23日、東京・中央区の日本橋プラザで開催され、期間中、4514人の来場者で賑わった。
同展は「あなたの知らない絵本の世界」「よみがえるわたしの物語」「体験・参加コーナー」の3章で構成。来場者は約250種600点の絵本を手に取り、子どもから高齢者まで語らいの輪が広がった。
18日の開会式で、創価学会・金澤敏雄東京長は「絵本は子どもだけのものではない。今や大人向けの絵本が多数出版され、高齢者による読み聞かせも好評。世代を超えた広がりを見せている。今回の展示で親子が交流を深め、地域社会や世界を良くする一助になれば幸い」とあいさつした。
来賓を代表して矢田美英中央区長があいさつ。矢田中央区長、丸善ジュンク堂書店・工藤恭孝社長、日本橋プラザ・茂木三千彦社長、文字・活字文化推進機構・肥田美代子理事長、日本図書館協会・中多泰子児童青少年委員、創価学会・金澤東京長の6氏でテープカットを行った。

大賞5点を決定/山梨「贈りたい本大賞」

山梨県立図書館が募集する「第3回贈りたい本大賞―大切な人に贈りたい1冊―」の受賞作が決定し、11月11日に甲府市の同図書館で表彰式を開催した。
この賞は、本を贈る習慣を広めることを目的に、山梨県教育委員会が取り組む「やまなし読書活動促進事業」の一環として行っているもの。県内の公立図書館や書店が連携して実施している。人に贈りたい本と推薦文を募集。今回の応募総数は昨年を上回る3201点で、大賞5点、優秀賞23点を選んだ。大賞受賞作は以下の通り。
▽『からすのパンやさん』かこさとし/作・絵、偕成社▽『ねえだっこして』竹下文子/文、田中清代/絵、金の星社▽『何者』朝井リョウ/著、新潮社▽『青い鳥』重松清/著、新潮社▽『完全版いじめられている君へいじめている君へいじめを見ている君へ』朝日新聞社/編、秋元才加ほか/著、朝日新聞出版

『白バイガール』が受賞/第2回「神奈川本大賞」授賞式

第2回「神奈川本大賞」の授賞式が10月24日、東京・港区のコスチュームナショナル青山で開かれ、佐藤青南『白バイガール』(実業之日本社)が大賞に選ばれた。
同賞は、神奈川県内在住・在勤の書店員と図書館員有志で構成する実行委員会が主催。過去1年間に刊行された神奈川に縁のある著者の作品や、神奈川を舞台にした作品が対象。実行委員による一次投票でノミネート4作品を選び、県民による一般投票で大賞を決定した。
『白バイガール』は、神奈川県警白バイ隊員同士の友情、追走劇、深まる謎と、三拍子揃った「青春お仕事小説」。
佐藤氏は「デビューして5年半で痛感したのは、届けることの難しさ。書き上げるまでの手応え、労力、時間が必ずしも売上に結び付くとは限らず、難しい業界だなとジレンマを抱えながらやってきた。今回の受賞で読者に届いたと実感できてうれしい。1冊の本を読者に届ける努力をしてくださった書店の皆さんに感謝する」と喜びを語った。

神奈川書店説明会に83名が出席/聖教新聞社

聖教新聞社は10月3日、横浜市西区の崎陽軒本店で神奈川の書店向けに説明会を開催。同社神奈川支局・中村伸一郎支局主事が、11月17日発売の『新・人間革命第28巻』の拡販を要望した。昨年まで首都圏合同で東京都内で開催していたが、より多くの神奈川の書店を招くため、今年から単独開催とした。
説明会には書店、取次、関係者など83名が出席。聖教新聞社をはじめ潮出版社、第三文明社、鳳書院の創価学会関係出版物について説明が行われた。
来賓の神奈川県書店商業組合・井上俊夫理事長は「神奈川組合と学会は長年にわたり友好関係を保ってきた。出版不況と言われて久しいが、池田名誉会長の出版物は書店にとって勇気と希望の源泉。『新・人間革命第28巻』発売を追い風とし、県下の書店が一丸となって増売の波を起こしたい」とあいさつした。
同社出版局・石橋正至局長は「会員読者に応えるべく、版元として総力をあげて販売する」と述べた。
創価学会・山崎一久総神奈川長は「連載を心待ちにしている読者のため、池田名誉会長は体調のすぐれない時も執筆を続けた。その場所が箱根にある神奈川研修道場。神奈川の学会員はそうした心を深く知っているからこそ、『人間革命』『新・人間革命』には特に思い入れがある」と話し、販売にあたる書店と取次に謝意を示した。

書籍・雑誌活かすため本以外の商材にも注力/東北日販会総会

東北日販会は10月20日、宮城県松島町のホテル一の坊で第11回総会を開き、東北6県の会員書店、出版社、日販関係者など総勢252名が出席した。
冒頭であいさつした藤原直会長(金港堂)は「このところ児童書と年配者向けの本の動きがいい。少子化に逆行しているようだが、団塊の世代が高齢者になり、少ない孫にお金を使っていると分析できる。団塊の世代は自分に対しても、いいもの、興味あるものにはいくらでもお金を使うというライフスタイルを持つ。いま関心があるのは第一に旅行、次に家のリフォーム、そして生涯学習・習い事という。店を見ても歴史書のような重厚なもの、高額な商品が売れている。出版社は値段を上げてもかまわないので、内容を吟味して上質なものを出していただきたい」と求めた。
また、「このごろ編集者や校閲者の力が落ちている。出版物の内容に不可解な表現、明らかな誤用の表現が多々見受けられる」と苦言を呈し、「出版社は内容を精選して値段を上げた商品を出し、書店は1冊1冊愚直にお客様に届けることが、正しい道と考える」として、出版界に明るい未来を開きたいと訴えた。
このあと藤原会長を議長に議事を行い、すべての議案を原案通り承認した。
祝辞を述べた日販・吉川英作副社長は、文庫の売上が9月に3年8ヵ月ぶりに対前年を上回ったことを紹介。「出版社別ではなく著者別の陳列をしている書店のほうが健闘していることが分かった」として、著者別陳列を推奨した。また、全国的に話題となっている岩手県盛岡市・さわや書店の「文庫X」の取り組みをあげながら、「色々なことをやればまだまだチャンスはある」と話した。
一方、雑誌については「大切なアイテムであることは違いなく、大きな売上の塊であり、我々も頑張って売っていく。しかし、ダウントレンドにあり、昔のように売れるような時代が来ることはもうない。幻想は捨てるべき」と指摘。雑誌に代わるもの、書籍・雑誌を活かすためのものとして、本周りの商材に力を入れていると述べ、リーディンググラスや、「大人の塗り絵」ブームに乗って36色の色鉛筆が書店で売れているシナジー効果の事例を紹介した。
東北日販会では総会に先立ち、第1部として商談会を開催。第2部は「店頭にお客様を呼び戻そう!!」をテーマに研修会を行った。
研修会で、日販東北支店の渡辺忠男支店長は「皆様と一緒に店頭にお客様を呼び戻すためにできることすべてに取り組んでいく。日販は『エブリシング・アラウンド・ザ・ブックス』をコンセプトに、本と本を取り巻くものすべてを取り扱い、本の価値を高めたい」とあいさつ。同支店担当者が雑誌定期購読獲得、雑誌時限再販キャンペーン、文具・雑貨などの販売、店頭を盛り上げるイベント、日販が推進する出版流通改革の取り組みを説明した。