全国書店新聞
             

平成14年1月9日号

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日書連アクションプラン15項目①パソコンの廉価提供で日常業務ネットワーク化、②地方出版物のデータベース化、③3間前出版情報の活用で事前注文システム構築、④デジタル・コンテンツセンターの研究、⑤出版社、取次在庫情報のオープン化、⑥ブックスタート運動のバックアップ、⑦書店人専門教育機関の設立、⑧日書連責任販売制の協議開始、⑨中小書店協業化の情報収集、⑩万引き防止システムの導入、⑪雑誌付録問題の対応、⑫店頭での雑誌年間予約割引システムの研究、⑬雑誌の全国同時発売実、⑭地元図書館に納入できる書籍データベースの整備、⑮書店くじなど読書推進活動の見直し

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2002年が開けた。
新年のスタートに当たって、萬田貴久日書連会長に昨年1年間の活動を振り返ってもらい、当面する新年の課題と日書連の取り組みについて聞いた。
聞き手は本紙田中編集長。

新年号・萬田会長インタビュー

再販存置をめぐる結論--日書連の昨年1年間の活動を振り返ると一番大きな問題は3月の公取委の結論でしたね。
萬田会長平成3年の日米構造協議に端を発した政府規制廃止問題から数えてちょうど10年かかって「再販存置」の結論が出ました。
この間、私ども業界4団体は足並みを揃え、日書連・各県組合は真っ正面から再販擁護運動に取り組みました。
平成9年12月には国会に百万人署名で請願し、地方議会から意見書が多数提出されました。
この12月の山場に行革委は結論を見送り、再販規制研は両論併記の報告書を遅れて1月にまとめられた。
これを受けて公取委は3月31日に公表文を出されたわけです。
その後は、公取委が3年後に見解を出すということで、公取委から指摘されていた弾力運用とか、流通上の弊害是正に取り組んできました。
弾力運用については、昨年3月23日の公取委の見解の中でも評価をいただいているところです。
今回は、活字文化議員懇談会が一昨年の年末年始に3度にわたって議員会館で開かれ、私どもの代表者集会にも82名の先生方に出席いただいた。
国会議員の先生方から「再販制度の下にいろいろな本が出る。
言論の自由を含め大切なもの」「日本の文化を大事にすることが国づくりの基本」などの意見表明をいただけた。
塩川正十郎先生は「与野党揃って一緒の考えというのは珍しい」と言われた。
3年間が経過する中で、安易な市場主義がいかに危険かが行き渡ってきたのではないかと思っています。
公取委は国民多数の意見をパブリックコメントとして公募しましたが、大多数が再販維持の内容でした。
この10年間、読者にどのように再販制度の意義を理解してもらうか心を配ってきましたが、皆さんと進めてきた方策が間違っていなかったと考えています。
昨年12月4日に有識者、消費者、業界代表で第1回の著作物再販協議会が開かれました。
再販の再見直しではなく、流通実態や弾力運用を把握するため、年1、2回程度の会合が開かれます。
石坂座長は著作物の周辺整備に重点をおいていきたいと発言しています。
昨年11月には取次-書店の再販契約書見直しも行いました。
出版社が再販を外す場合に一物二価になり読者の不信を招かないよう、事前に広報活動を行うルール化がされました。
--ポイントカードの問題はいかがでしょうか。
萬田会長小売公取協では、公取委の認定を受けた公正競争規約、即ち景品規約によって景品提供の制限をしています。
商店街等で行うポイントカードはベタ付きとして一年中つけられますが、あくまで景品の範囲内です。
個店でやる場合は年2回60日という期間制限があります。
一口にポイントカードと言っても、デパートカードなどは請求時に5%引き、パルコはPECカードを提示するとその場で5%、さらにカード割引5%だそうです。
カメラ・家電の量販店では会員になってその場で10%引きもあるようです。
そうしたポイントカードの大部分は即引と言われる値引き行為に当たります。
再販決着後に公取委員の方から「ポイントカードは値引きである」という発言、大手版元からも同じような意見が出てきています。
昨年10月には東京組合で出版社24社を回り、理解してもらっています。
値引き同然のポイントカードは法律の裏をかいた自分本位の脱法行為です。
看過できない事態が生じています。
現在の小売公取協の規約は11年10月に施行され、14年3月末に施行期間が切れます。
それ以前はベタ付き景品の制限が3%だったのを一般ルールが10%、新聞が8%という中で、5%で決着を見たわけです。
この時に、妥協案として施行期間を設け、期限の1年前から協議に入ることにしました。
そういう経緯があるので、昨年秋から公取協は消費者取引課と協議を重ねています。
現行の内容で継続できるかどうかは分かりません。
出版文化、著作物の意義からいっても、ベタ付制限の5%は維持したいと思います。
書店の基盤整備めざす--書店21世紀ビジョンを受けて、スタートアップ委員会ができましたね。
萬田会長21世紀ビジョンは20世紀最後の年に、小林一博、田辺聰、清田義昭3先生の参加も得てまとめました。
この実現を図るため情報化を中心に、書店人育成、責任販売制などアクションプラン10項目を決めました。
のちに15項目になりましたが、新年度にアクションプランの推進母体として特別委員会をスタートさせ、常設委員会と連動してこの事業の具体化を図る狙いです。
肩肘を張らず柔軟性を持って、実現を図っていきたいと思います。
アクションプランの一つはパソコンの設置とネットワーク化。
3週間前出版情報があがってくれば、書店から事前注文もできやすくなります。
出版社も配本体制を変えていかざるを得ない。
新刊配本についてはトーハンで契約販売というシステムも生まれています。
日書連のデータベースに地方出版物のデータベースを入れ込み加工することによって、貴重なデータベースになります。
ホームページ等で立ち上げていくことになれば、インターネットが行き交う空中戦が始まります。
雑誌の年間購読割引の予約システムとか雑誌作成基準の緩和後の問題はあまり否定的にとらえないで、販売の時に品物を付ければ書店の手間はかかるかもしれないが、女性誌創刊号の付録なんかすごくいい。
緩和以降、売れ行きがいいと聞いています。
ただ、付録を付けないと売れないということでは、問題もあるかもしれない。
店頭活性化ということで書店くじの見直しや、責任販売制も検討を進めていきます。
現行の取引条件が十分に機能しているのか、これらについても新しいモデルを作って提言していくことを考えています。
各書店ごとの送品、返品を出版社-取次-書店間で情報交換するなど、三者の共生に向けて新たな連携プレーが必要ではないかと思います。
同時に再販問題を通じて作家とのコミュニケーションもできました。
作家の方から頒布権とか図書館の貸与権の問題も提起されています。
こういう問題も共通理解を深めていくことが必要です。
消費が冷え込んでいる中で、パソコンは小学生の半数、携帯電話は高校生の75%が持っています。
そういう中で小中高校生を読書に向けるには、ためになる本、楽しい本、面白い本でなければいけません。
雑誌や本作りに書店の情報をフィードバックする必要があります。
ただ、需要面だけの刺激では消費不況、市場変化を跳ね返すには限界があります。
供給面、サプライサイドからの支援策、ジョイント企画を出版業界に持ち込んでほしい。
ハリーポッターが昨年12月の上映とともに、読む層がまた拡大しているのが良い例です。
読書推進については地道な努力しかないわけですが、昨年末の中教審の答申で論理的思考力を育てる読書、教養としての読書を勧め、高校生には30冊の必読図書を勧めるとしています。
年末に成立した子ども読書活動推進法、文化芸術推進基本法などの文化政策も追い風になります。
アクションプランは、ぜひ2、3年のうちに実現していきたいと考えています。
景気は3月が底打ちか--今年の経済の見通しはどうでしょうか。
萬田会長今回の景気は一昨年11月に好況局面が終わり、21カ月の戦後最短でした。
中小は好況を実感しないまま好況局面が終わってしまいました。
それに追い討ちをかけるようにアメリカの景気、とくにIT関連が急減速しました。
結果として世界的な同時不況を呈しています。
日本では昨年6月、小泉首相が誕生し、骨太の方針を発表しました。
今回の予算も緊縮財政を貫こうとしています。
景気対策は小泉首相になってから、なんらなされていません。
構造改革の着手もこれからということを考えると、失業率の増大、雇用不安、先行き不安で、新年の景気は底冷えのスタートでしょう。
4月からはペイオフが実施されます。
構造改革の前に不良債権処理の早期解決を図ることが言われて銀行が貸し渋り、ほとんど新規融資を行っていません。
なんらかのセーフティネットが講じられないと、3月、4月は混乱すると思われます。
3月あたり、景気は最低に落ち込み、秋口から良くなるかどうかは内外の経済状況を見ないとわかりません。
いま円が130円くらいになっています。
円安がデフレスパイラル傾向を防いでいる面がありますが、それが行き過ぎると、株安や金利上昇で新たな金融不安を再燃させるなど、従来の経済政策の効き目がなくなっています。
当面、消費の回復は望めませんが、6月に開幕するワールドカップあたりが起爆剤になってくれればと期待しています。

-無題-

「第4土曜日は、子どもの本の日」
感想文入選作品発表
「第4土曜日は、子どもの本の日」キャンペーンで募集した感想文は13編の応募があり、12月19日開催した選考会で以下の作品が入賞しました。

◇優秀賞=米山淳一「今回の読み聞かせ会で得たもの」(東京港区・流水書房田町店)
◇佳作=鈴木敦子「何かやる事ない?」(天竜市・天竜谷島屋)、矢部妙子「書店の児童書売場に思う」(倉敷市・塾講師)、野田章子「今回の読み聞かせ会で得たもの」(福岡県・主婦)、小森紀子「書店での読み聞かせっていいじゃない」(品川区・トーハン勤務)、中小路貴司「地域と書店を本で結ぶ」(長岡京市・文京堂書店)

第4土曜日は子どもの本の日の読み聞かせ会で得たもの

「お父さんはもう少し抑揚をつけて、ゆっくりと読んであげたほうがいいよ」と女房に言われたのは、ちょうど2回目の読み聞かせが終って、読み手の人から「3回目の時には、ぜひとも店長も読んでみて下さい」と言われた次の日、娘に読んで聞かせてあげている時だった。
僕が読み手になるなんてことはまずないと思って始めた読み聞かせ、1回、2回と会が進み「お、こんなに子供たちがうれしそうに真剣に、そして読み手のお姉さんの手が皆を包み込んでいるような雰囲気は今まで僕の本屋人生では味わったことがなかったなあ。
ああして読んであげる体験を少し味わってもいいかあ」と思ったくらいだったけれど、それが実際に体験してしまうなんて、この会も奥が深いのだ。
考えてみると僕の読み聞かせの経歴は長い。
それも自分の子供に対してだけだけど。
振り返ること10年、いや13年くらいになる。
言い変えれば寝かしつける策として本を読んであげる読み聞かせのわけで、「早く寝ろ、寝ろ」と心の中で思っていたため早口になり、感情がこもっていなかったのかもしれない。
それを考えると子供達に申し訳なかったようなー。
でも、読んでて伝わる子供たちの興奮した気持ちや、次のページはどんな展開になっているのか、どんな色をしたページになっているのか、はやる気持ちを押さえながら読んで聞かせた記憶は新しい。
そんなさまざまな思いを抱きながら3回目の読み聞かせにのぞむ前に、娘のベットの横で練習なるものをしてしまったのである。
娘には悪いけど、ゆっくりと登場人物の声を変え、本人は寝息をたてているのに読みを続けている父親。
「ああ、とうとう僕も読み聞かせにはまったな」そして、とうとう11月24日の3回目の読み聞かせ会が来てしまった。
1回、2回とまずまずの人数が集まり、ここ港区のビジネス街でも期待して集まる子供たちはいるんだ、と驚きをかくせない3回目。
この会もひとまず今日で終る。
いつもの仕事があまり手につかない。
果たして集まってくれるのだろうか。
僕が読み始めて泣き出す子がいたらどうしよう。
親のブーイングがあったらどうしようと、様々な不安が脳裏をかすめる。
いよいよ始まりの3時になった。
「すごい!今日が一番の大入りだ」少なくとも20人は来ている。
ということは、それだけ僕に対する期待は大きいわけだ。
先輩の読み手の人は、「店長、落ち着いて、いつもおうちで読んで聞かせてあげているように気軽にいきましょう」と言う。
「うーん、そうですね」と僕が手に汗をかいているのを知って気を使ってくれてるようだ。
「じゃあ最後におじさんが読んで終わりにしましょう」と、少し声高になってしまう。
読む本は娘の大事にしているクリスマスの本、そっと持って来てしまった。
またまた申し訳なく思う。
読み慣れている本をと考えた末のことだ。
子供達の前でひざを付いて同じ視線で本を広げる。
一気にいくつもの視線を感じる。
後ろの方で母親の期待の視線も感じるのだ。
正念場だ。
ゆっくりと、はっきりと、ていねいに自分の声が自分にも伝わる。
ページを開くと一番前の女の子が、「なんで箱の中にサンタさんがいるの?」と聞いてくる。
「やった!聞いてくれているんだ」全体の空気が僕の声を中心に動いているようだ。
僕はそうっと「はい、おしまい」と言ったら大きな拍手が聞こえて来た。
こうして長いようで短かかった3回の読み聞かせが終わった。
場所柄、消極的にならざるを得ない当店でも少しでも子供たちに集まってもらい、絵本を読んで聞いて楽しんでもらえることが出来る喜びは、まず「やってみなければわからない」という一言に尽きると思った。
そして輝いている目を持った子供たちの前で読んであげられる心地よい興奮も、やってみなければわからないだろう。
たぶん来年もこの刺激を求め、また子供たちの「これ読んでー」の声が聞きたいために、読み聞かせをすることと思う。
その前に娘に大事な本を返さないと。

小泉首相への年賀状

北海道の零下の厳寒の漁村で書店を50年続けている者として、小泉首相に年賀状を書きます。
21世紀の1年目は最悪の年でした。
9月に同時多発テロの発生により報復戦争が始まり、自衛隊派遣などで平和は破られました。
小泉内閣が誕生しましたが、倒産、リストラなど不況の嵐に私たち零細店の売上は減り、これ以上悪くなればシャッターを閉めるような状況です。
古い自民党など潰しても改革をすると訴えて首相になって以降のあなたは、逆に私たちを苦しめる政治を行い、裏切られた気持ちです。
国際貢献と称して自衛隊の派遣、それに靖国問題。
景気対策をみると、大企業だけ残ればいい、私たち小さな店は消えてもいいと言わんばかりです。
書店業界は不況です。
雑誌、コミックはコンビニに20%以上奪われ、これ以上悪化したら小さな町や村から文化の灯が消えることになります。
消費税や医療費などの負担増は生活を直撃し、お金を出して本を買わない人が増えています。
私たちがつつましくとも営業していけるよう、今こそ庶民のための政治を小泉首相に期待したいと思います。
2002年も本を売っていけるよう願いつつ。

愛子さまへの年賀状

愛子さま(お母さんも「雅子さま」と呼ばれておられるので、あなたもこれからそう呼ばれるのでしょう)、あなたにとっての初めてのお正月、あなたのお生まれになったこの国は大変なことになっています。
あなたがお生まれになる3カ月前はニューヨークで大変な事件が起きて、それが原因で中東では報復の戦争までやっています。
世界中が病んでいるとき、あなたはお生まれになった。
日本中が、そして世界中の国々が、あなたの誕生を祝賀している。
あなたがお生まれになったことで日本の株が上がり景気が良くなるなどと、私たちは期待しているところがあります。
あなたのお生まれになった国は、そんなことに関心の高い民族の国です。
あなたが成人になられた頃のこの国は一体どんな国になっているのか、ご両親も心配されていることと思います。
でも、ご安心ください、かわいいあなたには関係ないことです。
敬宮愛子内親王さま、お元気にお育ち下さい。

本屋さんが行く店(沖縄県・よね屋)

「よね屋」。
沖縄のそば通の者ならきっと誰でものれんをくぐったことがあるだろう。
沖縄県庁前のオフィス街の中に、苔むした沖縄赤がわらの古い民家の店構え、赤ちょうちんに藍染めの「よね屋」の名入りののれん、そして屋根の上のシーサーと、プーンと青ねぎとそばだしのなんとも言えないかおりが、ウチナースバジョーグー(沖縄そば好き)を出迎えてくれる。
ここで紹介したい私の行きつけの「よね屋」は創業30年余、豚骨ベースの秘伝のダシと、歯ごたえとコシのある麺にこだわり続ける頑固なオヤジと働き者の奥さん2人で切り盛りしている。
店の中はお世辞にもきれいとはいえないが、落ち着くものがあるのだろう。
仕事帰りに泡盛を飲みながら頑固オヤジの又吉潔さんとの会話を楽しみ、沖縄一おいしいそばを食べて家路へと。
そういう常連さんで今日もいっぱいだ。

本屋さんが行く店(北海道・マキシドルパ)

凍ばれるときはラーメンにかぎる。
夜、札幌の都心の雑踏から逃れ国道12号線を旭川に向かって車を走らせる。
街の灯が切れた左側の天空に赤色灯が点滅しているのが見える。
開拓記念塔だ。
さらに道なりに車を走らせること10分、右側の暗闇の中に白い雪を照らす灯かりが見える。
レストランマキシドルパだ。
三方が総窓ガラスで囲われ昼は燦々と日が注ぎ道産子にとっては天国だ。
この店は江別の市民会館の一画に位置。
店に入ると左側に陶器が展示され、店内は洒落た装飾が施されている。
ウエイトレスさんに店イチ押しの「カニ風味魚介ラーメン」を注文。
大きな丼に海産物・野菜の具など盛りだくさん。
スープは具のエキスが程よく調和されさっぱりした味、麺はソフトでしかし腰がありスープをうまく絡ませている。
食べてるうちに冷えきった体が温まり額に汗が噴出した。
ウエイトレスさんの感じもいい。
公的な建物の食堂にありがちな雑然さはない。
ロマンスグレーの佐藤策郎社長いわく「市民のロビーとしてメニューを心がけている」との言。
お客さんの立場にたって丁寧な仕事をしているのがよくわかる。
豪華なシャンデリア、広い空間、温かい従業員のもてなし、そして料金はそう高くない。
ちょっと命の洗濯をさせていただいてリッチな気分で店を出た。

前田利家・まつへの年賀状

前田利家様、妻・まつ様。
石川県民140万人の念願叶って、NHK大河ドラマ「利家とまつ」が平成14年1月より1年間にわたり放映されます。
石川県民はもとより全国のファンから大きな支えをいただき、さぞお喜びのことと思います。
さて、このドラマは加賀百万石の礎を築きあげた夫婦の愛の物語を描いた戦国ホームドラマで、前田利家役は唐沢寿明、妻・まつ役は松嶋菜々子。
原作小説『利家とまつ(上・下)』(NHK出版、本体各1500円)は、脚本家・竹山洋氏が書き下ろしたものです。
石川県書店商業組合も急な決定でしたがNHK出版に協賛をお願いし、「世界本の日=サン・ジョルディの日」日本縦断講演会として、原作小説著者の竹山氏を講師に招き講演会「小説とドラマの利家とまつ」を1月20日午後2時から金沢市・石川県教育会館で開催します。
毎年6月に金沢市で開催される「利家入城」「百万石祭」も大河ドラマと相俟って全国に発信します。
「加賀百万石」で「全国百万部」のベストセラーを目指します。
今年は良い年でありますように。

読者皆様への年賀状

思い出や寒き夕べの祭りかねぼくの少年の頃は、暖房といえば火鉢で手を暖めるくらいでした。
正月。
カルタ取り、双六などで遊んだ夜は、楽しいお祭りでした。
読者皆様のご多幸を心より祈念いたします。

本屋さんが行く店(東京都・フィロンルージュ)

東急東横線・東急大井町線の自由が丘駅西口徒歩1分。
家族でも若いカップルでも気軽に入れる。
価格もリーズナブルで、3500円でディナーが食べられる。
お奨めは牛ほほ肉のワイン煮込み。
フランスの家庭料理的なものだがボリュームもある。
自家製のパンは食べ放題、デザートもプレートに3、4品乗っていて、とてもおいしい。
おなかに余裕のある人には日替わりのサービスケーキも。
店の雰囲気が家庭的なので、固定客を確実につかんでいる。
当店従業員の慰安会でも利用したが好評だった。
つい先日家族で行った時のこと、たまたま盛況でその日の食材がなくなったとのことで、やむなく次の機会となったのだが、日をあらためて行くとシェフが出てきて「先日は大変申し訳ありませんでした。
本日は飲み物をサービスさせていただきます」。
こんなさりげないサービスとお客を大事にする姿勢。
また自分をおぼえていてくれたことへの満足感がお客を引き付けるのだろう。
当日はサービスのシャンパンをいただき、心地よい満腹感とともに家路についた。

週間売行き情報

昨年の当店ベストセラーは(1)チーズはどこへ消えた?(2)ハリー・ポッターシリーズ(3)ザ・ゴール(4)金持ち父さん…(5)話を聞かない男…の順でした。

(文)(1)『V字回復の経営2年で会社を変えられますか』日本経済新聞社4‐532‐14934‐7……11冊
”『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……11冊
(3)『ザ・ゴール』ダイヤモンド社
4‐478‐42040‐8……9冊
(4)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……8冊
(5)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1…7冊
(6)『ローマ人の物語X―すべての道はローマに通ず』新潮社4‐10‐309619‐5……4冊
(7)『キャノン高収益復活の秘密』
日本経済新聞社4‐532‐14953‐3……3冊
”『完全なる経営』日本経済新聞社4‐532‐14863‐4……3冊
”『マネジメント〔エッセンシャル版〕』ダイヤモンド社4‐478‐41023‐2……3冊
”『メイド・イン・チャイナ』東洋経済新報社4‐492‐44279‐0……3冊
”『「できる男」「できない男」の見分け方』PHP研究所4‐569‐61916‐9……3冊
”『ビジョナリーカンパニー2』
”『君に成功を贈る』日本経営合理化協会4‐89101‐020‐73冊
”『声に出して読みたい日本語』
草思社4‐7942‐1049‐3…3冊
”『世界がもし100人の村だったら』マガジンハウス4‐8387‐1361‐4……3冊
”『東京タワー』マガジンハウス4‐8387‐1313‐7……3冊
(12月30日~1月5日調べ)

週間売行き情報

お正月と言えば子供達がお年玉を片手に、児童書やコミックを握り締めカウンターへ小走りに来てくれたのに。
一冊の本から広がる世界に気付かせてあげたい。

(井)(1)『ハリー・ポッターと賢者の石』静山社4‐915512‐37‐1…15冊
(2)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』静山社4‐915512‐40‐1……12冊
(3)『ハリー・ポッターと秘密の部屋』静山社4‐915512‐39‐8……10冊
(4)『ルネッサンス』ダイヤモンド社4‐478‐32100‐0……7冊
(5)『模倣犯(上)』小学館4‐09‐379264‐X……6冊
(6)『声に出して読みたい日本語』草思社4‐7942‐1049‐3……5冊
”『マネジメント』ダイヤモンド社4‐478‐41023‐2……5冊
”『世界がもし100人の村だったら』マガジンハウス4‐8387‐1361‐4……5冊
”『非戦』幻冬舎4‐344‐00144‐3……5冊
”『インストール』河出書房新社4‐309‐01437‐2……5冊
(11)『ハリー・ポッターの魔法世界ガイド』早川書房4‐15‐208380‐8……4冊
”『ホーキング、未来を語る』アーティストハウス4‐04‐898070‐X……4冊
”『利家とまつ(上)』日本放送出版協会4‐14‐005372‐04冊
”『新世紀エヴァンゲリオン(7)』角川書店4‐04‐713469‐44冊
”『テーブルの上のしあわせ』集英社4‐08‐780330‐9……4冊
(16)『自分の木の下で』朝日新聞社4‐02‐257639‐1……3冊
”『ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ』PHP研究所4‐569‐61882‐0……3冊
(12月30日~1月5日調べ)

愛用の一品・私のお気に入り(3)

モノも想い入れれば応えてくれる。
自分勝手に使うとダダをこね、スネては停まってしまう。
パソコンは手に指に目に頭脳に馴染むに1年はかかる。
まだまだ道具としては未完成だが、完成していない分だけ自分流になじみやすい。
だまし騙しつきあって20年、今のMACは7代目。
といっても市販最新鋭機の2世代前のもので「巣、自分のベース」に就いて4年になる。
隣のVAIOノートはWinマシン2代目。
CD-ROM版の世界大百科事典が使いたくて、また当時組合でのパソコン講習会で見せる必要もあって買い潰した次の代。
今やMACは全生活の情報ベースに、Winは通信と移動時用にと出番もきまり、辞書も書店業界用・出版流通史用・珈琲エッセイ用・鍛造加工用・IT用語用・アダルト商品用と分かれ、デジタル辞典も百科辞典・国語・英和・和英を併用。
もちろん両者のデータ互換は確保したうえで。
パソコンも道具であるかぎりガタがくる。
使い勝手も不自由になる。
しかし捨てない。
自宅の屋根裏部屋に並べて、月に一度は一斉に動かす。
APPLE2からMAC-SE、クワドラ700と6代が居ならぶ姿を前に、たばこをふかす。
そんな時きまって、彼らは喋り始める。
「あの管理表のあそこがこう改善できるよ」「システムのここも改良できるし」と。
ドリップ珈琲が美味いひととき。

愛用の一品・私のお気に入り(4)

私は万年筆を30本くらい持っている。
特別なコレクターでもないし、マニアでもない。
机の上のペン立てに差しているだけだから無くすこともなく、これだけの数になったということである。
自分で買ったのが半分くらい。
誕生の祝いだといって貰ったり、2本は人のを「気に入ったから」といって強引に取り上げたのもある。
外国製の万年筆は海外旅行の時、国産のはバーゲンの時、そんな私の万年筆だが、その一本一本には思い出を持っている。
いつだったか、飲み屋のママからペリカンのかなり高価なものをプレゼントされた。
貰うのにはいろいろ理由があって、この万年筆だけは未だに新品で使わないで、ケースに入れたまま机の抽き出しに「隠している」。
いつも愛用している(イヤ、常用しているというべきである)のは結婚前に女房から貰った2000円のプラチナ万年筆。
女房は使いにくくなったが、このプラチナ万年筆は女房と反比例して年々快調である。

新年の課題・決意(2)

5年前、「雑誌・本を配達します」というチラシを各家庭や店舗に配布した。
500枚使って3、4軒から電話があった。
この頃では、チラシを1000枚配って、1、2軒から電話がある程度である。
確率がかなり低くなっている。
それでも、「雑誌を配達してほしい」というお客さんがおられるだけ、まだましである。
実は「苦境のときこそ、チャンスだ」と言えるのである。
そんな時にこそ、新しい方策、知恵が生まれてくるのである。
不況の時代ではあっても、商売の上手な人は売上げを伸ばしている。
それだけの方法論を持っている訳である。
平成14年は、チラシの配布プラス新しい営業の方策を進めるつもりである。
いつでも、元気で明るい書店でありたいと思う。
そうしていれば、売上げも増えてくるのである。

愛用の一品・私のお気に入り(2)

根が食いしん坊なので、よく気心の知れた友人達と会食する。
別に豪華なレストランということではなく、ビストロや少々変わった焼き鳥屋、和食でワインの店といったところ。
居心地が良くて美味しいのはもちろんのこと、その料理と器の取り合わせにはいつも感心させられる。
時々、プロのアイデアを頂戴しては家でも作ってみる。
そこでよく登場するのが染め付けの五寸皿である。
以前から益子や笠間などの焼き物を日常使いにしてきたが、数年前から骨董市で探すのを楽しみにしている。
が、「いいなあ」と思うのはやはり高い!ある日、店先での世間話から、アンティークギャラリーを開くという地元の旧家の奥様と出会った。
趣味が高じてご夫婦で首都圏の市にも出店しているとか。
ご自宅裏の大きな倉庫に特別に出入りさせていただいている。
古伊万里、九谷の鉢や大皿、そば猪口、豆皿など、もうワクワクしてしまう。
そこで出会ったのがこの5枚だ。
冴えた藍の花唐草模様が何とも言えず良い具合で、何を盛っても合いそうと思った。
実際、我が家での食事会では大活躍している。
イタリアンサラダがより美味しそうに映え、肉じゃがもしっかり納まる。
ブリ大根だってOK。
時にはチーズケーキやチョコも…とオールマイティなのである。
とても気に入っている。
そそっかしくてよく割ってしまい不揃いになったのを残念に思うことが多いが、この器は健在である。
大切に使っていきたいと思っている。

愛用の一品・私のお気に入り(1)

私がこの時期にこだわることと言えば、年末年始にだけ近所の酒屋で量り売りをしている「菊正宗」の樽酒です。
酔い心地が良く、後に残りません(注・私のことを一部で、日本酒を飲むと暴れると誹謗する人がいるが、何処かの業界紙の編集長と一緒にしないでもらいたいものです)。
何しろ昨年は、樽ごと買おうかと本気で考えたほどです。
どちらかというと、物にはあまりこだわらない方で、ブランド物にもあまり興味はありません。
ただ、今着ている「アクアスキュータム」のバックスキンのハーフコートだけはなかなか気に入っていて、もう15年位着ています。
問屋のバーゲンで割と安く手に入れた物ですが、当初は革が固くて体になじまず、しかも慣れないマフラーをしてはあっちこっちで失くしたりして、あまり好きなコートではありませんでした。
ところが数年前の旅行の時、網棚に丸めて放り投げたりして結構雑に扱っていたところ、ある日急に体になじんできました。
すると、まわりからの「いいコートですね」と言う声が耳に入ってくるようになります。
ここ1、2年毛が抜け気味なので(頭の話しじゃないよ)心配なのですが、もっと大事に着ていこうと思っています。
もっとも、私のような雑な男が乱暴に扱ってもシワクチャにならないのが、魅力なのですが。

新年の課題・決意(1)

私の商店街は、開店、閉店が日替わりメニューのように変わり、淋しい限りの現在です。
私たち書店も、厳しい状態が続き、明るさがさっぱり見いだせないようです。
私は、2002年は商店街の活性化に努力したいと存じております。
各商店街が元気になれば店の売上げも伸び、さすれば開店しても続くのではないかと思う次第です。
では、どのようにするか。
休眠中の商店のシャッター、ガラス窓等に、アートの広告をつけて明るくする。
各商店が独自のPOPを作って店を飾る。
商店全部が揃いの制服かハッピのようなものを作成して、商店街のイメージアップを図る。
年に2回くらいは、民間ラジオのスポット広告を流してもらう。
盆と暮れにはお客様に粗品を提供する。
例えば夏には「ウチワ」、暮れには「夫婦箸」等を差し上げる。
祭りには、提灯を出して祭りの雰囲気を盛り上げる。
このようにいろいろ考えれば、経費を少なくしても効果を上げることができるのではないかと思います。
全国の書店の皆さんも、私の商店街のような所は多いと思いますが、街の活性化が商売にプラスになるのではないかと新年の課題を述べてみました。